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沈まぬ太陽 4 会長室篇 上 単行本 – 1999/8/1
山崎 豊子
(著)
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- 本の長さ379ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1999/8/1
- ISBN-104103228172
- ISBN-13978-4103228172
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
墜落事故の後、新会長に就任した国見の組織改革が始まり、主人公は突然、会長室の部長に抜擢された。だがそこには、政官財を巻き込んだ暗闘が繰り広げられていた。航空会社を蝕む腐敗の構造が、しだいに白日の下にさらされる。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1999/8/1)
- 発売日 : 1999/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 379ページ
- ISBN-10 : 4103228172
- ISBN-13 : 978-4103228172
- Amazon 売れ筋ランキング: - 271,523位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,651位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1924(大正13)年、大阪市生れ。京都女子大学国文科卒。
毎日新聞大阪本社学芸部に勤務。当時、学芸部副部長であった井上靖のもとで記者としての訓練を受ける。勤務のかたわら小説を書きはじめ、1957(昭和32)年に『暖簾』を刊行。翌年、『花のれん』により直木賞を受賞。新聞社を退社して作家生活に入る。
1963(昭和38)年より連載をはじめた『白い巨塔』は鋭い社会性で話題を呼んだ。『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』の戦争三部作の後、大作『沈まぬ太陽』を発表。1991(平成3)年、菊池寛賞受賞。2009(平成21)年には最新長編小説『運命の人』を刊行。同年10月より、「山崎豊子 自作を語る」シリーズ全三巻、『作家の使命 私の戦後』『大阪づくし 私の産声』『小説ほど面白いものはない』を刊行。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
やはり山崎豊子さんの小説は面白いですね。ついつい長い小説でも最後まで気になってしまいます。
2017年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全巻読破し、言い尽くせない疲労感、脱力感に襲われ、なかなか作品レビューを書くことができなかった作品だ。(実に読後2年近くたってようやくレビューを書いている)それほど消化に時間がかかった。
本作のように事実を基にした小説はその距離感をどのように定めるべきかに悩まされるが、ここまで古い作品なので、一度現実の出来事とは切り離して、ただ恩地のまっすぐな潔い生き方をかみ締めるのが良いのはないかと思う。モデルの人物はここまで責任を負わなかった、この部分はフィクションだと語るのは無粋でしかない。
4巻5巻は主人公恩地の陽の目と挫折が相互に語られる。蛇足という人もいるが私にとっては本作をかみ締める上での重要なエピソードだ。人生の指標としてすべての方に読んでほしい。
本作のように事実を基にした小説はその距離感をどのように定めるべきかに悩まされるが、ここまで古い作品なので、一度現実の出来事とは切り離して、ただ恩地のまっすぐな潔い生き方をかみ締めるのが良いのはないかと思う。モデルの人物はここまで責任を負わなかった、この部分はフィクションだと語るのは無粋でしかない。
4巻5巻は主人公恩地の陽の目と挫折が相互に語られる。蛇足という人もいるが私にとっては本作をかみ締める上での重要なエピソードだ。人生の指標としてすべての方に読んでほしい。
2023年5月16日に日本でレビュー済み
第三部では国民航空の乱脈にして放漫な経営や安全軽視の姿勢を糺し、利権に群がる「魑魅魍魎」を排除すべく新たに就任した国見会長と主人公恩地らの孤軍奮闘が描かれる。ただし多くのページは会社の乱脈さや放漫ぶり、いかなる利権にどのような魑魅魍魎が集っているか、ということに費やされ、それらの粛正は遅々として進まない。それゆえ第三部は全体として「会社はいかにして食い荒らされるか」についての見本市のような様相を呈する。しかも読み終えてもなお腐敗は正されたとは言えず、その腐敗の構造に僅かに司直の手がかけられるところで終わる。カタルシスが得られるわけではないが、恩地の真っ直ぐな性格が貫かれるならば、このような終わり方になるのだろう。なお、最後の一行でこの大作のタイトル「沈まぬ太陽」の意味が明かされる。
2013年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
梱包もキレイで、評価通りの良い商品でした!満足です。
有り難うございます。
有り難うございます。
2010年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み応えのある本だなと思いながら読み進めています。ここまで読み進めてきて、そうか「沈まぬ太陽」ってタイトルは、とようやく思い始めてきました。アフリカ篇ではそうでもなかったモノの感情が揺さぶられる事の多かった御巣鷹山篇を読んだ後では、物語の中に引き込まれ感情移入もしてしまい、組織の腐敗や当時の政治背景なども回想したりしてまるで全てが真実のように思えてきて憤りを感じます。読後は何とも言えない気持ち悪さを感じるのですが、しばし冷静に考えて、そうだあくまでフィクションなんだと突き放さずにはいられない・・・本でした。
それにしても、あくまで事実を元にしたフィクションとはいえ、御巣鷹山篇からは日航機事故とクロスしてしまい、日本航空の組織内部のことは私には分かりませんが、政治家の方の名前などは、これは誰だなどと理解出来てしまう名前の付け方。それも手法なのでしょうが、読者としてはどこまでが真実でどこからが虚構なのかと思わず混乱してしまう。お金や権力、女を囲う事などの記述にしても、あるだろうなと冷静な自分が在る反面、汚い・・・と思わざるを得ない。思わず、誰が悪いのだ!と悪者探しをしたくなる気持ちになってしまいます。
これが、全て真実だと感情的に捉えてしまう事も危険なように感じます。
ただ、企業にせよ、組合にせよ、政治にせよ、各々のインセンティブがあり、各々の正義があり、また対峙する別の正義があるのだと思います。主人公の恩地ではなく、また別の人に焦点をあてれば、違う物語になるのかもしれません。
しかし、そこから真に学ぶべき事は何なのだろうか・・・?
利権、癒着。一つの企業だけではなく、政界との複雑に絡み合った人間模様。何故、組織や政治、社会が個の利権に走ってしまうのか。そこにないものは理念であるのだと思います。しかし、それすらも綺麗事に過ぎないのだろうか、という気持ちにすらなってしまいます。失われた10年、15年と言われる昨今。グローバル経済になっていく中で、やはりまだ日本は「日本国」という島の中でしか物事を判断出来ていない事に誰もが危機感を感じながら、不安の中に身を置いています。その先に何が必要なのか?という事を考えながら、最終巻を読み進めたいと思います。
それにしても、あくまで事実を元にしたフィクションとはいえ、御巣鷹山篇からは日航機事故とクロスしてしまい、日本航空の組織内部のことは私には分かりませんが、政治家の方の名前などは、これは誰だなどと理解出来てしまう名前の付け方。それも手法なのでしょうが、読者としてはどこまでが真実でどこからが虚構なのかと思わず混乱してしまう。お金や権力、女を囲う事などの記述にしても、あるだろうなと冷静な自分が在る反面、汚い・・・と思わざるを得ない。思わず、誰が悪いのだ!と悪者探しをしたくなる気持ちになってしまいます。
これが、全て真実だと感情的に捉えてしまう事も危険なように感じます。
ただ、企業にせよ、組合にせよ、政治にせよ、各々のインセンティブがあり、各々の正義があり、また対峙する別の正義があるのだと思います。主人公の恩地ではなく、また別の人に焦点をあてれば、違う物語になるのかもしれません。
しかし、そこから真に学ぶべき事は何なのだろうか・・・?
利権、癒着。一つの企業だけではなく、政界との複雑に絡み合った人間模様。何故、組織や政治、社会が個の利権に走ってしまうのか。そこにないものは理念であるのだと思います。しかし、それすらも綺麗事に過ぎないのだろうか、という気持ちにすらなってしまいます。失われた10年、15年と言われる昨今。グローバル経済になっていく中で、やはりまだ日本は「日本国」という島の中でしか物事を判断出来ていない事に誰もが危機感を感じながら、不安の中に身を置いています。その先に何が必要なのか?という事を考えながら、最終巻を読み進めたいと思います。
2011年9月8日に日本でレビュー済み
まず、私は著者の作品は好きである。特に初期の船場物など著者ならではと思う。ただ、白い巨塔以降の作品では舞台設定や主人公がフィクションとノンフィクションとがきわどくなっているものが増えている。
本作は明らかに舞台が日本航空である。登場人物もちょっと考えればあああの人かと推測できる。そこが問題点である。つまりフィクションとノンフィクションの区別が限りなく不明瞭である。と同時に正義と悪とが単純明快すぎる。その点をあらかじめ理解して日本航空の歴史や登場人物に擬されている人たちの実像を知らないと誤解する。そこを事前に情報武装しておく必要がある。
本作はフィクションである。決してノンフィクションではない。
その一例がこの会長室篇の国見会長である。国見会長のモデルは元カネボウ名誉会長の伊藤淳二氏であるが、名門カネボウがいかにして破綻したか、そしてそのA級戦犯は誰だったのか?カネボウの結末を知る人間からすると国見会長の描写には大いに疑問である(ノンフィクションならば)。
著者の資料引用などについては周知の通り議論があり、読むうえでは「あくまでフィクション」と思って読むべきである。フィクションの中での人間ドラマである。
本作は明らかに舞台が日本航空である。登場人物もちょっと考えればあああの人かと推測できる。そこが問題点である。つまりフィクションとノンフィクションの区別が限りなく不明瞭である。と同時に正義と悪とが単純明快すぎる。その点をあらかじめ理解して日本航空の歴史や登場人物に擬されている人たちの実像を知らないと誤解する。そこを事前に情報武装しておく必要がある。
本作はフィクションである。決してノンフィクションではない。
その一例がこの会長室篇の国見会長である。国見会長のモデルは元カネボウ名誉会長の伊藤淳二氏であるが、名門カネボウがいかにして破綻したか、そしてそのA級戦犯は誰だったのか?カネボウの結末を知る人間からすると国見会長の描写には大いに疑問である(ノンフィクションならば)。
著者の資料引用などについては周知の通り議論があり、読むうえでは「あくまでフィクション」と思って読むべきである。フィクションの中での人間ドラマである。
2010年7月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品の素晴らしさは
山崎さんの詳細な取材ぶりだと思います。
現実に今この時に起きている出来事のように
のめり込んで一瞬で読み切ってしまいました。
20年前の出来事とはいえ、
現状を照らし合わせて見ても、
読む価値のあるシリーズだと思います。
人間が正しく生きる事の難しさ、
正しいことが出来ない虚しさ、この国の行く末が
不安になっていまいました。
たくさんの人に勧めたいと思います!
山崎さんの詳細な取材ぶりだと思います。
現実に今この時に起きている出来事のように
のめり込んで一瞬で読み切ってしまいました。
20年前の出来事とはいえ、
現状を照らし合わせて見ても、
読む価値のあるシリーズだと思います。
人間が正しく生きる事の難しさ、
正しいことが出来ない虚しさ、この国の行く末が
不安になっていまいました。
たくさんの人に勧めたいと思います!