100年の時代を、4人の主人公の目を通して4回行きつ戻りつします。
ほぼ同じ場面が出ることもあれば、全然違う場面であることも。
ひとつひとつ振り返らずにはいられず、最後の方になるとしおりが何本も必要になります。
振り返るうちに、物語の奥にある「心」の部分が見えてきて、最後に「ああ、なるほど」がやってきます。
ただ、別の方も書いていらっしゃいましたが、解説を読むのは必須です。日本人にとって、解説までが物語。
フィンランド人には多分感覚で伝わる何かが、日本人には伝わりにくく、
訳者がそれを十分理解してフォローしている感じでした。
私は、助産師マリアの生き生きした姿がとても好きでした。
その血は、ラハヤの娘、盲目のヘレナにも感じられます。
フィンランドの歴史についても、読みながら何度もグーグルで確認。
第二次世界大戦でこんな微妙な立場だったのか!とか、
こんな法律があったのか!とか、発見も多くありました。
現代を生きる日本人の自分には、フィンランド人ほどの共感が得られなかったのも事実ですが
それもまた、読書を通じた他国の理解かもしれません。
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四人の交差点 (Shinchosha CREST BOOKS) 単行本 – 2016/9/30
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四人の声で語られる百年の物語。フィンランドの新鋭、衝撃のデビュー長篇。助産師として強く生きた祖母。写真技師だった奔放な母。子供好きで物づくりに長け、若くして亡くなった父。それぞれの声で語られる喜びと痛みの記憶は、結末でやがて一つの像を結び、ある秘密を照らし出す。北国の歴史と一家の営みが豊かに響きあう、百年の物語。フィンランドでベストセラーとなった「家」をめぐる傑作長篇。
- 本の長さ380ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2016/9/30
- 寸法13.2 x 2.5 x 19.3 cm
- ISBN-104105901303
- ISBN-13978-4105901301
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2016/9/30)
- 発売日 : 2016/9/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 380ページ
- ISBN-10 : 4105901303
- ISBN-13 : 978-4105901301
- 寸法 : 13.2 x 2.5 x 19.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 650,653位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年10月10日に日本でレビュー済み
四人とは、誰と誰と誰と誰?
交差点とは、なに市の、なに通りの?
これらの疑問の答えが早く知りたくて、飛ばし読みをしてしまいました。
フィンランドの人名に慣れていないせいか、登場人物が見えて来ません。
フィンランドの地名に慣れていないせいか、通りがイメージ出来ません。
だめだ、わからん。
「訳者あとがき」を読んでみました。良かった、答えがありました。
四人とは、「マリア」と「ラハヤ」と「カーリナ」と「オンニ」の四人です。
助産婦の「マリア」、マリアの娘で写真技師の「ラハヤ」、
ラハヤの息子の妻「カーリナ」、
ラハヤの夫「オンニ」、
一つの家系の三世代の四人の主人公。
百年(1895年~1996年)間の四人の孤独と秘密を描いた物語。
四人のたどる道のりは、読者の前には「容易には」その全貌を現しません。
「目次」に書いてありました、四人の「名前の章」が。
「マリアの章」と「ラハヤの章」と「カーリナの章」と「オンニの章」です。
交差点とは、オウル市のラクシラ地区のカルヤ通りの「四つ辻」です。
四つの古い街道は、北の北極海、東の白海、南のカヤーニ、そして西のオウルへ続く道だそうです。
四つの道が一つに交わる「点」は、まるでジグソーパズルで最後まで残った鍵穴にピッタリはまる一つの「ピース」のようです。
最後の一つのピースが鍵穴にはまった瞬間、
ばらばらだったすべてのピースの謎(孤独な四人の秘密)がつながって見えてきて(明らかとなり)、本書の結末となります。
本書では各節のタイトルが「道の名前」になっています。各節の冒頭には、それぞれの「道の名」を日本語に訳して示した上で、「原語の道のつづり」を添える形を採った、とのことです。訳者は日本語版では「道の名」を、ときに直訳し、ときには隠された著者の意図を表すことに重きを置きながら意訳をしたそうです。これらの道はすべて、著者の故郷(フィンランド北東部の)クーサモに実在する(した)道なのだそうです。
良かったです、親切な「訳者あとがき」があって。「訳者あとがき」をたどりながら、何度も読み返してみました。
読むたびに、フィンランドでのベストセラーの「著者の意図」が深く読めるような気がして、ジグソーパズルのように楽しかったです。
交差点とは、なに市の、なに通りの?
これらの疑問の答えが早く知りたくて、飛ばし読みをしてしまいました。
フィンランドの人名に慣れていないせいか、登場人物が見えて来ません。
フィンランドの地名に慣れていないせいか、通りがイメージ出来ません。
だめだ、わからん。
「訳者あとがき」を読んでみました。良かった、答えがありました。
四人とは、「マリア」と「ラハヤ」と「カーリナ」と「オンニ」の四人です。
助産婦の「マリア」、マリアの娘で写真技師の「ラハヤ」、
ラハヤの息子の妻「カーリナ」、
ラハヤの夫「オンニ」、
一つの家系の三世代の四人の主人公。
百年(1895年~1996年)間の四人の孤独と秘密を描いた物語。
四人のたどる道のりは、読者の前には「容易には」その全貌を現しません。
「目次」に書いてありました、四人の「名前の章」が。
「マリアの章」と「ラハヤの章」と「カーリナの章」と「オンニの章」です。
交差点とは、オウル市のラクシラ地区のカルヤ通りの「四つ辻」です。
四つの古い街道は、北の北極海、東の白海、南のカヤーニ、そして西のオウルへ続く道だそうです。
四つの道が一つに交わる「点」は、まるでジグソーパズルで最後まで残った鍵穴にピッタリはまる一つの「ピース」のようです。
最後の一つのピースが鍵穴にはまった瞬間、
ばらばらだったすべてのピースの謎(孤独な四人の秘密)がつながって見えてきて(明らかとなり)、本書の結末となります。
本書では各節のタイトルが「道の名前」になっています。各節の冒頭には、それぞれの「道の名」を日本語に訳して示した上で、「原語の道のつづり」を添える形を採った、とのことです。訳者は日本語版では「道の名」を、ときに直訳し、ときには隠された著者の意図を表すことに重きを置きながら意訳をしたそうです。これらの道はすべて、著者の故郷(フィンランド北東部の)クーサモに実在する(した)道なのだそうです。
良かったです、親切な「訳者あとがき」があって。「訳者あとがき」をたどりながら、何度も読み返してみました。
読むたびに、フィンランドでのベストセラーの「著者の意図」が深く読めるような気がして、ジグソーパズルのように楽しかったです。
2016年12月11日に日本でレビュー済み
…って何だろう。
家族と居ても孤独。
誰かと居ても孤独。
独りでいるよりも。
助産婦のマリア、その一人娘で写真技師のラハヤ、ラハヤの夫オムニ、ラハヤとオムニの息子の嫁カーリナ。この四人の世代を繋ぐ100年の物語が綴られて行く。
彼らの人生が交わる交差点は、巨大な家。屋根と床が繋がる屋根裏部屋の古びた箱に、マリアとラハヤ、オムニの秘密が眠る。カーリナは彼らの秘密をそっと暖炉にくべる。
家族を生むのは性の営みで、しかし性は究極のプライヴェートだ。マリアの孤独、オムニの孤独。彼らの孤独には、まだ救いがあるように感じる。初めて自転車に乗り、お腹の父親である薬剤師との生活を夢見るマリア。束の間の逢瀬、また部屋に舞い戻るオムニ。一瞬の性の煌めき。反対に、ラハヤを最期まで苦しめたのは、深い罪悪感。
オムニを追い詰めるなとラハヤを諭すマリア。ありのままを受け入れろと諭す母は、正しくも残酷で。
それが出来なかったラハヤは、死のきわまで、オムニの赦しを請う。
性に支配されるのは、繁殖期のいっときのはずで。繁殖の季節は世代を超えて続き、家族という豊穣を生む。しかしその行為自体は究極のプライヴェート、すなわち絶対的な孤独と表裏一体なんだなと。
そのカラクリを見事に小説に映しとった傑作だなと思いました。
家族と居ても孤独。
誰かと居ても孤独。
独りでいるよりも。
助産婦のマリア、その一人娘で写真技師のラハヤ、ラハヤの夫オムニ、ラハヤとオムニの息子の嫁カーリナ。この四人の世代を繋ぐ100年の物語が綴られて行く。
彼らの人生が交わる交差点は、巨大な家。屋根と床が繋がる屋根裏部屋の古びた箱に、マリアとラハヤ、オムニの秘密が眠る。カーリナは彼らの秘密をそっと暖炉にくべる。
家族を生むのは性の営みで、しかし性は究極のプライヴェートだ。マリアの孤独、オムニの孤独。彼らの孤独には、まだ救いがあるように感じる。初めて自転車に乗り、お腹の父親である薬剤師との生活を夢見るマリア。束の間の逢瀬、また部屋に舞い戻るオムニ。一瞬の性の煌めき。反対に、ラハヤを最期まで苦しめたのは、深い罪悪感。
オムニを追い詰めるなとラハヤを諭すマリア。ありのままを受け入れろと諭す母は、正しくも残酷で。
それが出来なかったラハヤは、死のきわまで、オムニの赦しを請う。
性に支配されるのは、繁殖期のいっときのはずで。繁殖の季節は世代を超えて続き、家族という豊穣を生む。しかしその行為自体は究極のプライヴェート、すなわち絶対的な孤独と表裏一体なんだなと。
そのカラクリを見事に小説に映しとった傑作だなと思いました。
2017年1月7日に日本でレビュー済み
「交差点」というタイトルから信号機を連想し、現代のフィンランドを舞台にしたモダンな小説かと思っていたら、かなり趣きの違うものでした。
もう少し重厚な書名の方が合うような気がします。
あの時代の厳しい宗教戒律や閉鎖的で女性に不寛容な世の中に、自分を貫きたくましく立ち向かっていくマリアやラハヤに感動しました。
性格は違いますが柔軟に対処していくカーリナにも。
苛酷で生々しいシーンもフィンランドの厳しい自然の中で人間が生活していくための必然のような気がして鮮烈な印象です。
ただ、ところどころ何度読み返しても、皮肉なのかユーモアなのか理解できないところがあり、国民性の違いなのか自分の読解力がないためなのか解釈に悩みました。
内容もフィンランドの雰囲気も人物描写も読みごたえ十分で堪能しましたが、邦題が今一つだったので星4つで。
もう少し重厚な書名の方が合うような気がします。
あの時代の厳しい宗教戒律や閉鎖的で女性に不寛容な世の中に、自分を貫きたくましく立ち向かっていくマリアやラハヤに感動しました。
性格は違いますが柔軟に対処していくカーリナにも。
苛酷で生々しいシーンもフィンランドの厳しい自然の中で人間が生活していくための必然のような気がして鮮烈な印象です。
ただ、ところどころ何度読み返しても、皮肉なのかユーモアなのか理解できないところがあり、国民性の違いなのか自分の読解力がないためなのか解釈に悩みました。
内容もフィンランドの雰囲気も人物描写も読みごたえ十分で堪能しましたが、邦題が今一つだったので星4つで。
2016年12月10日に日本でレビュー済み
フィンランドから新鋭作家の長編小説が届いた。かの国ではベストセラーのトップを13週連続で独走したという。長い冬の寒冷の地、大国に支配された悲哀の歴史を持ち、シベリウスやムーミンを生んだ国。その国の風土や国民性を反映した美しく悲しい物語であった。
フィンランド北部の小さな村。若くして助産婦になったマリアは懸命に働いて地域の信頼を勝ち得た。彼女は家を建ててそれを増築することに喜びを見出すが、未婚のまま娘を産んだ。その娘ラハヤは写真店を開き、夫オンニと3人の子どもと暮らした。オンニは優しい父であったが、ソ連との戦争に行き、勲章とともに心に傷を負って帰ってきた。ラハヤとオンニの間に溝が深まってくる。ラハヤの息子の嫁カリーナは姑と対立しながらも家を覆う陰鬱な空気を一掃しようと奮闘するが ‥。
1890年代から1996年までの100年間、一家三代の物語である。4つの章に分かれ、 登場人物のそれぞれの視点から語られる。各章には8から 11のエピソードが年代順に並んでいる。つまり各エピソードはジグゾーパズルのピースの役割りを果たしているのだ。そのために全体のストーリーがなかなか見えて来ないが、この凝った構成がミステリーを読むような不安と好奇心を呼び起こす。そして終盤近くになってすべてが繋がった時に静かな感動が押し寄せる。
母と娘、妻と夫、父と子、近い関係でありながら遠い。すぐそばに居ながら互いの姿を見失ってしまい、すれ違いと孤独がお互いを傷つける。しかも同じ家に住むがゆえにその苦悩は深くならざるを得ない。自立心が強く気丈夫な女性たちの姿が印象的であった。この作品にはおそらく内向的で忍耐強いフィンランドの国民性が反映しているのだろう。北国の歴史と美しい自然に家族の営々とした歴史が響き合って深い感銘を残してくれる秀作である。
フィンランド北部の小さな村。若くして助産婦になったマリアは懸命に働いて地域の信頼を勝ち得た。彼女は家を建ててそれを増築することに喜びを見出すが、未婚のまま娘を産んだ。その娘ラハヤは写真店を開き、夫オンニと3人の子どもと暮らした。オンニは優しい父であったが、ソ連との戦争に行き、勲章とともに心に傷を負って帰ってきた。ラハヤとオンニの間に溝が深まってくる。ラハヤの息子の嫁カリーナは姑と対立しながらも家を覆う陰鬱な空気を一掃しようと奮闘するが ‥。
1890年代から1996年までの100年間、一家三代の物語である。4つの章に分かれ、 登場人物のそれぞれの視点から語られる。各章には8から 11のエピソードが年代順に並んでいる。つまり各エピソードはジグゾーパズルのピースの役割りを果たしているのだ。そのために全体のストーリーがなかなか見えて来ないが、この凝った構成がミステリーを読むような不安と好奇心を呼び起こす。そして終盤近くになってすべてが繋がった時に静かな感動が押し寄せる。
母と娘、妻と夫、父と子、近い関係でありながら遠い。すぐそばに居ながら互いの姿を見失ってしまい、すれ違いと孤独がお互いを傷つける。しかも同じ家に住むがゆえにその苦悩は深くならざるを得ない。自立心が強く気丈夫な女性たちの姿が印象的であった。この作品にはおそらく内向的で忍耐強いフィンランドの国民性が反映しているのだろう。北国の歴史と美しい自然に家族の営々とした歴史が響き合って深い感銘を残してくれる秀作である。