プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥1,176¥1,176 税込
発送元: Amazon 販売者: まごころネットストア
¥143¥143 税込
配送料 ¥240 6月9日-11日にお届け
発送元: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】 販売者: バリューブックス 【防水梱包で、丁寧に発送します】
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
手のひらの京 単行本 – 2016/9/30
購入オプションとあわせ買い
私はここが好きだけど、いつか旅立つときが来る――。
奥沢家三姉妹の日常に彩られた、京都の春夏秋冬があざやかに息づく、綿矢版『細雪』
おっとりした長女・綾香は31歳、次第につのる結婚へのあせり。一方、子供の頃からモテて、恋愛に生きる次女・羽依は入社早々、職場で人気の上司と恋仲に。大学院で研究に没頭するリケジョの三女・凜は自ら人生を切り拓くべく、いずれ京都を出ようとひとり心に決めていた。生まれ育った土地、家族への尽きせぬ思い。かけがえのない日常に宿るしあわせ。人生に、恋に悩みながらもまっすぐ生きる三姉妹の成長と旅立ちの物語。
- 本の長さ220ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2016/9/30
- 寸法13.7 x 1.7 x 19.7 cm
- ISBN-104103326239
- ISBN-13978-4103326236
この著者の人気タイトル
商品の説明
メディア掲載レビューほか
“特別な街"での、故郷と家族の普遍の物語
「東京で結婚して、子供も生まれて、気軽に京都に行けなくなったので、小説で里帰りする気持ちです」
意外にも、生まれ育った京都を本格的に書くのは初めてという綿矢りささん。本作では、京都に暮らす三姉妹の恋と成長を綴った。
「京都の人は地元愛の強い方が多いと思います。一生京都に住み続けることになんの抵抗もない、むしろ嬉しい人たちがほとんどではないかと。街自体に主役の存在感がある京都を舞台に、色んな女の人を書いてみたいと思いました」
結婚を焦る奥手な長女・綾香、モテるが同性に嫌われる次女・羽依、理系でマイペースな三女・凛。〈こんな素晴らしい土地はどこにもない〉と信じる京都人の両親と娘達の平穏な日々に、東京で就職するという凛の決意が波紋を起こす。
「一度は外に出てみよう、という程の軽い気持ちなのに『京都を捨てるの?』みたいに言われて混乱する凛の気持ちは、私にも覚えがあります。盆地で視覚的にも“囲まれてる"感が強いせいか、出ることへのハードルが高いんです。小ぢんまりしているのに、お釈迦様の掌の内のように見渡す限り続いている。そんな思いも題名に重ねています」
〈しっかりしてよ、姉やん〉
〈まあ、無理しいひん程度にがんばったら〉
〈ほんならやめとき〉
京都弁が独特の風情とリズムをもたらしている。
「表記が難しいかと思ったんですけど、いざ京都弁で書き出したらすごく楽で。むしろ標準語が苦手だと気づかされたというか、東京暮らしもまあまあ長いのにやっぱり私は京都弁ネイティブなんやなと思いました」
“はんなり"ばかりではない。職場の先輩の“いけず"も、羽依が反撃するド迫力の京都弁も、等身大の京都の一部として書き込んだ。
「羽依は勝手に喋りどんどん動いていくキャラクターで、私の中の狂気が迸りやすかったというか……。キレる場面は、書きながら唐辛子たべたみたいに体がカーッと熱くなってくるし、文章にもグルーブが出て。
狂気が奔り過ぎないようセーブして書いていた頃もあったけど、案外と誰も止めないので、最近は全開ですね。大丈夫かな(笑)」
新緑の鴨川、祇園祭、紅葉の山々、雪積もる渡月橋。美しい四季の中で三姉妹に訪れる変化。「飛び立つ衝動だけではなく、その代償もきちんと書きたかった」というラストが静かに沁みる。故郷を出ること、家族と離れることの切なさも浮かび上がる1冊だ。
評者:「週刊文春」編集部
(週刊文春 2016.11.13掲載)登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2016/9/30)
- 発売日 : 2016/9/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 220ページ
- ISBN-10 : 4103326239
- ISBN-13 : 978-4103326236
- 寸法 : 13.7 x 1.7 x 19.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 690,050位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 182,035位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1984年京都府生まれ。早稲田大学教育学部卒業。2001年『インストール』で第38回文藝賞を受賞しデビュー。2004年『蹴りたい背中』で第130回芥川賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『勝手にふるえてろ』(ISBN-10:4163296409)が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
長女の綾香は結婚、次女の羽依は恋愛、三女の凜は就職、それぞれに達成すべきものは異なる。
達成すべきそれらは、過酷な通過儀礼のような性質を持っているのかもしれない。
鴨川や四条通り、八坂神社に貴船神社、ありがちな古風な喫茶店などが舞台となる。
さらに、祇園祭や大文字焼き、「聞こえよがしのいけず」の技術についても、語られる。
京都の街に身をおくかのように、読むほかない。
三女の凜は研究職を目指す「リケジョ(理系女子)」であり、東京での就職を希望している。
しかし、京都を出て行くことに反対する両親と対立し、葛藤する。
それは京都の歴史的な伝統文化と最先端の科学技術との対立、葛藤の暗喩となっているのだろうか。
凜には手のひらのなかに愛おしむように、持ち続けたい京がある。
一方、京は手のひらのように、凜をやさしく包む。
凜のこれからの歩みは、どうなのか。
大部となるように、続編を書いてほしい。
凜だけでなく、綾香も、羽依も成長していくからである。
彼女たちの若者から中年への変貌、さらには美しく老いた姿をも目にしたい、と思う。
八坂神社から振り返って見下ろした四条通りが印象的でした
前原とかまじ存在自体が怪談でしょ。なんか、ぬとーっとした京男の陰湿さが蛇みたいだと思った。
これをめちゃくちゃ上品に洗練させたら柏木を精神的に追い詰め殺した源氏の君なんだろうな。
前原は所詮小者だけどさ。
あと、梅川の反応もすっごいリアリティある。日本人男性あるある。なんで、ストーカーを自分で撃退した彼女をカッコイイと思ってやれないんだよ。お前がボサっとして何にもしないからやろ。まあ、ああいう局面だと男ってこいつに限らず石の地蔵になってしまうんだけどね。
あれ本当に何なの?欧州だと自分の女性が絡まれてたら、絶対に助けるよ。
でも、今の時代、女が会社を男よりもはるかに簡単に辞められるという認識は古いと思う。たとえ、一般職でも新卒で入って会社はそうそうやめられないよ。男の梅川との二項対立をそこで描くのはバブル時代じゃないんだから古いでしょ。ヒロイン達がダム女を出てるような本当に京都の旧家のお嬢さんならともかくそういう描写はないから、すごく時代錯誤に感じました。
あと、着物の勉強は付け焼き刃ではなくもっと本格的にした方がいい。描写されてるコーディがすごくダサいので。
大体、「光沢のある綸子」ってどういうこと?綸子はそもそも光沢のある生地です。綸子にさらに光沢を出したらそれは、繻子です。
読者を舐めてるんだろうけど、細雪を目指すならそのへんは徹底的にやってほしい。
でも、京都の伝統芸能のいけずの描き方はすごく面白かったので、外部の者はほぉーとなりました。
どこにでもあるような風景だが、京都に住む人の京都愛を強く感じる。「いけず」って・・・
次女の一見強くて器用なようでいて、ナイーブなキャラが好み。振った元カレ上司にストーカーされ、現同僚カレとの仲がぎくしゃく。イラっとするこのあたりはページを繰る速度は速まった。
京都を出ようとする三女に両親は大反対。三女から見た小さな世界観がタイトルの意味かなと思う。帯に綿谷版「細雪」とありますがハテ?どうだろう。
著者が京都出身だからこそ物語の中にも今の京都や関西の文化が丁寧で繊細に書かれていて、勿体無いと感じてしまい何度か休み休みに読み終えました。同じ関西人だからこそ、クスっと笑えるところや爆笑できるところがありました。
物語の最後は気になる終わり方ではありますが、私は余韻が残り3姉妹とその家族がどうなるんだろう?と想像力を沸かせるところが私は気に入っています。
スピード感はありませんが、その分丁寧に読みたくなる物語でした。