人格者で聖母のように描かれている祖母が、読者レビューでは一定数批判的な声がある。
娘がいつまでもお母さん大好きなままで、自分の娘に対して"母性"が芽生えなかったのは、母親のせいであろう、ということだ。
娘と母親が死の淵に立たされている時、娘ではなく大事な母親を助けようと選ぶことを、みな悪だと思っている。
そうしようとした母親(娘)を、それよって祖母が自殺したことを、夫も、その愛人も、読者も、批難する。批難しないのは選ばれなかった当の娘だけだ。
私自身も、同じ母親として「子どもはまた産めばいいじゃない」のセリフに「おいおいまじかよ?」と思ったりはしたが、母親は"母性"があるから、娘を助けるのが当然なのだから。というのが自分自身にも無意識に染み付いているのだなと思った。
よく考えてみれば、夫は、家族よりもまず自分の大事な絵を運び出したというのに、それは当の夫(父親)本人ですら棚に上げている。
母親は、自分の大事な母親ですら助けさせてもらえない。それは本当はおかしいことだよな。
「母親は母性があるから、当たり前」というセリフに、みな甘えきっているのだなと思う。
結局何をしても批難されるのが母親というものだ。
マンションから飛び降りて自殺をはかった女子高生の事件か事故で、まず母親にインタビューするのも、母親に何かしらあるんじゃないかと真っ先に思われるからだ。
家出同然に飛び出して、自分で商売して楽しく生きてる「りっちゃん」が一番楽しそうではあるから、娘も息子も母親から飛び出していくのが最善、ということなんだろうか。
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母性 単行本 – 2012/10/31
湊 かなえ
(著)
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- 本の長さ266ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2012/10/31
- 寸法14 x 2.3 x 19.7 cm
- ISBN-104103329114
- ISBN-13978-4103329114
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2012/10/31)
- 発売日 : 2012/10/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 266ページ
- ISBN-10 : 4103329114
- ISBN-13 : 978-4103329114
- 寸法 : 14 x 2.3 x 19.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 141,701位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1973年広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年、第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選、07年、第35回創作ラジオドラマ大賞受賞。同じ年、第29回小説推理新人賞を「聖職者」で受賞。
08年、「聖職者」を第一章に、その後の顛末までを描いた長篇小説『告白』を刊行。同作が2008年週刊文春ミステリーベスト10第1位、第6回本屋大賞を受賞する。「告白」は2010年6月、松たか子主演で映画公開。著作:告白(2008年8月 双葉社 / 2010年4月 双葉文庫)、少女(2009年1月 早川書房)、贖罪(2009年6月 東京創元社)、Nのために(2010年1月 東京創元社)、夜行観覧車(2010年6月 双葉社)、白ゆき姫殺人事件(2012年7月 集英社)
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2024年1月16日に日本でレビュー済み
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湊かなえさんの本はNのためにと比べると他の作品に物足りなさを感じていたが母性はとても楽しめた一冊。
2024年4月23日に日本でレビュー済み
愛されてるんじゃなくて、体裁を整えてるだけ
この言葉が印象的でした
母に褒められるため、喜ばれるため、それが行動原理の人間は自主性がなく世界の中心が永遠に母親
私はこんなにしてるのに…私ならもっとこうしたのに…と、無自覚な人間的歪みをこんなリアルに表現できる湊かなえさん凄すぎる!!
キティーちゃんを欲しがる娘に、意見を変えるよう圧力をかけ、今現在もその行動が間違っていると思っていない。あんた、そーゆーとこやぞ!って突っ込みたくなりました。
無償の愛を受けて育った人間がこんなにも歪んだ人間になるものなのか?そこがしっくり来ませんでした。母親の自殺でおかしくなった、というより妊娠した瞬間から毒親ぽかったし
血の繋がる娘よりも義母に娘として認めてもらい、もう一度自分自身が娘であり続けようとする。その願望に自身も無自覚で、何の疑いも反省もなく回想している成長しない母親に終始怒りを覚えた
母親の娘である。と言うのがこの人のアイデンティティの全てだったのだろう
自分の価値をブランド物や旦那の職業、子供の学歴で上げようとする人も同様に、自分自身を愛する事ができない人
自分を愛さない、自己肯定感が低い
だから価値ある別の何かの、娘、嫁、母
である事がアイデンティティになる
そういう人は相手のことを自分の小道具としか思わない
愛のパフォーマンス
外から見ると同じように見えても、子供からすると一目瞭然で…
そうやって居心地の悪い人間関係が出来上がる
この言葉が印象的でした
母に褒められるため、喜ばれるため、それが行動原理の人間は自主性がなく世界の中心が永遠に母親
私はこんなにしてるのに…私ならもっとこうしたのに…と、無自覚な人間的歪みをこんなリアルに表現できる湊かなえさん凄すぎる!!
キティーちゃんを欲しがる娘に、意見を変えるよう圧力をかけ、今現在もその行動が間違っていると思っていない。あんた、そーゆーとこやぞ!って突っ込みたくなりました。
無償の愛を受けて育った人間がこんなにも歪んだ人間になるものなのか?そこがしっくり来ませんでした。母親の自殺でおかしくなった、というより妊娠した瞬間から毒親ぽかったし
血の繋がる娘よりも義母に娘として認めてもらい、もう一度自分自身が娘であり続けようとする。その願望に自身も無自覚で、何の疑いも反省もなく回想している成長しない母親に終始怒りを覚えた
母親の娘である。と言うのがこの人のアイデンティティの全てだったのだろう
自分の価値をブランド物や旦那の職業、子供の学歴で上げようとする人も同様に、自分自身を愛する事ができない人
自分を愛さない、自己肯定感が低い
だから価値ある別の何かの、娘、嫁、母
である事がアイデンティティになる
そういう人は相手のことを自分の小道具としか思わない
愛のパフォーマンス
外から見ると同じように見えても、子供からすると一目瞭然で…
そうやって居心地の悪い人間関係が出来上がる
2024年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読後読んでみたいと言うので孫に渡しました、
主人公に対し違和感を感じました
主人公に対し違和感を感じました
2023年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ほぼ100%善人に描かれている祖母が最大の問題であると感じた。また人に褒められるために生きる生き方も危険だ。母をある時点で否定することが娘には必要なのだと感じた。
2024年3月18日に日本でレビュー済み
本を読んでから映画を見ました。
この話は映画にするには無理があります。
端折られすぎてて恐らく意味がわからないでしょう。
ここからはネタバレです。
母性というタイトルですが、現代用語で表現すると、毒親の様々な形が書かれています。
もちろん、母性に触れるところもありますが、子供側からの視点であり、考えさせられる程のものではなく、問題点がはっきりしています。
ただ、物語はとても面白く、2時間ほどで読み終えました。とてもおすすめです。
この話は映画にするには無理があります。
端折られすぎてて恐らく意味がわからないでしょう。
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母性というタイトルですが、現代用語で表現すると、毒親の様々な形が書かれています。
もちろん、母性に触れるところもありますが、子供側からの視点であり、考えさせられる程のものではなく、問題点がはっきりしています。
ただ、物語はとても面白く、2時間ほどで読み終えました。とてもおすすめです。
2023年5月15日に日本でレビュー済み
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母親と娘の区別が最初わかりづら極端な感情も文章で読むと追いつかなかったです。