宮脇作品から列車旅紀行にはいり、王道内田百'閧ノ触れ、阿川弘之をかすめたところで
酒井順子に至る
皆それぞれ、空間移動である旅の相違 筆法の違いがよくわかる
内田のたびはヒマラヤ山系を中心とした弟子との、いわば大名旅である
阿川の旅は昔懐古的な思いが多く、道ずれの孤狸庵、まんぼうなどとの掛け合い漫才である
酒井はどうだろうか 自分で計画しない旅がほんとの旅かと自問しているのでそれ以上の追及は必要あるまい
与えられた旅は面白みがないとの思いはあるが しょっぱなからメトロの女は厳しすぎる
一日でメトロ全線踏破は過酷なことは自明である
東海道乗り継ぎ旅もかなりしんどい
鈍行一日旅 青春18きっぷか? 横浜から熊本八代までも遠い遠い旅だ
女流作家としては異色である
しかしである
宮脇作品から入った場合、酒井作品は時間軸がはっきりせず 現在地が不明であったり目的地についてしまったりと
時間経過が非現実的である これは酒井が車中頻繁に気を失うことに起因するのであろうか
また情景描写が今一つで、コラボしていたマンガの鉄子の旅がリアルであってでよかった
酒井の旅は、酒井を取り巻く亜空間がいつのまにか目的地についてしまうような間隔
つかみどころのない空間移動の旅であるのかしらん
全体的には 悪くない感じなので 「女子と鉄道」も買いました
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女流阿房列車 単行本 – 2009/9/19
酒井 順子
(著)
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- 本の長さ245ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2009/9/19
- ISBN-104103985062
- ISBN-13978-4103985068
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2009/9/19)
- 発売日 : 2009/9/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 245ページ
- ISBN-10 : 4103985062
- ISBN-13 : 978-4103985068
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,042,205位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内田百間の阿房列車を尊敬して、人人気エッセイストが鉄道紀行を著したものです。旅情は感じられなかったけど女性の鉄道ファンは貴重だし、目線も違うので読んでみるのもいいかもです。
2015年6月1日に日本でレビュー済み
2009年に出た単行本の文庫化。
鉄道旅行記10篇+αが収められている。
東京の地下鉄を一日で乗りつぶしたり、東京から京都まで53回の乗り継ぎをしてみたり、信越本線・篠ノ井線のスイッチバックをひたすら体験したり、なかなか濃いものばかりだ。
しかし、酒井さん自身は熱心な鉄ではない。担当編集者の考えたマニアックな旅を、命じられるがままにこなしていくのだ。そのあたりの温度差がおもしろい。
「鉄子の旅」とのコラボ企画があったり、原武史さんと対談したりといろいろ趣向が凝らされているのもいい。そして、スイッチバック愛好家として登場する江上英樹さんのあまりのマニアっぷりに絶句。
鉄道旅行記10篇+αが収められている。
東京の地下鉄を一日で乗りつぶしたり、東京から京都まで53回の乗り継ぎをしてみたり、信越本線・篠ノ井線のスイッチバックをひたすら体験したり、なかなか濃いものばかりだ。
しかし、酒井さん自身は熱心な鉄ではない。担当編集者の考えたマニアックな旅を、命じられるがままにこなしていくのだ。そのあたりの温度差がおもしろい。
「鉄子の旅」とのコラボ企画があったり、原武史さんと対談したりといろいろ趣向が凝らされているのもいい。そして、スイッチバック愛好家として登場する江上英樹さんのあまりのマニアっぷりに絶句。
2010年1月17日に日本でレビュー済み
著者によるテツ(鉄道)系エッセイ第二弾です。
『日本鉄道旅行地図帳(これも新潮社)』の企画者が組んだプランで、ゆるい
「乗りテツ(出発から到着まで列車に乗っているのが○。乗っている間に寝たと
しても、それを惜しいとは思わない、という一般的な「テツ」には理解出来ない
(笑))」である著者が全国各地の鉄道に乗って来た、という内容です。
行程は以下の通り。
・一日で東京メトロ&都営地下鉄完全乗車
・24時間以内に鈍行でどこまで行けるか?
・秘境駅を訪ねて(『鉄子の旅』とのコラボもの)
・東海道、五十三駅乗継で京都まで
・嵯峨野でトロッコ列車に
・根室本線鈍行の旅、但しお眠り禁止
・北陸本線旧線を歩く
・こだまで東京→博多+博多南の旅
・スイッチバック好きが案内する信越本線&篠ノ井線スイッチバック巡り
・四国で旧国名が付いた駅を巡る
・九州(除く福岡)油物(さつま揚げとか長崎てんぷら等)食べつくしの旅
おまけとして菊池直恵の『鉄子の旅プラス(IKKI掲載読み切り)』と、原武史との
対談を収録しています。特に菊池氏の漫画は同じ旅程を、違う表現者からの視点で
描いているので
(連載時の面白さに加え)そこが読みどころかと。
【旅というのはまさに人間性そのものが出る行為なのだなぁ、ということ。鉄道の
ダイヤは万人に同じ条件を提示しているのに(中略)、どんな旅をするのかということは
すなわち
どんな人間かということを表すのです(本書53pより引用)】
この一文が本書の性格を見事に表しています。他人のプランに乗っかっていても、旅
そのものはいつも通り、著者の世界(そして彼女の視点で見たテツ好きの世界)が構築
されているのです。
全てとは言いませんが、読後、同じ路線に乗ってみたいな、と思わせる旅がそこには
ありました。鉄道の旅(乗って何処かに行くこと。乗ることや撮影等がメインの人には
ゆるすぎて楽しめないかと)が好きな人には、お勧め出来る一冊です。
尚、タイトルはこれまた鉄道好きだった内田百'閧フ阿呆列車から。
そして、旅自体は宮脇俊三へのオマージュとのこと。
『日本鉄道旅行地図帳(これも新潮社)』の企画者が組んだプランで、ゆるい
「乗りテツ(出発から到着まで列車に乗っているのが○。乗っている間に寝たと
しても、それを惜しいとは思わない、という一般的な「テツ」には理解出来ない
(笑))」である著者が全国各地の鉄道に乗って来た、という内容です。
行程は以下の通り。
・一日で東京メトロ&都営地下鉄完全乗車
・24時間以内に鈍行でどこまで行けるか?
・秘境駅を訪ねて(『鉄子の旅』とのコラボもの)
・東海道、五十三駅乗継で京都まで
・嵯峨野でトロッコ列車に
・根室本線鈍行の旅、但しお眠り禁止
・北陸本線旧線を歩く
・こだまで東京→博多+博多南の旅
・スイッチバック好きが案内する信越本線&篠ノ井線スイッチバック巡り
・四国で旧国名が付いた駅を巡る
・九州(除く福岡)油物(さつま揚げとか長崎てんぷら等)食べつくしの旅
おまけとして菊池直恵の『鉄子の旅プラス(IKKI掲載読み切り)』と、原武史との
対談を収録しています。特に菊池氏の漫画は同じ旅程を、違う表現者からの視点で
描いているので
(連載時の面白さに加え)そこが読みどころかと。
【旅というのはまさに人間性そのものが出る行為なのだなぁ、ということ。鉄道の
ダイヤは万人に同じ条件を提示しているのに(中略)、どんな旅をするのかということは
すなわち
どんな人間かということを表すのです(本書53pより引用)】
この一文が本書の性格を見事に表しています。他人のプランに乗っかっていても、旅
そのものはいつも通り、著者の世界(そして彼女の視点で見たテツ好きの世界)が構築
されているのです。
全てとは言いませんが、読後、同じ路線に乗ってみたいな、と思わせる旅がそこには
ありました。鉄道の旅(乗って何処かに行くこと。乗ることや撮影等がメインの人には
ゆるすぎて楽しめないかと)が好きな人には、お勧め出来る一冊です。
尚、タイトルはこれまた鉄道好きだった内田百'閧フ阿呆列車から。
そして、旅自体は宮脇俊三へのオマージュとのこと。
2012年9月28日に日本でレビュー済み
指折りの鉄道マニアが作成した,絶妙な鉄道乗継ぎの傑作スケジュールを
なぜか「女子」が実行してしまうという企画の本です。
著者本人は,旅行なんて行き当たりばったりでイーじゃんと思っている(かの
ように思える)わけですが,それなのに他人の作った鉄道三昧の厳しい
スケジュールに行動が規定され,なぜだか本人もそれに合わせて実際に
動いてしまいます。
遅れたスケジュールを取り戻そうと頑張るあたり,泣けますね!
頭の中はスケジュールよりも鉄道よりも甘いもののことばかりのように描かれており,
そのギャップを著者自身が楽しんでいて,それを読んだ読者も「あ〜あ〜,
せっかく鉄道でここまで行ってるのに何で!?」とか言って楽しむ,というのが,
本書の正しい使い方,だったりして。
なぜか「女子」が実行してしまうという企画の本です。
著者本人は,旅行なんて行き当たりばったりでイーじゃんと思っている(かの
ように思える)わけですが,それなのに他人の作った鉄道三昧の厳しい
スケジュールに行動が規定され,なぜだか本人もそれに合わせて実際に
動いてしまいます。
遅れたスケジュールを取り戻そうと頑張るあたり,泣けますね!
頭の中はスケジュールよりも鉄道よりも甘いもののことばかりのように描かれており,
そのギャップを著者自身が楽しんでいて,それを読んだ読者も「あ〜あ〜,
せっかく鉄道でここまで行ってるのに何で!?」とか言って楽しむ,というのが,
本書の正しい使い方,だったりして。
2012年5月6日に日本でレビュー済み
女性紀行作家(鉄道作家?)のいまや第一人者たる酒井順子による、かなり脱力系ないし酔狂系ともいえる紀行エッセイである。「小説新潮」掲載作品をまとめたもの。
短編エッセイが10編ほど収録されているが、どれも、東京の地下鉄網を一日で全線乗りつぶすとか、東京から西に向かって「こだま」号だけに乗り続けるとか、なかなか酔狂な企画の紀行記録になっている。この中でも、24時間のうちに普通列車のみを使って横浜から熊本は八代まで行く、という企画、内田百'閧フ本歌取りとも言える内容で、なかなかの力作だ。個人的には、相互乗り入れ企画として「鉄子の旅」コラボ作品になっているのがかなり楽しめた。「鉄子の旅」は以前第1巻だけ読んだのだが、漫画家のまとめかたとエッセイストのまとめかたの温度差もあって、たいへんに面白い。
それにしてもこの著者、列車内でよく眠ること。自分もあまり人のことは言えないが、これはいちおう紀行文の取材旅行(仕事)なんじゃないかなぁ、などというのは無粋だろうか。
また、この作品のエッセイ文を読む限りだが、状況と想いを伝える点で内田、宮脇とは比べられるレベルでなく、やや長めで蛇足感のある纏め文が特に引っかかることも。エッセイってそういうものじゃないのかもだが、(売文なので)もうちょっとがんばって書いてほしい。
短編エッセイが10編ほど収録されているが、どれも、東京の地下鉄網を一日で全線乗りつぶすとか、東京から西に向かって「こだま」号だけに乗り続けるとか、なかなか酔狂な企画の紀行記録になっている。この中でも、24時間のうちに普通列車のみを使って横浜から熊本は八代まで行く、という企画、内田百'閧フ本歌取りとも言える内容で、なかなかの力作だ。個人的には、相互乗り入れ企画として「鉄子の旅」コラボ作品になっているのがかなり楽しめた。「鉄子の旅」は以前第1巻だけ読んだのだが、漫画家のまとめかたとエッセイストのまとめかたの温度差もあって、たいへんに面白い。
それにしてもこの著者、列車内でよく眠ること。自分もあまり人のことは言えないが、これはいちおう紀行文の取材旅行(仕事)なんじゃないかなぁ、などというのは無粋だろうか。
また、この作品のエッセイ文を読む限りだが、状況と想いを伝える点で内田、宮脇とは比べられるレベルでなく、やや長めで蛇足感のある纏め文が特に引っかかることも。エッセイってそういうものじゃないのかもだが、(売文なので)もうちょっとがんばって書いてほしい。
2012年6月21日に日本でレビュー済み
私は腰痛があるので、長時間電車のシートに座っていることを考えただけで嫌になるが、著者は、東京地下鉄前線踏破や、一日鈍行乗りつぶしだの、鉄道ファンなら夢であっても、一般人には悪夢のような旅を、編集者から与えられた計画で編集者の同行付き、アゴ足付きとはいえ、平然とこなし、周囲の混乱や、鉄ちゃんの熱い思いなどを、作家としての観察眼と、愛情をもって、楽しく記録しており、とても興味深い。
ただし、彼女のそうした姿勢は、周囲には少々不気味な印象を与えるらしく、小学館とのコラボ企画「鉄子の旅」漫画編での著者の描かれ方は少々お気の毒であるが、恐らく著者は自分がどう見られているかを含めて、楽しんでいるのだろう。そのあまりの潔さに脱帽。
新しい情報やチャレンジが出てくる訳ではないので、必ずしも、鉄ちゃん向きの本ではないと思うが、鉄ちゃんの愛すべき変人ぶりを知るには絶好の一冊。
ただし、彼女のそうした姿勢は、周囲には少々不気味な印象を与えるらしく、小学館とのコラボ企画「鉄子の旅」漫画編での著者の描かれ方は少々お気の毒であるが、恐らく著者は自分がどう見られているかを含めて、楽しんでいるのだろう。そのあまりの潔さに脱帽。
新しい情報やチャレンジが出てくる訳ではないので、必ずしも、鉄ちゃん向きの本ではないと思うが、鉄ちゃんの愛すべき変人ぶりを知るには絶好の一冊。
2014年5月13日に日本でレビュー済み
「女子と鉄道」・「鉄道旅へ行って来ます」に続き、酒井順子さんの鉄道物三作目を読みました。筆者の作「負け犬の遠吠え」には、誠に感心しました。ところがそれ以後、氏の物は数多く読んでいますが、あまり「負け犬」ほどの面白さを感じません。例えば「ど制服」にしろ「結婚疲労宴」にしろテーマは良いのですが・・・・・。
「女子と鉄道」もそう面白く感じませんでしたが、一方で「鉄道旅に・・・・・」の方は誠に傑作でした。原・関川氏とのやりとりが絶妙でした。考えてみれば、この「女流阿呆列車」で最も印象に残っているのは原武史氏との対談でした。そうしてみると、氏の文章の特徴は物や事象の観察にあるのではなく、そこにからむ人間の観察にあるのではないかと思い当りました。「負け犬」はそんな氏の才能が見事に発揮された観察の結果だったと言えます。本作でも、スイッチバックを語りながら、江上英樹氏の描写は秀逸でした。鉄道に関してよりも同行者を語る時に、氏の筆が活きるのです。その面では本作に於いては、少々その方の比重が少なかったように感じます。ただ、テーマごとの進行を追っているだけのものになってしまったようで、退屈な箇所が多かったという読後感でした。
「女子と鉄道」もそう面白く感じませんでしたが、一方で「鉄道旅に・・・・・」の方は誠に傑作でした。原・関川氏とのやりとりが絶妙でした。考えてみれば、この「女流阿呆列車」で最も印象に残っているのは原武史氏との対談でした。そうしてみると、氏の文章の特徴は物や事象の観察にあるのではなく、そこにからむ人間の観察にあるのではないかと思い当りました。「負け犬」はそんな氏の才能が見事に発揮された観察の結果だったと言えます。本作でも、スイッチバックを語りながら、江上英樹氏の描写は秀逸でした。鉄道に関してよりも同行者を語る時に、氏の筆が活きるのです。その面では本作に於いては、少々その方の比重が少なかったように感じます。ただ、テーマごとの進行を追っているだけのものになってしまったようで、退屈な箇所が多かったという読後感でした。