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真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A 単行本 – 2004/10/29

4.6 5つ星のうち4.6 19個の評価

小さな広告代理店に勤める僕は、大学生の頃に恋人・水穂を交通事故で失い、以来きちんとした恋愛が出来ないでいる。死んだ彼女は、常に時計を五分遅らせる癖があり、それに慣れていた僕は、今もなんとなく五分遅れの時計を使っていた。最近別れた彼女から、「あなたは五分ぶん狂っている」と言われたように、僕は社会や他人と、少しだけずれて生きているようだ。
 そんな折り、一卵性双生児の片割れ「かすみ」と出会う。「かすみ」と「ゆかり」は、子供の頃、親を騙すためによく入れ替わって遊んでいた。しかし、それを続けるうち、互いに互いの区別がつかなくなってしまったという。
 かすみは、双子であるが故の悩みと失恋の痛手を抱えてていることを、僕に打ち明ける。
 そんな「かすみ」を支えているうち、お互いの欠落した穴を埋めあうように、僕とかすみは次第に親密になっていく――。
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商品の説明

著者からのコメント

前作『FINE DAYS』から、一年七ヶ月ぶりの単行本となりました。今回は、長編の恋愛小説です。内容に関しては、著者としてはもう「読んでみてください」と言うしかないのですけど、それでは話が終わってしまうので、一言紹介させていただきます。
 これは恋愛関係でなく恋愛感情を書いたエンターテインメント小説です。
 と言われても、わかりにくいですよね。ええと、いわゆる「純愛もの」を期待されると、少し違った印象を受ける小説だと思います。それを期待されている方には「こういう恋愛小説はどうでしょう?」と挑むつもりで書きました。逆に「純愛って、いや、ちょっと」という方には、「わかる。僕もそうだから。じゃ、これならどう?」と、そう言いたい小説です。
 小説を書くときはいつもそうなのですが、今回もきっちりと構成を組んでから書き始めたわけではありません。これを書いている間、「これは本当にエンターテイメント小説として成立するのだろうか」という迷いを常に抱えていました。原稿用紙にして三百枚を越え、四百枚を越えても物語の終わり方が見えず、「これが小説として成立しなかったら、次に本を出せるのはいったい何年後だろう」と暗澹とすることもしばしばでした。その原稿を自分としては納得のいく物語に仕上げることができて、今はただただほっとしています。今度は、この物語を読んでくれた方々がその中に何を描き上げてくれるのか、著者としてとても楽しみにしています。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2004/10/29)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2004/10/29
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 205ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4104716014
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4104716012
  • カスタマーレビュー:
    4.6 5つ星のうち4.6 19個の評価

著者について

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本多 孝好
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1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。94年、「眠りの海」で第16回小説推理新人賞を受賞し、作家デビューする(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 正義のミカタ (ISBN-13: 978-4087465761 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4.6つ
5つのうち4.6つ
19グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2004年11月24日に日本でレビュー済み
交通事故で19歳の命を落とした水穂
水穂は主人公が始めて交際した彼女だった
26才になった僕は広告代理店で勤めるが、特定の彼女は居ない
ヘッドハンティングされたやり手の上司小金井さんの下で、仕事を仕事として捉えて働く
会社で蠢く人間関係の情は僕の心に響かない
世間が持つ幻想「やりがいのある仕事」とか「純愛」は、僕には実感としてない
始めて交際した彼女が突如亡くなる
交際の感情での終末を迎える前に彼女が亡くなる
世間が言う「愛している」という感情は、物差しとなる恋愛が必要なのにその部分が語られない事が多い
僕の感情は空転し、閉じてしまった
基準を失った僕の周囲に、心を閉じて働く人が感情の吐露をする
人は感情を殺すことは出来ない
傷をどんなに大きく背負っても、時間を要してその傷と向き合うべき時がくる
この主人公は、傷を心の壁をどう打ち破るのか
本多作品の『眠りのための静かな場所』の男性版みたいな印象
そう言えば、あの作品も人の命と心の傷がキィワードだった
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年11月7日に日本でレビュー済み
人を恋しく想う気持ち、人を愛する気持ち。
その人へ本当に自分の想いが通じているのだろうか?
同じものを食べ、一緒に寝て、同じものを見て、同じ時を過ごす。
その人のことを本当に理解したいと思っても、なぜかできないもどかしさ。人はやっぱり独りであって、孤独なのだ。
でもその孤独の深度を多少なりとも埋めながら、共有する幸せな気持ちを温めて希望を抱いて生きていくのだ。
それは切ないけど、それでも人生は続いていくのだ。
恋愛小説、と一言ではいいきれない小説。
著者が述べているように、恋愛感情を細やかに描き出している。
哀しくて、寂しくて、涙があふれた。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年11月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても綺麗な言葉で独特の空気感があります。
これと言って目新しいストーリーとは言えないかも知れないけれど、とても心地の良い読書の時間が得られるのではないかと思います。
そして人間は誰でも自分の時計の中で生きていると思います。
その時計の流れはさまざまで,
早く進んでいる人もいれば、リアルタイムで生きている人、少し世界から時間を遅らせて生きている人と、自分の時計で自分の時間の流れで生きていると思います。
そういった事が綺麗に描かれていたとそう思います。 
私は村上春樹が大好きですが、この本多孝好は村上春樹よりもっと軽い気持ちで読める本書きだと思います。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年8月8日に日本でレビュー済み
side-A.B両方読みました。他の方も述べていましたが、Bのラストが秀逸でBに載せようか迷いましたが、何より、かすみさんの登場によりこの話に惹き付けられたのでこちらにしました。詳しいレビューはいろんな方が書かれている通りなので私は触れません。私はこの作品が、書店で目にした中で、おそらく最後に手にとった本多作品です。今まで読んだ本多さんの作品の中で一番面白かったです。主人公は20台後半の社会人ですが、私のように20位の人にオススメしたいです。理屈なしに楽しめると思います。
2004年11月8日に日本でレビュー済み
著者の作品はいつもミステリーやファンタジーの中に心が少し温かくなる部分が含まれているのが特徴だったけど,今回の作品はいい意味でその期待を裏切られた。まぎれもなく純真な恋愛小説だ。(本人もそう言ってるけどね。)
学生時代の恋人の死。亡くなった恋人を忘れられない心。7年後双子の姉を愛する彼。そしてまたその彼女の死。どちらの恋愛でも彼は「本当に僕は彼女を愛してたのか。彼女は僕を愛してたのか。」と悩む。この心の動きが著者の言う「恋愛感情小説」なのかな。
2つの恋愛とも過去のものになってしまっていることが切ないけど,そこからまた新しい一歩を踏み出す彼に少し安心する。
恋愛に必ず付きものの不安や切なさを取り上げた作品。ページをめくる指を休ませず,上下一気に読み終えた。切ないけど悲しくない作品。
2008年8月7日に日本でレビュー済み
本多孝好さんの久しぶりの新作。(2004年当時)
程よい長さの恋愛小説。

主人公の抱えてるもの。テーマみたいなもの。そのへんはわりとありふれたものなんだけど、
登場人物のかかわり方が面白かったり。美しく心に響く言葉があったり。

静かに文章を追わせて、感情を操る作品だと思います。
2008年11月2日に日本でレビュー済み
表紙のカラーの綺麗さ、爽やかさに惹かれ読みました。
全体的に本多考好著者の書く主人公のスマートさ繊細さが現れていた作品でした。また女性の私が嫉妬感を抱くような素敵な女性でこちらもよかったです。そんな感情移入ができるのも本多著者の書く作品ならではだなっと思います。
主人公とかすみさんの出会い方などストーリーの流れには少し無理を感じましたが、一卵性双生児が例えば同じ人を好きになったら・・・などワクワクしながら読めた一作です。
 
2004年12月27日に日本でレビュー済み
 広告代理店に勤める20代の僕。上司の小金井さんは、社内でも一目置かれるやり手の課長ではあるが、一方で彼女を疎ましく思っている社員も少なくない。そんな彼女のもとでそこそこの実績を積む僕は、学生時代につきあっていた瑞穂が残したある習慣を今も守っている。目覚まし時計を5分遅れにしておくという習慣だ。
 ある日、僕は通っていたプールである女性から買い物につきあってほしいと突然言われ…。
 著者自身が「これは恋愛関係でなく恋愛感情を書いたエンターテインメント小説です。」と語っていますが、それはこの小説の本質をなかなかうまく表現しています。
 この小説(というよりもこれはside-Aですから正確には小説の前半部分というべきでしょうが)を読み終えたときに私は、登場人物たちの恋愛関係にどことなく釈然としないものを抱きました。主人公である僕とかすみさんとの関係、僕と瑞穂との関係、そして小金井課長の思い。
 関係と呼ぶには、思いのほかこうした人々の間柄は深くはありません。深入りすることにかなり物怖じしている姿が見て取れるばかりです。走りながら考えようというくらいの勢いがある恋愛関係ではなく、いかに走るかを考えあぐねて浮遊霊のように漂っている恋愛感情というところです。
 読者としてはもどかしさを覚えないでもありません。
 この比較的短い小説(side-A)からは、胃の腑にすとんとおちるような、もしくは登場人物たちの気持ちにすっと寄り添うことができるような思いを私は味わうことが出来ずにいます。
 「います」と現在形で書きとどめておくのは、小説の後半であるside-Bが何を私に提示してくれるのかがまだ見えないためです。この小説の双子の片割れであるside-Bが、私のこの何か釈然としない思いを見事に埋めてくれるのかどうか。期待と恐れとともに、これからside-Bへと手を伸ばそうと思っています。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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