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血も心も: 新吸血鬼物語 (新潮文庫 タ 4-1) 文庫 – 1993/4/1

4.3 5つ星のうち4.3 5個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (1993/4/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1993/4/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 557ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4102404015
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4102404010
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 5個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.3つ
5つのうち4.3つ
5グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2018年10月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吸血鬼そのものがテーマというより、人間の生命力やエネルギーを奪い取る人間?とその行為がテーマのアンソロジー。

 いくつか好きな作品について、ネタバレにならない程度にご紹介します。 
「死は快楽」(ダン・シモンズ)
  ヴァンパイアが他者を操り、殺し合いをさせるシーンが凄まじい。
「海はどこまでもぬれにぬれ」(ゲイアン・ウィルスン)
  『鏡の国のアリス』の『セイウチと大工』を題材にした“食べられる話”。食べられるのは勿論牡蠣ではありません。
「銀の首輪」(ギャリー・キルワース)
  吸血鬼に惚れた女が身を守るために銀の首輪を注文する。孤島に住む男が語った奇怪な過去の話とは・・・。
「鈍刀で殺れ」(ハーラン・エリスン)
  世間はしばしば有能な人間の才能を喰いつくして捨てる。それはある意味“ヴァンパイア”的と言えるのかもしれません。
「静脈条虫」(スコット・ベイカー)
  シャーマンでもあり精神科医でもある男の、異界とこの世を行き来する奇妙な日常が饒舌に語られていく。女房を支配しようとサナダムシをある方法で使うのだが・・・。
「ラザロ」(レオニード・アンドレイエフ)
  三日間死の世界を彷徨い、生き返ったラザロのその後。こうした悲劇的な生を生きなければならないのだとしたら、イエスもラザロを蘇生させなかったに違いない。
「乾杯!」(ハーヴィ・ジェイコブズ)
  とあるお金持ちたちのクラブで振る舞われるのは・・・。突然異質な世界へ転がり落ちる様が小気味よい?
「飢えた目の女」(フリッツ・ライバー)
  本当に恐ろしいのは血を吸う吸血鬼ではなく、心を吸い取る吸血鬼?だ。女の最後の言葉が恐ろしい。
「闇の申し子」(スーザン・キャスパー)
  ドラキュラ伯爵ももしかして同じ病気だった?
「死者にまぎれて」(ガードナー・ドゾワ&ジャック・ダン)
  ナチスの強制収容所に吸血鬼が・・・地獄に悪魔? 

 その他、
  「砂漠のバンパイア、よみがえる」(シャロン・ファーバー)、「夜はいい子に」(エドワード・ブライアント)、「ジャンフィアの木」(タニス・リー)、「夜想曲」(スティーヴ・ラズニックテム)、「その悲しみを・・・」(チェット・ウイルアムスン)、「ホログラム」(ジョー・ホールドマン)、「汚れ仕事」(パッド・キャディガン)
 
 各編の始めに作者の紹介とごく簡単な作品の紹介、さらに各編末尾に一部ですが作者のコメントが書かれています。ただし作品によっては本編との区別がつきにくいものがありますのでご注意を。
 古くはありますが収録作品も多くお買い得です。
 吸血鬼ファンにはお勧めです。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
きょうから寝るまえの読書は、吸血鬼アンソロジー『血も心も』の再読。おもしろかったかな。これまたひとつも憶えていない。

1つ目のダン・シモンズの「死は快楽」は、シモンズの長篇『殺戮のチェスゲーム』の冒頭をはしょったものだった。意志の力で他人にいうことをきかせる超能力者同士の殺し合いを描いたもの。『殺戮のチェスゲーム』自体は別のところに主題があるし、分厚い上中下巻に分冊されたもので壮大な物語である。

2つ目のゲイアン・ウィルスンの「海はどこまでもぬれにぬれ」は、ルイス・キャロルの詩からインスパイアされたもの。短い作品だった。

3つ目のギャリー・キルワースの「銀の首輪」は、吸血鬼に聖水の注射をしたって話だ。はじめて読む話だ。この本もまた再読なのだけれど、すさまじい忘却力のせいではじめて読んだ気になるのであった。

4つ目のハーラン・エリスンの「鈍刀で殺(や)れ」説教伝道師が聴衆の犠牲になっているという話だ。直接、血を吸われるために、とうとう一人の少女に刺されてしまったというわけ。

5つ目のスコット・ベイカーの『静脈条虫」シャーマンと呼ばれる魔術師の物語。おもしろかった。ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』を思い出した。話はぜんぜん違うけれど。

6つ目のレオニード・ニコライヴィッチ・アンドレイエフの「ラザロ」読みながら、どんな物語か思い出していた。さいごのところが思い出されなかったけれど、物語自体は興味深かった。ラザロについては、ゾンビのアンソロジーでも触れられていた。なんといっても、よく知られた話だからね。

7つ目のハーヴィ・ジェイコブズの「乾杯!」アイデアがさえてるって感じ。

8つ目のシャロン・ファーバーの「砂漠のヴァンパイア、よみがえる」読んでも意味がぜんぜんわからない話だった。吸血鬼も出てこず、怪奇ものですらなかった。

9つ目のエドワード・ブライアントの「夜はいい子に」は、逆転の発想でおもしろかった。少女たちにエネルギーを奪われる吸血鬼の物語だった。

10作目、フリッツ・ライバーの「飢えた目の女」タイトル通りの作品だった。

11作目のタニス・リーの「ジャンフィアの木」雰囲気のある作品だった。伏線もしっかりしていたし。

12作目のスーザン・キャスパーの「闇(やみ)の申し子」医学的な理由で血を欲する女性の話。吸血鬼って感じはしなかった。

13作目のスティーヴ・ラズニック・テムの「夜想曲」は詩だった。なにも感じない。

14作目のガードナー・ドゾワ&ジャック・ダンの「死者にまぎれて」は、ナチ収容所に囚われていたユダヤ人の吸血鬼の物語だった。これは、シモンズの長篇『殺戮のチェスゲーム』と重なる部分もあって、おもしろく読めた。

15作目のチェット・ウィリアムスンの「その悲しみを……」役者の話。他の役者の才能を奪う話。血ではなく、感情を奪うのだ。

16作目は、SF作家としてよく知られた、ぼくの大好きなジョー・ホールドマンの「ホログラム」これは詩だった。感情移入できなかった。

17作目、さいごに収録されていた物語はSF。才能の枯渇した芸術家が、こころに接触する機械を操る主人公に診てもらう話。けっきょく芸術家は、現状維持を望み、才能は枯渇したままという話。この本も5点満点中、3点といったところか。