前作「ウルトラ・ダラー」は某国と偽札等の関係や日本人にも身近である拉致、またそれにまつわる関係各省庁の動きとインテリジェンスを題材に、著者の熱や気持ちが伝わる小説の名を借りた暴露本のような感じでとても興味深く読めた。
前作に登場する人物はなんとなく、ああ、あの人なんだろうなと想像もできた。
本著はユダヤ迫害の直中にあるポーランドで、日本からの大使「杉原千畝」の発行するビザで命からがら逃げおおせたユダヤ人達「スギハラ・サバイバル」の民が、歴史上においてドル・ユーロと密接に関わり、独自のインテリジェンス組織が世界の金融市場を左右しているという説に基づいて物語が進んでいく。
私自身も為替差益取引を遊びがてらやっているため、その世界でまことしやかに語られている金融とユダヤ世界の組織の関係等も本書で触れられており非常に興味をそそられた部分だ。
例えばS&P500はスタンダード&プアーズが算出している株価指数であるが、これは確かに株式指数先物取引の一つでシカゴ・マーカンタイルにて取引されている。
とするとこのS&P社長があの人なのかな〜とか憶測するのもまた楽しいものである。
そしてS&Pはマグロウヒルの子会社、そのマグロウヒルはあのロックフェラー・センターに本社がある!!
なんて深読みしていくとわくわくしてしまう。
やはり世界を支配しているのは「スギハラ・ダラー」=ユダヤマネーなのだろうか・・・・
この先「元」が横行するであろう世界経済、機軸をどこにするのかユダヤの民はどのようにコントロールしていくのか興味深いところでもある。
これにもユダヤのインテリジェンス組織が深くかかわってくるのだろう。
この小説に出てくるキーワードを追っていくと裏のインテリジェンスが見えてくる。
著者はこの小説を通じてもっともっといろんな事が言いたかったのかもしれない。
私としてはユダヤのインテリジェンスの秘密なんかをもっと詳しく知りたいと思った。
本当に言いたかった真のインテリジェンスをこの小説から読み解いていくのも著者が書く小説の醍醐味なのではないだろうか。
読み手にもある程度のインテリジェンスがないと面白みが半減するだろう。
かくいう私もこのインテリジェンスの一端しか見えてないのかもしれない。
読みなおそう・・・・
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スギハラ・ダラー 単行本 – 2010/2/25
手嶋 龍一
(著)
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- 本の長さ360ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/2/25
- ISBN-104103823046
- ISBN-13978-4103823049
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- 出版社 : 新潮社 (2010/2/25)
- 発売日 : 2010/2/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 360ページ
- ISBN-10 : 4103823046
- ISBN-13 : 978-4103823049
- Amazon 売れ筋ランキング: - 66,047位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2010年3月27日に日本でレビュー済み
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2013年3月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
杉原千畝領事の「命のビザ」で生き延びることのできたユダヤ系の人々に、日本人との交流を絡ませて小説にしたもの。このビザでシベリア鉄道経由脱出し、シカゴ金融先物の父といわれるLeo Melamed氏にも題材を求めている。ニクソンショック以降の金融ショックで、ユダヤ系の人々を助けた日本人がユダヤ系の人達から極秘情報の提供を受けていたのではないかという筋立て。9.11も関係づけられる他、日本では、神戸の他、金沢の街も登場する。
いろいろな要素についてよく取材をして書かれていると思う。命のビザ関連でも不明な点が多いが、その後のユダヤ系の人々と日本の交流を中心に据えた点が興味深い。交流の場所としては、金沢よりも敦賀を据えるという選択肢もあったと思うが、それでは艶っぽい話にするのが難しくなろうか。
ただ、フィクションで大きく想像を膨らませた部分が、金融関係に詳しくない読者にはややわかりづらくなった嫌いがある。その点を考えて★4つとしたが、よく作り込まれた小説であることは間違いない。
いろいろな要素についてよく取材をして書かれていると思う。命のビザ関連でも不明な点が多いが、その後のユダヤ系の人々と日本の交流を中心に据えた点が興味深い。交流の場所としては、金沢よりも敦賀を据えるという選択肢もあったと思うが、それでは艶っぽい話にするのが難しくなろうか。
ただ、フィクションで大きく想像を膨らませた部分が、金融関係に詳しくない読者にはややわかりづらくなった嫌いがある。その点を考えて★4つとしたが、よく作り込まれた小説であることは間違いない。
2023年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かつて、リトアニア・カウナスの千畝博物館にも脚を運んだことがあったので、当時の話や描写が克明に頭の中でイメージできました。
ただ、最後の物語の締め方が、自分には「なぜそのような締め方をするのか」と分からないまま終わってしまったので、自分にはこの作品の本当の良さは理解できていないのかもしれません。
ただ、最後の物語の締め方が、自分には「なぜそのような締め方をするのか」と分からないまま終わってしまったので、自分にはこの作品の本当の良さは理解できていないのかもしれません。
2010年5月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第二次大戦前外交官として大勢のユダヤ人を救った英雄という杉原千畝 今まではその面だけを見て尊敬していましたが その裏にあるいろいろなインテリジェンスというドラマがきめ細かく描かれていて大変面白い作品です。
2010年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなに世界の広い、
こんなに背景の廣い
こんなに造詣の深い
本を見たことがない。
こんなに背景の廣い
こんなに造詣の深い
本を見たことがない。
2010年3月2日に日本でレビュー済み
世界情勢に関するウソかマコトか分からない雑学が満載で、その部分は陰謀論的面白さがある。「真実」かどうかを真面目に論じるのは野暮というもの。素直に「インテリジェンスオフィサー」気分を味わうのが正しい楽しみ方であろう。この「インテリジェンス」部分の価値だけで星5つ。
だが、どうにも戴けないのは小説部分だ。
天才的な頭脳と最高級のインテリジェンスを持つはずの主人公が「S&P500」について友人から事細かに説明を受ける下りなど(友人の「君ほどの人物が知らぬはずあるまいが、念のため説明しておこう。何をたくらんでいるんだい?ふふふ」というような、しょうもないフォローがあることはあるのだが)、思わず椅子からずり落ちそうになってしまった。
読者のための説明だということは痛いほど分かるのだが、「痛いほど分かる」ことがそもそも問題だ。著者には、自然な背景説明に関し天才的技巧を持つ ハリー・ポッターシリーズ全巻セット のJ. K. ローリング女史の爪の垢でも煎じて飲んで頂きたい。
良くも悪くも「ウルトラ・ダラー」と同程度のデキ。私と同様「ウルトラ」が楽しめたご仁は、本書も同じくらい楽しめるはずである。だが、著者の小説的技巧がもう少し向上していれば、この題材はもっと楽しめたはずだ。残念でならない。
本書は、さながら最高のエンジンを搭載し、安売りタイヤを履いたスポーツカーといった風である。タイヤが気になっていまいち乗りきれないし、実際ときどきズッコケる。
著者の小説技術改善を切に祈り、叱咤激励の想いを込めて最終的な星は3つとした。
だが、どうにも戴けないのは小説部分だ。
天才的な頭脳と最高級のインテリジェンスを持つはずの主人公が「S&P500」について友人から事細かに説明を受ける下りなど(友人の「君ほどの人物が知らぬはずあるまいが、念のため説明しておこう。何をたくらんでいるんだい?ふふふ」というような、しょうもないフォローがあることはあるのだが)、思わず椅子からずり落ちそうになってしまった。
読者のための説明だということは痛いほど分かるのだが、「痛いほど分かる」ことがそもそも問題だ。著者には、自然な背景説明に関し天才的技巧を持つ ハリー・ポッターシリーズ全巻セット のJ. K. ローリング女史の爪の垢でも煎じて飲んで頂きたい。
良くも悪くも「ウルトラ・ダラー」と同程度のデキ。私と同様「ウルトラ」が楽しめたご仁は、本書も同じくらい楽しめるはずである。だが、著者の小説的技巧がもう少し向上していれば、この題材はもっと楽しめたはずだ。残念でならない。
本書は、さながら最高のエンジンを搭載し、安売りタイヤを履いたスポーツカーといった風である。タイヤが気になっていまいち乗りきれないし、実際ときどきズッコケる。
著者の小説技術改善を切に祈り、叱咤激励の想いを込めて最終的な星は3つとした。
2010年3月10日に日本でレビュー済み
最高に面白かった!
期待を裏切らない手嶋龍一氏である。
あらためて手嶋氏の情報力の凄さを実感した。
彼でなければこれを書けなかったであろう。
杉原千畝と金融インテリジェンスを結びつける発想力。
一度でいいから、手嶋氏と酒を飲み語り合いたい。
期待を裏切らない手嶋龍一氏である。
あらためて手嶋氏の情報力の凄さを実感した。
彼でなければこれを書けなかったであろう。
杉原千畝と金融インテリジェンスを結びつける発想力。
一度でいいから、手嶋氏と酒を飲み語り合いたい。
2010年3月25日に日本でレビュー済み
手嶋龍一氏の小説第2弾だ。
前作の"ウルトラダラー”もそうであったが、物語の基本の背景はすべて外交的な事実からなっている。
フィクションと事実をうまく織り交ぜて物語りは進んでいく。
スギハラダラーのスギハラは、もちろん杉原千畝氏のことだ。
彼からビザを発行されたユダヤ人は、シベリア鉄道を経由して日本に入り、あるものはアメリカ、あるものは、上海に行った。
その中の人物たちが織り成す物語だ。
それに現在のブラックマンデイや、9.11テロ、リーマンショックなどを絡めていく。
主人公は日本人ではなく日本の心をもったイギリス人諜報部員スティーブンだ。
日本人以上に日本を愛して、物事に精通している。ただ情報に対しては人一倍敏感だ。
日本人が主人公だと、成立しない物語だと思う。
前作はアクション中心だったが、今回は静かに謎解きが進む。
細かい描写にちょっとしたインテリジェンスを感じる作品だ。
前作ウルトラダラーに感じられた文章の稚拙さについては本作ではそれほど感じない。
読み出したらとめることのできないよい作品だと思う。
前作の"ウルトラダラー”もそうであったが、物語の基本の背景はすべて外交的な事実からなっている。
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彼からビザを発行されたユダヤ人は、シベリア鉄道を経由して日本に入り、あるものはアメリカ、あるものは、上海に行った。
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それに現在のブラックマンデイや、9.11テロ、リーマンショックなどを絡めていく。
主人公は日本人ではなく日本の心をもったイギリス人諜報部員スティーブンだ。
日本人以上に日本を愛して、物事に精通している。ただ情報に対しては人一倍敏感だ。
日本人が主人公だと、成立しない物語だと思う。
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