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リヴァイアサン (新潮文庫) 文庫 – 2002/11/28
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購入オプションとあわせ買い
一人の男が道端で爆死した。製作中の爆弾が暴発し、死体は15mの範囲に散らばっていた。男が、米各地の自由の女神像を狙い続けた自由の怪人(ファントム・オブ・リバティ)であることに、私は気付いた。FBIより先だった。実は彼とは随分以前にある朗読会で知り合い、一時はとても親密だった。彼はいったい何に絶望し、なぜテロリストになったのか。彼が追い続けた怪物リヴァイアサンとは。謎が少しずつ明かされる。
- 本の長さ413ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2002/11/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104102451072
- ISBN-13978-4102451076
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価格 | ¥737¥737 | ¥781¥781 | ¥649¥649 | ¥605¥605 | ¥1,100¥1,100 | ¥781¥781 |
【新潮文庫】ポール・オースター 作品 | 全米から募り、精選した「普通」の人々のちょっと不思議で胸を打つ実話180篇。『トゥルー・ストーリーズ』と対をなすアメリカの声。 | 透明感あふれる音楽的な文章と意表をつくストーリー──オースター翻訳の第一人者によるデビュー小説の新訳、待望の文庫化! | 探偵ブルーが、ホワイトから依頼された、ブラックという男の、奇妙な見張り。探偵小説?哲学小説?アメリカ文学の代表作。 | 世界との絆を失った僕は、人生から転落しはじめた……。奇想天外な物語が躍動し、月のイメージが深い余韻を残す絶品の青春小説。 | 〈望みのないものにしか興味の持てない〉ナッシュと、博打の天才が辿る数奇な運命。現代米文学の旗手が送る理不尽な衝撃と虚脱感。 |
リヴァイアサン | 幻影の書 | オラクル・ナイト | ブルックリン・フォリーズ | 写字室の旅/闇の中の男 | |
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カスタマーレビュー |
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価格 | ¥825¥825 | ¥781¥781 | ¥737¥737 | ¥990¥990 | ¥880¥880 |
全米各地の自由の女神を爆破したテロリストは、何に絶望し何を破壊したかったのか。そして彼が追い続けた怪物リヴァイアサンとは。 | 妻と子を喪った男の元に届いた死者からの手紙。伝説の映画監督が生きている?その探索行の果てとは──。著者の新たなる代表作。 | ブルックリンで買った不思議な青いノートに作家が物語を書き出すと……美しい弦楽四重奏のように複数の物語が響きあう長編小説! | 「愚行(フォリーズ)の書」を綴り、静かに人生を終えるはずだった主人公ネイサンの思いもかけない冒険の日々──愛すべき再生の物語。 | 私の記憶は誰の記憶なのだろうか。闇の中から現れる物語が伝える真実。円熟の極みの中編二作を合本し、新たな物語が起動する。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2002/11/28)
- 発売日 : 2002/11/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 413ページ
- ISBN-10 : 4102451072
- ISBN-13 : 978-4102451076
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 145,471位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年8月12日に日本でレビュー済み
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いい話
2024年5月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ベトナム戦争こそがソ連がアメリカに仕掛けた最大の破壊工作だと言ったアメリカの作家兼映画評論家がいた。競合する相手が互いに似て来るというのが社会学的真理、ciaだのfbiだのが、アメリカ国内で今も対テロ作戦を続行中、本書に遠いヒーローとして名前だけ出て来るジョン・ブラウンは十九世紀の反奴隷制運動の活動家、軍隊を組織して米軍兵器工場を襲撃、アメリカの奴隷制史には欠かせない人物。僕が個人的に翻訳している『西洋文化と奴隷制の問題』(1968年ピューリツアー賞)をどこの誰も出版してくれない。もっとも自由主義経済自体を否定している本なので、EUでも受け入れられていないかも。
2013年1月27日に日本でレビュー済み
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本作の評価はイッパツマンさんのレビューで的確に捉えられていると思う。従ってその繰り返しになってしまうと思うのだが、拙文を記してみる。〜本作は文庫巻末の訳者・柴田元幸氏の文章にあるようポール・オースターの作品の中では「誰の物語」と整理できないところに特色がある。なるほど、個々のエピソードや心理描写はさすがに巧く、それぞれが一個の中編や短編として成立してしまうレベルにある。しかし作劇の基本に立ち戻ってみると、冒頭からある政治性を帯びた謎の事件ではじまり、そこを中心とするのであれば、個々のエピソードと心理劇はサックスがなぜあのような行為を起こすに至ったのかを、間接的にあぶり出すものとして機能していなくてはならないはずだ。しかし、前述したように--いくつかの例外はあれ--サックスの事件とはほぼ関わりないかたちでそれぞれのエピソードが完結してしまっている。特に前半部分のピーターを中心としたエピソードは余りに長く、僕としては冗漫に感じた。
単純に言ってしまうと、作品全体が個々のエピソードで完結しすぎ、--イッパツマンさんの表現をお借りするしかないのだが--一つの作品としてテーマが絞り込めていないのだ。〜著者はおそらく青年期から中年期にいたる群像劇を作りたかったのだと思う。そうであれば、もっと長い作品としてサックスのエピソードをワンオブゼムと設計することによって、本作より大きな物語に仕上げるべきだったのではないか。本作の作劇スタイルに沿っていえば、残念ながらやはり、焦点が絞りこめていない、としか言いようがないのだ。
単純に言ってしまうと、作品全体が個々のエピソードで完結しすぎ、--イッパツマンさんの表現をお借りするしかないのだが--一つの作品としてテーマが絞り込めていないのだ。〜著者はおそらく青年期から中年期にいたる群像劇を作りたかったのだと思う。そうであれば、もっと長い作品としてサックスのエピソードをワンオブゼムと設計することによって、本作より大きな物語に仕上げるべきだったのではないか。本作の作劇スタイルに沿っていえば、残念ながらやはり、焦点が絞りこめていない、としか言いようがないのだ。
2006年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ここでの評価や他のblog等で評判がよかったので読みました。
ポールオースターの作品を初めて読んだのですが、
とても良くできた作品だと思います。
久しぶりに人に紹介できる作品にめぐり合えて本当によかったです。
ポールオースターの作品を初めて読んだのですが、
とても良くできた作品だと思います。
久しぶりに人に紹介できる作品にめぐり合えて本当によかったです。
2004年1月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
オースターがこだわっているように見える二つの問題は、「人は世界に対して全く無関心になれるのか」と「人が一瞬にして変われるのか」という問題のように思える。人は一瞬にして変われないから、破滅した人間(この本ではサックス)も、実は破滅する前からずっとそれを待ち望んでいたのだ、ということになる。すると主人公がサックスを物凄く強い男だと思って崇拝していた頃から、サックスには弱い面もあったことになって、主人公はその両面性に混乱する。この本では善悪、強弱、正誤の両面性が繰り返し出て、主人公は世界を簡単には割り切れないものと知り、いっさいを超越した無関心に浸されていく。無関心は力を生み、この作品の場合、主人公の小説執筆が進む(だからこの本のサビは、ラストよりずっと前の、サックスに不倫がばれる場面にある)。
世界に対する簡単な割り切ったものの見方が横行する中で、オースターのこの両面性に対する配慮─分厚いものの見方─がどのような力を持つのか(今はまだはっきり書けていないと思う。主人公の執筆している小説の中身がそれに当たると思うのだが、それが空白のままなので)。彼はこの点を中心に据えて、分厚い質感の作品を作り続けていくと思う。
世界に対する簡単な割り切ったものの見方が横行する中で、オースターのこの両面性に対する配慮─分厚いものの見方─がどのような力を持つのか(今はまだはっきり書けていないと思う。主人公の執筆している小説の中身がそれに当たると思うのだが、それが空白のままなので)。彼はこの点を中心に据えて、分厚い質感の作品を作り続けていくと思う。
2016年11月6日に日本でレビュー済み
人それぞれが心の闇に持つ、その闇の中に潜むリバイアサン。もう一人の自分という得体の知れない化物をどうやって上手く飼い慣らすのか。
まず感心するのは、登場人物像の奥行きと深さと重さだ。誰もがそれぞれに独自のリバイアサンを心の闇に抱え、一見何不自由なく生きている。オースターの作品には人生の”何でもあり”が詰まってる。彼のファンの一人から贔屓目に言わせてもらえば、整備されたアスファルトならフィッツジェラルド、原生林の中を走らせたらカポーティ、何でもありのオフロードなら著者の領域である。
彼の文才は上記の偉大なる二人に比べても勝るとも劣らない。天才的というより多才的。傑作というより力作。よくもここまでいろんな事を考えつくもんだなって、読む度に感心する。
この本は、ものを書く事でもう一人の自分と上手く共存する男と、物書きを諦め、心の闇の中のリバイアサンに支配され、宿命に運命を重ね合わせる男との友情の物語。"現実の国家は腐敗しても、その現実の国家が目指す理想の国家は理念として生き続ける"と、訳者の柴田氏も語っておられるが、人の心が腐敗してもその人の持つ理想と理念は、死んだ後も延々と行き続ける。
爆発魔に成り下がった狂気の怪人が、最後は自ら爆死してその波乱と奇才に満ちた生涯を誰にも知られることなく終える。それを知ってるのは、生涯最高の友人でもある売れないこの本の主人公でもある小説家のピーターだけだ。
彼の生涯の友人であるサックスの狂気に満ちた犯罪の一部始終を、ある日突然聞かされる。ピーターに出来る事は、沈黙と彼の物語を小説にすることだけだ。自分に対する義務と彼に対する友情が良心を曇らせてしまう。しかし、サックスが自らの生を犠牲にし、最後には、心の闇深くに脈々と佇むリバイアサンを抹殺する。
彼が自らの狂気と錯綜から自分を開放したように、ピーターも自らの義務と彼への友情から我が身を開放する。"彼はもう死んだんだ、全て話しても構わないさ"と言い放ち、小説化する予定だった書き溜めた分厚い原稿をアッサリとFBIに手渡す。彼が必死で涙をこらえるこのエンディングには、流石にこちらまで熱くなる。まるで、チャンドラーの『長いお別れ』を再現するようでもある。ロストジェネ世代の傑作を凌ぐほどの力作と言っても過言ではない。
"深く生きた"男の叫び。まさにそれが聞こえてきそうな”男の物語”である。
まず感心するのは、登場人物像の奥行きと深さと重さだ。誰もがそれぞれに独自のリバイアサンを心の闇に抱え、一見何不自由なく生きている。オースターの作品には人生の”何でもあり”が詰まってる。彼のファンの一人から贔屓目に言わせてもらえば、整備されたアスファルトならフィッツジェラルド、原生林の中を走らせたらカポーティ、何でもありのオフロードなら著者の領域である。
彼の文才は上記の偉大なる二人に比べても勝るとも劣らない。天才的というより多才的。傑作というより力作。よくもここまでいろんな事を考えつくもんだなって、読む度に感心する。
この本は、ものを書く事でもう一人の自分と上手く共存する男と、物書きを諦め、心の闇の中のリバイアサンに支配され、宿命に運命を重ね合わせる男との友情の物語。"現実の国家は腐敗しても、その現実の国家が目指す理想の国家は理念として生き続ける"と、訳者の柴田氏も語っておられるが、人の心が腐敗してもその人の持つ理想と理念は、死んだ後も延々と行き続ける。
爆発魔に成り下がった狂気の怪人が、最後は自ら爆死してその波乱と奇才に満ちた生涯を誰にも知られることなく終える。それを知ってるのは、生涯最高の友人でもある売れないこの本の主人公でもある小説家のピーターだけだ。
彼の生涯の友人であるサックスの狂気に満ちた犯罪の一部始終を、ある日突然聞かされる。ピーターに出来る事は、沈黙と彼の物語を小説にすることだけだ。自分に対する義務と彼に対する友情が良心を曇らせてしまう。しかし、サックスが自らの生を犠牲にし、最後には、心の闇深くに脈々と佇むリバイアサンを抹殺する。
彼が自らの狂気と錯綜から自分を開放したように、ピーターも自らの義務と彼への友情から我が身を開放する。"彼はもう死んだんだ、全て話しても構わないさ"と言い放ち、小説化する予定だった書き溜めた分厚い原稿をアッサリとFBIに手渡す。彼が必死で涙をこらえるこのエンディングには、流石にこちらまで熱くなる。まるで、チャンドラーの『長いお別れ』を再現するようでもある。ロストジェネ世代の傑作を凌ぐほどの力作と言っても過言ではない。
"深く生きた"男の叫び。まさにそれが聞こえてきそうな”男の物語”である。
2023年6月12日に日本でレビュー済み
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主人公の男は (これに関しては語り手の「私」も同様) 作家でインテリぶっているゆえに何か崇高な社会的大義を求めているタイプだけれど、頭の中は隙あらば女たちへの性的欲望でいっぱい。女たちの個性も、そんな彼らにとって都合のいいキャラクターになっている。ターニングポイントはいつも彼女らへの欲望からの愚かな行動が引き金になっていて、愚かさから自己憐憫におちいるが、それに続いて起こる出来事から勝手に使命を見いだしていく。まるで、何か使命がなければ生きる意味がないかのように。
常に誰かの存在を自分の人生の大義、自分の存在意義にしてしまうのは、エゴイスティックで依存的であると共に、一種の冷たさを感じた。その出来事の中に殺人事件も含まれるのだが、被害者への同情もあっという間に自分のための大義にすり替わっていく。
タイトルとストーリーの出だしから、何か物凄い意義深いことをやってのける人物を想像するのだが、実際は権力に怯える小心者で、煩悩に振り回されている。それがリアルではあるかもしれない。ヒーローのような人物はこの世に存在しない。
その小ささを何か物凄いことのように見せ、魅力的な人物のように描く言葉の魔力。人は言葉に容易に騙される。そこを描くことが作者の目的だったのだろうか?
確かに、世の中はそんな風にできている。崇高に見える大義は、俗人のエゴと下劣さと冷たい理論から端を発している。大義を優先すると、情とか感情の機微が薄っぺらくなる。その薄っぺらさをこの小説から感じた。
逆に、まさに世の中のそれを描きたかったのだとしたら、この小説はとてつもなくリアルだと思う。文章の上手さ、読みやすさは相変わらず。
常に誰かの存在を自分の人生の大義、自分の存在意義にしてしまうのは、エゴイスティックで依存的であると共に、一種の冷たさを感じた。その出来事の中に殺人事件も含まれるのだが、被害者への同情もあっという間に自分のための大義にすり替わっていく。
タイトルとストーリーの出だしから、何か物凄い意義深いことをやってのける人物を想像するのだが、実際は権力に怯える小心者で、煩悩に振り回されている。それがリアルではあるかもしれない。ヒーローのような人物はこの世に存在しない。
その小ささを何か物凄いことのように見せ、魅力的な人物のように描く言葉の魔力。人は言葉に容易に騙される。そこを描くことが作者の目的だったのだろうか?
確かに、世の中はそんな風にできている。崇高に見える大義は、俗人のエゴと下劣さと冷たい理論から端を発している。大義を優先すると、情とか感情の機微が薄っぺらくなる。その薄っぺらさをこの小説から感じた。
逆に、まさに世の中のそれを描きたかったのだとしたら、この小説はとてつもなくリアルだと思う。文章の上手さ、読みやすさは相変わらず。
2017年12月3日に日本でレビュー済み
オースターの作品はこれまで「ムーン・パレス」「孤独の発明」「ガラスの街」「幽霊たち」「鍵のかかった部屋」「偶然の音楽」と読んできて、今回は本作である。これまで読んだ作品の中で一番新しい作品だが、1992年作だから25年前の作品である。
無我夢中で読んでしまい、ストリーテラーとしての才能には毎度ながら感服するが、内的な感銘が弱い気がする。
読後「だから結局何なんだ」と自問してみて、読者としての自分自身は表面的で浅はかな読みに終始してしまったと反省したが、作品自体もストーリーの劇的な展開に傾きすぎるあまり、主題の掘り下げが不十分だったのではないか。
本作は従来の作品よりも登場人物が多様化し、従来にはない社会性や政治思想的な側面もあり、そこに新しさがあることはあった。だが、そんな新しさが活かされたというよりは、テーマやモチーフの散漫さや消化不十分さを否めないのが残念である。
思うにオースターは遠心力よりも求心力の秀でた作家だから、様々なモチーフを同時進行させながらポリフォニックな文学的世界を構築するタイプではなく、主人公の内面世界を深く掘り下げる方が向いているように改めて思われた。
作者の求心力を体現すべきサックスは、作者の得意な性格破産者的な絶望と暗闇を抱えた人物である反面、善人で社交的で誰からも愛される好人物でもある。
確かに魅力的な人物であり、申し分のない人物設定であり、サックスこそが本作の中心テーマを追究する担い手に違いない。
だが、この主人公が最終的に爆弾テロに向かう必然性の説得力が弱いように思うし、サックスと妻ファニーと、もう一人の主人公で語り手でもあるピーター・エアロンとの三角関係は大胆で強烈な設定でありながらサックスの反応は案外あっさりし過ぎている。
結局オースターが一番描きたかったものをつかめそうでつかめないそんな歯がゆさがどうしても残る。
いや、しかし、瑕疵を挙げてけなすのは本意ではないし、本作は読まないほうがいいというつもりもない。
オースターの苦心の跡として一読の価値はあると思うし、引き続き他の作品も読んでオースターという作家を私は見届けたい。
無我夢中で読んでしまい、ストリーテラーとしての才能には毎度ながら感服するが、内的な感銘が弱い気がする。
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