本書を知ったのは、ある月刊誌の本の紹介欄だった。そこで、「ラバウルの宇奈月温泉」という部分が目にとまった。
宇奈月温泉といえば、富山県民ならば誰でも知っている温泉地で、その名称があのラバウルの温泉につけられているとは知らず、興味を持ったことが本書の購入理由。
正直、宇奈月温泉の知名度は決して高くないのに、誰がつけたのだろう? その辺もわかると良かったのだが、はっきりしなかったのが残念。
本書では、元日本兵や現地の住民、当時をよく知る方々の回想も多く採用されており、当時の状況を知るうえでもためになる。現地の方々は決して日本人に悪い感情は持っていなかったのだ。(このことは本書でも紹介されているが坂井三郎氏や吉田一氏らの著書からも読み取れる)
また、本書では温泉というものが日本人にとってなくてはならない、といえばいいすぎかもしれないが、非常に大きなものであることを再認識させられる。マラリアに罹っても入りたい、そう思わせるものであったという。中には「戦時中に温泉?正気か?」という意見もあるかもしれないが、前述の坂井氏の著書を読むと、温泉は憩いの場であり、癒しの場であったことが読み取れる。
本書を読むに当たっては、参考文献にあげられている著書を読んでいるとなお良いと思う。
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ラバウル温泉遊撃隊 単行本 – 2009/7/1
山崎 まゆみ
(著)
- 本の長さ233ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2009/7/1
- ISBN-10410316431X
- ISBN-13978-4103164319
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2009/7/1)
- 発売日 : 2009/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 233ページ
- ISBN-10 : 410316431X
- ISBN-13 : 978-4103164319
- Amazon 売れ筋ランキング: - 995,295位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2009年7月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ノンフイクションだが 題名は冗談と思っていたら、戦時中の激戦地に実在した部隊である事に驚いた。著者がラバウルを訪れ宇奈月温泉の存在を知り、ツテを頼って隊長を見つけ出す。日本の夏を遥かに超える暑さのジャングルを歩いて行く、そのバイタリティに脱帽します。内容も浮ついたものでなく戦争の爪あと、悲惨さも伝わってきます。
紀行文を読むとその場所を訪れたくなりますが、ラバウルの宇奈月温泉は、本で読むだけで充分な気がします。
それにしても「マラリアにかかっても温泉に入りたい」「敵に見つかっても温泉に入りたい」という日本人の温泉好きは 凄いと思いました。
紀行文を読むとその場所を訪れたくなりますが、ラバウルの宇奈月温泉は、本で読むだけで充分な気がします。
それにしても「マラリアにかかっても温泉に入りたい」「敵に見つかっても温泉に入りたい」という日本人の温泉好きは 凄いと思いました。
2009年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
山崎まゆみさんは温泉ライターで、自ら「温泉の申し子」「温泉の伝道士」と名乗る人。そんな彼女が自分の年齢そのままの目線で「ラバウル」の温泉の取材に入ったことから、激戦中でも温泉に入りたい日本兵隊の足跡に出会う。そこから情熱を胸に元、日本兵の方々への聞き取りを懸命に行ないながら失意と希望の間を行き来しながら戦争の現場の悲惨さや、温泉の使われ方など生の声を聞く事になる。元日本兵の方々との出会い自体が年齢ぎりぎりのうえ、叱咤激励されながらの悲喜こもごもの交流記、そこからついに「温泉遊撃隊」なるものが実在していたと知る。そして、ジャングルの中へ再び...。ニューギニアの原住民の明るさの影に戦争の傷跡があることなど、この本からあらためてその生の声を知る事ができました。
力まず、現代の女性の目線で、でもしっかりとした裏付けや記録もあり、戦争がストンと心の中で理解できる名著。心が動かされます。
力まず、現代の女性の目線で、でもしっかりとした裏付けや記録もあり、戦争がストンと心の中で理解できる名著。心が動かされます。