難しいことはよく分からないですが、
読んでて楽しかったです。
良い意味で消化不良なかんじで終わったので来年あたりに再読しようと思います。
浮気とかに抵抗の強い人は読まない方が良いと思います
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がらくた 単行本 – 2007/5/1
江國 香織
(著)
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購入オプションとあわせ買い
- 本の長さ280ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2007/5/1
- ISBN-104103808071
- ISBN-13978-4103808077
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2007/5/1)
- 発売日 : 2007/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 280ページ
- ISBN-10 : 4103808071
- ISBN-13 : 978-4103808077
- Amazon 売れ筋ランキング: - 886,981位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 20,239位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1964年東京生まれ。1987年『草之丞の話』で毎日新聞社主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本 周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞を受賞。「409ラドクリフ」(1989年フェミナ賞)、『こうばしい日々』(1991年産経 児童出版文化賞、1992年坪田譲治文学賞)、『きらきらひかる』(1992年紫式部文学賞)、『ぼくの小鳥ちゃん』(1999年路傍の石文学賞)、『が らくた』(2007年島清恋愛文学賞)など作品多数(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 真昼なのに昏い部屋 (ISBN-13:978-4062161053)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年12月6日に日本でレビュー済み
自分に女性が好感を持つことにゆるぎない自信があり、そのため女性に対して常に余裕をもって過不足なく反応でき、無理なアプローチはしないが、微妙なサインも見逃さない。サービス精神にあふれ、マメに相手との接点を保ち続ける。それなりの社会的地位があり、時間的な自由度もあり、当然ある程度の収入もあり、相手がこちらに対して期待を抱くときは躊躇なく行動を起こせる。強靭な肉体を持ち、どんなに疲れていても女性の要求にこたえることが可能で、もちろん女性の体を知り尽くしているので、精神的・肉体的な両面で常に女性を満足させることができる。宮沢賢治じゃないが、そんな男に私もなりたい……とは思う。
このお話は、そういう女性(作者?)の理想を体現したような原さんを中心に展開する。幸運にも原さんと結婚することができた柊子は、いつまでたっても大恋愛の真っ最中で、嫉妬の炎にあおられつつ、なお狂い咲くような熱い夫婦生活を送っている。
『神様のボート』を先に読んだので、そうか、『神様のボート』は、柊子がいたので、原さんと結婚できなかった何人かの女性のうちの一人の話だったのか……と気が付いてしまった。気が付くことによって、救われた部分も多かった。というのは、最高な恋愛から最高の夫婦関係に続いていくと大変なことがよくわかったから。
今回の話も面白かったです。
このお話は、そういう女性(作者?)の理想を体現したような原さんを中心に展開する。幸運にも原さんと結婚することができた柊子は、いつまでたっても大恋愛の真っ最中で、嫉妬の炎にあおられつつ、なお狂い咲くような熱い夫婦生活を送っている。
『神様のボート』を先に読んだので、そうか、『神様のボート』は、柊子がいたので、原さんと結婚できなかった何人かの女性のうちの一人の話だったのか……と気が付いてしまった。気が付くことによって、救われた部分も多かった。というのは、最高な恋愛から最高の夫婦関係に続いていくと大変なことがよくわかったから。
今回の話も面白かったです。
2016年9月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
江國香織さんのファンですから。購入せずにはいられません。
タイトルにも心惹かれました。
タイトルにも心惹かれました。
2012年11月4日に日本でレビュー済み
表紙の絵のように美しい世界が広がる。
世界観はとても美しい。
しかし、その世界に入り込むのは難しい。
気づくと、同じ文章を繰り返し読んでしまうくらい読みづらかった。
こんなにも読みづらい江國香織は初めてかもしれない。
何もしないことを選んだ桐子、夫を愛することだけを生きがいにする柊子、妻だけでは満足できない原、大人たちとしか交わらない美海。
出会っても、会話をしても、交わっても…どこか不可解で馴染めない登場人物たち。
誰にも共感せず、感情移入することなく読了してしまった。
かといって、まったく面白くないのかと言われるとそうではない。
がらくたには魅力があるのだ。
羨望とは違うのだが、危うい均衡を保つがらくたには美しさがあり、儚さがあり、そしてまぶしいくらいの光がある。
そこに惹きつけられて読んでしまう…そんな物語なのかもしれない。
世界観はとても美しい。
しかし、その世界に入り込むのは難しい。
気づくと、同じ文章を繰り返し読んでしまうくらい読みづらかった。
こんなにも読みづらい江國香織は初めてかもしれない。
何もしないことを選んだ桐子、夫を愛することだけを生きがいにする柊子、妻だけでは満足できない原、大人たちとしか交わらない美海。
出会っても、会話をしても、交わっても…どこか不可解で馴染めない登場人物たち。
誰にも共感せず、感情移入することなく読了してしまった。
かといって、まったく面白くないのかと言われるとそうではない。
がらくたには魅力があるのだ。
羨望とは違うのだが、危うい均衡を保つがらくたには美しさがあり、儚さがあり、そしてまぶしいくらいの光がある。
そこに惹きつけられて読んでしまう…そんな物語なのかもしれない。
2012年12月14日に日本でレビュー済み
外から見てる分にはとてもおもしろい人達だと思いました。
僕は原さんの気持ちも柊子さんの気持ちもミミちゃんの気持ちもとてもよくわかった気がしました。
一風変わった生活の中にいるけれど、芯の部分はとても普通の一般的な感情を抱いている。
なのにこんな日常をあえて求めている。自分の存在を確認できる場所をそこに求めている。しかもそれを本能的に。個人的にはそう思いました。
僕は変わっているし、男なのでそう思うのかもしれませんがこんな生活はありだと思いましたし、柊子さんもミミちゃんも好きですし、原さんからはいろいろ学べることも多そうでおもしろい人に感じて、いいバランスの関係だと思いました。
三人の関係がミミちゃんの若さによって崩れないことを願います。
僕は原さんの気持ちも柊子さんの気持ちもミミちゃんの気持ちもとてもよくわかった気がしました。
一風変わった生活の中にいるけれど、芯の部分はとても普通の一般的な感情を抱いている。
なのにこんな日常をあえて求めている。自分の存在を確認できる場所をそこに求めている。しかもそれを本能的に。個人的にはそう思いました。
僕は変わっているし、男なのでそう思うのかもしれませんがこんな生活はありだと思いましたし、柊子さんもミミちゃんも好きですし、原さんからはいろいろ学べることも多そうでおもしろい人に感じて、いいバランスの関係だと思いました。
三人の関係がミミちゃんの若さによって崩れないことを願います。
2008年12月12日に日本でレビュー済み
男と女、オトナとコドモ
夫婦、浮気、離婚
幸せと不幸せ
孤独とその反対のなにか
そんなものたちについて
考えさせられる小説。
なんですが、私の最初の読後感としては
なんて鼻持ちならない小説だ!
と思ってしまった(笑)
だってまず、お互いに浮気を容認しているのに
みょーにラブラブな夫婦の感じがいやらしい。
ある意味理想的とも言えるかも?だけど
実際そんなにうまくいくわけがない。
妻、柊子の語り口は複雑だ。
私にしてみれば、なんだかすごくムリをしているようにも見える。
一方では、思春期の娘とリゾート地でバケーションする
バツイチ父親の行動もいやらしい。
そのふたつのいびつ?な家族がからみあっていく
というストーリーなのですが。
筆者はこの小説でなにを語りたいんだろう。
「がらくた」ということばはこの物語の中で
たしか1回しか出てこなかったと思う。
柊子の母、桐子が夫亡き後、住んでいた家から持ち出してきて
現在のマンションに置いている
古くて大きすぎる家具たちをこう説明した。
長い夫婦生活を象徴するそれらが「がらくた」と呼ばれると
なんだかハッとさせられる。
それらをがらくたと呼んでしまうことは
なにかの反語なのだろうか?
あるいはそう呼んでしまえるってことが
ある意味理想なのだろうか?
だからなかなかそうは呼べないのだけど
いつか悟るようにしてそう呼べることを
願っているのだろうか?
そういう理想の世界を描き出したフィクション
なのかもしれないと思えたとき、
はじめて私はこの小説がなんて深いんだ!と思ったのでした。
みなさんはこれどう思いますか〜??
夫婦、浮気、離婚
幸せと不幸せ
孤独とその反対のなにか
そんなものたちについて
考えさせられる小説。
なんですが、私の最初の読後感としては
なんて鼻持ちならない小説だ!
と思ってしまった(笑)
だってまず、お互いに浮気を容認しているのに
みょーにラブラブな夫婦の感じがいやらしい。
ある意味理想的とも言えるかも?だけど
実際そんなにうまくいくわけがない。
妻、柊子の語り口は複雑だ。
私にしてみれば、なんだかすごくムリをしているようにも見える。
一方では、思春期の娘とリゾート地でバケーションする
バツイチ父親の行動もいやらしい。
そのふたつのいびつ?な家族がからみあっていく
というストーリーなのですが。
筆者はこの小説でなにを語りたいんだろう。
「がらくた」ということばはこの物語の中で
たしか1回しか出てこなかったと思う。
柊子の母、桐子が夫亡き後、住んでいた家から持ち出してきて
現在のマンションに置いている
古くて大きすぎる家具たちをこう説明した。
長い夫婦生活を象徴するそれらが「がらくた」と呼ばれると
なんだかハッとさせられる。
それらをがらくたと呼んでしまうことは
なにかの反語なのだろうか?
あるいはそう呼んでしまえるってことが
ある意味理想なのだろうか?
だからなかなかそうは呼べないのだけど
いつか悟るようにしてそう呼べることを
願っているのだろうか?
そういう理想の世界を描き出したフィクション
なのかもしれないと思えたとき、
はじめて私はこの小説がなんて深いんだ!と思ったのでした。
みなさんはこれどう思いますか〜??
2010年3月8日に日本でレビュー済み
大人の恋愛小説だと思う。
不倫やスイートリトルライズが苦手な方はオススメしません。
私は、結婚したら、一人の人と一緒に居られたら幸せだと
思うし、不倫は肯定しませんが、自分と全く違った価値観が
有ってもありだと思う。
主人公は結婚していて、旦那さんを心の底から愛しているし
愛されているけど、旦那さんは普通に複数の愛人の居る人。
1番は奥さんだけど、恋愛は自由な方。
さらに、奥さんにも気に入った方がいたら、遊んでおいでと
セッティングまでしてくれる。(本文では遠くに出掛けておいでと言う)
そこに、旅先で出合った高校生と主人公の母親とが主な登場人物。
お互いを尊重し、ヤキモチですら、生活のスパイスと捉えるような自由さには
びっくりすると同時に、凄いなぁと思ってしまったりする。
愛人の気持ちもあるから皆納得とは一概には言えないが、お互いが良いのであれば
これも一つの愛の形だと思う。私は読んでいて面白かった。
自分に出来るかは、別にして、ある意味、究極の理想系なのではと思った。
不倫やスイートリトルライズが苦手な方はオススメしません。
私は、結婚したら、一人の人と一緒に居られたら幸せだと
思うし、不倫は肯定しませんが、自分と全く違った価値観が
有ってもありだと思う。
主人公は結婚していて、旦那さんを心の底から愛しているし
愛されているけど、旦那さんは普通に複数の愛人の居る人。
1番は奥さんだけど、恋愛は自由な方。
さらに、奥さんにも気に入った方がいたら、遊んでおいでと
セッティングまでしてくれる。(本文では遠くに出掛けておいでと言う)
そこに、旅先で出合った高校生と主人公の母親とが主な登場人物。
お互いを尊重し、ヤキモチですら、生活のスパイスと捉えるような自由さには
びっくりすると同時に、凄いなぁと思ってしまったりする。
愛人の気持ちもあるから皆納得とは一概には言えないが、お互いが良いのであれば
これも一つの愛の形だと思う。私は読んでいて面白かった。
自分に出来るかは、別にして、ある意味、究極の理想系なのではと思った。
2009年5月15日に日本でレビュー済み
愛し合いながらも、他の異性との付き合いを容認している夫婦。
夫が必要ならば、そのガールフレンド達ごと夫を所有するしか
ないらしい。
例えばこんなシーン。
夫に呼び出されたバーには、ガールフレンドも同席している。
女性二人は現代美術について語り合い、その様子を見て夫は
「きみら二人は気が合うんだな」と微笑む。
江國さん独特の文体と世界観のおかげで下品な印象は受けないが
それでもその光景はひどくグロテスクに感じる。
「ほんとうのことがわかる」ため「渇望し続ける」ために、
「遠くに行」かなければならない、と夫は言う。
そして、妻の柊子は、夫から愛されるために他の男と寝る。
お互いをより深く強く所有するために、敢えて離れる時間を持ち、
再会した時にお互いを再発見するのだ。
柊子は、夫に所有されることによって、はじめて開放されたと言うが、
本当は夫に支配される前の自分に戻りたい気持ちもある。
結婚なんて一生しないタイプだったし、出会った頃は人並みに
嫉妬心も持っていたのに、少しずつ夫に取り込まれてしまった。
過激な表現をすれば、手の込んだ精神的DVとも言える。
こういう関係は一部の進んだ人達の中にはあるのかも知れないが
一般的価値観からすると、理解し辛いと思う。
江國さんの作風は好みが分かれるけど、わたしには結構心地良い。
この作品のテーマは、「瞬間性」みたいなものかな。
今は亡き人達が息づいていた頃を取り巻いていたはずの無数の瞬間
について、または、今はそばにいる母もいなくなる時が必ず来る、
そしてそれでも世界は何も変わらないというのが認められない、
といった表現で幾度となく描かれていたし、
果物が傷んだり腐ったりしないようジャムにしてとっておく、
というエピソードにも象徴されている。
特に、子供と大人の中間にいる少女ミミの、今しかない輝きに対する
「私は自分がミミをまぶしいと思ったことに気づく。
ミミの持っているものではなく、持っていないものによる、
それはまぶしさだ。」
という文章に集約される。
大切な人や物や感情や関係性や過ぎてしまう瞬間を不変のまま
保存したい、それが叶わないからこそ欲してしまう・・・のだろうな。
【番外篇】
ミミのキャラって何処かで見たような・・・と記憶をたどったら
村上春樹「ダンスダンスダンス」のユキでした。
・10代前半で不思議な魅力を持つ少女
・両親は離婚していて母親に引き取られている
・父はインテリな仕事で、母は天衣無縫
・年上の男性「僕」との関係
・海外のビーチで泳いだりサーフィンしたり
あまりにも類似点が多い。
作家がイメージする魅力的な少女像ってパターン化されてる?
夫が必要ならば、そのガールフレンド達ごと夫を所有するしか
ないらしい。
例えばこんなシーン。
夫に呼び出されたバーには、ガールフレンドも同席している。
女性二人は現代美術について語り合い、その様子を見て夫は
「きみら二人は気が合うんだな」と微笑む。
江國さん独特の文体と世界観のおかげで下品な印象は受けないが
それでもその光景はひどくグロテスクに感じる。
「ほんとうのことがわかる」ため「渇望し続ける」ために、
「遠くに行」かなければならない、と夫は言う。
そして、妻の柊子は、夫から愛されるために他の男と寝る。
お互いをより深く強く所有するために、敢えて離れる時間を持ち、
再会した時にお互いを再発見するのだ。
柊子は、夫に所有されることによって、はじめて開放されたと言うが、
本当は夫に支配される前の自分に戻りたい気持ちもある。
結婚なんて一生しないタイプだったし、出会った頃は人並みに
嫉妬心も持っていたのに、少しずつ夫に取り込まれてしまった。
過激な表現をすれば、手の込んだ精神的DVとも言える。
こういう関係は一部の進んだ人達の中にはあるのかも知れないが
一般的価値観からすると、理解し辛いと思う。
江國さんの作風は好みが分かれるけど、わたしには結構心地良い。
この作品のテーマは、「瞬間性」みたいなものかな。
今は亡き人達が息づいていた頃を取り巻いていたはずの無数の瞬間
について、または、今はそばにいる母もいなくなる時が必ず来る、
そしてそれでも世界は何も変わらないというのが認められない、
といった表現で幾度となく描かれていたし、
果物が傷んだり腐ったりしないようジャムにしてとっておく、
というエピソードにも象徴されている。
特に、子供と大人の中間にいる少女ミミの、今しかない輝きに対する
「私は自分がミミをまぶしいと思ったことに気づく。
ミミの持っているものではなく、持っていないものによる、
それはまぶしさだ。」
という文章に集約される。
大切な人や物や感情や関係性や過ぎてしまう瞬間を不変のまま
保存したい、それが叶わないからこそ欲してしまう・・・のだろうな。
【番外篇】
ミミのキャラって何処かで見たような・・・と記憶をたどったら
村上春樹「ダンスダンスダンス」のユキでした。
・10代前半で不思議な魅力を持つ少女
・両親は離婚していて母親に引き取られている
・父はインテリな仕事で、母は天衣無縫
・年上の男性「僕」との関係
・海外のビーチで泳いだりサーフィンしたり
あまりにも類似点が多い。
作家がイメージする魅力的な少女像ってパターン化されてる?