他のレビューアーの方も記されている通り、夫々の章で取り上げられているミュージシャンの曲を聴きながら読むと、そのミュージシャンの姿が立ち上って見えます。
フィクションなのかノンフィクションなのか、その辺りは村上春樹さんのあとがきに上手く説明されていますが、私は近松門左衛門の虚実皮膜を思い出しました。「虚にして虚にあらず実にして実にあらずこの間に慰が有たもの也」。この「慰」もまた、”But Beautiful”と言えそうです。
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バット・ビューティフル 単行本 – 2011/9/30
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- 本の長さ281ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2011/9/30
- 寸法14.1 x 2.5 x 20 cm
- ISBN-104105063111
- ISBN-13978-4105063115
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2011/9/30)
- 発売日 : 2011/9/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 281ページ
- ISBN-10 : 4105063111
- ISBN-13 : 978-4105063115
- 寸法 : 14.1 x 2.5 x 20 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 456,051位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 81,552位ノンフィクション (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年2月1日に日本でレビュー済み
「疑似伝記小説」という言葉が「訳者あとがき」にありますが、坂本竜馬であったりを主人公に据えた「歴史小説」を連想させられた作品でした。あまり得意な分野でないので個人的にはすこしつらかったですが、いわゆるジャズ・ジャイアンツの「レジェンド」を小説として咀嚼しているので、これら七人のアーティストをお好きな方でも改めて楽しめることができるように思います。「あとがき」も過剰なまでの思い入れ(思い込み?)に溢れており、すこし腰が引けてしまうこともありますが、それなりに楽しめます。その分、村上春樹氏の携わったこれまでのジャズ関連の作品のようなものをイメージしていると、かえって作品にスムーズに入っていけないような気もします。
2011年11月6日に日本でレビュー済み
あまり本の中身と関係ないことに拘りたくはないのだが、この本を書店の棚に平積みされているのを見たとき、黒地に、コルネットを片手で押さえるところを描いた白いイラストと、赤とグレーでBut Beautifulと記されたタイトル文字の配列がとてもシンプルかつ印象的で、著者名とほぼ同じ大きさの文字で並ぶ訳者村上春樹氏の名前が、まるで共著者のような印象を与え、目にするなり思わず手にしてしまった。
村上春樹、ジャズ、翻訳と来れば私の場合、ほぼ間違いなく「買い」だ。
内容は、7人のジャズマンそれぞれの印象的なエピソードを詩的想像力を駆使してフィクションへと加工した作品、というもの。どの作品も何処までが事実で、何処からがフィクションか分からないほど見事にそれぞれのジャズマンならではの特異な世界をリアルに再構築している。たとえ部分的に事実でなくとも、全体として十分に詩的真実として通用するという按配だ。
全体にブルーで暗鬱なトーンが滲んだ作品になっているが、逆に言えばジャズとは元々そういう世界から立ちのぼる黒人のブルース感覚がベースにある音楽であるとも言える。
そして、恐らくほとんどが著者の創作になると思われる会話の場面に於けるセリフが、何よりも光っている。上官の執拗な詰問に晒される無抵抗のレスター、無名のパーカーにその吹奏の仕方を諭す巨匠ベン・ウェブスター、そして極め付きは出所直後のペッパーと行きずりの美女との見事な距離感で交わされる切なくも味のある会話(タイトルでもあり、ジャズの名曲でもある"But Beautiful"というセリフは、この会話の一部だ)。
また、地の部分でも、例えばミンガスの所で「ブルーズとは死んだ人間に向けて、彼らを呼び戻すべく演奏される音楽であり、生者の世界に戻る道筋を教えるための音楽なのだ」「ミンガスのソロは前より重くなった。その演奏は墓掘り人夫のシャベルの動きとなってスイングする。湿った土がずしりと手にこたえる」といったセリフは、適確かつなかなかに味わい深い。
本書で取り上げられたミュージシャンは、7人が7人とも、それぞれ特有の宿阿を抱えて生き、その生き様が彼らの音楽に深い陰影を与えている。どれもそれなりの読みどころがあるのだが、レスター・ヤングとミンガス、アート・ペッパー(訳者は意識的に「ペパー」と綴っていたが)の章が特に印象に残った。
レスターについては、軍隊生活で白人の上官に徹底的に苛められたというエピソードは良く知っていたが、具体的な事実はもちろん知る由もないが、本著でその一端を垣間見ることが出来たような気がする(しかしそれがレスターの音楽とどう関係があるのか、今一掴みかねる所ではあるが)。それに比べると、ミンガスとペッパーの場合は、まさに己が責任でもたらした災厄と言った面が多分にあり、音楽と生き様が不可分のものであるような気が多いにする。レスターの場合は、個人的な生き方がどうのこうの言う以前に、その音楽の到達点があまりに高すぎるのだ。
この本を読みながら、私はアート・ペッパーのレコードを聴きなおしているが、なにかやっとアート・ペッパーの音楽的特質が掴めて来たような気がする。音楽は、本来純粋に音そのものに耳を傾けてその良さを味わうべきものなのであろうが、ジャズの場合はむしろ演奏家の生き様を知ることが、その音楽の理解の助けになるような気がする。それは、ジャズが演奏家の生き様そのものだからではないだろうか?
尚、あとがきが小ジャズ史とも言うべきジャズ論になっており、著者のジャズへの造詣の深さが窺われるとともに、批評家としての質の高さも感じさせられた。訳者の村上氏が言うように、ジャズに関する本で、レコード案内以外では読むに耐える本にめぐり合う事は稀だが、本書はそういう意味でも質が高く、読み応えのある稀有なジャズ本としてお薦めだ(H23.11.3)。
村上春樹、ジャズ、翻訳と来れば私の場合、ほぼ間違いなく「買い」だ。
内容は、7人のジャズマンそれぞれの印象的なエピソードを詩的想像力を駆使してフィクションへと加工した作品、というもの。どの作品も何処までが事実で、何処からがフィクションか分からないほど見事にそれぞれのジャズマンならではの特異な世界をリアルに再構築している。たとえ部分的に事実でなくとも、全体として十分に詩的真実として通用するという按配だ。
全体にブルーで暗鬱なトーンが滲んだ作品になっているが、逆に言えばジャズとは元々そういう世界から立ちのぼる黒人のブルース感覚がベースにある音楽であるとも言える。
そして、恐らくほとんどが著者の創作になると思われる会話の場面に於けるセリフが、何よりも光っている。上官の執拗な詰問に晒される無抵抗のレスター、無名のパーカーにその吹奏の仕方を諭す巨匠ベン・ウェブスター、そして極め付きは出所直後のペッパーと行きずりの美女との見事な距離感で交わされる切なくも味のある会話(タイトルでもあり、ジャズの名曲でもある"But Beautiful"というセリフは、この会話の一部だ)。
また、地の部分でも、例えばミンガスの所で「ブルーズとは死んだ人間に向けて、彼らを呼び戻すべく演奏される音楽であり、生者の世界に戻る道筋を教えるための音楽なのだ」「ミンガスのソロは前より重くなった。その演奏は墓掘り人夫のシャベルの動きとなってスイングする。湿った土がずしりと手にこたえる」といったセリフは、適確かつなかなかに味わい深い。
本書で取り上げられたミュージシャンは、7人が7人とも、それぞれ特有の宿阿を抱えて生き、その生き様が彼らの音楽に深い陰影を与えている。どれもそれなりの読みどころがあるのだが、レスター・ヤングとミンガス、アート・ペッパー(訳者は意識的に「ペパー」と綴っていたが)の章が特に印象に残った。
レスターについては、軍隊生活で白人の上官に徹底的に苛められたというエピソードは良く知っていたが、具体的な事実はもちろん知る由もないが、本著でその一端を垣間見ることが出来たような気がする(しかしそれがレスターの音楽とどう関係があるのか、今一掴みかねる所ではあるが)。それに比べると、ミンガスとペッパーの場合は、まさに己が責任でもたらした災厄と言った面が多分にあり、音楽と生き様が不可分のものであるような気が多いにする。レスターの場合は、個人的な生き方がどうのこうの言う以前に、その音楽の到達点があまりに高すぎるのだ。
この本を読みながら、私はアート・ペッパーのレコードを聴きなおしているが、なにかやっとアート・ペッパーの音楽的特質が掴めて来たような気がする。音楽は、本来純粋に音そのものに耳を傾けてその良さを味わうべきものなのであろうが、ジャズの場合はむしろ演奏家の生き様を知ることが、その音楽の理解の助けになるような気がする。それは、ジャズが演奏家の生き様そのものだからではないだろうか?
尚、あとがきが小ジャズ史とも言うべきジャズ論になっており、著者のジャズへの造詣の深さが窺われるとともに、批評家としての質の高さも感じさせられた。訳者の村上氏が言うように、ジャズに関する本で、レコード案内以外では読むに耐える本にめぐり合う事は稀だが、本書はそういう意味でも質が高く、読み応えのある稀有なジャズ本としてお薦めだ(H23.11.3)。
2017年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
村上春樹の熱心な読者である私もこの本にはあまり手が伸びなかった。英語版と一緒に購入して同時進行。
非常に面白かったです。その章のミュージシャンの音楽をiPodで聴きながら読みました。
あとがき読んだら村上氏も同じ読み方をしていて、まあそうなるわなと。
ジャズ聴かない人はうーんてなるかもですね。
非常に面白かったです。その章のミュージシャンの音楽をiPodで聴きながら読みました。
あとがき読んだら村上氏も同じ読み方をしていて、まあそうなるわなと。
ジャズ聴かない人はうーんてなるかもですね。
2015年11月5日に日本でレビュー済み
コルトレーンの最後のフェイズにおいて、多くの場合そこには美しさはうかがえないが、
凄絶さはふんだんにある。
それは死に臨んで得られた音楽であり、
同時にまた死にぎりぎりに臨んで聴かれるべき音楽だ。
コルトレーンの関心が宗教的になっていくにつれ、
彼の音楽は混沌・金切り声に満たされた暴力的な風景を描くようになった。
まるで、世界を平和にたもつために その時代の暴力を残らずじぶんの音楽に吸い込もうとするかのように。
ただ、ほんの時折、心に残る「ピース・オン・アース」のように、
彼も安らぎを見いだすことがあったようだ。
~253
ジャズマンたちの人生を小説として描いた作品
ということになっているが、 ほとんどは実話。
で、デュークとカーネイ、レスターヤング、モンク、バド、ベンウェブ、ミンガス、チェット、アートペッパーをあつかった後、
あとがきでジャズの110年間の歴史を振り返っており、
これが読み応えバツグン。
(たとえば)「チャーリーヘイデンは歴史的に見ても過去最高のベーシストだ」が、
現代のジャズが、1940年代~1960年までのジャズほどは良くない理由が(ついに)書かれている。
これは他の批評家には解き明かせなかった謎だ。
・・・あと、たとえば、「アメリカは鉄道の国だった」という流れで初期エリントンのdaybreak express 1933という曲が紹介されていて、
これをゆーちゅーぶで聴いてみたら大した名曲だった。 これまでのベスト・アルバムに入っていないのが不可解なくらいの。
そんなこんなで、ナットヘントフの諸作品にならぶ、ジャズ書の決定版である。(それでも、なんでアートペッパーみたいな しょうもない人を取り上げるんだろう という疑問は残るけど)
凄絶さはふんだんにある。
それは死に臨んで得られた音楽であり、
同時にまた死にぎりぎりに臨んで聴かれるべき音楽だ。
コルトレーンの関心が宗教的になっていくにつれ、
彼の音楽は混沌・金切り声に満たされた暴力的な風景を描くようになった。
まるで、世界を平和にたもつために その時代の暴力を残らずじぶんの音楽に吸い込もうとするかのように。
ただ、ほんの時折、心に残る「ピース・オン・アース」のように、
彼も安らぎを見いだすことがあったようだ。
~253
ジャズマンたちの人生を小説として描いた作品
ということになっているが、 ほとんどは実話。
で、デュークとカーネイ、レスターヤング、モンク、バド、ベンウェブ、ミンガス、チェット、アートペッパーをあつかった後、
あとがきでジャズの110年間の歴史を振り返っており、
これが読み応えバツグン。
(たとえば)「チャーリーヘイデンは歴史的に見ても過去最高のベーシストだ」が、
現代のジャズが、1940年代~1960年までのジャズほどは良くない理由が(ついに)書かれている。
これは他の批評家には解き明かせなかった謎だ。
・・・あと、たとえば、「アメリカは鉄道の国だった」という流れで初期エリントンのdaybreak express 1933という曲が紹介されていて、
これをゆーちゅーぶで聴いてみたら大した名曲だった。 これまでのベスト・アルバムに入っていないのが不可解なくらいの。
そんなこんなで、ナットヘントフの諸作品にならぶ、ジャズ書の決定版である。(それでも、なんでアートペッパーみたいな しょうもない人を取り上げるんだろう という疑問は残るけど)
2019年7月10日に日本でレビュー済み
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半世紀以上 "ジャズ" と付き合っているから まんざら「門外漢」でも無いと思うが、ジャズ関連の書物で最も性に合わなかった読み物だった。そもそも期待と予想に反していたが自己責任だ。
純粋に小説としての価値については「小説好き」では無いため門外漢で云々出来ないが、装飾されて持って回ったような乙女チックな文体に辟易した。事実や面白い話しが有ったのだろうに、嘘八百に思え読むのを諦めた。
低評価のレビューがあったが自分にとっては納得させられた。
[追記]
本書で読めたのは「著者あとがき」の極一部と村上春樹の「訳者あとがき」だった。「訳者あとがき」にこの本がキース・ジャレットに絶賛され、村上春樹も「ジャズ関連本」として高く評価している事が解った。カズオ・イシグロも著者に好意的で高評価らしい。どうやら私に共鳴する感受性が無いのだろう。
著者の経験談として記されていたが、デビュー小説(1989年) が新聞の批評でクソミソに言われ、その所為かどうなのか極端な「アカデミック嫌い」になったそうで かなり辛辣な著者のコメントが「訳者あとがき」にある。私はいいかげんな人間なのでスクエアでもなければアカデミックにも縁もゆかりも無いが、本書は「新聞批評」レベルだと感じる。「訳者あとがき」に星献上。
純粋に小説としての価値については「小説好き」では無いため門外漢で云々出来ないが、装飾されて持って回ったような乙女チックな文体に辟易した。事実や面白い話しが有ったのだろうに、嘘八百に思え読むのを諦めた。
低評価のレビューがあったが自分にとっては納得させられた。
[追記]
本書で読めたのは「著者あとがき」の極一部と村上春樹の「訳者あとがき」だった。「訳者あとがき」にこの本がキース・ジャレットに絶賛され、村上春樹も「ジャズ関連本」として高く評価している事が解った。カズオ・イシグロも著者に好意的で高評価らしい。どうやら私に共鳴する感受性が無いのだろう。
著者の経験談として記されていたが、デビュー小説(1989年) が新聞の批評でクソミソに言われ、その所為かどうなのか極端な「アカデミック嫌い」になったそうで かなり辛辣な著者のコメントが「訳者あとがき」にある。私はいいかげんな人間なのでスクエアでもなければアカデミックにも縁もゆかりも無いが、本書は「新聞批評」レベルだと感じる。「訳者あとがき」に星献上。
2015年5月26日に日本でレビュー済み
訳者があとがきでカーヴァーのようだと言及しているように、8人のジャズジャイアントの伝記ではなく、彼らをそれぞれ主人公としたミニマリズムのような味わいの珠玉の短編集といっていい。
ジャズとミニマリズム文学って、すごくいい相性だとおもう。相性というか、ミニマリズム文学を音楽に翻案するとミニマリズム音楽になるのではなくって、ジャズになるのではないかしら。
しかも著者によるあとがきは本編と対比をなすような硬派な評論となっている。
アドルノ(哲学者)やロバート・ヒューズ(TIME誌などに寄稿していた美術評論家)まででてくるなんて、ジャズ愛好家というだけではかけないレベルの高い評論だとおもう。
モンクの章の一番最後のパラグラフがもう最高。
街や自然を擬人化する表現はすこぶる上手い。
まったくの蛇足だけれど、読みながらおもわず「うまいっ」となんども口にしてしまう作家がいる。
ブローティガン、マルケス、ブコウスキー、須賀敦子、初期の村上春樹……がそうなのだが、このダイヤーも仲間入り(海外作品は全て翻訳だけどそれで上手いとおもうのだから相当なものだとおもう)。
それにしてもモンクがホテルのロビーで騒動になった時にかぶっていたローマ法王のような帽子ってどんなんだろう。
本書でこれが一番気になる……
---------------------
おまけ
著者がジャズの映像作品でベストとしたのは、 セロニアス・モンク ストレート・ノー・チェイサー [DVD ]。
小説で傑作としたのは、 バディ・ボールデンを覚えているか 。
ジャズとミニマリズム文学って、すごくいい相性だとおもう。相性というか、ミニマリズム文学を音楽に翻案するとミニマリズム音楽になるのではなくって、ジャズになるのではないかしら。
しかも著者によるあとがきは本編と対比をなすような硬派な評論となっている。
アドルノ(哲学者)やロバート・ヒューズ(TIME誌などに寄稿していた美術評論家)まででてくるなんて、ジャズ愛好家というだけではかけないレベルの高い評論だとおもう。
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街や自然を擬人化する表現はすこぶる上手い。
まったくの蛇足だけれど、読みながらおもわず「うまいっ」となんども口にしてしまう作家がいる。
ブローティガン、マルケス、ブコウスキー、須賀敦子、初期の村上春樹……がそうなのだが、このダイヤーも仲間入り(海外作品は全て翻訳だけどそれで上手いとおもうのだから相当なものだとおもう)。
それにしてもモンクがホテルのロビーで騒動になった時にかぶっていたローマ法王のような帽子ってどんなんだろう。
本書でこれが一番気になる……
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著者がジャズの映像作品でベストとしたのは、 セロニアス・モンク ストレート・ノー・チェイサー [DVD ]。
小説で傑作としたのは、 バディ・ボールデンを覚えているか 。
2011年10月21日に日本でレビュー済み
ジャズメンの栄光と孤独。その破滅的かつ甘美な(あくまで他者にとっては・・・)人生がアイロニーと共感をもって語られる。
ジャズへの造詣並々ならぬ村上春樹の、これもまた彼らへの深い愛情をこめた丁寧な翻訳。総てのジャズファンへの静かなる贈り物。
個人的にはチェット・ベイカーの静謐な哀感漂うパートが最も興味深かった。
年に何度か書架から取り出して繰り返し味わいたい、そんな一冊。
ジャズへの造詣並々ならぬ村上春樹の、これもまた彼らへの深い愛情をこめた丁寧な翻訳。総てのジャズファンへの静かなる贈り物。
個人的にはチェット・ベイカーの静謐な哀感漂うパートが最も興味深かった。
年に何度か書架から取り出して繰り返し味わいたい、そんな一冊。