本作には、自分が何者かさえ把握できない登場人物が多く出てきます。
だからと言って、「生きている資格がない」ことにはなりません。
生死の自己決定を他人(ここでは医師)に、勝手に判断される筋合いもない訳です。
そんな当たり前が「滑り坂理論」を根拠に、呆気なく忘れ去られてします。
人の奥底に眠る狂気を再認識させられる、作品です。
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安楽病棟 単行本 – 1999/4/1
帚木 蓬生
(著)
- 本の長さ462ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1999/4/1
- ISBN-104103314095
- ISBN-13978-4103314097
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
人間としての尊厳を少しずつ失いながら、頑健な身体をもてあましつつ生き永らえる痴呆老人たち。彼らを収容する病棟で、ある「理想」が実験段階に入った-。感涙と戦慄のヒューマン・ミステリー。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1999/4/1)
- 発売日 : 1999/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 462ページ
- ISBN-10 : 4103314095
- ISBN-13 : 978-4103314097
- Amazon 売れ筋ランキング: - 251,545位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 72,790位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2017年10月7日に日本でレビュー済み
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前半で丁寧に描かれる一人一人の老人の過去が、後半に到って意味を持ってくる。昨年の相模原の施設の事件などを想起させる内容で、この作家の慧眼に感服した。たとえ認知症の老人であっても、身体に不自由のある老人であっても、皆、最初からその状態ではなかったことをわれわれは知らなくてはならない。親を看取ってまだ1年の私には、この病棟の患者さんたちが自分の親のようにも思え、また遠からず自分も行く道であろうと思えて胸に響いた。
2019年12月31日に日本でレビュー済み
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年老いて自分の意思で生活ができなくなっても生きるということに、私自身は生きる意味を見出すことができません。家族や介護の方に迷惑をかけるのであれば安楽死という選択もあってしかるべきかと考えてしまいます。これからの世の中、このようなことが現実的に多く起きてくるのかと予想されます。遺族にとっても、生きながらえる立場にとってもお互いが軋轢のない人生の終焉を迎えることを考えていくことが大事だと思いました。
2020年8月23日に日本でレビュー済み
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彼の小説はほぼ完読しています。今回unlimitedで読むことができうれしいです。人情味のある書きぶりで、心が温かくなるのですが、読後は宿題を与えられたような気がします。次の小説が楽しみです。
2013年11月10日に日本でレビュー済み
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作品の前半部分は高齢の方々の入院への思いや周りの方々の動きが描かれ、途中ぐらいから看護婦さんの目線による、日記風の作品になっています。
高齢の方の院内での生活模様がリアルに記され数十年後の自身でないか、と腹の中から感じる作品でした。
ドキュメントのカラーをこの作品にまとめて、サスペンスを加味しなくても良かったのでは!と感じる
高齢の方の院内での生活模様がリアルに記され数十年後の自身でないか、と腹の中から感じる作品でした。
ドキュメントのカラーをこの作品にまとめて、サスペンスを加味しなくても良かったのでは!と感じる
2018年8月23日に日本でレビュー済み
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※少しネタバレを含みます※
まず、皆さん書かれているように、ミステリーの要素は全くありません。最後までないと言ってもいいと思います。
テーマやスタイルは悪くないと思いますし、誰もが深く考えるべきトピックを扱っています。
しかし、構成が…(以下、ネタバレ)
各老人や看護婦が生き生きと描かれているのに、犯人が最後まで顔も見えず、どう言った人間なのかわからない。なぜこういう行動に走ったのか、犯人の人間性も描けば、より厚みのある作品になったと思う。
そして一番の問題は、特定の宗教の考えを否定するかのような表現が中盤に何度も出てきていること。これはちゃんと取材した上で書いているのか?死生観にまつわる話なのだから、嘘はいけない。誤解や偏見を招き、ミスリードを煽り、ある意味「作者の意見を、読者に感情的にならせることで、受け入れさせる」意図すら感じさせた。
稚拙な描写はしかなたいとしても、いい素材を下手に料理した感は拭えない。タイトルから落ちを想像させるのもよくない。
まず、皆さん書かれているように、ミステリーの要素は全くありません。最後までないと言ってもいいと思います。
テーマやスタイルは悪くないと思いますし、誰もが深く考えるべきトピックを扱っています。
しかし、構成が…(以下、ネタバレ)
各老人や看護婦が生き生きと描かれているのに、犯人が最後まで顔も見えず、どう言った人間なのかわからない。なぜこういう行動に走ったのか、犯人の人間性も描けば、より厚みのある作品になったと思う。
そして一番の問題は、特定の宗教の考えを否定するかのような表現が中盤に何度も出てきていること。これはちゃんと取材した上で書いているのか?死生観にまつわる話なのだから、嘘はいけない。誤解や偏見を招き、ミスリードを煽り、ある意味「作者の意見を、読者に感情的にならせることで、受け入れさせる」意図すら感じさせた。
稚拙な描写はしかなたいとしても、いい素材を下手に料理した感は拭えない。タイトルから落ちを想像させるのもよくない。
2017年9月3日に日本でレビュー済み
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どこからミステリーが始まるのかと思ったら、最後の最後。完全な付け足し。
しかし、痴呆性老人の状態の記載はすごい。認知症の専門病院に勤務したことがあるが、こんなところまで把握できなかった。感受性が違うとしかいいようがない。すごい取材力だと思う。
認知症の老人は人間だ。自殺幇助は不適切だと思う。オランダの安楽死の状況が記載されているのは、非常に役にたった。オランダの状況を誤解している人は少なくないと思う。
まだ認知症になってない高齢者の方が読むと、胸がズキズキすると思う。
しかし、痴呆性老人の状態の記載はすごい。認知症の専門病院に勤務したことがあるが、こんなところまで把握できなかった。感受性が違うとしかいいようがない。すごい取材力だと思う。
認知症の老人は人間だ。自殺幇助は不適切だと思う。オランダの安楽死の状況が記載されているのは、非常に役にたった。オランダの状況を誤解している人は少なくないと思う。
まだ認知症になってない高齢者の方が読むと、胸がズキズキすると思う。
2014年3月20日に日本でレビュー済み
基本的には帚木氏らしい医療問題をベースにした、障害を抱えながら物悲しくも静かに
暮らしている老人たちと一人の看護婦の物語で、読み終えればそれなりの満足感もあるのだが、
前半が物凄くだるい
これから登場する老人たちのエピソードが次々に綴られるのだが、これが200ページ近くも続くので、
二人に一人ぐらいは戦争ネタなことも相まって、読んでいてどうしてもだれてしまう
本筋の話をやりながら老人たちのエピソードも交えるぐらいでちょうどよかったのではないだろうか
またこの作品は目次を見れば分かるが、長編というよりもエピソード集のような作りになっているので、
一つの話が終わる度に読む勢いが殺がれて、どうしても読むのに時間が掛かってしまう
悪い作品ではないが、帚木氏の作品としてはやや不満もある一冊だった
暮らしている老人たちと一人の看護婦の物語で、読み終えればそれなりの満足感もあるのだが、
前半が物凄くだるい
これから登場する老人たちのエピソードが次々に綴られるのだが、これが200ページ近くも続くので、
二人に一人ぐらいは戦争ネタなことも相まって、読んでいてどうしてもだれてしまう
本筋の話をやりながら老人たちのエピソードも交えるぐらいでちょうどよかったのではないだろうか
またこの作品は目次を見れば分かるが、長編というよりもエピソード集のような作りになっているので、
一つの話が終わる度に読む勢いが殺がれて、どうしても読むのに時間が掛かってしまう
悪い作品ではないが、帚木氏の作品としてはやや不満もある一冊だった