中国とアメリカ。東と西の断絶を、その間隙に沈む言語で読む、不可思議。
10の短編のいくつかは中国を舞台にしており、いくつかはアメリカを舞台にしている。
描かれる親子の断絶は、世代の断絶、歴史による断絶を顕著に示す。
文化大革命があり、あるいは、天安門事件があり、それは世代ごとに大きく文化が異なるような事態が起きた中国だからこそ。
隔たりがあるにもかかわらず縛られている、その感覚を、著者は繰り返し叫んでいるように感じた。
母国語ではないからこそ書けた表現であり、遠くから母国を見つめなおす作業だ。
母であり、母国であり、母国語であり、そういう切っても切り離せないなにものか。
すなわち、自分が生まれ育ち、知らず知らずに自らのうちに取り込んだ、文化であり歴史であり思想であり習慣であり精神である。
愛していながら憎まずにはいられない。けれども切り捨てるのは難しい。それは既に自分の基本をなしている。
海を越えて、物理的に距離を置いて、どうにか心理的にも距離を置けるようになったもの。
程よい距離を望む心は、離れたくはないがぶつかりたくもない、本当はうまく繋がっていたいという祈りではないだろうか。
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千年の祈り (新潮クレスト・ブックス) 単行本 – 2007/7/31
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フランク・オコナー国際短篇賞、PEN/ヘミングウェイ賞ほか独占。驚異のデビュー短篇集!
離婚した娘を案じて中国からやってきた父。その父をうとましく思い、心を開かない娘。一方で父は、公園で知りあったイラン人の老婦人と言葉も通じないまま心を通わせている。父と娘の深い縁と語られない秘密、人生の黄昏にある男女の濁りのない情愛を描いた表題作ほか全十篇。北京生まれの新人による全米注目の傑作短篇集。
離婚した娘を案じて中国からやってきた父。その父をうとましく思い、心を開かない娘。一方で父は、公園で知りあったイラン人の老婦人と言葉も通じないまま心を通わせている。父と娘の深い縁と語られない秘密、人生の黄昏にある男女の濁りのない情愛を描いた表題作ほか全十篇。北京生まれの新人による全米注目の傑作短篇集。
- 本の長さ253ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2007/7/31
- 寸法13 x 2.3 x 19.2 cm
- ISBN-104105900609
- ISBN-13978-4105900601
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2007/7/31)
- 発売日 : 2007/7/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 253ページ
- ISBN-10 : 4105900609
- ISBN-13 : 978-4105900601
- 寸法 : 13 x 2.3 x 19.2 cm
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- - 3,032位英米文学研究
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2011年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まだ、最初の二篇しか読んでいません。
しかし、書きたくなりました。
中国の市井の人の感性、生活感情が、
当然ですが、私と同じ。安心しました。
訳が気になり書いています。
題名が気に入りません。
extra, after a life 原本読んで。
私なら別に訳します。
あまりもの 黄昏
分かります???
特に after a life
の一番大切と思われる単語一つ
訳されていません。故意か訳せなかったか???
勉強されたし。私なら恥ずかしい。。。
クレストシリーズ、期待の本です。。。
しかし、書きたくなりました。
中国の市井の人の感性、生活感情が、
当然ですが、私と同じ。安心しました。
訳が気になり書いています。
題名が気に入りません。
extra, after a life 原本読んで。
私なら別に訳します。
あまりもの 黄昏
分かります???
特に after a life
の一番大切と思われる単語一つ
訳されていません。故意か訳せなかったか???
勉強されたし。私なら恥ずかしい。。。
クレストシリーズ、期待の本です。。。
2008年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
千年の祈りは、中国北京生まれの作者が、英語で書いた短編集である。
文体はコンパクトにして、つややか。なまめかしいと思えば、乾いている。女性にしか書けない、表現が多く感心した。
また、場面転換が非常にうまいとおもう。「あまりもの」での、婚約から、結婚式までの流れ。生活が一変してテレビのサイズが大きくなったら、逆に執着しなくなったという表現。始まりと終わりでのお弁当箱の使い方など、若い作家とは思えない巧みな書き方である。
天安門事件当時の中国で成長した人間にしか描けない、さりげない心理・背景描写がすばらしい。不幸を起こした相手を糾弾するのではなく、ただ受け入れざるを得ない状況を淡々と書いているところも、よけいリアルに感じる。
また、折々に不思議なユーモア感があるのも、楽しめる。
中国の庶民が時代の急激な変化の中で、どう対処してきたのか、もっと作品を発表してくれることを願いたい。
なお、このクレスト・ブックスのシリーズは装丁が丁寧で、あたかも活版印刷の時代のよい本のような造りであり、読んでいる間も本が大切な時代のことを思い出させる。ぜひ、カバーを外して見ていただきたい。
文体はコンパクトにして、つややか。なまめかしいと思えば、乾いている。女性にしか書けない、表現が多く感心した。
また、場面転換が非常にうまいとおもう。「あまりもの」での、婚約から、結婚式までの流れ。生活が一変してテレビのサイズが大きくなったら、逆に執着しなくなったという表現。始まりと終わりでのお弁当箱の使い方など、若い作家とは思えない巧みな書き方である。
天安門事件当時の中国で成長した人間にしか描けない、さりげない心理・背景描写がすばらしい。不幸を起こした相手を糾弾するのではなく、ただ受け入れざるを得ない状況を淡々と書いているところも、よけいリアルに感じる。
また、折々に不思議なユーモア感があるのも、楽しめる。
中国の庶民が時代の急激な変化の中で、どう対処してきたのか、もっと作品を発表してくれることを願いたい。
なお、このクレスト・ブックスのシリーズは装丁が丁寧で、あたかも活版印刷の時代のよい本のような造りであり、読んでいる間も本が大切な時代のことを思い出させる。ぜひ、カバーを外して見ていただきたい。
2009年8月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
翻訳が「ひらがな」多用で読むに耐えない。
何でもかんでも「ひらがな」にすれば「こなれた、雰囲気のある翻訳」になると勘違いしている翻訳者が多いが、それは大間違いだと声を大にして言いたい。
自己陶酔振りが鼻につく「ひらがな翻訳体」は、もう止めて欲しい。
「ひらがな多用文体」は一体、誰が始めたんでしょうか?。
村上春樹の翻訳を読んで、一から出直して来いと言いたい。
自然にすらすら読めて翻訳者の存在を感じさせないのが良い翻訳です。
何でもかんでも「ひらがな」にすれば「こなれた、雰囲気のある翻訳」になると勘違いしている翻訳者が多いが、それは大間違いだと声を大にして言いたい。
自己陶酔振りが鼻につく「ひらがな翻訳体」は、もう止めて欲しい。
「ひらがな多用文体」は一体、誰が始めたんでしょうか?。
村上春樹の翻訳を読んで、一から出直して来いと言いたい。
自然にすらすら読めて翻訳者の存在を感じさせないのが良い翻訳です。
2018年5月9日に日本でレビュー済み
貧しい女の子を買って死んだ母親の冥途での召使として殺す宦官、政治に翻弄される市民、1~2世代前の中国の姿を背景に、個人を描写するという手法が新鮮ですが、胸が詰まってしまい読み終えられなかった。 移民してからこそかけた力作で評価が高いことは十分わかりますが、つらい気持ちに耐えうる読者を求める本でした。
2008年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
北京生まれアメリカ在住の若手女流作家の短編集。
アメリカで沢山の文学賞を受賞している作品だけあって
かなり切れ味鮮やかな逸品ぞろいでした。
現代の中国の人々が何を感じ何を考えどう生きようとしているのか
歴史的背景はちがえども
根本的なところは変わらないのだなあと思いました。
思想統制のあった中国で生まれ育った彼女は
中国語を使うときには自分で”検閲”をしてしまうので
英語という別の言語を獲得したことによって
自由に語れるようになったと感じたとのこと!
そんな知られざる現代の中国人の内面を
のぞき見るようでもありとても興味深かったです。
登場人物は老若男女さまざま。
この人の愛の深さ
そしてそれを表現するときの
その愛の深さに反比例するかのような
慎ましさにぐっときました。
クレストブックシリーズは
厳選された世界の名作品が読めて大好きです!
アメリカで沢山の文学賞を受賞している作品だけあって
かなり切れ味鮮やかな逸品ぞろいでした。
現代の中国の人々が何を感じ何を考えどう生きようとしているのか
歴史的背景はちがえども
根本的なところは変わらないのだなあと思いました。
思想統制のあった中国で生まれ育った彼女は
中国語を使うときには自分で”検閲”をしてしまうので
英語という別の言語を獲得したことによって
自由に語れるようになったと感じたとのこと!
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のぞき見るようでもありとても興味深かったです。
登場人物は老若男女さまざま。
この人の愛の深さ
そしてそれを表現するときの
その愛の深さに反比例するかのような
慎ましさにぐっときました。
クレストブックシリーズは
厳選された世界の名作品が読めて大好きです!
2007年8月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一騎に読んでしまいました。中国で生きて行くそれぞれの時代において苦しくても
それを受け入れて行く 人間としての強さ 未だ若い筆者の豊かな感性に 豊かに成りながら、何かを失って行く中国の人々の心豊かな生活を祈らずには、いられない本、お隣の国の日々の暮らし、と思いを知る。良い一冊でした。
それを受け入れて行く 人間としての強さ 未だ若い筆者の豊かな感性に 豊かに成りながら、何かを失って行く中国の人々の心豊かな生活を祈らずには、いられない本、お隣の国の日々の暮らし、と思いを知る。良い一冊でした。
2010年6月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
お隣の大国中国に、もはや無関心ではいられない。
しかし、真の姿はなかなか分かりづらい。
フィクションの世界でも、パールバックの「大地」を初め、山崎豊子・浅田次郎の力作にしろ、外国人の目で見た《中国》には、自ずと限界がある。
そこに、驚くほど新鮮な本が登場した。「千年の祈り」である。
「千年の祈り」は中国で生まれ中国で育った女性イーユン・リーが、内部の者の眼で描いた、本物の中国と中国人についての物語である。
表題を含む10の短編には、10の個人の物語が綴られる。親子や友人や仕事や夫婦の日常や出来事が醒めた眼で描かれる。戦争の傷跡も政治の息苦しさも、ことさら語られることはないが、読むものはそれらのもろもろに息が詰まるほど圧倒される。
イーユン・リーの著作は、中国を知るという意味からだけでなく、その硬質な文の切れ味の鋭さと高い文学性とによって高い評価を受けているのだと確信する。
著者がアメリカ在住でなく中国に今も留まっていたのなら、当分、この作品が日の目を見ることはなかったであろう。
この短編集の後に出た長編「さすらう人達」も、インパクトが強い。
併せて読むことをお奨めする。
しかし、真の姿はなかなか分かりづらい。
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「千年の祈り」は中国で生まれ中国で育った女性イーユン・リーが、内部の者の眼で描いた、本物の中国と中国人についての物語である。
表題を含む10の短編には、10の個人の物語が綴られる。親子や友人や仕事や夫婦の日常や出来事が醒めた眼で描かれる。戦争の傷跡も政治の息苦しさも、ことさら語られることはないが、読むものはそれらのもろもろに息が詰まるほど圧倒される。
イーユン・リーの著作は、中国を知るという意味からだけでなく、その硬質な文の切れ味の鋭さと高い文学性とによって高い評価を受けているのだと確信する。
著者がアメリカ在住でなく中国に今も留まっていたのなら、当分、この作品が日の目を見ることはなかったであろう。
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