人間のおぞましさ
を突きつけられた。
虐待の系譜が、いつ表面化するかを、忘れてはならない。
今繰り返されている、子どもへの虐待に、通底する心理があるように感じる。
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三たびの海峡 ハードカバー – 1992/4/1
帚木 蓬生
(著)
第14回(1993年) 吉川英治文学新人賞受賞
- 本の長さ354ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1992/4/1
- ISBN-104103314060
- ISBN-13978-4103314066
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1992/4/1)
- 発売日 : 1992/4/1
- 言語 : 日本語
- ハードカバー : 354ページ
- ISBN-10 : 4103314060
- ISBN-13 : 978-4103314066
- Amazon 売れ筋ランキング: - 665,434位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 15,353位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年12月3日に日本でレビュー済み
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言葉は知っていても詳しく知らなかった強制労働を理解できた。中国残留孤児、シベリア抑留など、日本人として知っておくべき歴史だと感じた。
2021年8月12日に日本でレビュー済み
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アジアへ遊びに行く時は近現代史を学んで行くのが最低限の常識。
2014年11月22日に日本でレビュー済み
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この小説は、終戦前の昭和17,18年代(1942,1943年)という激動の時代に、九州の炭鉱で起こった事を中心に描かれた、一人の朝鮮人の男、河時根の生涯に関する物語である。
河時根は、朝鮮から日本への強制労働者として騙されて連れてこられ、九州の炭鉱労働者としての家畜以下の待遇での重労働を強いられる。管理者である日本人労務者(山本)からの虐待を受けた同僚の何人かは死に追い込まれた。
命からがら逃げ出した河時恨は、恋に落ちた日本人女性(千鶴)と韓国に戻るが、「倭奴の女」を連れて帰って来た弟に対し、実の兄からはとても冷たく扱われてしまう。娘を引き戻しに来た千鶴の父親によって、やむなく千鶴とまだ赤ん坊の息子(時朗)との別れを余儀なくされる。その後、男は30年間日本に背を向け、釜山で実業家として成功し、再び自分の『使命』を果たすために日本に渡ってくる。その生涯を、激動の時代と共に描いた小説。
日本と韓国に横たわる非常に重要なテーマであり、多くの人が触れたがらないテーマでもある。
私の関心は、「河時根を、3度目の海峡に突き動かしたものは何だったのだろうか。」という点だ。河が、自分の生命を賭してまで、遂げたかったその想いとは何なのか。
炭鉱で自らの同胞達を死に追い込んだ、皮肉にも同じ朝鮮人であった、炭鉱労務者の
朝鮮人を殺害する予告を残した遺書をかつて愛した日本人女性(千鶴)の息子に充てた文書で、この小説は閉じられている。
時代小説は、歴史の断片を単に年表から追うだけでなく、確かにその時代を生き抜いた人々の思いを、当時の社会情勢を映しながら、ありありと登場人物の人生を描いてくれる。本小説では、主人公である河時恨の姿を通して、当時の日本社会の有り様が、克明に描かれている。
著者の冷静な視点は、主人公のそれと重なり、現代に生きる我々に、命の意味、使命の意味を問いかける。
正直、この小説を読むまでは、私は日本と韓国に横たわる問題を考える時、また韓国の政治家が、嫌日的な発言をし、過去を反省しろという発言を聞くたびに、それを自国内の国民の不満の矛先を日本にすり替えるためだけの手段としてか思っていなかった。
一体私のような若い世代(20-30代)の日本人の中で、どのくらい強制労働についての事実を知っている者がいるのだろうか。少なくとも私は知らなかった。私達日本人の無関心な態度は、当時を知る朝鮮人からすると、とても看過する事の出来ない、傲慢な態度であったのだろう。
「日本の近代化を百年に渡って支えたのが炭鉱ですし、そこで働いた日本の民衆がおり、数々の災害と争議があり、戦前・戦後には、連行されて強制労働をさせられた朝鮮人がいたことを率直に伝えるのです」
3度目の海峡を渡った河時恨はこう言う。
「大切なのは炭鉱で生き死にした人間の性津を再現して見せる事です。」
「歴史に埋もれさせてはならない。興和寮も当時そっくりに立てて、どういう衣服を着せられ、どういう布団にくるまり、どういうものを食べていたのかを知らせてやるのです。見学者が実際に泊まり、実体験を出来るようになれば、さらに有意義です。」
「2つの国の人々が、そこで悲しい過去を検証し合えば、二度と同じ轍を踏むことはないはずです。」
「お前には不幸な歴史を繰り返さないためにも、海峡を挟む。二つの民族の優しい架け橋になってほしいのだ」
最も近くて遠い隣国と言われる、日本と韓国。海を隔てて隣合うこの2国間で起きた出来事に目を向け、前を向いて懸け橋となる人が一人でも多く出ることを願い、自分もそうなれればと思っている。
河時根は、朝鮮から日本への強制労働者として騙されて連れてこられ、九州の炭鉱労働者としての家畜以下の待遇での重労働を強いられる。管理者である日本人労務者(山本)からの虐待を受けた同僚の何人かは死に追い込まれた。
命からがら逃げ出した河時恨は、恋に落ちた日本人女性(千鶴)と韓国に戻るが、「倭奴の女」を連れて帰って来た弟に対し、実の兄からはとても冷たく扱われてしまう。娘を引き戻しに来た千鶴の父親によって、やむなく千鶴とまだ赤ん坊の息子(時朗)との別れを余儀なくされる。その後、男は30年間日本に背を向け、釜山で実業家として成功し、再び自分の『使命』を果たすために日本に渡ってくる。その生涯を、激動の時代と共に描いた小説。
日本と韓国に横たわる非常に重要なテーマであり、多くの人が触れたがらないテーマでもある。
私の関心は、「河時根を、3度目の海峡に突き動かしたものは何だったのだろうか。」という点だ。河が、自分の生命を賭してまで、遂げたかったその想いとは何なのか。
炭鉱で自らの同胞達を死に追い込んだ、皮肉にも同じ朝鮮人であった、炭鉱労務者の
朝鮮人を殺害する予告を残した遺書をかつて愛した日本人女性(千鶴)の息子に充てた文書で、この小説は閉じられている。
時代小説は、歴史の断片を単に年表から追うだけでなく、確かにその時代を生き抜いた人々の思いを、当時の社会情勢を映しながら、ありありと登場人物の人生を描いてくれる。本小説では、主人公である河時恨の姿を通して、当時の日本社会の有り様が、克明に描かれている。
著者の冷静な視点は、主人公のそれと重なり、現代に生きる我々に、命の意味、使命の意味を問いかける。
正直、この小説を読むまでは、私は日本と韓国に横たわる問題を考える時、また韓国の政治家が、嫌日的な発言をし、過去を反省しろという発言を聞くたびに、それを自国内の国民の不満の矛先を日本にすり替えるためだけの手段としてか思っていなかった。
一体私のような若い世代(20-30代)の日本人の中で、どのくらい強制労働についての事実を知っている者がいるのだろうか。少なくとも私は知らなかった。私達日本人の無関心な態度は、当時を知る朝鮮人からすると、とても看過する事の出来ない、傲慢な態度であったのだろう。
「日本の近代化を百年に渡って支えたのが炭鉱ですし、そこで働いた日本の民衆がおり、数々の災害と争議があり、戦前・戦後には、連行されて強制労働をさせられた朝鮮人がいたことを率直に伝えるのです」
3度目の海峡を渡った河時恨はこう言う。
「大切なのは炭鉱で生き死にした人間の性津を再現して見せる事です。」
「歴史に埋もれさせてはならない。興和寮も当時そっくりに立てて、どういう衣服を着せられ、どういう布団にくるまり、どういうものを食べていたのかを知らせてやるのです。見学者が実際に泊まり、実体験を出来るようになれば、さらに有意義です。」
「2つの国の人々が、そこで悲しい過去を検証し合えば、二度と同じ轍を踏むことはないはずです。」
「お前には不幸な歴史を繰り返さないためにも、海峡を挟む。二つの民族の優しい架け橋になってほしいのだ」
最も近くて遠い隣国と言われる、日本と韓国。海を隔てて隣合うこの2国間で起きた出来事に目を向け、前を向いて懸け橋となる人が一人でも多く出ることを願い、自分もそうなれればと思っている。
2023年8月19日に日本でレビュー済み
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終わり方が、う~んという感じですね。この終わり方しかなかったのか?
2018年12月16日に日本でレビュー済み
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多分、本当にあったことなんでしょう。
よく調査されていると思います。第二次世界大戦時の朝鮮人の徴用工問題に興味がある
人は是非お読みになることをおすすめします。
ただ、日本人労働者もかなり劣悪な職場環境であったようなので、朝鮮人だけが悲惨が
ことになったというわけではなさそうです。
よく調査されていると思います。第二次世界大戦時の朝鮮人の徴用工問題に興味がある
人は是非お読みになることをおすすめします。
ただ、日本人労働者もかなり劣悪な職場環境であったようなので、朝鮮人だけが悲惨が
ことになったというわけではなさそうです。
2020年5月3日に日本でレビュー済み
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日本と韓国がいい関係を保つ為にも是非読んで欲しい本です