文庫本が発売された当時は、「ノンフィクション作家の小説なんて・・・」とさほど興味がなかったのですが、「無名」を読んで後に是非とも「血の味」が読みたくなりました。
しかしながら初刊から年月が経っているせいか、どこの本屋を探しても見つからず・・・
結局Amazonで購入となりました。
読み始めたら止められなくなり一気に読み終え、その後同じ日に再度読み返しました。
主人公の父親の態度が私の父(高校時代に病死)と似ていて、主人公に自分を投影しながら読んでいました。
この小説は、解説にも書いてある通り、「私小説」だと思います。
実際は沢木は父親を殺していませんが、父親の死をもって、15年間放置された小説のラストシーンを書き上げる事ができたのだから。
是非「無名」と併せて読んで欲しい一冊です。
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血の味 単行本 – 2000/10/1
沢木 耕太郎
(著)
- 本の長さ249ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2000/10/1
- ISBN-104106006669
- ISBN-13978-4106006661
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
中学3年の冬、私は人を殺した。ナイフで胸を一突きしたのだ。そして20年後-。社会に復帰し、静かに暮らしていた私を、封印したその過去の暗闇へと、強引に連れ戻す出来事が起きた…。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2000/10/1)
- 発売日 : 2000/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 249ページ
- ISBN-10 : 4106006669
- ISBN-13 : 978-4106006661
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,026,159位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 23,538位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1947(昭和22)年、東京生れ。横浜国大卒業。
ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。『若き実力者たち』『敗れざる者たち』等を発表した後、1979年、『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年には『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞。常にノンフィクションの新たな可能性を追求し続け、1995(平成7)年、檀一雄未亡人の一人称話法に徹した『檀』を発表。
2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行。2002年から2004年にかけて、それまでのノンフィクション分野の仕事の集大成『沢木耕太郎ノンフィクション』が刊行され、2005年にはフィクション/ノンフィクションの垣根を超えたとも言うべき登山の極限状態を描いた『凍』を発表、大きな話題を呼んだ。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主人公は衝動的に何をしでかすかわからない危険な15歳の少年です。
おカマとのやり取り、学校生活、少年院での生活はそれなりに理解できます。
わからないのは家族のこと。
母はなぜ家を出て行ったのか。
父親の読んでいる黒い革表紙の本はいったい何。
「あそこ」とはいったいどこ。
すべてが象徴的で個人的でゲイのボクサーの世界よりもはるかはるか向こうなのです。
多くは読者に委ねられることになってしまいますがもうちょっと説明的であって欲しい気もします。
おカマとのやり取り、学校生活、少年院での生活はそれなりに理解できます。
わからないのは家族のこと。
母はなぜ家を出て行ったのか。
父親の読んでいる黒い革表紙の本はいったい何。
「あそこ」とはいったいどこ。
すべてが象徴的で個人的でゲイのボクサーの世界よりもはるかはるか向こうなのです。
多くは読者に委ねられることになってしまいますがもうちょっと説明的であって欲しい気もします。
2004年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
沢木耕太郎初めてのフィクションという『血の味』。正直言って期待はしていなかった。何故なら、ノンフィクションにこそ彼の醍醐味があると思っているから。彼のノンフィクションは綿密な取材と独断・偏見を極力排除した観察眼に裏打ちされているが、作品自体は極めて主観的だ。いつも作品を通して見えてくるのは、主人公(主題)以上に主人公を見つめ入り込む沢木耕太郎自身なのだ。そういう意味での「作者の気配」は、他の作者のノンフィクションに比べ格段に濃厚だといえる。「沢木ワールド」「沢木節」と言われる所以だろう。『テロルの決算』然り『一瞬の夏』然り、他の珠玉のエッセイ然り。だから、主人公が架空の少年である当小説、どのように作者の気配を読み取ったらよいのか読む前に迷いが生じていたのである。
読み終わってどうか。この小説のどこに沢木耕太郎は居るのか。「中学三年の冬、私は人を殺した」という少年に宿っているのか、当時に思いを馳せる大人の彼がそうなのか、それとも精神的に俗世から離れ、或る「遠く」を志向しつつ諦めざるを得なかった主人公の父に存するのか。あるいはそれら全てなのか。正直なところ、私は「作者の気配」を満足に感じ取ることが出来ず、その意味では欲求不満、「イかず仕舞い」に終わってしまった。作者は自身の投影をある程度許容しつつも、結局のところ読者がそのような読み方をするのを拒んでいるかのようだ。若しくは他の作品のようには十全に作者自身を出し切れていないようだ。だからといってこの小説が面白くないというわけでは、全くない。その魅力は他の書評にある通りで、ここで繰り返すまでもないだろう。
読み終わってどうか。この小説のどこに沢木耕太郎は居るのか。「中学三年の冬、私は人を殺した」という少年に宿っているのか、当時に思いを馳せる大人の彼がそうなのか、それとも精神的に俗世から離れ、或る「遠く」を志向しつつ諦めざるを得なかった主人公の父に存するのか。あるいはそれら全てなのか。正直なところ、私は「作者の気配」を満足に感じ取ることが出来ず、その意味では欲求不満、「イかず仕舞い」に終わってしまった。作者は自身の投影をある程度許容しつつも、結局のところ読者がそのような読み方をするのを拒んでいるかのようだ。若しくは他の作品のようには十全に作者自身を出し切れていないようだ。だからといってこの小説が面白くないというわけでは、全くない。その魅力は他の書評にある通りで、ここで繰り返すまでもないだろう。
2013年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ノンフィクション作品の多い著者が書いた、珍しいフィクションで興味を持って読んだ。シチュエイションは多少異なるが、その前に読んだ「無名」がヒントになっているというのは納得が出来た。
2021年5月1日に日本でレビュー済み
読後、どのように解釈すればいいのかモヤモヤした気分だったが、筆者の父親との関係を描いた「無名」を読むと多くのことが示唆されている。
2007年8月30日に日本でレビュー済み
私は初めて沢木耕太郎さんの作品を読みました。
ノンフィクションが主な作家だけあって、ストーリーに重点を置いていない事が
ラストの流れでわかりました。そこがまた不思議な感覚をのこした終わり方で、フィクションらしくなく、
とても作者の個人的なものがふくまれているような作品だったと思います。
内容のわりにいやらしさがない文章、構成力。
アンバランスな物語が不思議な気持ちにさせました。
ノンフィクションが主な作家だけあって、ストーリーに重点を置いていない事が
ラストの流れでわかりました。そこがまた不思議な感覚をのこした終わり方で、フィクションらしくなく、
とても作者の個人的なものがふくまれているような作品だったと思います。
内容のわりにいやらしさがない文章、構成力。
アンバランスな物語が不思議な気持ちにさせました。
2005年2月13日に日本でレビュー済み
ファンなら読めるでしょう。
知らない人ならつまらないかも?
素材との年齢が離れすぎて書きたいスポーツマンが
いないらしいし・・
知らない人ならつまらないかも?
素材との年齢が離れすぎて書きたいスポーツマンが
いないらしいし・・
2010年7月12日に日本でレビュー済み
私はノンフィクション作家としての沢木耕太郎を知りません。たしか初の書き下ろし小説ということでハードカバー版を買いました。
読書が嫌いな私ですがこの作品はぐいぐいと引きつけられて読めました
全篇を通して、冷たく陰鬱な情景を思わせます
殺された人物がまさか…
意外でした。
文学的に非常に良い本です。
高校生の読書感想文にもオススメ。
読書が嫌いな私ですがこの作品はぐいぐいと引きつけられて読めました
全篇を通して、冷たく陰鬱な情景を思わせます
殺された人物がまさか…
意外でした。
文学的に非常に良い本です。
高校生の読書感想文にもオススメ。