やっぱり熊谷達也の本って、私の心にシックリとくる。
新堂冬樹の本を読んで体に溜まった毒素が、この本で綺麗サッパリ洗い流されました。
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懐郷 単行本 – 2005/9/15
熊谷 達也
(著)
磯笛の島,オヨネン婆の島,お狐さま,銀嶺にさよなら,鈍行列車の女 他
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2005/9/15
- ISBN-104103001518
- ISBN-13978-4103001515
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2005/9/15)
- 発売日 : 2005/9/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 264ページ
- ISBN-10 : 4103001518
- ISBN-13 : 978-4103001515
- Amazon 売れ筋ランキング: - 594,390位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 13,854位日本文学
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年6月3日に日本でレビュー済み
再掲2005
2004年に小説新潮に掲載された短編をまとめたもの。
昭和30年代(熊谷さんが生まれたのが35年)を自分の中で構築して
描いたのかもしれない。
高度成長時代を迎える前夜、日本人が精一杯生きている社会を仙台から
見ている。
熊谷ワールドは初期作品から順番に読んでしまうと、近年の作品に
若干の違和感を感じてしまうのは、きっとしょうがない事だとは
思う。しかし、動物やマタギ、山人が登場する作品の方があまりにも
インパクトがあったので、それらを又求めてしまう自分がある。
2004年に小説新潮に掲載された短編をまとめたもの。
昭和30年代(熊谷さんが生まれたのが35年)を自分の中で構築して
描いたのかもしれない。
高度成長時代を迎える前夜、日本人が精一杯生きている社会を仙台から
見ている。
熊谷ワールドは初期作品から順番に読んでしまうと、近年の作品に
若干の違和感を感じてしまうのは、きっとしょうがない事だとは
思う。しかし、動物やマタギ、山人が登場する作品の方があまりにも
インパクトがあったので、それらを又求めてしまう自分がある。
2009年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全7編、どれも時代は戦争直後、日本が高度経済成長に突入した時期に地方の寒村でひたむきに生きる女性たちの切ない物語。
なかでも『お狐さま』が秀逸か。教師である夫の赴任先、慣れぬ土地で暮らす小夜子。ある日お稲荷さまで狐を目撃する。それ以来、まさに狐に憑かれたように狐に執着する小夜子の姿は周囲の人々に奇異に映るが…。切なさの中にもユーモアあるもの悲しい物語。
読み応えある短編集。
なかでも『お狐さま』が秀逸か。教師である夫の赴任先、慣れぬ土地で暮らす小夜子。ある日お稲荷さまで狐を目撃する。それ以来、まさに狐に憑かれたように狐に執着する小夜子の姿は周囲の人々に奇異に映るが…。切なさの中にもユーモアあるもの悲しい物語。
読み応えある短編集。
2008年3月4日に日本でレビュー済み
彼女は、道に立ち、カタコトの英語で男に自分を売り、生きていた。
一生1度の本気の愛に出会うまで…という生活のために売春を
したたかに続けながら純愛に生きる女性などを描いた話などがおさまった短編集。
学生運動、朝鮮戦争、集団就職先の職場が微妙だった…など
3丁目の夕日などノスタルジア狙いのお話ではでは生々しくは描かれないで
あろう「昭和」の物語である。また、稲荷のキツネにと主婦のふれあいとか、
海女がアワビ漁のために潜る海など、自然と人間のふれあいを描いた話もいい。
お涙頂戴のしんみりした人情描写が一切ないので、なんだかドキュメンタリーを
読んでいるよう。そのあっさりした筆致が逆に物語をくっきりと印象強くしている。
一生1度の本気の愛に出会うまで…という生活のために売春を
したたかに続けながら純愛に生きる女性などを描いた話などがおさまった短編集。
学生運動、朝鮮戦争、集団就職先の職場が微妙だった…など
3丁目の夕日などノスタルジア狙いのお話ではでは生々しくは描かれないで
あろう「昭和」の物語である。また、稲荷のキツネにと主婦のふれあいとか、
海女がアワビ漁のために潜る海など、自然と人間のふれあいを描いた話もいい。
お涙頂戴のしんみりした人情描写が一切ないので、なんだかドキュメンタリーを
読んでいるよう。そのあっさりした筆致が逆に物語をくっきりと印象強くしている。
2006年8月9日に日本でレビュー済み
それにしても味気ない時代になってしまいましたね,現代は・・。科学技術の発達に伴う大量生産・大量消費の社会。止めどなく垂れ流される情報の洪水。効率や経済性や目に見える成果のみを最優先して進む世の中。そんな汚れた歪な海の中で溺れそうになり毎日を生きている人間は果たして人間と言えるのでしょうか。昨年から今年にかけて昭和30年代が一種のブームとなっていますが,振り返ると確かに日本人と日本の社会構造が変わりかけ始めた時期がこの時代だった言えます。この時代にはまだまだ人の心を第一義に考える人間が大勢いたし,自然の中で生かされていると感じる人間も多くいたのです。熊谷氏は経済・文化の転回点となった30年代に常にこだわりをもっているようで,この時代を生きた人々と彼らの人生への賛歌や哀惜をじっくり描いています。人生流転の不可思議さと自然の中で生きる人間の姿に迫る海女の話は,自然と人間の関係を重要なテーマにする熊谷氏の真骨頂と言えます。細部にまで海女の漁を取材・観察して書かれたであろう磯笛の音の奥深さに真に心を打たれました。