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この本は東浩紀と桜坂洋の共作だ。
各パートごとに作者が交代しているのだろう。
各章ごとのキャラクター性や物語の展開が連続性を帯びていない。
だがそれは可能世界に生きているキャラクターだからできるのである。
主人公東浩紀はキャラクター化されていて、偶然世界つまり一つの人生を生きている現実の東浩紀ではないから許されるのである。
この本はキャラクター私小説だ。
小説の随所に思想用語や批評、論壇批判はちりばめられている東浩紀の小説だ。
しかし、扱いにくい東浩紀という人物を上手く描き出している桜坂洋は凄い。
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キャラクターズ 単行本 – 2008/5/1
- 本の長さ152ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2008/5/1
- ISBN-104104262021
- ISBN-13978-4104262021
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2008/5/1)
- 発売日 : 2008/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 152ページ
- ISBN-10 : 4104262021
- ISBN-13 : 978-4104262021
- Amazon 売れ筋ランキング: - 740,049位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 185,261位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。専門は哲学、表象文化論、情報社会論。著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、第21回サントリー学芸賞 思想・歴史部門)、『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)、『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』(講談社)、『ゲンロン0 観光客の哲学』(ゲンロン、第71回毎日出版文化賞 人文・社会部門)、『ゆるく考える』(河出書房新社)、『ゲンロン戦記』(中公新書ラクレ)ほか多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年11月27日に日本でレビュー済み
のっけから日本の反私小説が展開されていて、うんざりしました。そんなことは丸谷才一がとうにやってきたことです。小谷野敦が書いている通り、日本ではすでに私小説が壊滅的になっているのにもかかわらず、私小説批判をする頓珍漢にすぎません。だから《セックスと死と「私」の小説が勝利を収めて》はいないし、第一ここでいう勝利とは何でしょうか? だいたい私小説は海外にもありますから、日本独自のものだという言説は誤りです。そういう点を含めてこの小説内批評は誤謬に満ちていますし、この作者らはあまり文学に教養がないのだなと思いました。
2009年7月5日に日本でレビュー済み
端的には、「問題意識に制約され過ぎるがあまり、小説としての愉快さを失った作品」と言えます。
著者らにしてみれば、「その単調さこそ、(メインストリームを歩く)日本文学の反復」と反論するかもしれません。
確かに、戦略的には、「私小説的に著者ら周辺のゴシップネタを散りばめ、世俗的関心を引き、同時にそれらゴシップネタの引き受け先を、現実の著者本人ではなく、キャラクター(小説内の登場実物としての著者)することで、下品さを回避する」というのは、おもしろいと思います。
しかし、著者らの文章がいかに読みやすいとはいえ、いかにも「これは、小説だ!」と強調しすぎるあまり、どんな暴力や性的場面も、コミットメントできません。
ただ、東浩紀氏が指摘する、現代の「『人間』が描かけているのか描けていないのかばかりを気にする」日本文学の歪みは、その通りだと思います。氏には、同世代の問題意識を掬い上げる機能があるように思えました。
著者らにしてみれば、「その単調さこそ、(メインストリームを歩く)日本文学の反復」と反論するかもしれません。
確かに、戦略的には、「私小説的に著者ら周辺のゴシップネタを散りばめ、世俗的関心を引き、同時にそれらゴシップネタの引き受け先を、現実の著者本人ではなく、キャラクター(小説内の登場実物としての著者)することで、下品さを回避する」というのは、おもしろいと思います。
しかし、著者らの文章がいかに読みやすいとはいえ、いかにも「これは、小説だ!」と強調しすぎるあまり、どんな暴力や性的場面も、コミットメントできません。
ただ、東浩紀氏が指摘する、現代の「『人間』が描かけているのか描けていないのかばかりを気にする」日本文学の歪みは、その通りだと思います。氏には、同世代の問題意識を掬い上げる機能があるように思えました。
2015年1月26日に日本でレビュー済み
ごく個人的な感想ですが、すごく愉快で面白いフィクション私小説でした。
東さんの難しさを面白おかしく読める気がします。個人的東さんの仕事で一番好きな作品です。小難しいことを考えず読めますし、東さんのキャラクターや背景を知っていればいるほど(私はそこまでわからないですが)面白く読めると思います。
こういうエンターテイメントの側面やアイデアマンとして才能ある東さんの実力を垣間見れる一冊だと思います。
本当に楽しまさせていただきました。
ありがとうございます。
東さんの難しさを面白おかしく読める気がします。個人的東さんの仕事で一番好きな作品です。小難しいことを考えず読めますし、東さんのキャラクターや背景を知っていればいるほど(私はそこまでわからないですが)面白く読めると思います。
こういうエンターテイメントの側面やアイデアマンとして才能ある東さんの実力を垣間見れる一冊だと思います。
本当に楽しまさせていただきました。
ありがとうございます。
2008年5月26日に日本でレビュー済み
批評家と作家の二人の小説ということで、読む側としては少し構えて読んでしまいますが、第一印象としては単純に面白く読める物語でした。
また、読んでいて二人の著者のどちらがここを書いているのだろうというある種単純でありながらいままでなかった(と思われる)宙づり作戦が読者に対して展開されますので、どちらが書いているのだろうと予想しながら読むのも面白いと思います(実際どちらが書いているのかということに関しては東氏自らどこかの対談で特に隠し立てすることなく披露していましたが、まぁ作者を読みたいわけではないのでどっちでもいい話です)
言論界で活発な発言をしている著者ですから、それなりの思惑があって書かれているのかもしれませんが、私としては単純におもしろく、読んだ後、舞台になった新聞社をぶらぶら見に行きたいなぁと、思わせるぐらいの魅力はありました。
また、読んでいて二人の著者のどちらがここを書いているのだろうというある種単純でありながらいままでなかった(と思われる)宙づり作戦が読者に対して展開されますので、どちらが書いているのだろうと予想しながら読むのも面白いと思います(実際どちらが書いているのかということに関しては東氏自らどこかの対談で特に隠し立てすることなく披露していましたが、まぁ作者を読みたいわけではないのでどっちでもいい話です)
言論界で活発な発言をしている著者ですから、それなりの思惑があって書かれているのかもしれませんが、私としては単純におもしろく、読んだ後、舞台になった新聞社をぶらぶら見に行きたいなぁと、思わせるぐらいの魅力はありました。