慰安婦問題は、2015年に日韓合意が形成された後も、慰安婦像の設置が行われ、一向に終息の気配がみられません。
日本は、戦後70年を経過してもなお、謝罪しきれない罪を犯したのでしょうか。
そんな日頃から気にかかっていた問題について、自分の考えを整理したいという思いで、手に取ったのが、本書でした。
本書は、当初、新書版のイメージで購入したものですが、中を見ると、上下二段組で、430ページほどあり、かなりのボリュームがあります。
その分量は、それだけ著者がこの慰安婦問題に熱心に取り組んでいることを示しています。
私が一番関心を持っていたのは、果たして、強制連行はあったのかどうか、ということでした。
ニュースで見る限りでは、強制連行はなく、中心的に報道してきた朝日新聞も誤りを認めたようですが…。
もしも、強制連行があったとしたら、それこそ謝罪だけでは済まず、国家として補償をしなければ、元慰安婦や国民を慰安婦にさせられた韓国は、納得しないことでしょう。
この点について、本書では、強制連行はなかったと断言しています。
第七章「吉田清治と詐話」にあるとおり、吉田という一人の人物が強制連行したという作り話を公開し、その内容について、朝日新聞をはじめとしたマスコミが取り上げて、広まったというのが実態とのことです。
戦前の日本は、公娼制があり、特に戦場では、兵士による強姦や、それに伴う性病の蔓延を防ぐという目的で、軍の監督のもとに慰安所が設置されたという経緯があります。
そうした類似の制度は、ドイツ、イタリア、アメリカ、イギリス、ソ連などにもありました。
もちろん、他の国も行っていたから、日本が謝る必要がないとは言いません。
斡旋業者に騙されたり、借金のかたにされたりと、自分の意志に反して慰安婦にさせられた人にとっては、そうした慰安所を監督していた日本に対して、謝罪を求めるのは、ある程度、仕方のないことだと思います。
しかし、日本は、既に河野談話を初めとして、国のリーダーが謝罪の言葉を述べています。
また、完全には機能しなかったもののアジア女性基金を設立し、金銭的な償いができるよう、努力もしてきているのです。
そして、冒頭にも記したとおり、2015年には、日韓両国で合意し、「最終的かつ不可逆的に解決」したはずです。
それなのに、この慰安婦問題がくすぶっているというのは、全く理解できません。
慰安婦像の撤去は、韓国政府の責任で行うべきでしょう。
韓国は、地政学的にこれからも隣国であり続けるし、友好的な国であってほしいと願っていますが、この問題に関しては、日本政府は誠意を尽くしていると思われ、そうした日本の対応を是非とも理解してほしいものです。
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慰安婦と戦場の性 (新潮選書) 単行本(ソフトカバー) – 1999/6/1
秦 郁彦
(著)
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日本人にとって、「性」とは何か?公娼制度の変遷から「慰安婦」旋風までの全てが分かる!日本の慰安婦制度の歴史と実態をもとに、豊富な資料・証言と諸外国の事例から、拡散する慰安婦問題の論点を全て解説した決定版百科全書。国家基本問題研究所「第6回 国基研 日本研究賞 特別賞」受賞!
第1章 慰安婦問題の「爆発」
第2章 公娼制下の日本
第3章 中国戦場と満州では
第4章 太平洋戦線では
第5章 諸外国に見る「戦場の性」
第6章 慰安婦たちの身の上話
第7章 吉田清治の詐話
第8章 禍根を残した河野談話
第9章 クマラスワミ旋風
第10章 アジア女性基金の功罪―現状と展望
第11章 環境条件と周辺事情
第12章 七つの争点―Q&A
第1章 慰安婦問題の「爆発」
第2章 公娼制下の日本
第3章 中国戦場と満州では
第4章 太平洋戦線では
第5章 諸外国に見る「戦場の性」
第6章 慰安婦たちの身の上話
第7章 吉田清治の詐話
第8章 禍根を残した河野談話
第9章 クマラスワミ旋風
第10章 アジア女性基金の功罪―現状と展望
第11章 環境条件と周辺事情
第12章 七つの争点―Q&A
- 本の長さ444ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1999/6/1
- ISBN-104106005654
- ISBN-13978-4106005657
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
日本人にとって「性」とは何か? 公娼制度の変遷から慰安婦旋風まで、日本の慰安婦制度の歴史と実態をもとに、豊富な資料・証言と諸外国の事例から解説。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1999/6/1)
- 発売日 : 1999/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 444ページ
- ISBN-10 : 4106005654
- ISBN-13 : 978-4106005657
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2021年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
7年程、お蔵入りしていましたが、やっと読んでみました。
これくらいお蔵入りしますと、私の場合10冊の内9冊はそのままになる。
この本が残りの10冊の内の1冊になぜなったかと言えば、いつまでたっても、対韓国での第2次世界大戦時の慰安婦問題の解決の方向性に進展がみられないから・・・ということになるのでしょうか。
著者があとがきで書いているように、百科全書的な本になっています。読み口はいいのか・・・と言えば、さほど良くはありません。が、しかし、この問題について、とつとつと1990年代の経過をまとめ上げた本であり、一般の人がこういったものを本屋の棚から入手できるのはこれ以外にないかもしれません。
最早、あまりにもややこしくなって、どんなことを書いても、世の風潮として、ネットで叩かれ、潰される可能性もありますから、傷を負いたくない学者なら立ち入りたくなくて当然のところもあるでしょう。
尚、慰安婦問題に限らず、こういった系統の問題が置かれている実情が類推できるという意味でも非常に参考になる本のように思います。
それにつけても、1990年代前半の日本の国としての対処は、問題の属性を的確に見極める大局的な判断と行動という意味で、相当にまずいことをしたと、この本を読んで改めて感じました。
これくらいお蔵入りしますと、私の場合10冊の内9冊はそのままになる。
この本が残りの10冊の内の1冊になぜなったかと言えば、いつまでたっても、対韓国での第2次世界大戦時の慰安婦問題の解決の方向性に進展がみられないから・・・ということになるのでしょうか。
著者があとがきで書いているように、百科全書的な本になっています。読み口はいいのか・・・と言えば、さほど良くはありません。が、しかし、この問題について、とつとつと1990年代の経過をまとめ上げた本であり、一般の人がこういったものを本屋の棚から入手できるのはこれ以外にないかもしれません。
最早、あまりにもややこしくなって、どんなことを書いても、世の風潮として、ネットで叩かれ、潰される可能性もありますから、傷を負いたくない学者なら立ち入りたくなくて当然のところもあるでしょう。
尚、慰安婦問題に限らず、こういった系統の問題が置かれている実情が類推できるという意味でも非常に参考になる本のように思います。
それにつけても、1990年代前半の日本の国としての対処は、問題の属性を的確に見極める大局的な判断と行動という意味で、相当にまずいことをしたと、この本を読んで改めて感じました。
2018年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
慰安婦問題の本、歴史書としては最高傑作だと思う!英語訳出版を妨害する勢力が存在するようだが、ネットクラウディングででもお金を集めて絶対に世界中に広めるべき本。
慰安婦を利用して日本人を貶める謀略が韓国や中国によって進められているが、それに対抗する真実を伝える本。
慰安婦を利用して日本人を貶める謀略が韓国や中国によって進められているが、それに対抗する真実を伝える本。
2014年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
正直、慰安婦の本のレビューを自分が書くとは思わなかったが、再読したのを機会にこちらを見たところ、参考になる有益なレビューが多い。謝意を表する意味でも、私も書きたくなったというところ。
私は「朝鮮に関しては、狭義の強制連行は(あまり)なかったと思う派」であるが、本書の立場には同意できない。著者は慰安所の経営に軍が関わっていたことを「常識」とし、「告発のような形」で、記事を掲載した、吉見義明と朝日新聞のやり方を「トリック」と非難するが、それを言うなら、ある世代以上では、ほとんどの人間が、日本が植民地朝鮮を、内地と平等に扱っていたはずがない、と「常識」として思っているはずである。そもそも、吉見が当時、発表した資料は、関連資料の精査を経て、本書刊行後、永井和によって新しい意味を与えられ、その価値は、もはや決定的なものになりつつある。
古臭い講談調の語り口は、東大法学部出身の元官僚らしく、いかにもいやらしい印象を与えるが、内容も既に古い。例えば、軍の慰安所管理システムでは、売春施設経営者たる軍隊が、監視役の警察の役も兼ねるということに、一切、言及がない。著者は、露悪的に、憲兵を娼家の用心棒にたとえているが、そのような比喩が可能なこと自体に、このシステムの問題があることに気づいていない。手厳しく言えば、吉見を初めとする他の研究者のの発掘した資料に、偉そうに冷笑的なコメントを加えるだけで、システムとして慰安所を捉える視点が全く欠けている。個別の事例をいくら並べ立てたところで、問題は見えてこない。
中国の漢口慰安所は、日本軍慰安所の最初期からの施設で、故小野田寛郎が昨年、漢口の慰安婦はほとんど商売女だったと証言し、物議を醸した施設である。永井和は「日本軍の慰安所政策について」で、慰安所開設に先立って、軍に慰安婦集めを依頼された周旋業者が、軍の依頼であることを公言して、募集活動を展開、内地の警察とイザコザを引き起こした例を紹介している。結局、ゴタゴタのあげく、軍と内務省の連絡の下に、内務省の警保局長は、21歳以上で性病感染のない「醜業従事者」つまり現役の娼婦で、北支、中支方面へ向かう者にのみ「醜業ヲ目的トスル」渡航を「黙認」するという、通牒を出すことになった。
つまり、この時期の中国での慰安所が、内地出身者の場合、ほとんど売春経験者で構成されていたのは、当たり前の話。軍と警察の軋轢回避の産物である。小野田の見たのはその時期の漢口慰安所の姿だ。
なぜ、このような通牒が出されたかについて、詳しくは、永井論文(WEBで見られる)を参照して頂きたいが、当時、日本の植民地であった朝鮮でも、同じような通牒は出されたのだろうか。永井は触れていないが、本書には、おそらく出されなかったこと、出されたとしても、まともには運用されなかった事、皮肉にも、内地では警保局長の通牒は、厳格に守られたこと、が推察される資料が掲載されている(長いので原文の載ってたサイトからコピペ。これも有名な資料である)。小野田が漢口で慰安所を見学したのは武漢占領(1938年)の数ケ月後だから、ほぼ同じ年の証言であると考えてよかろう。
「コノ時ノ被験者ハ、半島婦人80名、内地婦人20余名ニシテ、半島人ノ内花柳病ノ疑ヒアル者ハ極メテ少数ナリシモ、内地人ノ大部分ハ現ニ急性症状コソナキモ、甚(ハナハ)ダ如何(イカガ)ハシキ者ノミニシテ、年齢モ殆ド20歳ヲ過ギ中ニハ40歳ニ、ナリナントスル者アリテ既往ニ売淫稼業ヲ数年経来シ者ノミナリキ。半島人ノ若年齢且ツ初心ナル者多キト興味アル対象ヲ為セリ」1939:麻生意見書(陸軍軍医:第11軍兵站病院)
慰安婦に若い朝鮮人が多い理由として、本書では、当時の朝鮮の圧倒的な貧困に起因する、前借金による親の身売りによるものとであると、繰り返し説明されており、それを十分に裏付ける話のように見える。だが、内地慰安婦と同じ原則が適用されれば、現役の娼婦の供給能力は十分のはずであるから、朝鮮人慰安婦も、日本人慰安婦と同じような年齢構成にならなくては話が通らない。というか、「若年齢且ツ初心ナル者」などいてはいけないのだ。
また、日本内地でも朝鮮でも「娼妓取締規則」により、娼妓には年齢制限が課され、前借金により身売りされた場合も廃業できた(民法上の契約の履行義務は残る)ことは、本書でも指摘されている。「娼妓取締規則」は、公娼制の維持と娼妓の保護の両側面を持っていたが、慰安所は軍隊付属の施設なので、当然、この「娼妓取締規則」は適用されない。だとすれば、朝鮮の場合、周旋業者の立場で言えば、娼家へ売り飛ばすより、慰安婦に仕立てあげる方が簡単だとすら考えられるのである。もちろん、金銭的にも旨味は大きい。
もう一つ引用しよう。「日本女性と朝鮮人女性が来たが、後者の方が一般に評判がよいので逐次之に代えることにした。」1939:藤村(野砲第六連隊連隊長)
朝鮮人女性が評判はいいのは、当然、「若年齢且ツ初心ナル者多キ」からだろう。現役娼婦出身の日本人慰安婦は、慰安所経営者たる軍隊幹部からの評判が悪く、徐々に朝鮮人慰安婦に置き換えようとする様子が分かる。なるほど、慰安婦に若い朝鮮人女性が多いカラクリが見えてくるわけだが、敗戦時まで、この傾向は変わらなかったと見るのが妥当だろう(1943:山田清吉(漢口兵站司令部慰安係長))。敗戦間際、軍隊幹部が特定の慰安婦を、おおっぴらに「情婦」のように扱う例が見られたことを考えると、この慰安所管理システムの欠陥は明らかだ。軍隊幹部は、好みの女性を連れてくる周旋業者に目をかけて、重用することもできたのだし、慰安所が将校用と一般兵士用に分かれていた地域も存在したことを考えると、もう、どこに問題点があったのか、いちいち説明するのもウンザリしてくるというものである。
注目すべき点は、この慰安婦に対する三文ポルノ紛いのイメージは、「身の毛もよだつ娘子軍の話」、「軍需品の女」、「売春婦となった従軍看護婦達」(タイトル引用例は本書による)のような、当時の雑誌タイトルが示すように、戦後の日本人の慰安婦に対するイメージと合致することだ。つまり、慰安婦問題の核心は、日本の男達に正確に認識されていたのである。これが社会問題化しなかったのは、日本、韓国側とも、男達にとっては、慰安婦問題は、冷静に分析する必要を感じない、更に言えば、客観的に分析されては困る問題として、認識されていたからである。韓国では「キーセン観光」に象徴されるような女性の権利擁護の問題として、慰安婦問題は始まったのだ。
木村幹は、韓国政府内において、慰安婦問題を担当部局が、教育問題を担当する文教部ではなく、女性家族部であることを指摘して、日本における慰安婦論争が、「強制連行」の有無を問う行為に「逸脱」し、「ガラパゴス化」している現状を論じているが、なるほど、「逸脱」の最大の功労者である著者は、徹頭徹尾、上野千鶴子を始めとする、日韓のフェミニズム運動家は、無理難題を叫ぶだけの、滑稽な内ゲバを繰り返す、まったく無価値なバカな女どもと言うレッテル貼りに終始している。
では、朝鮮人女性が慰安婦になった原因は、貧困による身売が大半だと言うのはどうだろうか。「七つの争点」の中の「慰安婦はどのように集められたか」では、信頼性が高い事例として、9例(7例が軍人の証言)を紹介されている。皮肉なことに、結びの部分で、慰安婦の大多数は、前借金の名目で親に売られたと思われると書いてるのだが、5例(うち3例が朝鮮人、2例が日本人)は、明白に騙されて慰安婦になった例、前借金の例は1例しかない。つまり、著者は、このことすら、実はキチンと説明ができていない。一般読者を舐めているのか、著者は別の箇所でも、まったく同じことをやっているのだが、自称、実証史家のすることではあるまい。
全体的にメリハリがなく、だらだらとした記述が続くので、本書を漫然と読み進めていくと気づかないが、軍慰安所システムの画期点は、もちろん太平洋戦争の開戦時である。1941年の開戦時点で、慰安所は師団規模の部隊が占領地で駐屯体制に入った場合には、必ず設置しなければいけない施設として考えられるようになっていた。ビルマ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポールと爆発的な慰安婦の新規需要が生まれた。前借金縛りやら、詐欺まがい、詐欺そのものの行為によって、連れてこられた慰安婦が大量に動員されたのは、もちろん、この時代のことであるが、特別、著者にとっては、この時期は重要ではないのだろう、他の時期と変わらないあっさりした分析で、まったく役に立たない。
軍慰安所管理システムの矛盾は、敗戦間際に最も慰安婦達に過酷な形で現れる。売春施設の軍規が保たれている時ですら、兵士達の暴力行為は度々問題化しているが、敗戦が濃厚になり、過酷極まる戦場で、異常な精神状態になった兵士達は、日本国籍(朝鮮人、台湾人を含む)の人間に対しても、残虐行為を引き起こすが、P(prostituteの略)と呼ばれ、蔑視された彼女達は、集団レイプ、集団暴行の最大の被害者となった。このことは、本書にも十分に、事例を引用して記述されており、その意味では「慰安婦と戦場の性」と言う題は適当かと思う。
点数は、ちょっとした調べものには、便利ということでつけました。値段相応ではありますけどね。
私は「朝鮮に関しては、狭義の強制連行は(あまり)なかったと思う派」であるが、本書の立場には同意できない。著者は慰安所の経営に軍が関わっていたことを「常識」とし、「告発のような形」で、記事を掲載した、吉見義明と朝日新聞のやり方を「トリック」と非難するが、それを言うなら、ある世代以上では、ほとんどの人間が、日本が植民地朝鮮を、内地と平等に扱っていたはずがない、と「常識」として思っているはずである。そもそも、吉見が当時、発表した資料は、関連資料の精査を経て、本書刊行後、永井和によって新しい意味を与えられ、その価値は、もはや決定的なものになりつつある。
古臭い講談調の語り口は、東大法学部出身の元官僚らしく、いかにもいやらしい印象を与えるが、内容も既に古い。例えば、軍の慰安所管理システムでは、売春施設経営者たる軍隊が、監視役の警察の役も兼ねるということに、一切、言及がない。著者は、露悪的に、憲兵を娼家の用心棒にたとえているが、そのような比喩が可能なこと自体に、このシステムの問題があることに気づいていない。手厳しく言えば、吉見を初めとする他の研究者のの発掘した資料に、偉そうに冷笑的なコメントを加えるだけで、システムとして慰安所を捉える視点が全く欠けている。個別の事例をいくら並べ立てたところで、問題は見えてこない。
中国の漢口慰安所は、日本軍慰安所の最初期からの施設で、故小野田寛郎が昨年、漢口の慰安婦はほとんど商売女だったと証言し、物議を醸した施設である。永井和は「日本軍の慰安所政策について」で、慰安所開設に先立って、軍に慰安婦集めを依頼された周旋業者が、軍の依頼であることを公言して、募集活動を展開、内地の警察とイザコザを引き起こした例を紹介している。結局、ゴタゴタのあげく、軍と内務省の連絡の下に、内務省の警保局長は、21歳以上で性病感染のない「醜業従事者」つまり現役の娼婦で、北支、中支方面へ向かう者にのみ「醜業ヲ目的トスル」渡航を「黙認」するという、通牒を出すことになった。
つまり、この時期の中国での慰安所が、内地出身者の場合、ほとんど売春経験者で構成されていたのは、当たり前の話。軍と警察の軋轢回避の産物である。小野田の見たのはその時期の漢口慰安所の姿だ。
なぜ、このような通牒が出されたかについて、詳しくは、永井論文(WEBで見られる)を参照して頂きたいが、当時、日本の植民地であった朝鮮でも、同じような通牒は出されたのだろうか。永井は触れていないが、本書には、おそらく出されなかったこと、出されたとしても、まともには運用されなかった事、皮肉にも、内地では警保局長の通牒は、厳格に守られたこと、が推察される資料が掲載されている(長いので原文の載ってたサイトからコピペ。これも有名な資料である)。小野田が漢口で慰安所を見学したのは武漢占領(1938年)の数ケ月後だから、ほぼ同じ年の証言であると考えてよかろう。
「コノ時ノ被験者ハ、半島婦人80名、内地婦人20余名ニシテ、半島人ノ内花柳病ノ疑ヒアル者ハ極メテ少数ナリシモ、内地人ノ大部分ハ現ニ急性症状コソナキモ、甚(ハナハ)ダ如何(イカガ)ハシキ者ノミニシテ、年齢モ殆ド20歳ヲ過ギ中ニハ40歳ニ、ナリナントスル者アリテ既往ニ売淫稼業ヲ数年経来シ者ノミナリキ。半島人ノ若年齢且ツ初心ナル者多キト興味アル対象ヲ為セリ」1939:麻生意見書(陸軍軍医:第11軍兵站病院)
慰安婦に若い朝鮮人が多い理由として、本書では、当時の朝鮮の圧倒的な貧困に起因する、前借金による親の身売りによるものとであると、繰り返し説明されており、それを十分に裏付ける話のように見える。だが、内地慰安婦と同じ原則が適用されれば、現役の娼婦の供給能力は十分のはずであるから、朝鮮人慰安婦も、日本人慰安婦と同じような年齢構成にならなくては話が通らない。というか、「若年齢且ツ初心ナル者」などいてはいけないのだ。
また、日本内地でも朝鮮でも「娼妓取締規則」により、娼妓には年齢制限が課され、前借金により身売りされた場合も廃業できた(民法上の契約の履行義務は残る)ことは、本書でも指摘されている。「娼妓取締規則」は、公娼制の維持と娼妓の保護の両側面を持っていたが、慰安所は軍隊付属の施設なので、当然、この「娼妓取締規則」は適用されない。だとすれば、朝鮮の場合、周旋業者の立場で言えば、娼家へ売り飛ばすより、慰安婦に仕立てあげる方が簡単だとすら考えられるのである。もちろん、金銭的にも旨味は大きい。
もう一つ引用しよう。「日本女性と朝鮮人女性が来たが、後者の方が一般に評判がよいので逐次之に代えることにした。」1939:藤村(野砲第六連隊連隊長)
朝鮮人女性が評判はいいのは、当然、「若年齢且ツ初心ナル者多キ」からだろう。現役娼婦出身の日本人慰安婦は、慰安所経営者たる軍隊幹部からの評判が悪く、徐々に朝鮮人慰安婦に置き換えようとする様子が分かる。なるほど、慰安婦に若い朝鮮人女性が多いカラクリが見えてくるわけだが、敗戦時まで、この傾向は変わらなかったと見るのが妥当だろう(1943:山田清吉(漢口兵站司令部慰安係長))。敗戦間際、軍隊幹部が特定の慰安婦を、おおっぴらに「情婦」のように扱う例が見られたことを考えると、この慰安所管理システムの欠陥は明らかだ。軍隊幹部は、好みの女性を連れてくる周旋業者に目をかけて、重用することもできたのだし、慰安所が将校用と一般兵士用に分かれていた地域も存在したことを考えると、もう、どこに問題点があったのか、いちいち説明するのもウンザリしてくるというものである。
注目すべき点は、この慰安婦に対する三文ポルノ紛いのイメージは、「身の毛もよだつ娘子軍の話」、「軍需品の女」、「売春婦となった従軍看護婦達」(タイトル引用例は本書による)のような、当時の雑誌タイトルが示すように、戦後の日本人の慰安婦に対するイメージと合致することだ。つまり、慰安婦問題の核心は、日本の男達に正確に認識されていたのである。これが社会問題化しなかったのは、日本、韓国側とも、男達にとっては、慰安婦問題は、冷静に分析する必要を感じない、更に言えば、客観的に分析されては困る問題として、認識されていたからである。韓国では「キーセン観光」に象徴されるような女性の権利擁護の問題として、慰安婦問題は始まったのだ。
木村幹は、韓国政府内において、慰安婦問題を担当部局が、教育問題を担当する文教部ではなく、女性家族部であることを指摘して、日本における慰安婦論争が、「強制連行」の有無を問う行為に「逸脱」し、「ガラパゴス化」している現状を論じているが、なるほど、「逸脱」の最大の功労者である著者は、徹頭徹尾、上野千鶴子を始めとする、日韓のフェミニズム運動家は、無理難題を叫ぶだけの、滑稽な内ゲバを繰り返す、まったく無価値なバカな女どもと言うレッテル貼りに終始している。
では、朝鮮人女性が慰安婦になった原因は、貧困による身売が大半だと言うのはどうだろうか。「七つの争点」の中の「慰安婦はどのように集められたか」では、信頼性が高い事例として、9例(7例が軍人の証言)を紹介されている。皮肉なことに、結びの部分で、慰安婦の大多数は、前借金の名目で親に売られたと思われると書いてるのだが、5例(うち3例が朝鮮人、2例が日本人)は、明白に騙されて慰安婦になった例、前借金の例は1例しかない。つまり、著者は、このことすら、実はキチンと説明ができていない。一般読者を舐めているのか、著者は別の箇所でも、まったく同じことをやっているのだが、自称、実証史家のすることではあるまい。
全体的にメリハリがなく、だらだらとした記述が続くので、本書を漫然と読み進めていくと気づかないが、軍慰安所システムの画期点は、もちろん太平洋戦争の開戦時である。1941年の開戦時点で、慰安所は師団規模の部隊が占領地で駐屯体制に入った場合には、必ず設置しなければいけない施設として考えられるようになっていた。ビルマ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポールと爆発的な慰安婦の新規需要が生まれた。前借金縛りやら、詐欺まがい、詐欺そのものの行為によって、連れてこられた慰安婦が大量に動員されたのは、もちろん、この時代のことであるが、特別、著者にとっては、この時期は重要ではないのだろう、他の時期と変わらないあっさりした分析で、まったく役に立たない。
軍慰安所管理システムの矛盾は、敗戦間際に最も慰安婦達に過酷な形で現れる。売春施設の軍規が保たれている時ですら、兵士達の暴力行為は度々問題化しているが、敗戦が濃厚になり、過酷極まる戦場で、異常な精神状態になった兵士達は、日本国籍(朝鮮人、台湾人を含む)の人間に対しても、残虐行為を引き起こすが、P(prostituteの略)と呼ばれ、蔑視された彼女達は、集団レイプ、集団暴行の最大の被害者となった。このことは、本書にも十分に、事例を引用して記述されており、その意味では「慰安婦と戦場の性」と言う題は適当かと思う。
点数は、ちょっとした調べものには、便利ということでつけました。値段相応ではありますけどね。