とても読み易い文章でスッと本の中に入り込み一気に読み終えました。
一人の女性の、女としての年月を、写実的で、ドライに、いやその実ウエットに、そして主観的であり乍ら、場面によっては寧ろどこか俯瞰的に淡々と綴られている印象でした。
本文五章の終わりにbarのホステスの女性の口から…坂を上るときに、うちは母親になるんです。そして坂を下りる時、女になるんです。…と云った台詞の後「・・・ひとりの人間の中に警察と泥棒が両方棲み着いてしまう事がある。そんな時はどっかできっちり区切りをつけて、ここからは警察、ここからは泥棒、そうやって生きていくしかありませんやろ」
このホステスの女性は、自分の中の女の部分と、現実に生きていく社会、所謂世間との間に折り合いをつけて人生を送る事が出来た。
しかし、主人公かもめはそれが上手く出来なかった。
主人公かもめに共感し人生を凝縮した様な良い時間をありがとうございました。
読後、恋愛文学賞を受賞された作品である事が十分理解出来ました
¥5,359¥5,359 税込
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欲しいのは、あなただけ 単行本 – 2004/9/18
小手鞠 るい
(著)
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- 本の長さ174ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2004/9/18
- ISBN-104104371025
- ISBN-13978-4104371020
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2004/9/18)
- 発売日 : 2004/9/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 174ページ
- ISBN-10 : 4104371025
- ISBN-13 : 978-4104371020
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,257,348位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 29,189位日本文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2008年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まずは、「パイロットフィッシュ」「アジアンタムブルー」の著者、
大崎善生氏の解説を抜粋されたい。
読む側の空想の空をどこまでも広げてくれる、物語の中に入り込み考える
自由を与えてくれる、そしてわたしたちはコンテナのように小説という広
大な海の中に浮かんでいればよい。
小手鞠るい氏のことを、自由を与えてくれる作家、だと賞賛している。
考える余地を、そっと、置いてくれているのだと喩えている。
恋愛小説なのに、恋愛小説のような感じがしない。
そもそも、恋愛とは何なのか。評者はわからない。
燃え滾る欲望を持つことなのか、
何かも捨ててしまっていい気持ちになることか・・・。
ある場面で、かもめが思い馳せているように、
好きな人の一部でありたい、全部でありたい、
そう思うことが恋愛なのかもしれない。
恋愛=恋に愛するのか、愛に恋するのか。愛+恋なのか。
わからないが、恋に恋すると、若かりし頃の恋愛(純愛)が
そのように喩えられ、昔話のひとつとして語られる場面に遭遇する。
好きな人の一部でありたいと思う気持ちは、
恋に恋している瞬間感じると評者は思う。
何も周りは見えていないのだ。
いや、見えている。あなたとわたしの世界は。
≪以下、抜粋≫
・むかしむかし、好きになった人たちを思い出すとき、 わたしはいつも、弟のことを思うような優しい気持ちになる。
・わたしが怖かったのは、それは、自由、ということだった。
・闇のなかでわたしを待っている黄色い車を見つける瞬間が、わたしは好きだった。
・「おう、きょうはかもめちゃんとデイトや」
・どうしても、その小包を開封する気力が湧いてこなかった。 開封して本を取り出す、ページをめくる、そこに書かれている言葉を読む、 読んで何かを考える、何かを感じる、何かを思う、そういった行為のすべてが、 わたしにはけだるく、空しく、鬱陶しいことのように思えていた。
・あのころの自分と、今ここにいる自分を、うまく結び付けることができない、と、私は思った。
・わたしの心のお葬式。これはわたしが男らしい人から愛されるために、どうしても必要な儀式なのだ、と。
・わたしたちはふたりとも無言だった。けれどもその無言は生きていた。運転手と助手席のあいだで、 言葉にならないくらいたくさんの言葉がゆき交っていた。男らしい人は何かを必死で伝えたがっていたし、 わたしも必死でそれに答えたがっていた。
・あなたの一部でありたい、同時に、全部でありたい。あなたの触れるすべてのものに、わたしはなりたい。
・あなたが身体で、わたしが心。あなたが海なら、わたしは潮騒。あなたが空なら、わたしは夕焼け。 あなたが問いで、わたしが答え。愛することしかできない。それがわたしの答えなのだ。
・四条から山科に戻るとき、タクシーで蹴上の坂を登りますやろ。あの坂を登るときには、うちは母親になるんです。 そうして翌日の夕方、店に出るためにあの坂を下りてきますやろ。そのときにはうちは、女になるんです。」
・「もう行かなきゃ、遅れてしまう」と、言うのはいつもわたしのほうだった。
・「幹彦さんにとっては突然でも、わたしにとっては突然じゃないの」
・この世の中には、すべてを手に入れてもなお不幸な人間がいるように、 すべてを失ってもなお、幸福でいられる人間もいるのだと思った。
大崎善生氏の解説を抜粋されたい。
読む側の空想の空をどこまでも広げてくれる、物語の中に入り込み考える
自由を与えてくれる、そしてわたしたちはコンテナのように小説という広
大な海の中に浮かんでいればよい。
小手鞠るい氏のことを、自由を与えてくれる作家、だと賞賛している。
考える余地を、そっと、置いてくれているのだと喩えている。
恋愛小説なのに、恋愛小説のような感じがしない。
そもそも、恋愛とは何なのか。評者はわからない。
燃え滾る欲望を持つことなのか、
何かも捨ててしまっていい気持ちになることか・・・。
ある場面で、かもめが思い馳せているように、
好きな人の一部でありたい、全部でありたい、
そう思うことが恋愛なのかもしれない。
恋愛=恋に愛するのか、愛に恋するのか。愛+恋なのか。
わからないが、恋に恋すると、若かりし頃の恋愛(純愛)が
そのように喩えられ、昔話のひとつとして語られる場面に遭遇する。
好きな人の一部でありたいと思う気持ちは、
恋に恋している瞬間感じると評者は思う。
何も周りは見えていないのだ。
いや、見えている。あなたとわたしの世界は。
≪以下、抜粋≫
・むかしむかし、好きになった人たちを思い出すとき、 わたしはいつも、弟のことを思うような優しい気持ちになる。
・わたしが怖かったのは、それは、自由、ということだった。
・闇のなかでわたしを待っている黄色い車を見つける瞬間が、わたしは好きだった。
・「おう、きょうはかもめちゃんとデイトや」
・どうしても、その小包を開封する気力が湧いてこなかった。 開封して本を取り出す、ページをめくる、そこに書かれている言葉を読む、 読んで何かを考える、何かを感じる、何かを思う、そういった行為のすべてが、 わたしにはけだるく、空しく、鬱陶しいことのように思えていた。
・あのころの自分と、今ここにいる自分を、うまく結び付けることができない、と、私は思った。
・わたしの心のお葬式。これはわたしが男らしい人から愛されるために、どうしても必要な儀式なのだ、と。
・わたしたちはふたりとも無言だった。けれどもその無言は生きていた。運転手と助手席のあいだで、 言葉にならないくらいたくさんの言葉がゆき交っていた。男らしい人は何かを必死で伝えたがっていたし、 わたしも必死でそれに答えたがっていた。
・あなたの一部でありたい、同時に、全部でありたい。あなたの触れるすべてのものに、わたしはなりたい。
・あなたが身体で、わたしが心。あなたが海なら、わたしは潮騒。あなたが空なら、わたしは夕焼け。 あなたが問いで、わたしが答え。愛することしかできない。それがわたしの答えなのだ。
・四条から山科に戻るとき、タクシーで蹴上の坂を登りますやろ。あの坂を登るときには、うちは母親になるんです。 そうして翌日の夕方、店に出るためにあの坂を下りてきますやろ。そのときにはうちは、女になるんです。」
・「もう行かなきゃ、遅れてしまう」と、言うのはいつもわたしのほうだった。
・「幹彦さんにとっては突然でも、わたしにとっては突然じゃないの」
・この世の中には、すべてを手に入れてもなお不幸な人間がいるように、 すべてを失ってもなお、幸福でいられる人間もいるのだと思った。
2004年10月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
背表紙の「一度でも恋に溺れたことのある人へ・一瞬でも恋に生きたことのある人へ」に惹かれて購入してしまいました。
まさに人が人を恋し、その人を想うという事の原型が描かれている作品。
貴方(貴女)の全てが欲しい、他には何もいらない。この一言に尽きる想い。
恋愛経験の有る方なら解ると想いますよ、そして自分の中に甦る或る想いに心を熱くして夜空を見上げ、人知れず頬を濡らすものが有るやも知れません。
是非・・・是非ご一読下さい。
まさに人が人を恋し、その人を想うという事の原型が描かれている作品。
貴方(貴女)の全てが欲しい、他には何もいらない。この一言に尽きる想い。
恋愛経験の有る方なら解ると想いますよ、そして自分の中に甦る或る想いに心を熱くして夜空を見上げ、人知れず頬を濡らすものが有るやも知れません。
是非・・・是非ご一読下さい。
2018年4月22日に日本でレビュー済み
星ちりばめたる旗、アップルソングに続き、三冊目を読了。前の二冊が世界や歴史や重いテーマの傑作だったので、本作品に若干の戸惑い。偏った恋愛の話は、別の意味で重く、報われない女性の姿は、切ない。
2016年10月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
好きな人に依存し過ぎのイタイ女の話でした。
全く共感する事なく…
だからこのタイトルなの?
全く共感する事なく…
だからこのタイトルなの?
2005年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
確かに読み始めると止まらない。「私」がこれまでに命をかけた2つの恋の物語。
学生時代の恋は乱暴だけどいつも私だけを見てくれる人。おそらく初めて「心」と「体」の両方で好きになった恋。殴られても突き放されても,少しでも一緒にいることだけを望み,それ以外は何も欲しがらなかった恋。
29歳になり,形だけでも家庭を持った後の恋は「何もしなくても洋服の上から抱き合っているだけで満足」ということから始まる優しい恋。今までの人生の心の傷を一つ一つ癒していくような恋。だけど彼にも家庭があり,彼の全てを欲しいと思う恋はやがて終わりが来る。
これほどまでに恋にのめり込み,ボロボロになるまで突き進む彼女を見てるのがつらかった。逆にこれほど一途になれる彼女がうらやましいとも思えた。
「欲しいのは,あなただけ」彼女の恋はいつもこれだけを最後の最後まで追い求め続ける恋なのだろう。
2つの恋とも特別な話ではないけど,逆に読者の誰の心にも入っていける恋だから,これほど一気に読み終えさせるのかもしれない。
学生時代の恋は乱暴だけどいつも私だけを見てくれる人。おそらく初めて「心」と「体」の両方で好きになった恋。殴られても突き放されても,少しでも一緒にいることだけを望み,それ以外は何も欲しがらなかった恋。
29歳になり,形だけでも家庭を持った後の恋は「何もしなくても洋服の上から抱き合っているだけで満足」ということから始まる優しい恋。今までの人生の心の傷を一つ一つ癒していくような恋。だけど彼にも家庭があり,彼の全てを欲しいと思う恋はやがて終わりが来る。
これほどまでに恋にのめり込み,ボロボロになるまで突き進む彼女を見てるのがつらかった。逆にこれほど一途になれる彼女がうらやましいとも思えた。
「欲しいのは,あなただけ」彼女の恋はいつもこれだけを最後の最後まで追い求め続ける恋なのだろう。
2つの恋とも特別な話ではないけど,逆に読者の誰の心にも入っていける恋だから,これほど一気に読み終えさせるのかもしれない。
2007年4月3日に日本でレビュー済み
読めば読むほどタイトルの意味がわかる,タイトルどおりの本です.
愛に溺れる女性の心が描かれており,人を愛したことがある女性ならば,
その気持ちに共感できるところがあると思います.
これが,愛すると言うことなんだと思いました.
他人からみたら異常かもしれない,かわいそうかもしれない.
主人公はそれくらい真剣に人を愛しています.
痛くて,切ない.
男性がこの本を読んでどう思うのかが気になるところです.
愛に溺れる女性の心が描かれており,人を愛したことがある女性ならば,
その気持ちに共感できるところがあると思います.
これが,愛すると言うことなんだと思いました.
他人からみたら異常かもしれない,かわいそうかもしれない.
主人公はそれくらい真剣に人を愛しています.
痛くて,切ない.
男性がこの本を読んでどう思うのかが気になるところです.
2007年10月8日に日本でレビュー済み
最低の恋愛、最悪の恋愛である。
読んでいると狂おしい気持ちになって、小説のことなのにこぶしを握りしめ、歯を食いしばって、なんといったらいいのだろうか、地団駄を踏むだろうか、そういう思いにかられる。
こういう恋愛だけはしてはいけない。
こんな人に惹かれていけない、こんなふうに自分をおとめてはいけない。
それはちがうんだよ、誰が見たってわかる、語り手の貴女だってわかってるじゃないの?
なんでこんな小説を書くのよ。
愛はもっと純粋で美しいもの、そうであるはず、そうでなければいけない。
この小説は(こんなにも狂おしい内容であるにもかかわらず)、自分の恋愛観を冷静に分析するための「恋愛論」だと思う。
全体としては否定するしかない、男らしい人との恋愛、優しい人との恋愛ではあるが、読み手の痛いところを突いてくる、小手毬るいの筆力に圧倒された。
読んでいると狂おしい気持ちになって、小説のことなのにこぶしを握りしめ、歯を食いしばって、なんといったらいいのだろうか、地団駄を踏むだろうか、そういう思いにかられる。
こういう恋愛だけはしてはいけない。
こんな人に惹かれていけない、こんなふうに自分をおとめてはいけない。
それはちがうんだよ、誰が見たってわかる、語り手の貴女だってわかってるじゃないの?
なんでこんな小説を書くのよ。
愛はもっと純粋で美しいもの、そうであるはず、そうでなければいけない。
この小説は(こんなにも狂おしい内容であるにもかかわらず)、自分の恋愛観を冷静に分析するための「恋愛論」だと思う。
全体としては否定するしかない、男らしい人との恋愛、優しい人との恋愛ではあるが、読み手の痛いところを突いてくる、小手毬るいの筆力に圧倒された。