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抱擁 単行本 – 2009/12/18

3.8 5つ星のうち3.8 8個の評価

二・二六事件直後の東京。前田侯爵邸で小間使として働く「わたし」を翻弄する、五歳の少女と見えない《誰か》。深遠な歴史と濃密な虚構が融け合う至高の物語。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2009/12/18)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/12/18
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 136ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4104563048
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4104563043
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 8個の評価

著者について

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辻原 登
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1945年、和歌山県生まれ。1985年「犬かけて」でデビュー。90年「村の名前」で第103回芥川賞受賞。99年『翔べ麒麟』で第50回読売文学賞、 2000年『遊動亭円木』で第36回谷崎潤一郎賞、05年「枯葉の中の青い炎」で第31回川端康成文学賞、06年『花はさくら木』で第33回大佛次郎賞、 10年『許されざる者』で第51回毎日芸術賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 闇の奥 (ISBN-13: 978-4163288802 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中3.8つ
5つのうち3.8つ
8グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2015年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
辻原さんの作品は、読後ふとした瞬間に表現と映像がよみがえってくることが多いですが、この作品もじわーっと心にしみてきて、ときどきふっと思い出す作品です。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新聞連載や長篇小説の辻原作品とは文体が違うなあと思いました。
一文一文が隙間なくつながって、不思議な世界を組み立てていく感じにドキドキします。
ヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」を下敷きにしているそうで、確かに
そういう雰囲気はあるのですが、でも2・26事件のころの日本の不穏な感じが
にじんでいて、それがストーリーにしっかり絡んでいて、やっぱりすごいです。
まぎれもなく辻原登ワールドです。最後の一行を読むと、もう一度最初から
読まなくてはと思ってしまいます。壮大な『許されざる者』も良かったのですが、
私はこちらのほうがずっと好みです。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年12月2日に日本でレビュー済み
作者の講義録『東大で世界文学を学ぶ』の中で、ヘンリー・ジェイムズの
『ねじの回転』のパスティーシュとして紹介されていたので、興味を持って
読んでみたのだが、舞台設定を昭和十二年の前田侯爵邸に移し替える
あたり、パスティーシュとして巧みに書かれた作品ではあっても、単体と
してはちょっと物足りないように感じた。

一連の事態の真相については、おそらく緑子ではなく語り手への「憑依」を
匂わせているのだろうが、だとすると語り手はなぜ「事件」を起こしたのかが、
もうひとつ説明し切れないような気がする。(行為の途中で邪魔が入ることを
期待していたのだとして、誰かに見られれば語り手の立場が危うくなることは
明らかでリスクが高過ぎるし、「憑依」されていたからそれも気にならなかった
のだとすれば、今度は自作自演のようでやはりおかしい。)

また、語り手は「事件」を起こして実家に戻された後、ミセス・バーネットの
口添えもあって駒場コートへの再訪を許されるのだが、この決着のつけ方は、
この手の怪奇譚としてはやや甘過ぎるようにも思えた。おそらく、理解者の
はずだったミセス・バーネットには実は何も見えておらず、それどころか
ひそかに語り手を疑っていたとするほうが、よりインパクトの強い終わり方
になったと思うのだが、それだと結末で語り手が緑子と会えなくなってしまい、
用意していた衝撃のラスト一行が使えなくなるので、やむなく現行の展開を
採用したというところか。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年2月6日に日本でレビュー済み
 時は昭和12年。2・26事件の翌年、18歳の「私」は前田利為侯爵邸で5歳の次女・緑子の小間使いとして働き始めた。緑子は「私」には見えない誰かの動きを目で追うかのような仕草を見せ始める。「私」の前任者にあたるゆきのという女性は嫁いだ相手が皇軍派の首謀者の一人であり、事件後に自らも命を絶っていた。果たして緑子が見つめるのはゆきのの姿なのか…。 

 辻原登の著作を手に取るのはこれが初めてではありません。短編集『
枯葉の中の青い炎 』では辻原が描く虚実ないまぜの世界の幽玄の美を大いに堪能したものです。
 本書も前田利為邸や2・26事件など、実在の場所や出来事を舞台背景にしながら幽霊譚らしきものが、やわらかさの中にも凛とした気品を漂わせる独特の文体によって綴られていきます。

 しかし私は---文章の美しさは別として---この作品を楽しむことができませんでした。
 昭和12年という時代背景、貴族のお屋敷、無垢なおさな子、奉公人の「私」といったゴシック・ロマン風の装置と役者がそろっているとはいえ、オーソドックスな装置と役者がそろっただけという印象がぬぐえません。この怪異譚に心がざわつく思いがしないのです。

 136頁という小品であるためにわずかな時間で読み終えることができますが、別の言いかたをするならば、わずかな時間で読み終えることができる紙幅しかないために、物語はさらりと通り過ぎていったという思いも残りました。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年2月20日に日本でレビュー済み
辻原登氏は大好きな作家の一人ですが、この作品ははっきり言って失敗作。
舞台装置は仰々しいのに、物語がまったく立ち上がってこない。
単純な謎解きができないあいまいさも、この作品に限っては
消化不調を起こす前に読み終わっちゃったという印象。残念。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート