最近読んだ本の中で特にひかれた物の一つがこのアルカロイドラヴァーズです。
植物>動物という前提の下、堕落した植物は楽園から堕ちて、人としてより
限定された価値の中で生きる事を定められます。
透明感がありながら官能的でもある不思議なリズムと雰囲気の中で、決して陳腐に
なることなく物語は展開され、文学としての完成度の高さを感じました。
恋愛に悩む人、疲れた人はこの本を読んで自分の価値観を問い直してみるのもいいのではないでしょうか?
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アルカロイド・ラヴァーズ 単行本 – 2005/1/26
星野 智幸
(著)
- 本の長さ155ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2005/1/26
- ISBN-104104372021
- ISBN-13978-4104372027
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2005/1/26)
- 発売日 : 2005/1/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 155ページ
- ISBN-10 : 4104372021
- ISBN-13 : 978-4104372027
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,240,611位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 28,770位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1965年、 アメリカ・ロサンゼルス市生まれ。88年、 早稲田大学卒業。2年半の新聞社勤務後、 メキシコに留学。97年『最後の吐息』で文藝賞を受賞しデビュー。2000年『目覚めよと人魚は歌う』で三島由紀夫賞、 03年 『ファンタジスタ』 で野間文芸新人賞、11年 『俺俺』 で大江健三郎賞、15年 『夜は終わらない』 で読売文学賞を受賞。『焔』『呪文』 『未来の記憶は蘭のなかで作られる』 など著書多数。
カスタマーレビュー
星5つ中4.3つ
5つのうち4.3つ
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年10月28日に日本でレビュー済み
「目覚めよと人魚は歌う」はもう本当にいやでいやでしょうがなくて、二十ページで投げ出したんだけれど、島田雅彦がおもしろかったと言っていたから読んでみようかなと手に取ってみたら、あれ、おもしろい。
というか、傑作? 一言で言えば前衛的な失楽園(ミルトンのです、渡辺某じゃなくて)。
人間を植物と同レベルの水準で語る腕前といい、地上に落とされて「人間」として生きていかなきゃいけないことは罰であり、それゆえに楽園への回帰をひたすら望むスリップストリーム系の小説。モチーフの使いかたも恋人に毒薬をひたすら飲ませていく堕落した生活の虚無さ加減もばつぐん。傑作でしょう。
というか、傑作? 一言で言えば前衛的な失楽園(ミルトンのです、渡辺某じゃなくて)。
人間を植物と同レベルの水準で語る腕前といい、地上に落とされて「人間」として生きていかなきゃいけないことは罰であり、それゆえに楽園への回帰をひたすら望むスリップストリーム系の小説。モチーフの使いかたも恋人に毒薬をひたすら飲ませていく堕落した生活の虚無さ加減もばつぐん。傑作でしょう。
2010年2月11日に日本でレビュー済み
決して、まったく、読み易くはない。
けれども、いつしか読み手である自分までも、
女たちと交わり、侵食し、侵食されて
いるかのような、
不思議な感覚に陥いり、
読了したときには
ただ、呆然としました。
好みは分かれるかもしれませんが、
他の誰のものとも似ていない、
過剰で、ときにグロテスクで、それなのに美しい
心に残る作品でした。
けれども、いつしか読み手である自分までも、
女たちと交わり、侵食し、侵食されて
いるかのような、
不思議な感覚に陥いり、
読了したときには
ただ、呆然としました。
好みは分かれるかもしれませんが、
他の誰のものとも似ていない、
過剰で、ときにグロテスクで、それなのに美しい
心に残る作品でした。
2005年8月8日に日本でレビュー済み
誰とでも恋愛でき、また何度でも・誰にでも
生まれ変われる楽園の住民からは、
一回きりの人生の、男女の恋愛はどう映って見えるのだろう?
帯にあるように、本書の主人公の咲子は楽園を追放され、
「もう、誰とでも恋ができるわけじゃない。」
しかし、そうだとしても、
恋をする以上、子を成す掟に従わなければならないのか。
本書のテーマには非常に興味をひかれました。
価値観を相対化してみせる作者の力量はさすがです。
単純に文学作品としても、高いレベルのものとして
おすすめできます。
テーマの面白さに比較して、
登場人物の印象がちょっと弱いのが気になりました。
☆4つ
生まれ変われる楽園の住民からは、
一回きりの人生の、男女の恋愛はどう映って見えるのだろう?
帯にあるように、本書の主人公の咲子は楽園を追放され、
「もう、誰とでも恋ができるわけじゃない。」
しかし、そうだとしても、
恋をする以上、子を成す掟に従わなければならないのか。
本書のテーマには非常に興味をひかれました。
価値観を相対化してみせる作者の力量はさすがです。
単純に文学作品としても、高いレベルのものとして
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テーマの面白さに比較して、
登場人物の印象がちょっと弱いのが気になりました。
☆4つ