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下山事件 単行本 – 2004/2/18
森 達也
(著)
- 本の長さ269ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2004/2/18
- ISBN-104104662011
- ISBN-13978-4104662012
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
その列車がゆっくりとカーブを描きながら通過したとき、日本の歴史も大きく軋みながら軌道を変えた…。あれから半世紀。残った者たちの重い口を開かせることが、果たしてできるのか? 「下山事件」の闇に迫る。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2004/2/18)
- 発売日 : 2004/2/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 269ページ
- ISBN-10 : 4104662011
- ISBN-13 : 978-4104662012
- Amazon 売れ筋ランキング: - 387,583位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 77位労働問題ノンフィクション
- - 379位刑法・訴訟法
- - 570位事件・犯罪関連
- カスタマーレビュー:
著者について
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広島県生まれ。映画監督、作家。1998年にドキュメンタリー映画『A』を発表。2001年、続編の『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『極私的メディア論』(ISBN-10:4904795075)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いろいろ考える材料もふんだんにあり、気になるところに貼った付箋が数十枚。その後下山事件関連の本を読みあさっている。事件の起きた1949年は日本が右に曲げられた年。吉田茂が酷い奴だとよく分かった。
2023年9月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
※矢田喜美雄→松本清張→柴田哲孝→森達也の順番で読んでいます
それぞれ特色ありですが、本書は下山事件以外の、取材周りのネタが多すぎる。
犯人に迫るより、事件の起きた背景やそこから学べる事を描き出すのが森さんの意図されることらしいので、それも良いかもしれませんが…分量が多い。それと、ひたすら人脈を追われると、素人には何が何だか分からない。誰がだれで誰と繋がり云々、もう少し重要な部分だけに絞っていただければ記憶に残ったかも。怒涛の関係者羅列に「なるほど!」と納得できた人がいるならすみません。
柴田氏とはなぜ仲たがいしてしまったのでしょうか?まあ、文庫版あとがきに櫻井よしこを持ってくる人とは合わなくても仕方ないです。ドンマイ。
一番驚いたのはいわさきちひろのお名前が出てきたところでしょうか。
色々繋がっているものだとため息が出ました。
それぞれ特色ありですが、本書は下山事件以外の、取材周りのネタが多すぎる。
犯人に迫るより、事件の起きた背景やそこから学べる事を描き出すのが森さんの意図されることらしいので、それも良いかもしれませんが…分量が多い。それと、ひたすら人脈を追われると、素人には何が何だか分からない。誰がだれで誰と繋がり云々、もう少し重要な部分だけに絞っていただければ記憶に残ったかも。怒涛の関係者羅列に「なるほど!」と納得できた人がいるならすみません。
柴田氏とはなぜ仲たがいしてしまったのでしょうか?まあ、文庫版あとがきに櫻井よしこを持ってくる人とは合わなくても仕方ないです。ドンマイ。
一番驚いたのはいわさきちひろのお名前が出てきたところでしょうか。
色々繋がっているものだとため息が出ました。
2017年12月5日に日本でレビュー済み
遠い時代の事件の真相を求め、現存者への取材を執拗に続けていく、併せて過去の文献も読みなおし事件の真相に迫ってゆく。他の著者の下山事件本に対し、大変分かりやすい。著者自身による独自の推理の部分は抑えられているので、推理小説的な面白さは少ないが、事件の全体像を掴むのには素晴らしい一冊であると感じる。日本の特務機関員で働き、キャノン機関でも働いた、日本名、村井恵の証言が書かれている。
下山総裁の誘拐に最初に動いたのは神戸のcicグループだった。地下道を通ってそのままライカビルに連れ込む計画だったが、もし目撃者が有ったら、すぐにばれてしまうと言うので車に乗せ、都内をぐるぐるまわってからライカビルに連れ込んだ。殺人現場の勝浦の工場への運航は別のグル―プが担当した。死体を五反野に運ぶグループ、線路に置くグループと4つのグループに分かれていたと書かれている。
ここに引用された本は柴田哲孝の著書より大分前に発刊されたものの、証言の裏付けが無いと批判の多かったものであったが、ライカビルがずっと後で本に描かれることによって証言の信ぴょう性が大きくなった内容のものである。
国鉄内部の組合スパイで働いて下山総裁や加賀山次期総裁の情報スパイとして働いた児玉直三とのインタビューも実現している。
事件の捜査が2課により米ぬか油の正体に向かった時の、1課のなりふり構わぬ行動への証言である。
下山総裁の未亡人を訪ねて霊媒師を連れて言ったのである。霊媒師は下山総裁の声色で言った。
私の死は自殺だ。このことを、お前の口から世間に広めてほしい。
夫人はこの恥知らずな行為に怒り、刑事と霊媒師を追い払ったと有る。
他にも興味深いことが沢山書いてあるので是非、根拠のない批判は気にせずに原本を読まれたらと思います。
下山総裁の誘拐に最初に動いたのは神戸のcicグループだった。地下道を通ってそのままライカビルに連れ込む計画だったが、もし目撃者が有ったら、すぐにばれてしまうと言うので車に乗せ、都内をぐるぐるまわってからライカビルに連れ込んだ。殺人現場の勝浦の工場への運航は別のグル―プが担当した。死体を五反野に運ぶグループ、線路に置くグループと4つのグループに分かれていたと書かれている。
ここに引用された本は柴田哲孝の著書より大分前に発刊されたものの、証言の裏付けが無いと批判の多かったものであったが、ライカビルがずっと後で本に描かれることによって証言の信ぴょう性が大きくなった内容のものである。
国鉄内部の組合スパイで働いて下山総裁や加賀山次期総裁の情報スパイとして働いた児玉直三とのインタビューも実現している。
事件の捜査が2課により米ぬか油の正体に向かった時の、1課のなりふり構わぬ行動への証言である。
下山総裁の未亡人を訪ねて霊媒師を連れて言ったのである。霊媒師は下山総裁の声色で言った。
私の死は自殺だ。このことを、お前の口から世間に広めてほしい。
夫人はこの恥知らずな行為に怒り、刑事と霊媒師を追い払ったと有る。
他にも興味深いことが沢山書いてあるので是非、根拠のない批判は気にせずに原本を読まれたらと思います。
2009年6月25日に日本でレビュー済み
下山事件は、禍々しく、暗く、深い森です。
私たちが暮らす平成の現在、
その森について「僕」と云う一人称の視線と語り口で、
ほぼ同時期に3冊が刊行されたことは奇跡かもしれません。
いずれも既に文庫化されていますが、
ちなみに単行本での出版順は次の通りです。
2002年「葬られた夏―追跡・下山事件」諸永裕司著 朝日新聞社刊。
2004年「下山事件」森達也著 新潮社刊。
2005年「下山事件―最後の証言」柴田哲孝著 祥伝社刊 。
諸永氏は朝日新聞記者、
森氏はフリーの映像作家、
柴田氏は小説家。
それぞれの立場と思いから書かれており、
むろん、それぞれに独立した作品ですが、
濃密な関連があります。
一冊でもお読みになったら、
ぜひ、3冊すべてをお読みになることをお勧めしたい。
蛇足ながら、
当時の時代背景や政治状況、事件そのものについて、
事前に、松本清張氏の「日本の黒い霧」収録の「下山国鉄総裁謀殺論」に
目を通されれば、より、内容を理解しやすいのではないでしょうか。
私たちが暮らす平成の現在、
その森について「僕」と云う一人称の視線と語り口で、
ほぼ同時期に3冊が刊行されたことは奇跡かもしれません。
いずれも既に文庫化されていますが、
ちなみに単行本での出版順は次の通りです。
2002年「葬られた夏―追跡・下山事件」諸永裕司著 朝日新聞社刊。
2004年「下山事件」森達也著 新潮社刊。
2005年「下山事件―最後の証言」柴田哲孝著 祥伝社刊 。
諸永氏は朝日新聞記者、
森氏はフリーの映像作家、
柴田氏は小説家。
それぞれの立場と思いから書かれており、
むろん、それぞれに独立した作品ですが、
濃密な関連があります。
一冊でもお読みになったら、
ぜひ、3冊すべてをお読みになることをお勧めしたい。
蛇足ながら、
当時の時代背景や政治状況、事件そのものについて、
事前に、松本清張氏の「日本の黒い霧」収録の「下山国鉄総裁謀殺論」に
目を通されれば、より、内容を理解しやすいのではないでしょうか。
2017年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
解説にもありましたが、下山事件だけを真っ向から書いた作品ではありませんでした。
著者の意向としても、映像を考えた場合、違う要素を入れようとしたようで、この本もお金のない取材者の苦悩と思うように進められないドキュメンタリー映像の苦悩、そしてネタ元の人と、大手出版社の記者とのしのぎあいとは違う、擦れ合いが描かれています。
そうした点も興味を持って読める人なら十分、読書の楽しみを得られる本だと思います。
著者の意向としても、映像を考えた場合、違う要素を入れようとしたようで、この本もお金のない取材者の苦悩と思うように進められないドキュメンタリー映像の苦悩、そしてネタ元の人と、大手出版社の記者とのしのぎあいとは違う、擦れ合いが描かれています。
そうした点も興味を持って読める人なら十分、読書の楽しみを得られる本だと思います。
2009年9月1日に日本でレビュー済み
「A」「A2」の森達也さんが戦後まもなくの下山事件を扱った本。森さんの著者はすべて、「真相」をずばり指摘したつもりになって安心する、ということから程遠いのがすばらしい。過去は決定的に過ぎ去ってしまったのでたどり着くことはできない。しかし、それでも追及せずにはいられない。。。すばらしいです。しかも客観的に事実を見極めるというメディアにありがちな鳥瞰的、傍観者的、無責任的な態度への徹底的な違和感からくる、森さん独特の主観へのこだわりと日本戦後史観。安いミステリーの読者のように、ナゾの提示と「真相」の解明がほしい方は、森さんと一緒に取材して別の本になっている二冊をごらんください。
ドキュメンタリー映像作家の森さんはつまり、たどり着けない「真相」そのものではなく、むしろ「真相」をフィクション化することのよって、それが意味するもの、その手触りや歴史的意義へと迫る。作中にでてくる元NHKの女性記者を主人公にしたドキュメンタリー映画の製作などその最たるものです(この映画製作自体には、女性を無知なままにしておいてその「無邪気な」取材過程を男たちが映画に撮るという、知の階梯の問題やジェンダーの問題がありますけれど)。森さん当人はあくまで「ドキュメンタリー」にこだわりたいようですが、根底にあるのはフィクションの力への信頼です。
本人がフィクションへと向かいつつドキュメンタリーにもこだわっているため、文章が無駄に錯綜している感は否めません。また、森さんの戦後の歴史観(特に日米関係)も甘いです。しかし「フィクションへの彷徨」こそが本書の最大の魅力。取材する対象が取材者の思いとは別にあるわけではない、という当然のことを教えてくれます。「やらせ」批判から本当の「真相」へというありきたりな道でなく、それさえ別の「やらせ」を作るだけだというメディアの本性を引き受けること。メディア関係者必読。
ドキュメンタリー映像作家の森さんはつまり、たどり着けない「真相」そのものではなく、むしろ「真相」をフィクション化することのよって、それが意味するもの、その手触りや歴史的意義へと迫る。作中にでてくる元NHKの女性記者を主人公にしたドキュメンタリー映画の製作などその最たるものです(この映画製作自体には、女性を無知なままにしておいてその「無邪気な」取材過程を男たちが映画に撮るという、知の階梯の問題やジェンダーの問題がありますけれど)。森さん当人はあくまで「ドキュメンタリー」にこだわりたいようですが、根底にあるのはフィクションの力への信頼です。
本人がフィクションへと向かいつつドキュメンタリーにもこだわっているため、文章が無駄に錯綜している感は否めません。また、森さんの戦後の歴史観(特に日米関係)も甘いです。しかし「フィクションへの彷徨」こそが本書の最大の魅力。取材する対象が取材者の思いとは別にあるわけではない、という当然のことを教えてくれます。「やらせ」批判から本当の「真相」へというありきたりな道でなく、それさえ別の「やらせ」を作るだけだというメディアの本性を引き受けること。メディア関係者必読。
2007年1月20日に日本でレビュー済み
主演女優との感情のすれ違い、スタッフとの対立、ロケ先で次々と発生する問題・・・。
そんな映画の舞台裏を垣間見せるメイキングムービーを、
そのまま文字にしたような本。
普段なら伺いしれないような取材先との微妙なやりとりや、ジャーナリスト間の
「出し抜き」など、大変興味深い。
ただ、問題は、このメイキングムービーは、実際には完成しなかった映画のメイキングになってしまったこと。詳しいことは本の中に書いてあるが、実際に筆者が撮ろうとした映画は頓挫している。
そのことを考えても、この本に、「下山事件」自体の解明や、謎の核心に迫っていく高揚感を
期待するのは間違いだろう。
筆者自身、本の途中で告白しているが、事件の解明に対する興味をどんどん失っていく。
この本のタイトルこそ「下山事件」だが、実際は下山事件をめぐる報道や謎解きに巻き込まれた「森達也事件」という印象だ。
一人のフリーのジャーナリストがいかに悩みながら仕事をし、いかにもがいているか、その点こそが見所だろう。
そんな映画の舞台裏を垣間見せるメイキングムービーを、
そのまま文字にしたような本。
普段なら伺いしれないような取材先との微妙なやりとりや、ジャーナリスト間の
「出し抜き」など、大変興味深い。
ただ、問題は、このメイキングムービーは、実際には完成しなかった映画のメイキングになってしまったこと。詳しいことは本の中に書いてあるが、実際に筆者が撮ろうとした映画は頓挫している。
そのことを考えても、この本に、「下山事件」自体の解明や、謎の核心に迫っていく高揚感を
期待するのは間違いだろう。
筆者自身、本の途中で告白しているが、事件の解明に対する興味をどんどん失っていく。
この本のタイトルこそ「下山事件」だが、実際は下山事件をめぐる報道や謎解きに巻き込まれた「森達也事件」という印象だ。
一人のフリーのジャーナリストがいかに悩みながら仕事をし、いかにもがいているか、その点こそが見所だろう。