子供時代の話が好きです。こんなふうに友達ってできるんだよな、という自分自身のことを思い出した。
思い出させてくれるほど、よく書けてる。山田詠美さん、よく覚えてるね、すごいなあとノスタルジックな思いに浸れた。
でも、主人公の女の子フトミ(小2)が、偶然オナニーを経験するところからなんとなく違和感が出てきた。
4人の男女とりまぜた幼馴染は互いを大切に思い、素敵なんだけど、とにかく性に早熟で、4人以外のそんなに好きかもわからないような相手と中学校や高校でみんな性の体験をしてしまう。
こんなド田舎の中高生が、なんのてらいもなく、普通に性体験をするものかな?しかも舞台は40年以上前。
詠美さんは実験的に書くところがあるけど、なんか残念。
ありきたりが嫌いなんだね。
でも、わたしはこれを読んで、自分の思い出まで汚された気がした。ピュアな気持ちと性への興味が同じくらいの重さで書かれている。
中・高生ともなれば興味があるのは当たり前だけど、それを恥じたり抑えたりしながら、それが前面に出ないように人間関係を作っていくのが普通なのではないか。少なくとも、こんなに大切な友人たちがいる者たちは。
山田詠美さんの作品の中で、人を驚かしてやろうとして、ストーリーが技巧に走っているものは共感できない。
感受性も文章力も構成もすばらしく力を持った作家なのに……。
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学問 単行本 – 2009/6/30
山田 詠美
(著)
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「私ねえ、欲望に忠実なの。愛弟子と言ってもいいね」。四人の少年少女の、生と性の輝き。そしていつもそこにある、かすかな死の影。新たなる代表作。
- 本の長さ292ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2009/6/30
- ISBN-10410366813X
- ISBN-13978-4103668138
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2009/6/30)
- 発売日 : 2009/6/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 292ページ
- ISBN-10 : 410366813X
- ISBN-13 : 978-4103668138
- Amazon 売れ筋ランキング: - 965,137位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 21,929位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1959(昭和34)年、東京生れ。明治大学文学部中退。’85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを 飾る。’87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。さらに、’89(平成元)年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、’91年 『トラッシュ』で女流文学賞、’96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、’05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞を 受賞する(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 熱血ポンちゃん膝栗毛 (ISBN-13: 978-4101036243)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2012年3月4日に日本でレビュー済み
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仁美、心太、無量、千恵、男女4人は友情とも恋愛ともつかない
特別な絆で結ばれている。
第1章から第4章まであるが冒頭、記事の引用から始まり、無量
以外の3人の死亡記事がインパクトがあり読んでるときに何度か
この記事に戻り読み返したのは筆者の構成の上手さが読者を惹き
つける要因だと痛感しました。
特別な絆で結ばれている。
第1章から第4章まであるが冒頭、記事の引用から始まり、無量
以外の3人の死亡記事がインパクトがあり読んでるときに何度か
この記事に戻り読み返したのは筆者の構成の上手さが読者を惹き
つける要因だと痛感しました。
2011年6月11日に日本でレビュー済み
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山田詠美氏の小説は本当に久しぶりに読んだ。恐らく10数年ぶりだとおもう。1985年のデビュー作『ベッドタイムアイズ』を始めとする河出からの本はほとんど読んでいたし、『熱帯安楽椅子』や『ハーレムワールド』も出版早々に買い求めたし、『色彩の息子』という短編集は著者の類まれな言葉へのセンスと文章力が活かされた日本文学の過去の名短編(例えば『小僧の神様』や『刺青』)に拮抗する絶品だと思う。ただ、山田氏の才能のタイプはやはり長くても150ページ位の中編か短編の輝きにあると思う。確か文学界に連載されていた『トラッシュ』(だったかな?)を読んだ時にあの中編にある鋭利な感受性と洗練がまったく無くなっていた事に唖然とした記憶がある。
そしてこの本書だが、巧い事は巧い。おそらく長編の文体に関しても相当努力したのだろう成果が、しっかりとした小説を作り上げる事に成功している。だが、他の長編純文学作家と比較すると、一気読みするほど面白いか、と言われると「・・・・・。」というのが個人的所感だ。登場人物の名前の付け方も山田氏のセンスが光りユニークだ。各々のエピソードもユーモアに溢れ才気がある。だが、如何せんストーリ・テリングという点ではやはり弱い。
やはり著者の才能は短編か150ページ位までの中編に中核があるのではないか。
『Atoz』や『風味優雅』など評判のよい短編集は未読なのでそちらを楽しみにしたい。
そしてこの本書だが、巧い事は巧い。おそらく長編の文体に関しても相当努力したのだろう成果が、しっかりとした小説を作り上げる事に成功している。だが、他の長編純文学作家と比較すると、一気読みするほど面白いか、と言われると「・・・・・。」というのが個人的所感だ。登場人物の名前の付け方も山田氏のセンスが光りユニークだ。各々のエピソードもユーモアに溢れ才気がある。だが、如何せんストーリ・テリングという点ではやはり弱い。
やはり著者の才能は短編か150ページ位までの中編に中核があるのではないか。
『Atoz』や『風味優雅』など評判のよい短編集は未読なのでそちらを楽しみにしたい。
2009年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ざっと読んだ印象では、『ぼくは勉強ができない』に似ている(個人的には本書より、こちらのほうが好き)。タイトルはいかめしいが、内容は人生のお勉強だからだ。それも生と性の。各章は登場人物の死亡公告から始まる。生まれ年からその亡くなった年齢を考えると、かなり未来のものもある。主要登場人物プラス1人の計5人が登場し、小学校から高校までが描かれる。彼らの生まれ年は1962年だ。なので、かれらを取り巻く文化的なものは、山口百恵、ジュリー、ジャズ喫茶、ビートルズ、柴田錬三郎といったものが並ぶ。
仁美(フトミ)、心太(テンちゃん)、無量(ムリョ)、千穂という4人組、そして素子(モコちゃん)という登場人物が、お互いの家の環境や経済状況を背景に、子どもの頃は4人が無邪気に社宅の裏山にある「秘密の集会所」に集い、遊んでいた。しかし、思春期になると、体が変化し、性に目覚め、自慰を覚え、人を好きになり(両思いでも結ばれるわけではない「二人の関係をしまい込んだ玉手箱は、この先、当分の間、開けられることはないでしょう」)、引っ越しをして別れ、また再び4人が一緒になり、そして・・・という先は死亡公告から予想するしかないのだが、静岡の架空の市を舞台に、子どもから大人になる様(「美流間で四人組として過ごした、忘れられない沢山の記憶」)が細やかに描かれていく。
「いくら学んでも、心太が手にしたのと同じような「いいもん」を身に付けることなんか出来ない」し、それに「男の子の中にある木偶坊の要素が自分を引き付けて止まない」と、ある少女は男の子(心太)に憧れを抱くのだが、確かに心太は、普通ならその家庭環境では素直になれないかもしれないところ、人を惹きつける性質で英語塾にも特別に通え、また勉強できる環境も手に入れられる。でもガリ勉ではなく、しっかり人生の勉強もして、とバランスが非常に取れている。取れているのだが、死亡公告から、大学やその後の人生を類推すると何だか切ない。普通の人生だったろうな、と思わせられるのは上記の登場人物5人のうち、2人だけのように思える。どこか懐かしく切々とした物語だった。
仁美(フトミ)、心太(テンちゃん)、無量(ムリョ)、千穂という4人組、そして素子(モコちゃん)という登場人物が、お互いの家の環境や経済状況を背景に、子どもの頃は4人が無邪気に社宅の裏山にある「秘密の集会所」に集い、遊んでいた。しかし、思春期になると、体が変化し、性に目覚め、自慰を覚え、人を好きになり(両思いでも結ばれるわけではない「二人の関係をしまい込んだ玉手箱は、この先、当分の間、開けられることはないでしょう」)、引っ越しをして別れ、また再び4人が一緒になり、そして・・・という先は死亡公告から予想するしかないのだが、静岡の架空の市を舞台に、子どもから大人になる様(「美流間で四人組として過ごした、忘れられない沢山の記憶」)が細やかに描かれていく。
「いくら学んでも、心太が手にしたのと同じような「いいもん」を身に付けることなんか出来ない」し、それに「男の子の中にある木偶坊の要素が自分を引き付けて止まない」と、ある少女は男の子(心太)に憧れを抱くのだが、確かに心太は、普通ならその家庭環境では素直になれないかもしれないところ、人を惹きつける性質で英語塾にも特別に通え、また勉強できる環境も手に入れられる。でもガリ勉ではなく、しっかり人生の勉強もして、とバランスが非常に取れている。取れているのだが、死亡公告から、大学やその後の人生を類推すると何だか切ない。普通の人生だったろうな、と思わせられるのは上記の登場人物5人のうち、2人だけのように思える。どこか懐かしく切々とした物語だった。
2014年6月15日に日本でレビュー済み
仲良し、同い年の5人が小学生から高校生になるまでの物語。主人公はテンちゃんこと後藤心太と香坂仁美。
心太はテンちゃんと呼ばれている。心太がトコロテンとも読める為のあだ名である。あとは長峰無量、坂本千穂、大橋素子。各章ごとにその5人の訃報(週刊誌の記事の体裁)が書かれてあり、それを読むとこの登場人物のその後が分かる仕組みである。
すなわち、心太は大学教授になり36歳で事故死、無量と素子は結婚し、素子は81歳で死去。千穂は18歳で水難死、仁美は68歳で病死。それぞれの死に関連は無さそうだが、仁美は教師になり、亡くなったときは教え子であり心太の長男である拓郎と同居していたのが最後に分かる。
そのような体裁で何か訳ありげに進むのだが、それだけの話?何か重要なことを読み落としていないかと思ったりしたが。登場人物5人は育つに連れ、性的欲求だけ顕著な性格になるように見える。やったのやられたの色ガキの群れである。
心太も、カリスマ性のある魅惑的な人物と設定されているが、そう書いてあるからそうなのかと思うが、少なくとも物語上では魅力のある人間には見えない。むしろ自分の魅力にいい気になって、やたら女性を口説いて、上手くいかないと「なんでおれのもんになんない」と思うような嫌なやつである。言葉遣いもどこの方言か知らないが、語尾に「だに」「だら」「だよ」等をつけるだけの安易なものに思えた。
著者の作品、あまり読んだことがないから、その世界がよく理解できないだけのことかもしれないが、少なくとも読後感、よくなかったな。タイトルの「学問」、どういう意味だったのだろう?
心太はテンちゃんと呼ばれている。心太がトコロテンとも読める為のあだ名である。あとは長峰無量、坂本千穂、大橋素子。各章ごとにその5人の訃報(週刊誌の記事の体裁)が書かれてあり、それを読むとこの登場人物のその後が分かる仕組みである。
すなわち、心太は大学教授になり36歳で事故死、無量と素子は結婚し、素子は81歳で死去。千穂は18歳で水難死、仁美は68歳で病死。それぞれの死に関連は無さそうだが、仁美は教師になり、亡くなったときは教え子であり心太の長男である拓郎と同居していたのが最後に分かる。
そのような体裁で何か訳ありげに進むのだが、それだけの話?何か重要なことを読み落としていないかと思ったりしたが。登場人物5人は育つに連れ、性的欲求だけ顕著な性格になるように見える。やったのやられたの色ガキの群れである。
心太も、カリスマ性のある魅惑的な人物と設定されているが、そう書いてあるからそうなのかと思うが、少なくとも物語上では魅力のある人間には見えない。むしろ自分の魅力にいい気になって、やたら女性を口説いて、上手くいかないと「なんでおれのもんになんない」と思うような嫌なやつである。言葉遣いもどこの方言か知らないが、語尾に「だに」「だら」「だよ」等をつけるだけの安易なものに思えた。
著者の作品、あまり読んだことがないから、その世界がよく理解できないだけのことかもしれないが、少なくとも読後感、よくなかったな。タイトルの「学問」、どういう意味だったのだろう?
2009年7月15日に日本でレビュー済み
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山田詠美さんのファンです。詠美さんの小説の系統では、外国人の方との濃厚で官能的な恋愛を描いているものよりも、私は学生ものや短編が好きでよく読んでいました。『放課後の音符』や『風葬の教室』や『晩年の子供』など、好きな作品は挙げればたくさんありますが、最近はしばらくこういう系統を描かれていなかったように思います。
しかし、この『学問』は、私の好きな系統の作品でした。語り手の口調も女の子の独白で、ですます体のところや、舞台の着想を詠美さんが幼い頃過ごされた静岡に得ていたりするところも、『風葬の教室』などとリンクしているなあと思いました。作風は少し違っているようにも思いますが。
登場人物は最初は幼く、章を追って中学生、高校生と成長していくのですが、そんなに幼い世界で起こっていることなのに、こちらがはにかんでしまうくらい、官能的でした。直接的でわかりやすい官能ではなくて、この小説で描かれている官能は、周到に隠されているというか、抑えられているというか、そこが余計にエロティックで惹かれます。ページをめくる手が止まりませんでした。
でも少し残念なのは、語り手である主人公にしても周りの人間にしても、『ぼくは勉強ができない』の秀美くんのような、カリスマ的な「魅力」が感じられないことです。かっこい人物はあまり出てきません。この作品でスポットライトが当てられているのは、そういう個人の人間性じゃなくて、男と女の不思議な関係性だからだと思いますが。
でもそれを差し置いても、本当におもしろかったです。はにかむエロさがあって、分かりやすいエンターテイメント的な恋愛小説より、ずっと、心に残る作品です。さすがです。
しかし、この『学問』は、私の好きな系統の作品でした。語り手の口調も女の子の独白で、ですます体のところや、舞台の着想を詠美さんが幼い頃過ごされた静岡に得ていたりするところも、『風葬の教室』などとリンクしているなあと思いました。作風は少し違っているようにも思いますが。
登場人物は最初は幼く、章を追って中学生、高校生と成長していくのですが、そんなに幼い世界で起こっていることなのに、こちらがはにかんでしまうくらい、官能的でした。直接的でわかりやすい官能ではなくて、この小説で描かれている官能は、周到に隠されているというか、抑えられているというか、そこが余計にエロティックで惹かれます。ページをめくる手が止まりませんでした。
でも少し残念なのは、語り手である主人公にしても周りの人間にしても、『ぼくは勉強ができない』の秀美くんのような、カリスマ的な「魅力」が感じられないことです。かっこい人物はあまり出てきません。この作品でスポットライトが当てられているのは、そういう個人の人間性じゃなくて、男と女の不思議な関係性だからだと思いますが。
でもそれを差し置いても、本当におもしろかったです。はにかむエロさがあって、分かりやすいエンターテイメント的な恋愛小説より、ずっと、心に残る作品です。さすがです。
2015年3月25日に日本でレビュー済み
それは何かを見つけること、あるいは失うこと?
山田詠美はデビュー当時から長年のファンです。全作品を読んでいるわけではありませんが、出来不出来はともかく、安心して小説の世界に連れってくれる貴重な作家なんで、彼女の本を手に取って読み始めるときは心弾みます。
昭和40年から50年にかけての、地方のある町を舞台とした四人の少年少女が織りなす欲望のコラージュ。欲望っていうとちょっとアレだけど、要するに生きること。
食べる、眠る、気持ち良くなる、物にする、といったエレメントがちょっと図式的すぎるくらいそれぞれ四人に割り振られているけど、「奴隷なんかじゃない、私は、愛弟子になったのだ」と快感について、幼きマニフェストを掲げるに至った仁美のマスターベーション遍歴が、かつて男の子だった僕の「しこしこ」以前のオナニー経験と重なり、めまいを覚えるほど揺さぶられました。
なるほど、小説はフィクションかもしれませんが、僕らの記憶だって同じようなものじゃないのかな。衝撃的な発見だったけど、愉快なことでした。それと、男の妄想、女の想像力、私の自慰は秘密の儀式、セックスはぬかるみの共同作業、毛布を掛け合うような調子で、覆い覆われるのを繰り返すキス、なんていう表現に出合うと思わずうれしくなります。
山田詠美はデビュー当時から長年のファンです。全作品を読んでいるわけではありませんが、出来不出来はともかく、安心して小説の世界に連れってくれる貴重な作家なんで、彼女の本を手に取って読み始めるときは心弾みます。
昭和40年から50年にかけての、地方のある町を舞台とした四人の少年少女が織りなす欲望のコラージュ。欲望っていうとちょっとアレだけど、要するに生きること。
食べる、眠る、気持ち良くなる、物にする、といったエレメントがちょっと図式的すぎるくらいそれぞれ四人に割り振られているけど、「奴隷なんかじゃない、私は、愛弟子になったのだ」と快感について、幼きマニフェストを掲げるに至った仁美のマスターベーション遍歴が、かつて男の子だった僕の「しこしこ」以前のオナニー経験と重なり、めまいを覚えるほど揺さぶられました。
なるほど、小説はフィクションかもしれませんが、僕らの記憶だって同じようなものじゃないのかな。衝撃的な発見だったけど、愉快なことでした。それと、男の妄想、女の想像力、私の自慰は秘密の儀式、セックスはぬかるみの共同作業、毛布を掛け合うような調子で、覆い覆われるのを繰り返すキス、なんていう表現に出合うと思わずうれしくなります。
2020年2月17日に日本でレビュー済み
小2~小5は友情と恋愛がないまぜになったドキドキ感あり。だが中学~高校になると異性好き、エッチ好きな自己中で鼻持ちならない若者たちになってしまった感があり、その豹変ぶりに目を疑った。