著者は亡父の無感情さ、無感覚さを次々に発見して戸惑い続ける。
こういう、感覚や感情のない人間というのは、実際に少なくない。
たとえばA・カミュ「異邦人」の主人公ムルソーが、まさしくそうであった。
そして、実をいうと若い頃の自分もこうであったから、自分はこの本の著者であるP・オースターにとても感謝している。よくぞこのタイプの人間をわかりやすく描写してくれたと。
ちなみに今の自分は幸いにしてそうではないので、この小説を読むことは若かった頃の自分を弔う感覚があり、それで、かけがえのない小説に出会ったという思いがとても強い。
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孤独の発明 (新潮文庫) 文庫 – 1996/3/28
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- 本の長さ307ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1996/3/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-10410245103X
- ISBN-13978-4102451038
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1996/3/28)
- 発売日 : 1996/3/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 307ページ
- ISBN-10 : 410245103X
- ISBN-13 : 978-4102451038
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 15,710位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2023年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ここに描かれる父親は自ら望んで孤独に浸り、それを当然のこととして生き、そして生涯を終えた。お見事です。
2013年5月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この小説は2部構成からなりますが、前半は特に圧巻の出来栄えと言っていいかと思います。
オースターの父親の生涯が、彼の遺品を整理する中でオースター本人によって明らかにされていくといった話です。
なんといいますか読者を鷲掴みにして離さない凄まじいまでの心理描写を伴いながら、オースターは、父親が「発明した孤独」を徐々に発見していくのです。より正確には「発明しててしまった、されてしまった孤独」でしょうか。
ページをめくる手が止まらなくなり、読後は何ともいえない気持ちになる一冊ですが、ご一読をお勧めします。
オースターの父親の生涯が、彼の遺品を整理する中でオースター本人によって明らかにされていくといった話です。
なんといいますか読者を鷲掴みにして離さない凄まじいまでの心理描写を伴いながら、オースターは、父親が「発明した孤独」を徐々に発見していくのです。より正確には「発明しててしまった、されてしまった孤独」でしょうか。
ページをめくる手が止まらなくなり、読後は何ともいえない気持ちになる一冊ですが、ご一読をお勧めします。
2016年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人間の孤独と繋がりを浮き彫りにした作品でした。国や状況下は違っても誰にも当てはまる部分がこの作品には一行は出てきます。少し気分が暗くなってしまうのが、いいような悪いような
2018年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は2部構成になっており,前半後半で雰囲気がだいぶ違います.
前半は父の死をきっかけに,彼の人生,ひいては彼の孤独に想いを馳せる話.
後半は,孤独や死ついてつらつらととりとめのない連想を巡らせるという話.
前半は比較的楽しめましたが,後半は微妙.
オースターファンなら読む価値はあると思いますが,オースター入門として手に取るには向いていない一冊でしょう.
前半は父の死をきっかけに,彼の人生,ひいては彼の孤独に想いを馳せる話.
後半は,孤独や死ついてつらつらととりとめのない連想を巡らせるという話.
前半は比較的楽しめましたが,後半は微妙.
オースターファンなら読む価値はあると思いますが,オースター入門として手に取るには向いていない一冊でしょう.
2023年1月2日に日本でレビュー済み
オースターの作品の中でも、何度も読み返してしまう大好きな作品。
2020年6月6日に日本でレビュー済み
一瞬一瞬人は存在し次の瞬間その出来事は記憶の中での出来事に代わる。父、祖父の死とその記憶。言葉に残すことで生き続ける。自分の体験した記憶。それらを言葉でつづる言葉の力。自分の死と自分を記憶してくれる子供の存在。読語こんなことを考えてました。
自分の記憶を言葉で書き記しておきたい感じにとらわれたような、その行為を哲学的に考察しているような本かなあと感じました。
自分の記憶を言葉で書き記しておきたい感じにとらわれたような、その行為を哲学的に考察しているような本かなあと感じました。
2017年3月23日に日本でレビュー済み
第一話の『見えない人間の肖像』では見えない父への渇望。本当の父親が見えなくて自分が見えるはずもない。父の遺産を調べるうち、父の過去が次々と明らかになる。オースター自身もまた自分が何者であるかに目覚めていく。父子愛とはこれほどまでに崇高なのか。殆ど自伝そのままに思えなくもないが、オースターは"自伝ではなく、僕自身をモデルにした事故の成り立ち方について探った作品"とある。彼にとって、父が見えない肖像であると同時に、父の父も見えない人間だったのだ。見えない父親を見て育った二人の男。その父の死をきっかけに父の生を垣間見ることが出来たのだ。そして、再びその肖像に幕を下ろす。しかし、誰であれ、誰かについて何かを言おうとする事の虚しさだけが残るのだ。
第二話の『記憶の書』は、今度は全く見えない物語、見えない人間の物語。主人公のAは『記憶の書』という本を書いてる。自分の頭の中に浮かんでくる様々な思いに基づく記憶について。Aは世界から引き籠る事で無数の世界の声を豊かに受信する。他人の精神を知ろうとして、他人の精神の中に潜り込み、その中に潜む孤独を探り出す。それこそが孤独の発明という事になろうか。
あらすじとしては、1979年クリスマスイブのNY。主人公Aは旧約聖書のヨナとピノキオが類似してるのに気付き、思索を始める。彼は過去、パリやアムステルダム、ロンドンを旅行したのを思い出す。様々な事象を思い出し、言葉、記憶、虚無、死について、オースター自身の見解が述べられてる。
特に、"書く事には意味はないし、言葉は真理ではない。それは我々が世界において存在するその在り方である。言葉のお遊びは単に心の働きを調べる事、心が見た世界の一部を映し出すに過ぎない。同様に、世界もまた無限に錯綜した結び付きの網の総体に他ならない"との彼の言葉はこの作品の全てを物語ってる。
第二話の『記憶の書』は、今度は全く見えない物語、見えない人間の物語。主人公のAは『記憶の書』という本を書いてる。自分の頭の中に浮かんでくる様々な思いに基づく記憶について。Aは世界から引き籠る事で無数の世界の声を豊かに受信する。他人の精神を知ろうとして、他人の精神の中に潜り込み、その中に潜む孤独を探り出す。それこそが孤独の発明という事になろうか。
あらすじとしては、1979年クリスマスイブのNY。主人公Aは旧約聖書のヨナとピノキオが類似してるのに気付き、思索を始める。彼は過去、パリやアムステルダム、ロンドンを旅行したのを思い出す。様々な事象を思い出し、言葉、記憶、虚無、死について、オースター自身の見解が述べられてる。
特に、"書く事には意味はないし、言葉は真理ではない。それは我々が世界において存在するその在り方である。言葉のお遊びは単に心の働きを調べる事、心が見た世界の一部を映し出すに過ぎない。同様に、世界もまた無限に錯綜した結び付きの網の総体に他ならない"との彼の言葉はこの作品の全てを物語ってる。