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ドクトル・ジバゴ 下巻 (新潮文庫 ハ 15-2) 文庫 – 1989/4/1

4.0 5つ星のうち4.0 10個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (1989/4/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1989/4/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 553ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4102284028
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4102284025
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 10個の評価

カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2012年2月3日に日本でレビュー済み
 デヴィッド・リーンの映画が有名な作品だが、私見ではボリス・パステルナークの小説の方が遥かに優れていると思う。もともと詩人であるパステルナークがなぜ小説を書いたのか。ロシア革命という祖国の一大転機と、それに翻弄され、流されゆく多くの民衆の姿をスケール豊かに抒情的に描いた作品に触れると、ロマネスクの構築という情熱に作者が駆り立てられたことを実感する。そこに描かれたジバゴとラーラの不倫の愛は確かに鮮やかなイメージを胸に刻むけれども、それも多くの民衆それぞれが抱える数知れぬ物語のひとつにすぎないという感慨をいだくことも確かなのである。作者はこの作品で全体と個の双方を見事に描ききったといえよう。それにしても、江川卓訳は美しい。「歩みゆき、練りゆくままに、『永遠の記憶』がうたわれた。」という最初の一行で、詩のようにリズムを刻み、読者を物語の中に引きこんでいく力がある。また、この下巻の最後には、ジバゴの詩が25編置かれている。小説では描ききれなかったものを詩が補完しているわけである。詩人パステルナークの面目躍如といえる部分であるが、小説にこれだけ多くの詩が挿入されるのは文学史上極めて珍しい。同じロシア出身の作家であるウラジーミル・ナボコフが、のちに『青白い炎』において長編詩と小説を並置する実験を試みているのは、おそらく世界中で絶賛された『ドクトル・ジバゴ』に触発されて対抗心を湧き上がらせたからではないか。ともあれ、この二作に、アレクサンドル・ソルジェニーツィンの『ガン病棟』を加えて、自由を圧殺するソビエト共産主義体制に決して与しなかった20世紀最高のロシア作家の三大傑作とわたしはみなしている。
24人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全体が日焼けして汚い。これは売ってはいけない。古雑誌として捨てるべき品だった