パワーズはどうしてこんなに人々の感情や交わりや人生のエピソードを、わたしの胸に残るように描いてしまい、読み終えたときに、わたしをすっかり脱け殻にさせてしまうのか!
パワーズの小説で、いちばんエンターテイメントしていて読みやすい。囚人~の愕然とさせるほどの力は(とくにオチはそこまで)ないものの、『面白い!』と素直にいえる。
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われらが歌う時 上 単行本 – 2008/7/30
リチャード・パワーズ
(著),
高吉 一郎
(翻訳)
受賞多数、驚天動地の結末。現代世界文学の最前線、あのパワーズの渾身の最新作。
あまりに美しい歌声は、時をも凍りつかせた――。ユダヤ人物理学者と黒人歌手が恋をする。子どもは3人。天才声楽家の長兄、凡庸なピアニストの弟、音楽に天賦の才を持ちながらも尖鋭的な活動家となってゆく妹。音楽は、時間は、家族を再びつなぐ絆となれるのか。現代世界文学の最重要作家が紡ぐ聖家族の物語、瞠目の最大作。
あまりに美しい歌声は、時をも凍りつかせた――。ユダヤ人物理学者と黒人歌手が恋をする。子どもは3人。天才声楽家の長兄、凡庸なピアニストの弟、音楽に天賦の才を持ちながらも尖鋭的な活動家となってゆく妹。音楽は、時間は、家族を再びつなぐ絆となれるのか。現代世界文学の最重要作家が紡ぐ聖家族の物語、瞠目の最大作。
- 本の長さ524ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2008/7/30
- ISBN-104105058711
- ISBN-13978-4105058715
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2008/7/30)
- 発売日 : 2008/7/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 524ページ
- ISBN-10 : 4105058711
- ISBN-13 : 978-4105058715
- Amazon 売れ筋ランキング: - 443,133位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,766位英米文学研究
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
既に翻訳されている3冊と作風は異なるが、リチャード・パワーズの才能の凄さに圧倒される。特に家族で歌うシーンを描く音楽の描写の豊饒さは筆舌に尽くしがたいほど素晴らしい。そして作品全体を貫く自由自在なストーリーのアイディアの凄さに僕はノックアウトされた。内容に立ち入るとこれから読む方がつまらなくなってしまうので出来る限り割愛するが、日本にいるとわかりずらい人種の問題にリチャード・パワーズは極めて愛情を込め幸福と絶望を描く。それとともに描かれる家族の絆。僕は作家の民族的アイデンティティに頓着しない質だけれどリチャー・パワーズ自身は白人であるが、もしかしてユダヤ系の人なのだろうか?作家は小説を普遍に導く発火点として自分の生理から出発する。そうでなくては本当に「魂」を感じさせる作品には、絶対に仕上がらない。この作品の素晴らしさはとにかく読んで頂くほかない。ただ、難点があるとすれば過去完了形の短い文体の章が点在するため、ブツ切り感を生じさせ小説のドライブ感を損なわせてしまっている。その為僕は途中で何度も読むのを止め、他の本に浮気をしながら読み継いでいった。そこだけが傷となっているため★4つなのだが、この作品ほど高レベルの才能と魂を感じさせる小説はそう存在しない。リチャード・パワーズ作品は未翻訳のものが多いので新たな出版を楽しみにしている。
2008年8月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「舞踏会へ向かう三人の農夫」の場合、柴田氏の訳文の影響からか、パワーズという人が、日本作家で言うと中村真一郎とか野間宏のような文体で書く人の印象があった。しかし本書の訳し方の影響か、パワーズという人は、「こころ」を書いた当時の夏目や、「渋江抽斎」を書いた時の鴎外に近い印象を持った。
英文を参照しながら、その文体をしらべてみたら、偉そうなことは言えないが、パワーズは高吉氏の訳し方のように、幾重にも多用される分詞構文と名詞構文を、いわば知的に・暴力的にぶつ切りにしながら、名詞主体に訳していくほうがいいように感じた。ドン・デリーロの「アンダーワールド」のように、主語述語の形式的な文体ではなく、名詞をたたみかけて、名詞の連続から生み出されるリズムを主体にした意味を重視する文体、そういう訳には本書の訳者のほうが適任って気がした。
むずかしい話になりましたが、原文のリズムを中心に訳文を構成している氏の訳し方は、パワーズやデリーロにぴったし嵌まっている、という印象を持った、ということです。現在、原文と突き合わせて読み進めること200ページ。読み進めれば読み進めるほど、氏の訳し方に、柴田氏とは生理的に違う何かを感じます。
英文を参照しながら、その文体をしらべてみたら、偉そうなことは言えないが、パワーズは高吉氏の訳し方のように、幾重にも多用される分詞構文と名詞構文を、いわば知的に・暴力的にぶつ切りにしながら、名詞主体に訳していくほうがいいように感じた。ドン・デリーロの「アンダーワールド」のように、主語述語の形式的な文体ではなく、名詞をたたみかけて、名詞の連続から生み出されるリズムを主体にした意味を重視する文体、そういう訳には本書の訳者のほうが適任って気がした。
むずかしい話になりましたが、原文のリズムを中心に訳文を構成している氏の訳し方は、パワーズやデリーロにぴったし嵌まっている、という印象を持った、ということです。現在、原文と突き合わせて読み進めること200ページ。読み進めれば読み進めるほど、氏の訳し方に、柴田氏とは生理的に違う何かを感じます。
2008年8月9日に日本でレビュー済み
『舞踏会へ向う…』や『ガラテイア』などのほかに較べるもののないユニークな文学性が、本書では見られない。カズオ・イシグロが売れに売れた『私を離さないで』で後退したように、本書は先行して翻訳刊行された諸作よりもエンターテインメント性が高くなった分、作品としては落ちるように思われる。英語では読めない評者としては、彼の全貌を捉えているとはいえないので、これは翻訳されているものだけでの判断であるが。
本書で読者の数は増えるかもしれない。版元の宣伝力も違うだろうし…。
本書で読者の数は増えるかもしれない。版元の宣伝力も違うだろうし…。
2016年4月17日に日本でレビュー済み
それこそ、アメリカの近代史、その影となった黒い歴史を見ながら、家族の物語が進む。
うつうつと進む物語のラストに鳴り響く音楽は、文学とは思えない「音」が聞こえてきそうだ。
うつうつと進む物語のラストに鳴り響く音楽は、文学とは思えない「音」が聞こえてきそうだ。