著者ドリス・レッシングは、社会のタブーにメスを入れる作家だったそうだ。
色々な読み方が出来て、興味深い一冊だ。
ベンは、本当のところ、障がい児なのかどうか、よくは分からない。
医者や学校の先生はとくに異常はみられないといい、
そのわりには、母親があやしても子供らしい反応を示さず、社会性も乏しく、
ひょっとして、今流行の自閉症なのか、
あるいは学習障害なのか。。。
イギリスの階級社会という問題もある。
障害を持った子供への接し方、
あるいは必ずしも障害を持っていなくとも、ベンのように家族の他のメンバーとは毛色の違った存在対する接し方も、
上流階級のデイビットの親たちと、中流階級のハリエットの母親とでは違っている。
また同じ上流階級でも、デイビットの離婚した父親と母親とでも、考え方は違う。
60年代の、子供を出来るだけ少なく生む代わりに丁寧に育てるのが良いという考え方が定着しつつあった時代、
子沢山で両親のそろった、幸せな家庭を築こうとしたカップル、デイビットとハリエットは、
ほとんど毎年、出産直後か妊娠中という生活。
家は大きく、しかも、日本で言えば盆と正月にあたる、クリスマスとイースターに、親戚がこぞってこの家にやってきて、数週間滞在する。
共働きが出来ず、出費の多い家計は、デイビットの父親の援助なしには立ち行かない経済状態。
家事はハリエットの母親が住み込み頼み。
それでも、なんとか、誰もが羨む幸せな家庭だったところに、ベンが誕生。
ドリス・レッシングは社会がはっきり認識しようとしないものをちらりちらりとかいま見させてくれる。
この先は少しネタバレになりそうなので、それがいやな人は読まないでください。
なかでも興味深かったのは、ベンがいよいよ手に負えないとなったとき、施設に入れようという話をしているとき、
ハリエットの姉のアンジェラが「典型的な上流階級の非常さ」といい、
一旦施設に入れたベンを取り戻してきたハリエットに対して、デイビットが言ったことば(148頁)を、
本書の日本語訳がしっくりこなかったので、意訳させていただく。
「いったい、施設で何が起きていると思っていたのかい?ベンが社会の一員として適応するようにしつけてくれるとでも思っていたのかい?それで、なにもかもうまくいくとでも思っていたのかい?」
最後に、翻訳者による、解説は面白かった。
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破壊者ベンの誕生 (新潮文庫 レ 6-1) 文庫 – 1994/8/1
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1994/8/1
- ISBN-104102436014
- ISBN-13978-4102436011
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1994/8/1)
- 発売日 : 1994/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 240ページ
- ISBN-10 : 4102436014
- ISBN-13 : 978-4102436011
- Amazon 売れ筋ランキング: - 135,151位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2009年2月17日に日本でレビュー済み
ベンが生まれるまでのささいな不安の積み重ねにいちばんのサスペンスがある。
次々と生まれつづける子どもたち。
度を超えた出費。
しかし、浪費家、遊び人の夫婦ではない。
破壊者ベンさえ生まれなければ、
子だくさんのがんばり屋ということで、うまく人生を終えることもできたであろう夫婦である。
そして、すでにあった大きな空洞は、ベンが生まれることで踏み破られ大家族は破綻する。
しかし、ベンの破壊者、悪魔、異物のレベルはいまひとつつかめない。
母親の脅しに従ったりもするし、自分を制する術を見つける時期もある。
テレビも見る。いったい、どの程度の異形のものなのか。
母親は、彼とどうやって生きて行こうとしたのか。
徹底しない感じるも受けるが、読み手の偽善的常識を一撃する話ではある。
次々と生まれつづける子どもたち。
度を超えた出費。
しかし、浪費家、遊び人の夫婦ではない。
破壊者ベンさえ生まれなければ、
子だくさんのがんばり屋ということで、うまく人生を終えることもできたであろう夫婦である。
そして、すでにあった大きな空洞は、ベンが生まれることで踏み破られ大家族は破綻する。
しかし、ベンの破壊者、悪魔、異物のレベルはいまひとつつかめない。
母親の脅しに従ったりもするし、自分を制する術を見つける時期もある。
テレビも見る。いったい、どの程度の異形のものなのか。
母親は、彼とどうやって生きて行こうとしたのか。
徹底しない感じるも受けるが、読み手の偽善的常識を一撃する話ではある。
2008年9月3日に日本でレビュー済み
この本の感想はありすぎて書ききれない。
似たもの同士のデイヴィッドとハリエットは結婚し家を買い
たくさん子供を作って明るく幸せな家庭を実現させようとする。
一見人間として当たり前の欲求に従った行動のように思える。
しかし、これは結果として実現されなかった。
まず、収入に合わないホテルにような家を買ったこと。
これにより再び親のすねをかじることになった。
次に無計画な妊娠。これでドロシーに
子育てを手伝ってもらわざるを得なくなった。
この可能な限り満たさんとする暴走した欲望が飽和した時
ベンは産まれた。そして家庭は結果として半壊した。
ハリエットが罰を受けているスケープゴートだと言ったように
厚かまし過ぎる幸せへの欲求のためにこういった結果が訪れたのかもしれない。
現実は個人の欲求とは別の次元に存在し
時にそれは欲が肥大し過ぎた人間に厄災をもたらすのだろうか。
デイヴィッドの小さい時の経験による欲求が
自分の子供の心理にではなく、立派な家とたくさんの子供という
ハード面に向いた事も不幸であった。
この本のカバーを見た時、私もはじめベンは何者なのかと思った。
ゴブリンなのか、ホビットなのか、宇宙人なのか、
一つだけはっきりしている。ハリエットとデイヴィッドの子供である。
「かわいそうなベン」というベンのセリフ、
ジョンが来ない時むずがったりしくしく泣いたり
バイクの後ろに乗って笑ったり、
かわいそうという認識があり、喜怒哀楽もある。
普通の感情を持ち合わせている。
ただ遺伝的な要素(ハリエットの意見を借りれば)によって
他の子供と外見や行動が違うというだけで
体内にいる時から薬漬けにされ
生まれてからは白い目で見られ
父親や兄弟、親戚に見捨てられ
物心つく前に施設に入れられまた薬漬けにされ
殺されそうになり…
子供達が鍵をかけて寝ている時、ベッドをそっと抜け出し
部屋を出、薄暗がりの中で彼らを見つめていたベンは
どんな気持ちだっただろうか。
私にはかわいそうでならなかった。
ベンは自分とは違う周りの人間を理解しようと努めていた。
しかし、父親と兄弟と親戚は自分達の『幸せ』の
障害となるベンを分かろうともしなかった。
ここらへんは排他的・階級社会のイギリスの象徴かもしれない。
ハリエットは分かろうとしたが、結局分からなかった。
そこがまた悲しい。しかし読者に考えさせる著者の手法かもしれない。
著者はジンバブエやイランにも住んでいたらしいが
ベンはそこにいた原始的な生活をする人や差別されていた人がモデルだろうか。
ベンがもし、人々が日常的に狩りをし、金属を叩いて斧やナイフを作り
肉体を駆使する世界に生まれていたら、扱いが全然違ったのだろう。
最後ベンは、他の軽い女性と自分は違うと思っていたハリエットが
デイヴィッドのような保守的な男性を探していたように
自分と同じような仲間を探しに旅立っていく。
ベン一人にこの家庭の責任を背負わすべきだろうか?そうではないと思う。
施設にいたさまざまな奇形の子供。
子供一人作るには本来、自分のエゴを超えた
それだけの覚悟が必要なのかもしれない。
似たもの同士のデイヴィッドとハリエットは結婚し家を買い
たくさん子供を作って明るく幸せな家庭を実現させようとする。
一見人間として当たり前の欲求に従った行動のように思える。
しかし、これは結果として実現されなかった。
まず、収入に合わないホテルにような家を買ったこと。
これにより再び親のすねをかじることになった。
次に無計画な妊娠。これでドロシーに
子育てを手伝ってもらわざるを得なくなった。
この可能な限り満たさんとする暴走した欲望が飽和した時
ベンは産まれた。そして家庭は結果として半壊した。
ハリエットが罰を受けているスケープゴートだと言ったように
厚かまし過ぎる幸せへの欲求のためにこういった結果が訪れたのかもしれない。
現実は個人の欲求とは別の次元に存在し
時にそれは欲が肥大し過ぎた人間に厄災をもたらすのだろうか。
デイヴィッドの小さい時の経験による欲求が
自分の子供の心理にではなく、立派な家とたくさんの子供という
ハード面に向いた事も不幸であった。
この本のカバーを見た時、私もはじめベンは何者なのかと思った。
ゴブリンなのか、ホビットなのか、宇宙人なのか、
一つだけはっきりしている。ハリエットとデイヴィッドの子供である。
「かわいそうなベン」というベンのセリフ、
ジョンが来ない時むずがったりしくしく泣いたり
バイクの後ろに乗って笑ったり、
かわいそうという認識があり、喜怒哀楽もある。
普通の感情を持ち合わせている。
ただ遺伝的な要素(ハリエットの意見を借りれば)によって
他の子供と外見や行動が違うというだけで
体内にいる時から薬漬けにされ
生まれてからは白い目で見られ
父親や兄弟、親戚に見捨てられ
物心つく前に施設に入れられまた薬漬けにされ
殺されそうになり…
子供達が鍵をかけて寝ている時、ベッドをそっと抜け出し
部屋を出、薄暗がりの中で彼らを見つめていたベンは
どんな気持ちだっただろうか。
私にはかわいそうでならなかった。
ベンは自分とは違う周りの人間を理解しようと努めていた。
しかし、父親と兄弟と親戚は自分達の『幸せ』の
障害となるベンを分かろうともしなかった。
ここらへんは排他的・階級社会のイギリスの象徴かもしれない。
ハリエットは分かろうとしたが、結局分からなかった。
そこがまた悲しい。しかし読者に考えさせる著者の手法かもしれない。
著者はジンバブエやイランにも住んでいたらしいが
ベンはそこにいた原始的な生活をする人や差別されていた人がモデルだろうか。
ベンがもし、人々が日常的に狩りをし、金属を叩いて斧やナイフを作り
肉体を駆使する世界に生まれていたら、扱いが全然違ったのだろう。
最後ベンは、他の軽い女性と自分は違うと思っていたハリエットが
デイヴィッドのような保守的な男性を探していたように
自分と同じような仲間を探しに旅立っていく。
ベン一人にこの家庭の責任を背負わすべきだろうか?そうではないと思う。
施設にいたさまざまな奇形の子供。
子供一人作るには本来、自分のエゴを超えた
それだけの覚悟が必要なのかもしれない。
2007年11月27日に日本でレビュー済み
題名とあらすじを読むと、映画『悪魔の赤ちゃん』のようなホラー調の話なのかと思ってしまうが、
実際はそんなに単純な物語ではない。
作中で実の親や親族からまるで魔物のように語られ、題名では「破壊者」と冠されているベンは、
実は見方によっては普通の子供だ。
ただ、容姿や性質、能力などが彼らの思う「普通」ではなかっただけのことなのだ。
物語はベンを普通でないと思う人々の視点から描かれていくので、ベンという異形の存在のために
愛情溢れる夫婦や親子の関係が破綻しはじめ、やがて全ての幸せが崩れていくかのように見えるが、
これも視点を変えれば、そんなものは元々存在していなかったのではないかとも思える。
理想を求めて身の丈に合わない生活をし、そのために周囲に協力を強いる若夫婦や、そんな彼らを
内心では否定しつつも、何かの救済のようにかりそめの団欒を求めて彼らの家に集まる親戚たちが
歪な存在でないと言えるのであろうか?
しかし、ベンの視点から、あるいは完全な第三者の視点から、同じ物語が語られることは全くない
ため何が真実なのかは結局明らかではない。
この物語の受け止め方は人それぞれであろう。
描かれている事実だけを見て、それこそホラー調に、ベンは人外の存在であるとか子供の姿を借りて
現われた災厄だとかいう読み方をしてもいいだろうし、集団の中に異質な存在が現われた時のリアルな
物語として受け止めることもできる(思えばベンの父母もかつては異質な存在であったのだ)。
あるいは、家族のあり方や愛情についての物語と読んでもいいかもしれない。
いずれにしても読後感は良くないが、色々と考えさせられる面白い作品だ。
実際はそんなに単純な物語ではない。
作中で実の親や親族からまるで魔物のように語られ、題名では「破壊者」と冠されているベンは、
実は見方によっては普通の子供だ。
ただ、容姿や性質、能力などが彼らの思う「普通」ではなかっただけのことなのだ。
物語はベンを普通でないと思う人々の視点から描かれていくので、ベンという異形の存在のために
愛情溢れる夫婦や親子の関係が破綻しはじめ、やがて全ての幸せが崩れていくかのように見えるが、
これも視点を変えれば、そんなものは元々存在していなかったのではないかとも思える。
理想を求めて身の丈に合わない生活をし、そのために周囲に協力を強いる若夫婦や、そんな彼らを
内心では否定しつつも、何かの救済のようにかりそめの団欒を求めて彼らの家に集まる親戚たちが
歪な存在でないと言えるのであろうか?
しかし、ベンの視点から、あるいは完全な第三者の視点から、同じ物語が語られることは全くない
ため何が真実なのかは結局明らかではない。
この物語の受け止め方は人それぞれであろう。
描かれている事実だけを見て、それこそホラー調に、ベンは人外の存在であるとか子供の姿を借りて
現われた災厄だとかいう読み方をしてもいいだろうし、集団の中に異質な存在が現われた時のリアルな
物語として受け止めることもできる(思えばベンの父母もかつては異質な存在であったのだ)。
あるいは、家族のあり方や愛情についての物語と読んでもいいかもしれない。
いずれにしても読後感は良くないが、色々と考えさせられる面白い作品だ。
2008年1月30日に日本でレビュー済み
たくさんは売れそうもない海外の地味な現代小説が文庫で出ると、びっくりしちゃう。こっちとしては安いし本棚の場所もとらないのでうれしいのだけれど。本書の場合、出版社はホラーのつもりで出したとしか考えられないな。まあ、たとえばイアン・バンクスの「蜂工場」のようなサイコホラーといえなくもないけれど。
実際は国際人口会議ではないが、リプロダクティブヘルスに関する小説である。男女が結婚し、たくさん子供をつくろうとは思う。しかし、身分不相応な大きな家を購入し、さらに予定よりも2年も早く、望まない妊娠をしてしまう。子供は次々に生まれ、互いの両親の援助もあって、どうにかやってきた。しかし、それも5番目の子、ベンが生まれるまでだった。ベンはまるでこの家庭の憎しみのすべてを集めるために生まれてきたようだ。出産という運命を受入れさせられながら、それによって孤立する母親の話なのである。もし本書がホラーだとするなら、不合理な立場に置かれた全世界の女性の現実がホラーだといえる。
実際は国際人口会議ではないが、リプロダクティブヘルスに関する小説である。男女が結婚し、たくさん子供をつくろうとは思う。しかし、身分不相応な大きな家を購入し、さらに予定よりも2年も早く、望まない妊娠をしてしまう。子供は次々に生まれ、互いの両親の援助もあって、どうにかやってきた。しかし、それも5番目の子、ベンが生まれるまでだった。ベンはまるでこの家庭の憎しみのすべてを集めるために生まれてきたようだ。出産という運命を受入れさせられながら、それによって孤立する母親の話なのである。もし本書がホラーだとするなら、不合理な立場に置かれた全世界の女性の現実がホラーだといえる。
2005年9月19日に日本でレビュー済み
まるで西洋の子鬼、ゴブリンのような五人目の子供、ベン。肉体的に強く、動物的な習性を持つベンを持て余した家族の行動とその行方についての話。
リアルなのが、ベンが生まれて育っていくまでの描写。異物が体内にあるという不吉な予感、愛すべきなのに愛せない母の葛藤、見て見ぬふりをしたり、何も分かっていないくせに口を挟んだりうる周囲の反応。まるで体験談だ。あるいはベンが象徴する何かが同じ状況を作り出すということなのか。
絶賛しておきながら星が少ないのは、日本語訳に少し問題が感じられるから。一寸法師とゴブリンを同列に並べるのは文脈からおかしいし、その他の表現にもどこか「表面的に訳した・意味をつかみきれていないのに訳した」という部分がないこともない。
もっと日本で売れてそうな内容なのだが。
リアルなのが、ベンが生まれて育っていくまでの描写。異物が体内にあるという不吉な予感、愛すべきなのに愛せない母の葛藤、見て見ぬふりをしたり、何も分かっていないくせに口を挟んだりうる周囲の反応。まるで体験談だ。あるいはベンが象徴する何かが同じ状況を作り出すということなのか。
絶賛しておきながら星が少ないのは、日本語訳に少し問題が感じられるから。一寸法師とゴブリンを同列に並べるのは文脈からおかしいし、その他の表現にもどこか「表面的に訳した・意味をつかみきれていないのに訳した」という部分がないこともない。
もっと日本で売れてそうな内容なのだが。
2009年8月6日に日本でレビュー済み
「破壊者ベンの誕生」という邦題がついているが、原題を訳すと「5番目の子供」となるらしい。作中の主人公であるベンは、世界を滅ぼす者=破壊者ではなくて、家庭を家族を潰す者=破壊者である。文庫の裏カバーの概要だけ見ると勘違いしそうだが・・・。
本書は、SFともミステリーともサスペンスとも言えぬ、いわば新感覚の小説で従来の日本小説にはないような小説である。訳者の訳が非常にすばらしいのだが、もともとの原本もおそらくすばらしいのだろうと感じた。他の人の評価があんまり良くないのはとても残念だが、一度読むべしと薦めたい一冊だ。
本書は、SFともミステリーともサスペンスとも言えぬ、いわば新感覚の小説で従来の日本小説にはないような小説である。訳者の訳が非常にすばらしいのだが、もともとの原本もおそらくすばらしいのだろうと感じた。他の人の評価があんまり良くないのはとても残念だが、一度読むべしと薦めたい一冊だ。