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東電OL殺人事件 単行本 – 2000/5/1

3.9 5つ星のうち3.9 311個の評価

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商品説明

1997年3月8日深夜、渋谷区円山町で、女性が何者かによって絞殺された。被害者渡辺泰子が、昼間は東電のエリートOL、夜は娼婦という2つの顔を持っていたことがわかると、マスコミは取材に奔走した。逮捕されたのは、ネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリ。娼婦としての彼女が、最後に性交渉した「客」であった。

本書は、事件の発端から一審判決に至るまでの一部始終を追ったものである。その3年もの間、著者は、事件にかかわりのある土地に足繁く通い、さまざまな証言を集めた。事件現場となった円山町は言うにおよばず、ゴビンダの冤罪を晴らすべく、はるかネパールにまで取材に行った。立ちはだかる悪路難路を越えて、彼の家族友人から無罪の証言を得ようとする著者の姿には、執念を感じてしまう。

ネパール行脚が終わると、裁判の模様が延々と書かれている。ゴビンダを犯人と決めつけている警察の捜査ひとつひとつに、著者はしつこく反論していく。このくだり、読み手は食傷気味になるかもしれない。だがその執念も、ともすればステロタイプにくくられがちな「エリート女性の心の闇」に一歩でも迫りたいという一念からきたのだろう。著者は、確信犯的に堕落していった渡辺泰子に対して、坂口安吾の『堕落論』まで引用して、「聖性」を認めている。その墜ちきった姿に感動している。この本は、彼女への畏敬と鎮魂のメッセージなのである。(文月 達)

内容(「MARC」データベースより)

彼女の手帳には、凄絶な堕落の日々が記されていた…。娼婦として殺されたエリートOLの心の闇と、警察捜査の虚妄を描破。衝撃の事件の真実を語る。『新潮45』の連載記事を大幅に加筆。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2000/5/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2000/5/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 444ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4104369012
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4104369010
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 311個の評価

著者について

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佐野 眞一
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1947(昭和22)年東京生れ。

出版社勤務を経てノンフィクション作家に。主著に、民俗学者・宮本常一と渋沢敬三の交流を描いた『旅する巨人』(大宅賞)、エリートOLの夜の顔と外国人労働者の生活、裁判制度を追究した『東電OL殺人事件』、大杉栄虐殺の真相に迫り、その通説を大きく覆した『甘粕正彦 乱心の曠野』『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』など多数。

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