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幻影の書 (新潮文庫) ペーパーバック – 2011/9/28
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その男は死んでいたはずだった──。何十年も前、忽然と映画界から姿を消した監督にして俳優のへクター・マン。その妻からの手紙に「私」はとまどう。自身の妻子を飛行機事故で喪い、絶望の淵にあった「私」を救った無声映画こそが彼の作品だったのだから……。へクターは果たして生きているのか。そして、彼が消し去ろうとしている作品とは。深い感動を呼ぶ、著者の新たなる代表作。
- 本の長さ429ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2011/9/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104102451145
- ISBN-13978-4102451144
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2011/9/28)
- 発売日 : 2011/9/28
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 429ページ
- ISBN-10 : 4102451145
- ISBN-13 : 978-4102451144
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 20,615位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年3月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
にずっと浸ってしまいます。
2014年3月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ほとんどP・オ-スターの本を読んでいますが、この1冊も深く感動します。
2011年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「幻影の書」(ポール・オースター:柴田元幸 訳)を読んだ。「幽霊たち」以来20年ぶりに読むP・オースターなので、すごく硬質で尖鋭的なものを想定していた。が、どちらかというとドロリとした質感に違和感を覚える。フリーダの妄執の本質を私は読み取れずにいるが、ものすごく面白い物語である。
2013年3月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み終わった後、長い夢から覚めた感じがした。
その感じは、『ノルウェイの森』の読後感に似ていた。
何となく似ているところ、ありませんか?
(例えば、主人公が飛行機が苦手なところとか...)
その感じは、『ノルウェイの森』の読後感に似ていた。
何となく似ているところ、ありませんか?
(例えば、主人公が飛行機が苦手なところとか...)
2020年1月13日に日本でレビュー済み
主人公デイヴィッドは結婚十年目にして、妻ヘレンとわが子二人を飛行機事故で亡くす。
職場を放棄し、知人との関りを断ち、己一人の生活に閉じこもる中で出会う一篇の映画。
その映画の主演俳優ヘクターに一片の可能性を見出し、デイヴィッドがヘクターに関する書物を出版することで物語は始まる。ある時期を境にヘクターが映画界から身を隠し、生死すら不明なまま数十年が経過していること、そのヘクターの近況を知らせる手紙が突如デイヴィッドのもとを訪れ・・・。
デイヴィッドからヘレンへ、ヘクターから、ノーラから、フリーダから、マーティンから、アルマから。幾重にも重なる贖罪の連鎖の中で、いつしかデイヴィッドの心境にも変化が訪れ・・・。
ノルウェイの森に代表されるような人格形成期の鋭利で純粋な青春期の喪失に比べ、人格が完成した後の壮年期の喪失は鈍く、それ故に徐々に人生を蝕む種類のものなのかもしれません。また、自己が確立しているが故の救済の困難さというものはあるのではないかとも思います。ただ、それであってもそうしたものはありうるのではないかと考えさせてくれる、素晴らしい一冊でした。
ポールオースターの作品は幻影の書が初読のため、本書が同氏の最高傑作であるかどうかの判断はつきかねますが・・・。抜群に面白いです。類まれなストーリーテリングというのも頷ける傑作。
職場を放棄し、知人との関りを断ち、己一人の生活に閉じこもる中で出会う一篇の映画。
その映画の主演俳優ヘクターに一片の可能性を見出し、デイヴィッドがヘクターに関する書物を出版することで物語は始まる。ある時期を境にヘクターが映画界から身を隠し、生死すら不明なまま数十年が経過していること、そのヘクターの近況を知らせる手紙が突如デイヴィッドのもとを訪れ・・・。
デイヴィッドからヘレンへ、ヘクターから、ノーラから、フリーダから、マーティンから、アルマから。幾重にも重なる贖罪の連鎖の中で、いつしかデイヴィッドの心境にも変化が訪れ・・・。
ノルウェイの森に代表されるような人格形成期の鋭利で純粋な青春期の喪失に比べ、人格が完成した後の壮年期の喪失は鈍く、それ故に徐々に人生を蝕む種類のものなのかもしれません。また、自己が確立しているが故の救済の困難さというものはあるのではないかとも思います。ただ、それであってもそうしたものはありうるのではないかと考えさせてくれる、素晴らしい一冊でした。
ポールオースターの作品は幻影の書が初読のため、本書が同氏の最高傑作であるかどうかの判断はつきかねますが・・・。抜群に面白いです。類まれなストーリーテリングというのも頷ける傑作。
2010年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
柴田さんの訳を一語一語かみしめるように読んでいきました。
どんどんのめりこみ、あっという間にラストへ。
すばらしい装幀とタイトルがこの本をあまりにも的確にあらわしています。
読後、知らないうちに涙が……。
複数のカップルが幾重にも交差しあい、まるで万華鏡のように鮮やかにも哀しく展開していきます。
精緻をきわめたストーリー・テリング。ヘクターという人物の彫像のような見事な立体感。
どんどんのめりこみ、あっという間にラストへ。
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精緻をきわめたストーリー・テリング。ヘクターという人物の彫像のような見事な立体感。
2011年3月24日に日本でレビュー済み
題名と装丁に惹かれて購入したが特に面白くは無かった。
翻訳は非常に上手く、唸らせるものがあると思う。ただし私にとってはストーリーが決定的につまらなかったし、
特にセックス描写全般に関して、パウロ・コエーリョの11分間を読んだときのような鼻白んだものを感じた。
ストーリー上の不満点もそこにあるご都合主義(と私が感じたもの)によるが、ネタバレになるので差し控える。
11分間も高評価レビューの多い作品であり、案外このテイストが好きな人は多くてそういう人たちにとっては面白いのかもしれないと思う。
久々にジャケ買いで失敗したと感じた。
翻訳は非常に上手く、唸らせるものがあると思う。ただし私にとってはストーリーが決定的につまらなかったし、
特にセックス描写全般に関して、パウロ・コエーリョの11分間を読んだときのような鼻白んだものを感じた。
ストーリー上の不満点もそこにあるご都合主義(と私が感じたもの)によるが、ネタバレになるので差し控える。
11分間も高評価レビューの多い作品であり、案外このテイストが好きな人は多くてそういう人たちにとっては面白いのかもしれないと思う。
久々にジャケ買いで失敗したと感じた。
2012年2月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ポール・オースターは長く著名なのにさほど読んでいない。だが、オーソドックスに面白い純文学を探している過程で『ムーン・パレス』を発見し、そのストーリーテリングに感銘し、著者の新たな代表作と名高い本作を手にとった。結論からいうと、僕はこの小説のラストに救われた。〜著者の奔放な創造性が見事なストーリー・テリングによって語られ、最後まで創造力は枯渇することなく面白い。そして、その過程で語られる主人公の孤独と絶望。そこからの再生のテーマを本作は見事に具象化している。ネタバレは避けたいので内容には触れないが、ラストが近づくにつれポール・オースターのストーリテリングはどんでん返しのように希望が断たれてゆくある登場人物の行為を描く。そして主人公と恋に落ちた女性は命を自ら立つ。だが、そこからの再生への更なるどんでん返しのパワフルさは圧巻だ。かなり疲れている時に読んだためもあるが、ラストの希望は僕の胸にせまり、爽やかな一陣の風に吹かれたように人生を肯定された。孤独とそこからの再生を物語る本作をぜひ多くの人に一読をお勧めする。