阿部和重さんの本です。
評論コーナーにあって、「あれ、こいつ、小説家じゃなかったっけ?」と手にとってみました。
評論も書くのかぁ、と思いながら読んだのですが、この人の底の浅さというか、あぁ、コイツは何も考えてないんだなぁ、ということがよくわかりました。
居酒屋でクダまいて「日本人論」語ってる、評論家崩れのおっちゃんの小言という感じ。
阿部さんのうすっぺらい「日本論」のあいだに、形成外科の高須クリニックの高須さんとのインタビューやら、キャラ商法の偉いさんとのインタビューやら、偉い人たちとのインタビューを挟み込んでいますが、何かとてつもない思想が語られるわけでもなく、
日本人は成熟を拒否しているという主張ばかりが語られているのですが、
そもそも、社会を「青年期」だの「壮年期」だの、人間の一生と重ね合わせていくことに意味あんの?という疑問がわくのですよ。
なんというか、この人の評論って、どこかで誰かが別の言い方で言っているのを、別の言い回しで言っているだけ、という感じがするんですよね。
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幼少の帝国: 成熟を拒否する日本人 単行本 – 2012/5/22
阿部 和重
(著)
- 本の長さ238ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2012/5/22
- 寸法13.8 x 2.4 x 19.8 cm
- ISBN-104104180033
- ISBN-13978-4104180035
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2012/5/22)
- 発売日 : 2012/5/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 238ページ
- ISBN-10 : 4104180033
- ISBN-13 : 978-4104180035
- 寸法 : 13.8 x 2.4 x 19.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,049,369位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年6月10日に日本でレビュー済み
阿部和重は小説家。2005年に「グランド・フィナーレ」で芥川賞、2010年に「ピストルズ」で谷崎賞を受賞した。
著者初のノンフィクション。
本書では、現代日本社会における「成熟拒否」の様々な事象を検証し、その正体を探った。
取り上げた事象は、美容整形から、小型化技術、デコトラ、スーパー戦隊シリーズ、東日本大震災、エネルギー政策まで幅広い。
中でも、アンチエイジングに関する高須クリニック院長とのインタビュー。
キャラクター玩具マーチャンダイジングに関する東映テレビ営業部長、バンダイ執行役員らとの対談は、実に面白い。
「幼少の帝国」日本は、「成熟を拒否」をしたまま、「老年期」を迎えてしまうのだろうか?
「純血性」の幻想を捨て、「異種交配」に立ち返るしか、生存の選択肢は無いと説く。
著者初のノンフィクション。
本書では、現代日本社会における「成熟拒否」の様々な事象を検証し、その正体を探った。
取り上げた事象は、美容整形から、小型化技術、デコトラ、スーパー戦隊シリーズ、東日本大震災、エネルギー政策まで幅広い。
中でも、アンチエイジングに関する高須クリニック院長とのインタビュー。
キャラクター玩具マーチャンダイジングに関する東映テレビ営業部長、バンダイ執行役員らとの対談は、実に面白い。
「幼少の帝国」日本は、「成熟を拒否」をしたまま、「老年期」を迎えてしまうのだろうか?
「純血性」の幻想を捨て、「異種交配」に立ち返るしか、生存の選択肢は無いと説く。
2014年7月6日に日本でレビュー済み
ジャストミートのタイトルと言う感じで期待したのだが、読んでみるとやや残念な内容だった。
テーマは非常に良いと思うし、最後の結論もまともなのだが、以下の点が気になった。
(1)冒頭に引用した海外マスコミの「六つの狂った日本のサブカルチャー」を崩して再構築してくれるのかと思ったが、そういう展開ではなかった。全体の構成がわかりにくかった
(2)インタビューが相手次第で、ボリュームや出来にムラがある。インタビュー先は非常に面白いだけにもったいない
(3)個人の回想が冗長。気持ちはわかるし、一例としては面白いのだが、長尺になると本論との関係性がどっかに行っちゃう
(4)章末ごとにまとめの補足が入るのだが、各章の位置づけが不明瞭で全体像が良くわからない。論点をもっと明確にして検証する形のほうがよかったのではないだろうか
(5)文章が一歩引いた感じで、しかも硬い。良く言えば慎重に言葉を選びすぎ、悪く言うと感情がなくて何か他人ごとっぽい。「わたしたち」という表記も引っかかる
これらが渾然一体となって、最終章のまとめが弱く感じてしまった。もっと自論で決めつけて、例証と結論をはっきり打ち出してくれたほうが読んでいて気持ちが良い。
原因としては「読書家向け商業誌への連載であった」「ノンフィクションへの初めてのチャレンジであった」「連載途中の東日本大震災により、方向性がぶれてしまった」等があるのではないだろうかと思われた。
人気芸人や有名タレントの社会批評がすごく注目を浴びる事がある。これは当人に対する期待、悪く言うと異分子に対して見下していた視線に対して発言内容のまっとうさのギャップに驚くからなのだと思う。しかし無名な人がまともなことを言っても、マスコミには乗らないし、誰も感心はしない。今は、まだ作家としての認知度も不足だという意識があるのではないだろうか。それが、一歩引いた記述に現れているのではないだろうか。
たぶん、これから重要なのは、このテーマにしがみついて同じ対象を追いかけて、定期的に見直して報告することだと思う(幸い、積み残しはたくさんある)。そうすればこの分野での類書と共に名前は後から着いてくるだろう。繰り返しになるが、テーマはジャストミートだと思う。
個人的には「成熟を拒否すること」自体は悪だとは思わないが、成熟が要求されるべきである分野、つまり政治や経済、教育などの社会システムにまで未成熟を言い訳にすることは誤っていると思う。日本人に「幼年期の終わり」を知らしめるために、これからもこのテーマを追求して貰いたい。
テーマは非常に良いと思うし、最後の結論もまともなのだが、以下の点が気になった。
(1)冒頭に引用した海外マスコミの「六つの狂った日本のサブカルチャー」を崩して再構築してくれるのかと思ったが、そういう展開ではなかった。全体の構成がわかりにくかった
(2)インタビューが相手次第で、ボリュームや出来にムラがある。インタビュー先は非常に面白いだけにもったいない
(3)個人の回想が冗長。気持ちはわかるし、一例としては面白いのだが、長尺になると本論との関係性がどっかに行っちゃう
(4)章末ごとにまとめの補足が入るのだが、各章の位置づけが不明瞭で全体像が良くわからない。論点をもっと明確にして検証する形のほうがよかったのではないだろうか
(5)文章が一歩引いた感じで、しかも硬い。良く言えば慎重に言葉を選びすぎ、悪く言うと感情がなくて何か他人ごとっぽい。「わたしたち」という表記も引っかかる
これらが渾然一体となって、最終章のまとめが弱く感じてしまった。もっと自論で決めつけて、例証と結論をはっきり打ち出してくれたほうが読んでいて気持ちが良い。
原因としては「読書家向け商業誌への連載であった」「ノンフィクションへの初めてのチャレンジであった」「連載途中の東日本大震災により、方向性がぶれてしまった」等があるのではないだろうかと思われた。
人気芸人や有名タレントの社会批評がすごく注目を浴びる事がある。これは当人に対する期待、悪く言うと異分子に対して見下していた視線に対して発言内容のまっとうさのギャップに驚くからなのだと思う。しかし無名な人がまともなことを言っても、マスコミには乗らないし、誰も感心はしない。今は、まだ作家としての認知度も不足だという意識があるのではないだろうか。それが、一歩引いた記述に現れているのではないだろうか。
たぶん、これから重要なのは、このテーマにしがみついて同じ対象を追いかけて、定期的に見直して報告することだと思う(幸い、積み残しはたくさんある)。そうすればこの分野での類書と共に名前は後から着いてくるだろう。繰り返しになるが、テーマはジャストミートだと思う。
個人的には「成熟を拒否すること」自体は悪だとは思わないが、成熟が要求されるべきである分野、つまり政治や経済、教育などの社会システムにまで未成熟を言い訳にすることは誤っていると思う。日本人に「幼年期の終わり」を知らしめるために、これからもこのテーマを追求して貰いたい。
2013年2月12日に日本でレビュー済み
本書は著者の初のノンフィクションであるという。著者は「幼少の帝国: 成熟を拒否する日本人」という題目を、アンチエイジング、大震災、ヤンキー文化等の一見雑多で無関係と思われる諸問題から、日本人の「成熟拒否」にメスを入れ考察するという・・・これは本人の言。
そもそも、アンチエイジングとは、医療・美容などで言う「老化防止・抗老化」の意味である。精神的・知能的・社会的に未熟なものは、初めからそうなのであって、これを更に未熟増強にアンチエイジングなる言葉を用いるのは明確な誤りである。著者の取り上げている材料は多種であるが、それから導出される結論が“アンチエイジングとは、戦後日本が編み出した究極の処世術だった!? ”というのなら、なんに対する処世術でしょう?
更に、[内容説明]から、「作家は、文化や産業の最先端を探訪する。3・11という巨大な裂け目を経ながら、新たに発見されたこの国の可能性とは? 現代日本文化に指摘される「未成熟性」の正体を探る」・・・この部分での記述も酷く、何も分かってはいない。何がノンフィクションだ!文章中に突然くだらない表現を挟んで自分の能力を暴露三昧。ニヤッとさせる筆致も知力も皆無。
以下同様で、日本の政治、日本文化論、東日本大震災、成熟拒否、小型化志向、世界に広がる日本の技術・職人芸、夢、震災復興等は総て内容が空疎で読む価値皆無で、呆れるしかなかった。
そもそも、アンチエイジングとは、医療・美容などで言う「老化防止・抗老化」の意味である。精神的・知能的・社会的に未熟なものは、初めからそうなのであって、これを更に未熟増強にアンチエイジングなる言葉を用いるのは明確な誤りである。著者の取り上げている材料は多種であるが、それから導出される結論が“アンチエイジングとは、戦後日本が編み出した究極の処世術だった!? ”というのなら、なんに対する処世術でしょう?
更に、[内容説明]から、「作家は、文化や産業の最先端を探訪する。3・11という巨大な裂け目を経ながら、新たに発見されたこの国の可能性とは? 現代日本文化に指摘される「未成熟性」の正体を探る」・・・この部分での記述も酷く、何も分かってはいない。何がノンフィクションだ!文章中に突然くだらない表現を挟んで自分の能力を暴露三昧。ニヤッとさせる筆致も知力も皆無。
以下同様で、日本の政治、日本文化論、東日本大震災、成熟拒否、小型化志向、世界に広がる日本の技術・職人芸、夢、震災復興等は総て内容が空疎で読む価値皆無で、呆れるしかなかった。