渋谷にあるBunkamuraザ・ミュージアムで『フェルメールからのラブレター展』で開催されていますが、それと歩調を合わせるかのようにしてステキな内容の『フェルメール巡礼』が出版されました。全作品を踏破された朽木ゆり子氏が「巡礼の道」という切り口で作品の素晴らしさ、美しさを記しています。
どの作品も1ページを使い、クローズアップして解説している作品もありました。オールカラーで、大きくはありませんが、イメージはつかめます。所蔵の16の美術館を訪れることができるように、地図と全景の写真、住所、電話、アドレスほかが1ページにまとめて掲載してありました。123ページには世界地図を使用して例示していました。
朽木ゆり子氏が書かれた箇所の内容です。
巡礼の道1 オランダ(マウリッツハイス美術館、アムステルダム国立美術館)
巡礼の道2 ヨーロッパ(ドレスデン国立絵画館、ベルリン国立絵画館、シュテーデル美術館、アントン・ウルリッヒ公美術館、ウィーン美術史美術館、ルーヴル美術館、スコットランド・ナショナル・ギャラリー、ロンドン・ナショナル・ギャラリー、ケンウッド・ハウス、バッキンガム宮殿ステート・ルーム、アイルランド・ナショナル・ギャラリー)
巡礼の道3 アメリカ(フリック・コレクション、メトロポリタン美術館、ワシントン・ナショナル・ギャラリー)
本書のもう一つの良さは、前橋重二氏が主として執筆されている「コラム 誰も知らないフェルメール」でしょう。
1 お住まい拝見! 2 カメラを使った? 3 同時代画家との「往復書簡」 4 エコノミカル画法 5 《小路》は実在した 6 悲運の“師匠” 7 33億円絵画のいま 8 そこまでやるか! 画中の実物探し 9 盗まれた《合奏》 10 驚愕のピンぼけテクニック 11 鏡から消えた画家
以上のコラムは、読み応えがあり、フェルメール・ファンが興味を持つようなアプローチが多く見受けられました。
例えば、111ページの「そこまでやるか! 画中の実物探し」では、『信仰の寓意』で女性が右足を乗せている地球儀の実物との比較や、『絵画芸術』の壁の地図とオリジナルの地図、『天文学者』の天球儀や手元の本のオリジナルの対比など、上手く構成してありました。
本書でフェルメールを好きになった方は、今回のように実際にその作品を見る機会があれば、美術館に足を運んで作品と対峙していただきたいと思います。その精緻な筆遣い、光の粒の描き方、絵具の発色の素晴らしさ、遠近法を取り入れたその手法、市民社会の到来を鮮やかに描き切ったテーマ、どれをとっても世界最高峰の作品群ですから。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
フェルメール巡礼 (とんぼの本) 単行本 – 2011/11/1
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,760","priceAmount":1760.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,760","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"MOmIT2j1x3%2FGVzZTme4M8tE83h0Bft4D%2Fyec89FcMEBCywM70XyhHLpx7Oz7ZN%2BWdEJ8x%2BbEr85bncadD2l69nc1qpGkKuKbsmy9aa97Vyuz1QaYw9L4oKADlOryCW9A2S9%2F2jvmNz8%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
オランダの首都アムステルダムから列車でおよそ1時間、デルフトは、ゆったりと時のたゆたう閑静な小都市だ。画家ヨハネス・フェルメール(1632〜1675)は、この街で生を受け、生涯を過ごした。43年間に遺した画はわずか30数点。プルーストをして「世界でもっとも美しい絵」といわしめた《デルフト眺望》、ゴッホが「とても美しい身重のオランダ婦人」と描写した《青衣の女》、近年の小説・映画でその存在をいっそう際立たせた《真珠の耳飾りの少女》ほか、心震わす作品のすべてを、オランダ・マウリッツハイス美術館を出発点に、世界全16美術館に訪ねる。画中にちりばめられた数々の仕掛けを解き明かし、画家の暮らしや技法の秘密を探る新知見もたっぷりと。まだまだ知らないフェルメールのあれこれが、この1冊に。
- 本の長さ124ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2011/11/1
- ISBN-104106022273
- ISBN-13978-4106022272
よく一緒に購入されている商品
対象商品: フェルメール巡礼 (とんぼの本)
¥1,760¥1,760
最短で6月9日 日曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
¥1,540¥1,540
最短で6月10日 月曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
くちき・ゆりこ
ノンフィクション・ライター。東京都生まれ。国際基督教大学教養学部社会科学科卒。同大学院行政学修士課程修了。コロンビア大学大学院政治学科博士課程に学ぶ。1987年から92年まで「日本版エスクァイア」誌副編集長。94年よりニューヨーク在住。著書に『マティーニを探偵する』『フェルメール全点踏破の旅』(集英社新書)、『盗まれたフェルメール』『パルテノン・スキャンダル』『謎解きフェルメール』(共著)『ハウス・オブ・ヤマナカ』(いずれも新潮社)など。
ノンフィクション・ライター。東京都生まれ。国際基督教大学教養学部社会科学科卒。同大学院行政学修士課程修了。コロンビア大学大学院政治学科博士課程に学ぶ。1987年から92年まで「日本版エスクァイア」誌副編集長。94年よりニューヨーク在住。著書に『マティーニを探偵する』『フェルメール全点踏破の旅』(集英社新書)、『盗まれたフェルメール』『パルテノン・スキャンダル』『謎解きフェルメール』(共著)『ハウス・オブ・ヤマナカ』(いずれも新潮社)など。
まえはし・じゅうじ
ライター。1953年生まれ。慶応大学経済学部卒。美術雑誌、自然科学書などの編集にたずさわる。2007年より「芸術新潮」ワールド欄に寄稿中。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2011/11/1)
- 発売日 : 2011/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 124ページ
- ISBN-10 : 4106022273
- ISBN-13 : 978-4106022272
- Amazon 売れ筋ランキング: - 554,451位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 36,905位アート・建築・デザイン (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.5つ
5つのうち4.5つ
5グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。