いつものような動物が主人公のマンガ風のお話しと、文章が一冊にまとまった画文集。
全体的に静かなトーンでありながら、時にニヤッと笑ってしまいます。
不思議でドラマチックな世界感、フジモトさんの作品にはどことなく暗さがありますが、そこが好きな点でもあります。
なぜか中学生の時の感覚が蘇り、懐かしい気持ちになり、胸がギュッとしてしまうのです。
余談ですが、本文に使われている書体が文章の雰囲気とあっていていいなぁと思いました。
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終電車ならとっくに行ってしまった 単行本 – 2010/11/1
フジモト マサル
(著)
- 本の長さ157ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/11/1
- ISBN-104104704024
- ISBN-13978-4104704026
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2010/11/1)
- 発売日 : 2010/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 157ページ
- ISBN-10 : 4104704024
- ISBN-13 : 978-4104704026
- Amazon 売れ筋ランキング: - 701,313位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 312,189位コミック
- カスタマーレビュー:
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2020年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一気に読み切るというよりは、時折開いて何度も読み返しております。右脳によく効く「読む(見る)クスリ」
2011年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
永遠に続くかと思われる単調な日常生活、は、実は、かなりあやふやで漠然とした大宇宙の中に、ぽつんと浮かんだボートの上で、厳粛に営まれているのだ。
虚空に耳を澄ましながら、淡々と積もっていく、日常に対するフラストレーションとノスタルジー。
日常を丁寧に愛し、深く分析しながらも、やがて来る、のかどうかもわからない「その時」を待たずにはいられない…。
漫画と文章による、ピュアな中年(笑)のための極上エッセイ。
「だからむやみに床板をはがしたりしてはいけない。」
虚空に耳を澄ましながら、淡々と積もっていく、日常に対するフラストレーションとノスタルジー。
日常を丁寧に愛し、深く分析しながらも、やがて来る、のかどうかもわからない「その時」を待たずにはいられない…。
漫画と文章による、ピュアな中年(笑)のための極上エッセイ。
「だからむやみに床板をはがしたりしてはいけない。」
2011年8月6日に日本でレビュー済み
著者・フジモトマサル氏のゆっくりとくつろげるストーリー
展開と、場面設定が夢と現実の間を彷徨する独特な世界に、
すっかりと惹き込まれてしまった。
私のお気に入りは、「巨人」である。70年代にテレビ漫画で
ロボットヒーローが大流行し、マサル少年がロボットを操縦
する主人公の気持ちを適確に表現しているのだ。
そういえば、今から40年前に、私も著者と同じく、巨人ロボッ
トに夢中だったことが、鮮やかに脳裏に蘇ったのである。
著者・フジモトマサル氏はほんの少し、わけがあって「貝語」
が話せるそうだ。「台風の夜」の漫画に登場するオトヒメマ
クラの言葉が、妙に心に響いた。
なんとも不思議な世界を見せてくれる、郷愁を感じる一冊な
のである。
展開と、場面設定が夢と現実の間を彷徨する独特な世界に、
すっかりと惹き込まれてしまった。
私のお気に入りは、「巨人」である。70年代にテレビ漫画で
ロボットヒーローが大流行し、マサル少年がロボットを操縦
する主人公の気持ちを適確に表現しているのだ。
そういえば、今から40年前に、私も著者と同じく、巨人ロボッ
トに夢中だったことが、鮮やかに脳裏に蘇ったのである。
著者・フジモトマサル氏はほんの少し、わけがあって「貝語」
が話せるそうだ。「台風の夜」の漫画に登場するオトヒメマ
クラの言葉が、妙に心に響いた。
なんとも不思議な世界を見せてくれる、郷愁を感じる一冊な
のである。
2012年3月12日に日本でレビュー済み
誰もがこの世界に閉塞感を感じているが、それは当然のことで実は世界にはその「外側」がある。私たちは大きな建物の一つの部屋だけを世界の全てだと思って暮らしているようなもので、ここはもっと大きな世界の一部分でしかない。だが今のところ私たちはここに「外側」があるということを知らない。いや、薄々気づいていているけれど「外側」に出て行く勇気がない。安全なのか、食糧はあるのか、戻って来られるのか、戻ってきたときに今の世界が大きく変わっていないだろうか。「外側」には今の不自由から解放された世界があるのかもしれないが、今の世界の安定を捨てられない。それでもいくらかの人々は、勇気を出して「外側」へ向かう。
外側への通路は身近なところにある。たとえば押入れの中やマンションの隣の部屋、いつも歩く道路のマンホール、遠いところでは夜空に浮かぶ月(のようなもの)も、この世界と「外側」とを区切る幕に丸い穴があいて光が漏れているだけなのだ。
本書も、『二週間の休暇』も、著者の作品のいたるところに、閉じた世界の外側の存在と、そこへ一歩踏み出す人(だったり動物だったり)の姿が描かれている。
そこで読者は立ち止まる。いま暮らしている世界のルール、その息苦しさに、立ち向かったり逃げ出すことをいつから忘れたのだろう。諦めるのは、まだはやいんじゃないか、と。
外側への通路は身近なところにある。たとえば押入れの中やマンションの隣の部屋、いつも歩く道路のマンホール、遠いところでは夜空に浮かぶ月(のようなもの)も、この世界と「外側」とを区切る幕に丸い穴があいて光が漏れているだけなのだ。
本書も、『二週間の休暇』も、著者の作品のいたるところに、閉じた世界の外側の存在と、そこへ一歩踏み出す人(だったり動物だったり)の姿が描かれている。
そこで読者は立ち止まる。いま暮らしている世界のルール、その息苦しさに、立ち向かったり逃げ出すことをいつから忘れたのだろう。諦めるのは、まだはやいんじゃないか、と。