小学生時代から途切れ途切れになりながらも関係を続けてきた浩也とカンナと宇田。今、浩也はチェーンのカフェのマネージャー、カンナは大学を辞めてプータロー、宇田は就職がなかなか決まらない大学生。カンナと宇田は元恋人で。
自分の生き方について迷走するカンナ。
浩也から観れば、宇宙人のような違和感を少しだけ持つ宇田。
二人と関わってはいるものの、堅実な毎日を淡々と送ることの出来る浩也。
この三人が、立場の違いから離れたり、一部近付いたりしながら語られる青春小説。
登場人物がやたら饒舌で、観念的なことを理屈っぽくウダウダと喋るシーン(特にカンナ)にはイライラしました。カンナは、「自分のこと個性的で特別な存在だと思いたいんだろ?」と糾弾される典型的なキャラとして描かれているように思います。妙に冷めた宇田と、この著者のパターン、「普通」で「いい奴」の主人公。しかし関わり合う、みたいな。
正直、不自然、というか、わざとらしい感覚がありました。
「ねぇ、今って大丈夫?」と「ブルブルヒッヒーン!」など、「ちょっとおもしろいでしょ、こういうの」という声がどこかから聞こえてきそうな。
著者は「普通」で「リアル」な若者たちの雰囲気を描くのに、非常に長けている、と思います。本作も、そういった部分で「やっぱり光ってるとこあるな」と感じたのですが、その描写に作り込みが入ると、どうも・・・・・。
「スポット」のことも、もう少し深めて書いて欲しかったです。
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スピログラフ 単行本 – 2003/8/1
鈴木 清剛
(著)
- 本の長さ166ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2003/8/1
- ISBN-104104487023
- ISBN-13978-4104487028
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
電話はいつも突然かかってきた。遠く離れた場所から彼女は一方的にコミュニケートする-。男友達は女友達の心の中にどこまで食い込むことが許されるのだろう? 人と人の繋がりと心の蘇生を描く物語。『新潮』掲載作。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2003/8/1)
- 発売日 : 2003/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 166ページ
- ISBN-10 : 4104487023
- ISBN-13 : 978-4104487028
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,485,825位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 35,016位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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2004年4月19日に日本でレビュー済み
男女三人の微妙な関係が楽しくしかしナイーブに、シュールに描かれている。
キャラクターたちにそれぞれ好感持てた。
たしかに「スポット」に関しては今ひとつピンとこない曖昧な部分もあったのだが、そんな曖昧さもひっくるめてこの本の魅力であろうと思いますよ。
なんだかハッキリとこの物語のメッセージをかみ締めるというよりも、この雰囲気が、彼らたちが私はなんだか好きだなぁ。
キャラクターたちにそれぞれ好感持てた。
たしかに「スポット」に関しては今ひとつピンとこない曖昧な部分もあったのだが、そんな曖昧さもひっくるめてこの本の魅力であろうと思いますよ。
なんだかハッキリとこの物語のメッセージをかみ締めるというよりも、この雰囲気が、彼らたちが私はなんだか好きだなぁ。
2005年3月21日に日本でレビュー済み
まじめな主人公とそれをとりまくちょっと変わった登場人物。
鈴木さん得意のお話です。
でも、これがおもしろいんだなぁ。特に今回、ちょっとエキセ
ントリックな登場人物として描かれている主人公の幼馴染のカ
ンナがなんかかわいい。自由奔放で自然体な感じがキュンとさ
せる。
っていうのはどうでもいいことなんだけど、鈴木さんの本って
本当に普通すぎるくらい普通。
奇をてらった発言とか少なくて、小説世界ってことを忘れさせ
てくれちゃう感じ。この力の抜け具合がたまらなく好きなんだ
なあ。・・・・でも本を出すペース遅くないですか??
鈴木さん得意のお話です。
でも、これがおもしろいんだなぁ。特に今回、ちょっとエキセ
ントリックな登場人物として描かれている主人公の幼馴染のカ
ンナがなんかかわいい。自由奔放で自然体な感じがキュンとさ
せる。
っていうのはどうでもいいことなんだけど、鈴木さんの本って
本当に普通すぎるくらい普通。
奇をてらった発言とか少なくて、小説世界ってことを忘れさせ
てくれちゃう感じ。この力の抜け具合がたまらなく好きなんだ
なあ。・・・・でも本を出すペース遅くないですか??
2005年4月3日に日本でレビュー済み
「ロックンロール・ミシン」での’服飾デザイン’のような、中心事象が、本作でも無い。残念だ。でも、それが現在の20歳代の現実なのだろう。だからこそ、何かに夢中になって輝き傷つく若者を描いてほしい。
鈴木清剛は、ヤンキーでもエリートでもない学生を描くのが本当にうまい。他のレビュアー諸氏も書いているが、文体にイヤミがない。近頃話題にならない作家だが、ファンは多いはず。若者が価値ある生き方を見失っている姿は、鈴木以外の作家も書いている。読む方も辛い。
もう一歩先を書いてください。待ってます。
鈴木清剛は、ヤンキーでもエリートでもない学生を描くのが本当にうまい。他のレビュアー諸氏も書いているが、文体にイヤミがない。近頃話題にならない作家だが、ファンは多いはず。若者が価値ある生き方を見失っている姿は、鈴木以外の作家も書いている。読む方も辛い。
もう一歩先を書いてください。待ってます。
2004年4月24日に日本でレビュー済み
独特のキーワードになる言葉、なんとなく流されるように生きている日々、時間。しかし何かは変わっていく・・いつもの鈴木清剛作品で安心して読める1冊です。しかし、僕は終わり方があまり気に入りませんでした。多少消化不良気味というか・・。ちなみにラストらへんでカンナが言うもう一つの「手をちまちまと動かすような遊び」はネットで検索すればすぐ出ました。何でも今だ年間20万個需要があるそうで・・。