舞城お得意、家族がテーマの長編です。
ミステリではなく純文です。
『煙か土か食い物』等とは違い、暴力とか超常現象めいたものは全く出てきません。
というか舞城作品でこれほど穏やかな作品は珍しいと思います。
殺人起こりませんし血も流れませんよ〜(あ、でも鼻血はでるかも)。
ちょっと変わった姉を主人公に、弟母父とその愛人、や弟の彼女が登場します。
弟の彼女はビッチだし、父は浮気、母は沈んでて、そんな中での成長物語。
舞城節は健在ながら、口当たり滑らかで普段舞城を読まない女性とかにもお薦めの作品です。
舞城は前作『ディスコ探偵水曜日』を書きあげて一息ついたような気がします。
なんというか、メタ視点を繰り返して一周して戻ってきて一旦振り返ってみた、というような『ビッチマグネット』。
その中には、多重メタ視点について主人公が内省する場面もあります。
自分を相対化(=メタ化)することも大事だけど、やり過ぎてごまかしみたいになっちゃいけない、と。
あと、大事な、物語を巡る考証もとても穏やかに響きます。
基本姿勢はこれまでと変わらず素敵ですね。
芥川賞狙い目かな、と思わないことも無いですが、まあ邪推でしょう。
ぜひ色んな人に読んでもらいたい、良い一冊です。
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ビッチマグネット 単行本 – 2009/11/27
舞城 王太郎
(著)
- 本の長さ206ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2009/11/27
- ISBN-104104580058
- ISBN-13978-4104580057
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2009/11/27)
- 発売日 : 2009/11/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 206ページ
- ISBN-10 : 4104580058
- ISBN-13 : 978-4104580057
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年11月27日に日本でレビュー済み
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2013年7月19日に日本でレビュー済み
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破天荒な芸風を持ち味とする舞城だけど、本作は良くも悪くもこじんまりとまとまっている。
2011年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなの舞城じゃないって思う人は思うかも
さわやかすぎる舞城
エログロナンセンスな表現はこの作品には感じられない
日曜の昼下がりに読んでも違和感ない
取り敢えずビッチうぜぇぇぇってなる(笑)
ビッチマグネットは着脱可能タイプ?
舞城が描く、あまり歪んでない家族愛
いまどきの家族小説
個人的には締めくくりの部分が好き
あれは実際に舞城がボツにしたお話なのかしらん?なんて考えたり…
あ、あと装画が良すぎる
部屋に置いとくと可愛い
タイトル『ビッチマグネット』だけど(笑)
さわやかすぎる舞城
エログロナンセンスな表現はこの作品には感じられない
日曜の昼下がりに読んでも違和感ない
取り敢えずビッチうぜぇぇぇってなる(笑)
ビッチマグネットは着脱可能タイプ?
舞城が描く、あまり歪んでない家族愛
いまどきの家族小説
個人的には締めくくりの部分が好き
あれは実際に舞城がボツにしたお話なのかしらん?なんて考えたり…
あ、あと装画が良すぎる
部屋に置いとくと可愛い
タイトル『ビッチマグネット』だけど(笑)
2010年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いや、これは面白かった。
何といっても語りに、リアリティがある。本当の知り合いだったら、これはちょっとなあ、と思ってしまう
部分もあるが(いわゆるマジギレするところ)、そう思ってしまうところも含めて、主人公の広谷香緒里さ
んが生き生きしていて、とても魅力的だ。
それにくらべて生彩を欠くのは、弟の友徳くん。ビッチマグネットというタイトルなのだから、当然彼が主
人公と思っていたが、重要だけど脇役である。この淡色ぶりが描きたかったことなのでしょうか?
背景描写がもう少しあると、おじさん読者としては、当世若者生活を知ることができてもっと楽しめたかも
しれません。でも、小説として、少し前に読んだ『1Q84 book3 』より面白く読んだことは確かです。
おばさんになった榊原玲奈さんと出会ったところを想像してみると、楽しい感じです。新旧桃尻娘対談、な
んてどうでしょう。実は全然話が噛み合わないかも。
何といっても語りに、リアリティがある。本当の知り合いだったら、これはちょっとなあ、と思ってしまう
部分もあるが(いわゆるマジギレするところ)、そう思ってしまうところも含めて、主人公の広谷香緒里さ
んが生き生きしていて、とても魅力的だ。
それにくらべて生彩を欠くのは、弟の友徳くん。ビッチマグネットというタイトルなのだから、当然彼が主
人公と思っていたが、重要だけど脇役である。この淡色ぶりが描きたかったことなのでしょうか?
背景描写がもう少しあると、おじさん読者としては、当世若者生活を知ることができてもっと楽しめたかも
しれません。でも、小説として、少し前に読んだ『1Q84 book3 』より面白く読んだことは確かです。
おばさんになった榊原玲奈さんと出会ったところを想像してみると、楽しい感じです。新旧桃尻娘対談、な
んてどうでしょう。実は全然話が噛み合わないかも。
2010年2月1日に日本でレビュー済み
私がよく読む小説のひとつは、芥川賞受賞作。今回は芥川賞受賞者なし、ということだったので、候補作を読むことにした。著者の小説を読むのは初めて。読んで一番感じたのは、これが芥川賞候補の小説なのか?ということ。私のように、芥川賞(候補)を期待して読むと期待外れになると思う。一応、最後まで読んだが、読むのが非常に苦痛だった。
2010年12月19日に日本でレビュー済み
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主人公が進学したり、恋人ができたり、弟と別居したりという、生活の節目が、同じ章の中で、下手をすると段落の区切りもなしで突然やってくるので、読んでいてい再三まごついた。編集者は何も言わなかったのだろうか。
2010年1月13日に日本でレビュー済み
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舞城作品の中で一番好きです!
阿修羅ガールや好き好きでは面白さと同時にちょっと置いていかれそうになったので
今回の作品はとても読みやすいし、でも雰囲気は残したままで。
ていねいだけどぶっとんでて、日常だけど非日常。
矛盾してるような感想だけど正しい気がしちゃいます。
おすすめです。
阿修羅ガールや好き好きでは面白さと同時にちょっと置いていかれそうになったので
今回の作品はとても読みやすいし、でも雰囲気は残したままで。
ていねいだけどぶっとんでて、日常だけど非日常。
矛盾してるような感想だけど正しい気がしちゃいます。
おすすめです。
2009年12月5日に日本でレビュー済み
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若い女性の内的な成長を一人称でつづった作品であり、
その意味では平成版の桃尻娘ともいえるかもしれないが、
私にとって気になるのは「女性の内的な葛藤を
ここまで詳しく書けるからには、覆面作家の
舞城はやっぱり女性なのではないか」ということなのである。
従来の作品では道具立ての過激さが舞城世界の女性性を
カムフラージュしていたが、
他の作品を読まずにいきなり本作を読んだら、大概の読者は作者は
女性だと思うだろう。
もしもこれで舞城が男性だとしたら凄すぎる。
その意味では平成版の桃尻娘ともいえるかもしれないが、
私にとって気になるのは「女性の内的な葛藤を
ここまで詳しく書けるからには、覆面作家の
舞城はやっぱり女性なのではないか」ということなのである。
従来の作品では道具立ての過激さが舞城世界の女性性を
カムフラージュしていたが、
他の作品を読まずにいきなり本作を読んだら、大概の読者は作者は
女性だと思うだろう。
もしもこれで舞城が男性だとしたら凄すぎる。