このようなおもしろい小説はめったにない。
複眼的で重層的で、読者によってさまざまな読み方が可能である。
たとえば、二人の英国人によるアメリカ紀行として読めば、それだけでも十二分に楽しい。旅に出る前、旅の最中、旅の思い出。いつものように、旅を終えてからの人生がもっとも長い。本小説の序盤に登場する二人の青年の期待感と野心、中盤の思いもかけない出来事の連続、終盤に老人となった二人の和解や寂寥感や諦念そして暖かさ。
下巻まで読み進めれば慣れてきて読みにくさも心地よくなるので、どうか頑張って最後まで読んでいただきたい。上巻で放り出すと、ほとんど旅に出る前のエピソードしか読めない。それはじつにもったいない。
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トマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン(下) (Thomas Pynchon Complete Collection) 単行本 – 2010/6/30
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新大陸に線を引け! ときは独立戦争直前、二人の天文学者によるアメリカ測量珍道中が始まる――。世界文学を牽引する天才作家の代表作を渾身の訳業で。
- 本の長さ558ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/6/30
- ISBN-104105372033
- ISBN-13978-4105372033
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2010/6/30)
- 発売日 : 2010/6/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 558ページ
- ISBN-10 : 4105372033
- ISBN-13 : 978-4105372033
- Amazon 売れ筋ランキング: - 61,312位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2012年9月1日に日本でレビュー済み
一ヶ月かかってようやく読み終えた。ピンチョンの小説なんで、もともと歯が立たないだろうとは思っていたし、上巻を読んだ時から、柴田元幸の訳文に違和感を感じていたせいか、リズムに乗れなかった。
ということで、結局、下巻だけで1ヶ月以上もかかってようやく読み終えたんだけど、なんだか、柴田元幸の訳文にも慣れてきたのか、この本のリズムにもようやく乗れてきたのか、この下巻の後半は、かなり楽しめたと思う。
アメリカの地理にも歴史に詳しくない私には、立て続けに出てくる、地名や登場人物などの固有名詞に四苦八苦しながらも、なんとか読み通してみると、この一大歴史小説を書いたトマス・ピンチョンの試みの一端がかいま見えたような気がする。
これは、アメリカを題材にしたものに限らず、歴史をテーマにした小説全般に通じていることだと思うが、こういった歴史小説、特に長い長い大長編を読む喜びを正直に感じた。残念ながら、私の方の知識不足で、その喜びは垣間見えた程度だけれど...
ということで、結局、下巻だけで1ヶ月以上もかかってようやく読み終えたんだけど、なんだか、柴田元幸の訳文にも慣れてきたのか、この本のリズムにもようやく乗れてきたのか、この下巻の後半は、かなり楽しめたと思う。
アメリカの地理にも歴史に詳しくない私には、立て続けに出てくる、地名や登場人物などの固有名詞に四苦八苦しながらも、なんとか読み通してみると、この一大歴史小説を書いたトマス・ピンチョンの試みの一端がかいま見えたような気がする。
これは、アメリカを題材にしたものに限らず、歴史をテーマにした小説全般に通じていることだと思うが、こういった歴史小説、特に長い長い大長編を読む喜びを正直に感じた。残念ながら、私の方の知識不足で、その喜びは垣間見えた程度だけれど...
2010年10月21日に日本でレビュー済み
個人的には、ローレンス・スターンが「トリストラム・シャンディ」のノリのまま「センチメンタル・ジャーニー」を書いたような感じのまま、読んだ。
全体のストーリーを追うには、登場人物は多いし、それぞれのエピソードのつながりが見えないしで、そのまま合計1000ページ以上を読むのは、大変といえば大変。でも、それは覚悟のこと。一つ一つのエピソードを楽しむことにした。問題は、そうした読書がいいかどうか、なのだが、美しいラストシーンは、そうしたことを肯定しているんじゃないかと感じるものだった。
人生って、結局は不連続なエピソードの積み重ねだし、読者はメイスンに寄り添って、それをたどっていけばいいんだって、そういう読書でいい、そういうのが、ピンチョンの読者に対するメッセージなんだって、そう感じとった。
何だか、高い山を、周囲の景色を楽しむことなく、登って降りたような読書という気もするけどね。
全体のストーリーを追うには、登場人物は多いし、それぞれのエピソードのつながりが見えないしで、そのまま合計1000ページ以上を読むのは、大変といえば大変。でも、それは覚悟のこと。一つ一つのエピソードを楽しむことにした。問題は、そうした読書がいいかどうか、なのだが、美しいラストシーンは、そうしたことを肯定しているんじゃないかと感じるものだった。
人生って、結局は不連続なエピソードの積み重ねだし、読者はメイスンに寄り添って、それをたどっていけばいいんだって、そういう読書でいい、そういうのが、ピンチョンの読者に対するメッセージなんだって、そう感じとった。
何だか、高い山を、周囲の景色を楽しむことなく、登って降りたような読書という気もするけどね。