本 小説というものが、どの辺りから「私小説」になるかはわからないのだけど(というのは、ある意味ではすべての小説は私小説とも言えるという、いつものカテゴリー的あれがある)、経歴のところに目を引くように「中卒」と書かれているあたりから考えても、作者の西村賢太は、作者と登場人物間の私小説的な共鳴を意識的に利用していると考えられる。しかし、このように意識的に構築された小説空間は、小説の「私-性」を担保する 続きを読む