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ゴヂラ 単行本 – 2001/12/1
- 本の長さ211ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2001/12/1
- ISBN-104104508012
- ISBN-13978-4104508013
商品の説明
商品説明
「現実」の多くが、個人の妄想やマスメディアから流れる情報などといった「バーチャル」なものにえてして浸食されていることの卑小さ。荒唐無稽なあるいは低俗きわまりない妄想が、ときに人の意識の中で現実以上にリアルなものとして現れてくることの滑稽さ。それを、この小説ではさまざまな角度でもって描いてみせる。
著者独特のきわめて文学的でありながら、確信犯的なワイドショー趣味とバカバカしさがない交ぜになった作風は、本作においても健在。そのスタイルが功を奏し、作品は辛気くさい批判性を帯びることなく、むしろ卑小さや滑稽さそのものとなって、読者の前に投げ出される。雑誌「波」初出の原稿を大幅に加筆訂正したもの。(岡田工猿)
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2001/12/1)
- 発売日 : 2001/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 211ページ
- ISBN-10 : 4104508012
- ISBN-13 : 978-4104508013
- Amazon 売れ筋ランキング: - 120,614位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,101位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
1951年、広島県生まれ。81年、『さようなら、ギャングたち』で第4回群像新人長編小説賞優秀作を受賞しデビュー。88年、『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞、02年、『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞を受賞。著書に『いつかソウル・トレインに乗る日まで』『一億三千万人のための小説教室』『ニッポンの小説―百年の孤独』他多数ある。10年5月には、『「悪」と戦う』も刊行された。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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「文学」というこの空っぽの部分。それは、現代の物書きたちの、単なる惨めな生業なのか。TSUTAYAの帰りにローソンで弁当を買いながら「詩」をつくる自らの空っぽな生に、意義を持たせたいだけなのか? その答えは、当然『ゴヂラ』でも明らかにはされない。得られるのは、<<そんなこと、知るかよ!>>という答えのみである。文学の営為を「空白」と断じた高橋源一郎の時代錯誤とも言える「文士的勇気」あふれる冒険を味わう、とりあえずの自由が読者に残されているだけだ。
それでも、この小説には読む価値がある。漱石の『明暗』や埴谷雄高の『死霊』を引き合いにだすまでもなく、世の中の傑作や名作と呼ばれる小説には未完成のものが多い。未完だからこそ崇高さが増している文芸作品も少なくない。小説を書き終えようなどという卑小な考えが、現代文学をダメにしてきたのだ。
さらに『ゴヂラ』を読むと、50代に入ったとはいえ、高橋氏がまだ発展途上中の作家であることがわかる。知的で、諧謔的で、猥褻で、ビートのきいた文章と、なんだか寝起きにかいたような絞まりのない文章が混交していて、おもしろい。人として若さを保つのは難しいが、小説家として若くあり続けるのはもっと難しいと思う。これからも高橋源一郎氏から目が離せない。