amazon内容(「BOOK」データベースより)より以下、
海に喚ばれた魂を、その美しき仏師は浄めるという。
永いこと、あなたとの再会を待ちわびていた―。
青年将校たちに訪れた奇跡。
涙に彩られた異界との邂逅。
第22回「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。
*
面白かったよー、と。まずは最後にそれ。
旧海軍の話なら、とっつきにくいかなーと心配して臨んだが、そうではなかった。
全五話からなるオムニバス形式の物語。
大賞受賞作に第五話を加えたものです。
読んで分かった。幽霊の話。仏師の話。背景が旧海軍。
はじめダラダラと読んで様子をみてたけど、面白くなってきて一気に読め出したのは第二話からだった、「霊猫」。
だいたい分かってくれば最後まで読み切れたかな。
だけど、この仏師って一体? だとか、疑問も残る。
丁寧に描かれているのだけれど、物足りないなーというのがある。
とかく、まとまってて、面白かったなーと思えたからいいかな。
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前夜の航跡 単行本 – 2010/11/1
紫野 貴李
(著)
- 本の長さ294ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/11/1
- ISBN-104103285613
- ISBN-13978-4103285618
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2010/11/1)
- 発売日 : 2010/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 294ページ
- ISBN-10 : 4103285613
- ISBN-13 : 978-4103285618
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,404,660位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年12月7日に日本でレビュー済み
ファンタジーノベル大賞受賞作品ということで、期待して読みました。
よくできた良作でした。
文章はとてもお上手です。
読みやすいし、丁寧な描写を心がけているな、と思いました。
近代日本の海軍、という舞台設定も新鮮に感じました。
しかし…今一つ、頭を突き抜けた面白さが感じられません。
過去の大賞受賞作品と比較すると、どうしてもパワー不足な感じがしてしまいました。
個人的感想ではありますが、いろいろと不満な点が…以下、列挙してみます。
(多少ネタバレ含みます。)
・短編集の体裁を取っているが、どの話も展開が似すぎている。読んでいて「あ、またそういう展開か…」と感じてしまう。
(乱暴な言い方になりますが、すべて「海軍兵が危険な目に合うが仏師の作った不思議な木像が助けてくれる話」でまとめてしまえます)
・物語全体を通して強く訴えかけてくるメッセージがない。「とても不思議なお話でしたね、おしまい」という読後感で終わってしまう。
せっかく太平洋戦争前の日本海軍というモチーフを扱っているわけですから、単に「不思議なお話」だけで終わらせるのではなく、それに絡めてもっといろいろ書き込んでみたら、より深い話にできたのではないか、と感じました。
(海軍の現場軍人と参謀本部の人間のやりとりを書いている部分が面白かったです。そういった部分をふくらませて軍人同士のせめぎあいをもっと掘り下げて書いてみたり、あるいは普通の農村や漁村に生まれながらも軍人として生きていくしかない青年たちの葛藤や心情に迫ってみても良かったのでは…)
・重要なキャラクターである仏師の青年に、あまり魅力が感じられない。
「美形」である旨が何度か書かれていますが、神秘的な力を持った美形にしては言動や行動が俗っぽくて違和感があるし、自分の霊力を人に知られたくないためでしょうが、妙にまだるっこしい話し方をしたりする部分が多くて読みづらく、どうも好きになれませんでした。
第1話と最終話に出てくる芹川の方が好感が持てます。元々は霊感のない普通の人間、という立ち位置が読者にも感情移入しやすいですし。この人がずっと語り手として出てくるんだな、と思っていたら第2話からは出てこなかったので肩すかしでした。
また、なぜこの仏師が不思議な木像を造る力を持っているのか、今一つ、ピンときませんでした。
「こういう理由で、この人は不思議な力があるんですよ」という具体的な説明がほしいわけではないけれど、読者が納得できるようなシーンをどこかで入れてほしかったです。
だらだらと書いてしまいましたが、短くまとめると「せっかくの良作なのに、何だかもったいない感じ」です。
筆力のある作者であることは間違いないので、今後の活躍に期待したいと思います。
よくできた良作でした。
文章はとてもお上手です。
読みやすいし、丁寧な描写を心がけているな、と思いました。
近代日本の海軍、という舞台設定も新鮮に感じました。
しかし…今一つ、頭を突き抜けた面白さが感じられません。
過去の大賞受賞作品と比較すると、どうしてもパワー不足な感じがしてしまいました。
個人的感想ではありますが、いろいろと不満な点が…以下、列挙してみます。
(多少ネタバレ含みます。)
・短編集の体裁を取っているが、どの話も展開が似すぎている。読んでいて「あ、またそういう展開か…」と感じてしまう。
(乱暴な言い方になりますが、すべて「海軍兵が危険な目に合うが仏師の作った不思議な木像が助けてくれる話」でまとめてしまえます)
・物語全体を通して強く訴えかけてくるメッセージがない。「とても不思議なお話でしたね、おしまい」という読後感で終わってしまう。
せっかく太平洋戦争前の日本海軍というモチーフを扱っているわけですから、単に「不思議なお話」だけで終わらせるのではなく、それに絡めてもっといろいろ書き込んでみたら、より深い話にできたのではないか、と感じました。
(海軍の現場軍人と参謀本部の人間のやりとりを書いている部分が面白かったです。そういった部分をふくらませて軍人同士のせめぎあいをもっと掘り下げて書いてみたり、あるいは普通の農村や漁村に生まれながらも軍人として生きていくしかない青年たちの葛藤や心情に迫ってみても良かったのでは…)
・重要なキャラクターである仏師の青年に、あまり魅力が感じられない。
「美形」である旨が何度か書かれていますが、神秘的な力を持った美形にしては言動や行動が俗っぽくて違和感があるし、自分の霊力を人に知られたくないためでしょうが、妙にまだるっこしい話し方をしたりする部分が多くて読みづらく、どうも好きになれませんでした。
第1話と最終話に出てくる芹川の方が好感が持てます。元々は霊感のない普通の人間、という立ち位置が読者にも感情移入しやすいですし。この人がずっと語り手として出てくるんだな、と思っていたら第2話からは出てこなかったので肩すかしでした。
また、なぜこの仏師が不思議な木像を造る力を持っているのか、今一つ、ピンときませんでした。
「こういう理由で、この人は不思議な力があるんですよ」という具体的な説明がほしいわけではないけれど、読者が納得できるようなシーンをどこかで入れてほしかったです。
だらだらと書いてしまいましたが、短くまとめると「せっかくの良作なのに、何だかもったいない感じ」です。
筆力のある作者であることは間違いないので、今後の活躍に期待したいと思います。