全く予備知識なしで読み始めたので、タイトルをアルファベットにしている意味には、なるほどと感心した。
19世紀末当時のパリ画壇動向についてはかなり知っているつもりなのだが、エミール・ガレのことはくわしくないこともあって、高島北海という人物は全く知らなかった。北海の伝記部分はいかにも歴史小説という感じである。一方現代の部分には北海のひ孫だという男が出てきて、フィクションには違いないのだが、それにしてもどこまでが実際のことなんだろうと疑問を持ってしまう。読者にそんな疑念を起こさせるのも、作者の計算のうちということか。
この入れ子構成については、最初のうちはいい意味でも悪い意味でも特別な感想は持たなかったのだが、最後になって現代の作家による取材で謎解き的興味を出す構成が、全体をうまく締めくくっているように感じた。そこから逆算すると、これくらい現代の部分を入れるのがちょうどいいくらいであろうか。
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HOKKAI 単行本 – 2005/10/26
高樹 のぶ子
(著)
- 本の長さ301ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2005/10/26
- ISBN-104103516070
- ISBN-13978-4103516071
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2005/10/26)
- 発売日 : 2005/10/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 301ページ
- ISBN-10 : 4103516070
- ISBN-13 : 978-4103516071
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,074,817位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 24,578位日本文学
- - 30,099位エッセー・随筆 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1946(昭和21)年、山口県生れ。東京女子大学短大卒。
1984年「光抱く友よ」で芥川賞を、1995(平成7)年『水脈』で女流文学賞を、1999年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞。著書として他に『百年の預言』『罪花』『ナポリ 魔の風』『fantasia』など多数。
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