良い小説でした。著者のSNSでの引退発言も拝見しましたが、命を削りながら執筆されているのが分かります。
個人的な意見ですが、一人の人は一つのテーマでしか書けないと思ってます。ゆえに極論を言えば一人の作家は一つの作品しか書けないことになる。
でも現実はそれぞれの人が自分の仕事を効率的にこなせるようになるように、作家も仕事のために多作を強いられ、こなしていく。そして誰しも現実に妥協しながら、諸々失いながら生きていくということです。(一般的にはそれを"成長"と呼びます)
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流れ星が消えないうちに 単行本 – 2006/2/20
橋本 紡
(著)
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購入オプションとあわせ買い
高校時代から付き合っていた恋人・加地君が自分の知らない女の子と旅先の事故で死んでから、1年半。奈緒子は、加地の親友だった巧と新しい恋をし、ようやく「日常」を取り戻しつつあった。ただひとつ、玄関でしか眠れなくなってしまったことを除いては――。
深い悲しみの後に訪れる静かな愛と赦しの物語。
深い悲しみの後に訪れる静かな愛と赦しの物語。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2006/2/20
- ISBN-104103007516
- ISBN-13978-4103007517
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商品の説明
著者からのコメント
大切な誰かを失っても、それで残された人の人生まで終わってしまうわけではありません。残された人間は、どうしようもなく生きてしまう。いつか他の人を好きになることもあるでしょう。失ってしまったもののことを少しずつ忘れていきもするでしょう。そうして生を長らえるのは、はたして正しいことなのか――。自問しつつ、やはり人は生きていかねばなりません。たとえ何かを失っても、それを認めて乗り越えたところに新しい自分がいることを、この小説を読むことでちょっとでも信じてもらえたら嬉しいです。
出版社からのコメント
「大好きな人が死んでしまう悲しみ」――これはいま世の中で最も受け入れられている小説のテーマのひとつです。その悲しみはあまりに深く、読者の心を抉ります。でも人生は好きな人が死んでしまっても続きます。生きていくためには、ご飯も食べなきゃいけないし、眠らなきゃいけないし、時が経てば、そのうち他の人を好きにもなるでしょう。悲しみの後にほんの少しずつ、ゆっくりと戻ってくる日常。そこには時として悲しみより深い感情が隠れています。
『流れ星が消えないうちに』は、「大切な人の死」がもたらす慟哭の後も続く「人生」を書いた物語です。自分の気持ちを見つめ、自分の弱さやずるさや不条理と対峙せざるを得ない一組のカップルの物語……。私は読みながら何度も涙を流しました。でも、それは「悲しい」とか「つらい」のとはまたちょっと違う、暖かな涙です。ぜひその暖かさを感じてください。
『流れ星が消えないうちに』は、「大切な人の死」がもたらす慟哭の後も続く「人生」を書いた物語です。自分の気持ちを見つめ、自分の弱さやずるさや不条理と対峙せざるを得ない一組のカップルの物語……。私は読みながら何度も涙を流しました。でも、それは「悲しい」とか「つらい」のとはまたちょっと違う、暖かな涙です。ぜひその暖かさを感じてください。
著者について
橋本紡(はしもと・つむぐ):三重県伊勢市生まれ。第四回電撃小説大賞で金賞受賞。他の著書に『毛布おばけと金曜日の階段』『猫泥棒と木曜日のキッチン』『半分の月がのぼる空』など。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2006/2/20)
- 発売日 : 2006/2/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4103007516
- ISBN-13 : 978-4103007517
- Amazon 売れ筋ランキング: - 848,264位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 19,397位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
親友の死という事態に直面した直子と巧はそのことを素直に認められず
二人の間では加地君のことを話題にしないという気を遣い
感情を素直に出すことができないでいた。
しかし時がたつにつれ二人に変化が訪れる
二人の気持ちの変化を加地君の言葉や玄関という場所が間接的に表現してる気がします。
昔の思い出は昔のままだが、生きている人には未来が続いている。
そのため自分の気持ちに踏ん切りをつけて、前に進むことの勇気を感じることができる作品でした。
内容的には不満はないのですが、サッカーやボクシングの話も本筋に際立たせてほしいという感じでした。
性的描写も付けたしで書いたようで、要らない気がします。
二人の間では加地君のことを話題にしないという気を遣い
感情を素直に出すことができないでいた。
しかし時がたつにつれ二人に変化が訪れる
二人の気持ちの変化を加地君の言葉や玄関という場所が間接的に表現してる気がします。
昔の思い出は昔のままだが、生きている人には未来が続いている。
そのため自分の気持ちに踏ん切りをつけて、前に進むことの勇気を感じることができる作品でした。
内容的には不満はないのですが、サッカーやボクシングの話も本筋に際立たせてほしいという感じでした。
性的描写も付けたしで書いたようで、要らない気がします。
2016年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
きれいな本で満足しています。また機会がありましたらよろしくお願いいたします。
2017年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
青春時代の切なさと
大切な人を失った心の内、心の叫び、苦しみ……
丁寧に表現されていると思います。
それに寄り添う彼の立場、そうであってほいしという読者側からの思いも、とても理解され書かれていると思います。
大切な人を失った心の内、心の叫び、苦しみ……
丁寧に表現されていると思います。
それに寄り添う彼の立場、そうであってほいしという読者側からの思いも、とても理解され書かれていると思います。
2010年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
死者を交えた三角関係。親友を亡くした巧と、彼を亡くした奈緒子。加持の死後付き合いだした二人。何をするにも加持のことを考えてしまう二人がやがて加持の存在を抱えながらも前に向かって歩き出すまでのストーリーですが、過去の回想と心理描写がとても上手くて、気が付けば登場人物たちが僕の頭の中で動いていました。素敵な物語です。
2013年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なんだか、全てにおいて中途半端感があるような気がします。
でも青春物でこの物語と同じ世代をターゲットにするなら有りなのかもしれません。
人生経験をそれなりに重ねた人だと少し合わないかな。
でも青春物でこの物語と同じ世代をターゲットにするなら有りなのかもしれません。
人生経験をそれなりに重ねた人だと少し合わないかな。
2006年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
悲しいわけでなく、楽しいわけでなく。
人が生きていくのってこういうものなのかもしれないなぁ・・・。
と、なんだか感慨深く読ませていただきました。
この本のタイトルの破壊力は内容を読み進めていくうちに強まり、あるシーンを終えて本を閉じた時に目に入ってきた時には、なんだかこそばゆい切なさをじんわりとくれました。
登場人物たちも、もしかしたら隣に住んでいるかも、と思えるような方々ばかりで、物語というにはあまりにも普通。
だからこそ浸ることが出来るのかもしれません。時間や空間を忘れて、ただただ本に集中している自分がいました。
人が生きていくのってこういうものなのかもしれないなぁ・・・。
と、なんだか感慨深く読ませていただきました。
この本のタイトルの破壊力は内容を読み進めていくうちに強まり、あるシーンを終えて本を閉じた時に目に入ってきた時には、なんだかこそばゆい切なさをじんわりとくれました。
登場人物たちも、もしかしたら隣に住んでいるかも、と思えるような方々ばかりで、物語というにはあまりにも普通。
だからこそ浸ることが出来るのかもしれません。時間や空間を忘れて、ただただ本に集中している自分がいました。