まず俯瞰図と詳細図の2つの地図が付いているのが,この事件を理解する上で非常に助けになりました。
馴染みのない土地が舞台なので,地図があるのとないのではだいぶ違ってくると思います。
ただ一つ贅沢を言わせていただくと,出来事を時系列でまとめた表みたいのがあれば,さらに役立ったのでは,と思います。
この事件の約40年後に,日本軍史上最悪の愚策と言われ,多くの犠牲者を出したインパール作戦が実施されるわけですが,八甲田山はこのインパールと底流で繋がっていると思えてなりません。
それは次のような台詞にも窺えます。
「ただいま永野医官殿は進軍は不可能だと言われましたが,不可能を可能とするのが日本の軍隊ではないでしょうか」
軍隊の狂気,戦争の狂気。
それは今でも至る所に潜んでいます。
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八甲田山死の彷徨 単行本 – 1971/9/1
新田 次郎
(著)
- 本の長さ246ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1971/9/1
- ISBN-104103160047
- ISBN-13978-4103160045
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1971/9/1)
- 発売日 : 1971/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 246ページ
- ISBN-10 : 4103160047
- ISBN-13 : 978-4103160045
- Amazon 売れ筋ランキング: - 313,992位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 90,268位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1912-1980)1912(明治45)年、長野県上諏訪生れ。無線電信講習所を卒業後、中央気象台に就職し、富士山測候所勤務等を経験する。1956(昭和31)年『強力伝』で直木賞を受賞。『縦走路』『孤高の人』『八甲田山死の彷徨』など山岳小説の分野を拓く。次いで歴史小説にも力を注ぎ、1974年『武田信玄』等で吉川英治賞を受ける。1980年、心筋梗塞で急逝。没後、その遺志により新田次郎文学賞が設けられた。
カスタマーレビュー
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イメージ付きのレビュー
4 星
「本商品のイメージ画像について」。
まず最初に断っておきたいのは、これから書く内容は、本作品の内容に関するものではなく、本商品のイメージ画像に関するものである。昨日本商品を注文し、本日本商品が届いたのだが、ジャケットデザインが本ページのイメージ画像と異なるものであった。(画像参照)因みに本商品注文時のアマゾンからのメールに表示されたジャケットデザインは、本ページのイメージ画像が表示され、本商品発送時のアマゾンからのメールに表示されたジャケットデザインは、本レビューで提示したジャケットデザインとなっていた。と、言うことは、アマゾンでは本商品のジャケットデザインが2種類存在していて、その管理に問題があるということだ。ジャケットデザインは、ある意味、本の「顔」であって、Aという顔の商品をしたところ、Bという顔をした商品が届いたならば、不審に思って当然であると思う。アマゾンに対して猛省を促したいところである。本レビューの評価は本商品のイメージ画像に関するものであって、本作品の内容に関するものではないことを、重ねて断っておく。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年1月24日に日本でレビュー済み
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映画を観た人なら余韻を感じながら読んで欲しい一冊。
2024年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み物として面白い。
私の愛読書の一つです。
それにしても指揮官次第でこんなとんでもない事態になっちゃうんですね。
部下の方たちが気の毒。
私の愛読書の一つです。
それにしても指揮官次第でこんなとんでもない事態になっちゃうんですね。
部下の方たちが気の毒。
2024年1月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「天は我々を見放した」…この壮絶なる台詞は、映画がヒットした当時は流行語にもなったと言う…そんな私も、八甲田山雪中行軍遭難事件と言えば、この台詞が真っ先に思い浮かんでしまう一人だ。
日本史上…否、世界史上最大の遭難事件にして、映画化された原作。
恐ろしい冬山の情景描写に加え、当時の軍の横暴さ、良き友でありライバルでもある二人の大尉、軍の中に根強く残る出自の差、上下関係の厳しい階級、そして雪中行軍に巻き込まれた村民…それぞれの心の葛藤を見事に描き出している。
さて、八甲田山雪中行軍は第5聯隊と第31聯隊がそれぞれ青森、弘前を出発して途中ですれ違う行程であったが、前者が総勢200人を超える部隊でありながらほぼ全滅、そして後者は40人弱の小部隊であったが全員が帰還した事でも知られる。
こうした事から、第5聯隊は計画が杜撰な上に全くの素人集団、対して第31聯隊は精鋭部隊であったと言われており、確かにそれは或意味では事実であったのであろう。
だが、本書は前半にて、第31聯隊が雪地獄に巻き込まれ、生死を掛けて行軍に挑む所から展開するのだ。
第31聯隊がやすやすと踏破したと思う事なかれ…準備も計画も完璧で、然も選りすぐりの人材ばかりであった31聯隊もまた、命懸けであったのだ…そして、31聯隊に所属する伍長が、5聯隊に属する弟の死を予感し、物語は5聯隊の悲劇へと移っていく。
5聯隊の行軍には最初から暗雲が立ち込めていた…将校の上下関係と指導権の混乱、認識の甘さ等、この悲劇は人災と言っても過言ではない。
然しながら、この物語では、その責任を決して一人に押し付けて「悪役」を作るのではなく、その指揮官にもまた責任の重圧や葛藤があった事、そして後悔にさいなまれた事も見事に描き切っており、また、行軍を中止しようとした所に下士官達が「不可能を可能にするのが日本軍」と息巻いて見せる所には、所謂「精神で勝つ」事を信じた嘗ての日本軍の姿がある。
だが、日本人は本当にそう信じていたのであろうか…この自然の脅威を目の前にして…。
極寒の中での極限の飢えと渇き、疲労感、意志だけではコントロール出来ない意識、そして極限に達した時に見える幻想…自然の猛威に対して人間は余りにも微弱だ。
解説に依ると、本書の著者・新田次郎氏は気象の知識がある事に加え登山家でもあったとの事、こうした著者だからこそ、これ程までに真に迫った作品を残す事が出来たのであろうが、その臨場感たるや、筆舌に尽くし難いものがあった。
因みに一点だけ気になったのは、私は以前、八甲田山雪中行軍に言及した書籍を読んだ事があり、そこでは「当時は軍の汚点を隠す為に、第31聯隊の成功ばかりが脚光を浴びて、第5聯隊については伏せられた」と解説していたように記憶しているが、本書は全く逆であり、寧ろ第5聯隊の悲劇に世間が飛びつき、第31聯隊の成功が薄れてしまったように書かれているので、これについては他の客観的な書籍を幾つか読み進めて理解を深めたいと思う。
何れにしても、私はこれまでに、これ程までに迫力のある…そして絶望的な物語を知らない。
涙無くしては読めない名作である。
日本史上…否、世界史上最大の遭難事件にして、映画化された原作。
恐ろしい冬山の情景描写に加え、当時の軍の横暴さ、良き友でありライバルでもある二人の大尉、軍の中に根強く残る出自の差、上下関係の厳しい階級、そして雪中行軍に巻き込まれた村民…それぞれの心の葛藤を見事に描き出している。
さて、八甲田山雪中行軍は第5聯隊と第31聯隊がそれぞれ青森、弘前を出発して途中ですれ違う行程であったが、前者が総勢200人を超える部隊でありながらほぼ全滅、そして後者は40人弱の小部隊であったが全員が帰還した事でも知られる。
こうした事から、第5聯隊は計画が杜撰な上に全くの素人集団、対して第31聯隊は精鋭部隊であったと言われており、確かにそれは或意味では事実であったのであろう。
だが、本書は前半にて、第31聯隊が雪地獄に巻き込まれ、生死を掛けて行軍に挑む所から展開するのだ。
第31聯隊がやすやすと踏破したと思う事なかれ…準備も計画も完璧で、然も選りすぐりの人材ばかりであった31聯隊もまた、命懸けであったのだ…そして、31聯隊に所属する伍長が、5聯隊に属する弟の死を予感し、物語は5聯隊の悲劇へと移っていく。
5聯隊の行軍には最初から暗雲が立ち込めていた…将校の上下関係と指導権の混乱、認識の甘さ等、この悲劇は人災と言っても過言ではない。
然しながら、この物語では、その責任を決して一人に押し付けて「悪役」を作るのではなく、その指揮官にもまた責任の重圧や葛藤があった事、そして後悔にさいなまれた事も見事に描き切っており、また、行軍を中止しようとした所に下士官達が「不可能を可能にするのが日本軍」と息巻いて見せる所には、所謂「精神で勝つ」事を信じた嘗ての日本軍の姿がある。
だが、日本人は本当にそう信じていたのであろうか…この自然の脅威を目の前にして…。
極寒の中での極限の飢えと渇き、疲労感、意志だけではコントロール出来ない意識、そして極限に達した時に見える幻想…自然の猛威に対して人間は余りにも微弱だ。
解説に依ると、本書の著者・新田次郎氏は気象の知識がある事に加え登山家でもあったとの事、こうした著者だからこそ、これ程までに真に迫った作品を残す事が出来たのであろうが、その臨場感たるや、筆舌に尽くし難いものがあった。
因みに一点だけ気になったのは、私は以前、八甲田山雪中行軍に言及した書籍を読んだ事があり、そこでは「当時は軍の汚点を隠す為に、第31聯隊の成功ばかりが脚光を浴びて、第5聯隊については伏せられた」と解説していたように記憶しているが、本書は全く逆であり、寧ろ第5聯隊の悲劇に世間が飛びつき、第31聯隊の成功が薄れてしまったように書かれているので、これについては他の客観的な書籍を幾つか読み進めて理解を深めたいと思う。
何れにしても、私はこれまでに、これ程までに迫力のある…そして絶望的な物語を知らない。
涙無くしては読めない名作である。
2024年3月17日に日本でレビュー済み
色々思うことはありすぎるのだけれど、人間とはつくづく弱い生き物だと思う。
あらゆる生物の中で最弱なのでは?
文章がわかりやすくて読みやすかったです。
ただ、旧字などにはふりがなを入れて欲しいです。
調べるのも大変。笑
戦争のみならずビジネス等にもそのまま活かすことができる失敗談ですね。
あらゆる生物の中で最弱なのでは?
文章がわかりやすくて読みやすかったです。
ただ、旧字などにはふりがなを入れて欲しいです。
調べるのも大変。笑
戦争のみならずビジネス等にもそのまま活かすことができる失敗談ですね。
2023年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画では語られなかった遭難事故後の軍や案内人の壮絶さが描かれており、雪中行軍に対する当時の世間の反応など興味深かった。
2021年9月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
事実を基にした小説は描写の筆力がないとどうにもならない。
歪曲しているという指摘もあるが、それがどうでもいいと思うほど。
歪曲しているという指摘もあるが、それがどうでもいいと思うほど。
2023年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近は新書しかよんでませんでしたが、一昔前の名作もいいですね。心情と情景描写に凄みがあります。