著者の優れた感性と豊富な経験から指揮者と三大オーケストラについて語られており、思わずカラーマーカーを手にして
読んだ。同じ著者の「「ウィーン・フィル―音と響きの秘密」(文春新書)もおすすめ。
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指揮者の役割 (新潮選書) 単行本(ソフトカバー) – 2011/9/22
中野 雄
(著)
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- 本の長さ319ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2011/9/22
- ISBN-104106036886
- ISBN-13978-4106036880
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2011/9/22)
- 発売日 : 2011/9/22
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 319ページ
- ISBN-10 : 4106036886
- ISBN-13 : 978-4106036880
- Amazon 売れ筋ランキング: - 166,383位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 30,965位ノンフィクション (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2014年10月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
筆者の最新著『小澤征爾 覇者の法則』が非常に面白かったので、その中で何度も引用されていた本書も読んでみる気になったのだが、本書も『小澤征爾 覇者の法則』に負けず劣らず、非常に面白かった。
筆者は、本書では、ヨーロッパ三大オーケストラ固有の個性(「良い指揮者とは、私たちの音楽を邪魔しない指揮者のことを言います」という自発性の強いウィーン・フィル、本拠地の音響特性から超弩級の奏者を揃えた低音弦セクションを有するベルリン・フィル、その音と響きがオランダの景色そのものであるコンセルトヘボー管)と、それぞれのオーケストラに関わっってきた指揮者やコンサートマスターなどの物語や挿話を語っている。注目すべきは、並み居る超一流指揮者を押しのけて、コンセルトヘボー管の名コンマス、ヘルマン・クレッバースに、カラヤンに次ぐ多くのページ数を割いていることだ。
こうした中で、特に私の興味を引いたのが、長年にわたってクラシック業界に携わってきて、クラシック業界の裏事情に通じた筆者ならではの生々しい裏情報が、そこかしこにちりばめられていることだった。その一部を挙げると、
・ライヴ録音のCDが日本でベストセラーになった小澤征爾のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートが、結局、二度目がないままに終わってしまった理由とは?
・モーツァルト没後200年記念のウィーン・フィル初のモーツァルト交響曲全集の指揮者として、楽団側からの推薦で選ばれたほどのジェームズ・レヴァインが、二度とウィーン・フィルに招聘されなくなった理由とは?
・ベルリン・フィルの終身音楽監督であったカラヤンが、「この程度のことは」と思ってやってしまった結果、飼い犬に手を噛まれる形で、失意のなかで辞任せざるを得なくなったある行為とは?
・(西本智実とおぼしき)女流人気指揮者の、筆者が「まさか平成の世にこんな風景を見るとは!」と述懐する在京メジャー・オケとの恐怖のリハーサル体験とは?
等々であり、筆者がその仕事柄、見聞きすることの出来たこうした裏情報は、たとえば『音楽の友』や『レコード芸術』といった、専ら差し障りのない表情報を扱うクラシック専門誌にはまず載っておらず、クラシックファンには興味の尽きない、非常に貴重な情報だと思う。
筆者は、本書では、ヨーロッパ三大オーケストラ固有の個性(「良い指揮者とは、私たちの音楽を邪魔しない指揮者のことを言います」という自発性の強いウィーン・フィル、本拠地の音響特性から超弩級の奏者を揃えた低音弦セクションを有するベルリン・フィル、その音と響きがオランダの景色そのものであるコンセルトヘボー管)と、それぞれのオーケストラに関わっってきた指揮者やコンサートマスターなどの物語や挿話を語っている。注目すべきは、並み居る超一流指揮者を押しのけて、コンセルトヘボー管の名コンマス、ヘルマン・クレッバースに、カラヤンに次ぐ多くのページ数を割いていることだ。
こうした中で、特に私の興味を引いたのが、長年にわたってクラシック業界に携わってきて、クラシック業界の裏事情に通じた筆者ならではの生々しい裏情報が、そこかしこにちりばめられていることだった。その一部を挙げると、
・ライヴ録音のCDが日本でベストセラーになった小澤征爾のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートが、結局、二度目がないままに終わってしまった理由とは?
・モーツァルト没後200年記念のウィーン・フィル初のモーツァルト交響曲全集の指揮者として、楽団側からの推薦で選ばれたほどのジェームズ・レヴァインが、二度とウィーン・フィルに招聘されなくなった理由とは?
・ベルリン・フィルの終身音楽監督であったカラヤンが、「この程度のことは」と思ってやってしまった結果、飼い犬に手を噛まれる形で、失意のなかで辞任せざるを得なくなったある行為とは?
・(西本智実とおぼしき)女流人気指揮者の、筆者が「まさか平成の世にこんな風景を見るとは!」と述懐する在京メジャー・オケとの恐怖のリハーサル体験とは?
等々であり、筆者がその仕事柄、見聞きすることの出来たこうした裏情報は、たとえば『音楽の友』や『レコード芸術』といった、専ら差し障りのない表情報を扱うクラシック専門誌にはまず載っておらず、クラシックファンには興味の尽きない、非常に貴重な情報だと思う。
2017年9月21日に日本でレビュー済み
クラシック音楽についてはほとんど知識を持っていませんが、筆者の他書籍が非常に明解で分かりやすく良かったので、タイトルに興味を惹かれた本書も手に取りました。
本書の内容は指揮者の役割というよりは、クラシック音楽を軸にその潮流や著者が実際に見聞きした内容が中心になっていると思います。もちろん、指揮者についてもかなりの文量が割かれていますが、副題の方が適切に内容を表しています。
全体の印象としては著者の他本に見られた明解ではっきりとした意見や確かな知見にもとづく洞察などはあまり感じませんでした。豊富なインタビューや音楽体験であったり、どこかから持ってきた知識などを中心に構成されていると思います。つまり、筆者の考察を中心に組み立てられた本ではなく、筆者の知識を羅列した内容になっています。そのため、文章構成も知識を寄せ集めた流れになっており、まとまりが悪く読み辛いと感じました。また、各章や節にはテーマが割り当てられていますが、本書のタイトルと同じく内容にそぐわない物が多かったです。編集者との疎通が取れてないんでしょうか?著者の他の書籍で見られた良さがほとんど感じられませんでした。
本書の一節に、「小沢征爾という指揮者をどう思うか?」という著者の質問に対して、「小澤は大変優秀な指揮者だ。しかもたいへんな勉強家だ。しかし、その勉強の成果を俺達に披瀝してくれなくてもいい」、というオーケストラ関係者の回答が紹介されいます。この表現が作中で意味する事とは異なりますが、本書を表現する事もできます。つまり、優秀で音楽体験や知識、関係者との交流も豊富だと思います。しかし、それを披露してくれなくていいです。なぜかと言うとそれらを束ねるビジョンがないからです。本書は指揮者の役割をテーマにしていそうですが、それを語るに足りる構想がないため、結局はクラシック音楽全般の話に回帰してしまっていると思います。であれば、別の本にしてくれた方が良かったと思います。本書で優秀な指揮者の条件の1つとして「やりたい音楽のビジョンがある」とありますが、これもまた否定の意味で本書に当てはまるんじゃないかと思います。
著者の他の書籍が優れていたので否定的なレビューになってしまいましたが、新書としては普通の水準だと思います。他の書籍は良く書かれているのでそちらをオススメします。
本書の内容は指揮者の役割というよりは、クラシック音楽を軸にその潮流や著者が実際に見聞きした内容が中心になっていると思います。もちろん、指揮者についてもかなりの文量が割かれていますが、副題の方が適切に内容を表しています。
全体の印象としては著者の他本に見られた明解ではっきりとした意見や確かな知見にもとづく洞察などはあまり感じませんでした。豊富なインタビューや音楽体験であったり、どこかから持ってきた知識などを中心に構成されていると思います。つまり、筆者の考察を中心に組み立てられた本ではなく、筆者の知識を羅列した内容になっています。そのため、文章構成も知識を寄せ集めた流れになっており、まとまりが悪く読み辛いと感じました。また、各章や節にはテーマが割り当てられていますが、本書のタイトルと同じく内容にそぐわない物が多かったです。編集者との疎通が取れてないんでしょうか?著者の他の書籍で見られた良さがほとんど感じられませんでした。
本書の一節に、「小沢征爾という指揮者をどう思うか?」という著者の質問に対して、「小澤は大変優秀な指揮者だ。しかもたいへんな勉強家だ。しかし、その勉強の成果を俺達に披瀝してくれなくてもいい」、というオーケストラ関係者の回答が紹介されいます。この表現が作中で意味する事とは異なりますが、本書を表現する事もできます。つまり、優秀で音楽体験や知識、関係者との交流も豊富だと思います。しかし、それを披露してくれなくていいです。なぜかと言うとそれらを束ねるビジョンがないからです。本書は指揮者の役割をテーマにしていそうですが、それを語るに足りる構想がないため、結局はクラシック音楽全般の話に回帰してしまっていると思います。であれば、別の本にしてくれた方が良かったと思います。本書で優秀な指揮者の条件の1つとして「やりたい音楽のビジョンがある」とありますが、これもまた否定の意味で本書に当てはまるんじゃないかと思います。
著者の他の書籍が優れていたので否定的なレビューになってしまいましたが、新書としては普通の水準だと思います。他の書籍は良く書かれているのでそちらをオススメします。
2011年10月30日に日本でレビュー済み
長年の「聴くだけクラシック・ファン」としては興味深い本です。
著者はクラシック音楽の製作現場などで長年経験を積んできた方らしく、著名オケの楽団員や指揮者達との交流の中で知った「真実」や「裏話」をまとめたという雰囲気の内容。
読む方としては、良い指揮者とそうでない指揮者の理由や事情、オケとの関係等を知りたい訳ですが、カラヤンや小沢征爾、オケではウィーン・フィルなどについては意外な程の新事実もあって結構楽しめました。類書と較べてより深い表現があるわけでもないと思いますが、指揮者やオケのメンバーの「現実」について内部の人間しか知り得ない点に触れている部分が多くて面白いのです。
伝統あるウィーン・フィルは指揮者の選定でも団員の独自性が高く、アバドでさえも「あの方は勉強をしなくなりました」とバッサリ。編成が小さければ指揮者も不要、停電しても大丈夫という音楽家としての能力、自発性の高さが印象的。何故「小沢征爾であり」、何故「小沢征爾でなかったのか?」という現実的な事情や舞台裏も書かれていて、クラシックに対する造詣が深いなんてとても言えないレベルの私には、実際のところ大変興味深く読めました。
ベルリン・フィルについてはカラヤンの台頭と「末路」が・・・。とりたてて新事実はありませんが、車で言えばベンツのような団員の技量の高さ、カラヤンの「戦略」の見事さと、「帝王」でさえもどうにもならなかった自らの「寿命」に対する「無念」さの告白が印象的かな・・・。
全体の三分の一を占めるコンセルトヘボ−は・・・地味ながら実は凄いんです!というような話が多くて面白い。
冒頭で著者は、カリスマ指揮者と呼ばれるに必要な四つの資質について触れています。「統率力」「学習脳力」「経営能力」「天職と人生に対する執念」ですが、登場する指揮者達は誉められるにしろけなされるにしろこの資質は持っているようですね。
もう一つ印象に残っているのが本の書名にもなっている「役割」についてのお話。
オケと指揮者は互いに切磋琢磨する存在でなければいけない、どちらかが「満足」してしまったら進歩は無い!ブレ−ズやゲルギエフは色々な意味で「砥石」の役割を果たしてくれる存在らしい。オケの「指導」ばかりしていて自分を磨くことをしない練習上手の指揮者は必ずしも名指揮者になれるとは限らず、語るべき言葉(音楽)を持たない指揮者は最悪・・・なんて目から鱗の話も実例を交えて語られます。
世界には様々なスタイルのオケや指揮者、音楽家がいて、取りあげられた三大オケや指揮者が「正しい」在り方だというお話ではなく、伝統に培われたそれぞれの個性がそれぞれの音楽性を育んでいるのだと分る本ですね。
当初、ベテランの方の内輪話的な感触が気になりましたが、これだけ濃密で楽しめる内容の本は珍しいとも思えますのでお薦めします。
著者はクラシック音楽の製作現場などで長年経験を積んできた方らしく、著名オケの楽団員や指揮者達との交流の中で知った「真実」や「裏話」をまとめたという雰囲気の内容。
読む方としては、良い指揮者とそうでない指揮者の理由や事情、オケとの関係等を知りたい訳ですが、カラヤンや小沢征爾、オケではウィーン・フィルなどについては意外な程の新事実もあって結構楽しめました。類書と較べてより深い表現があるわけでもないと思いますが、指揮者やオケのメンバーの「現実」について内部の人間しか知り得ない点に触れている部分が多くて面白いのです。
伝統あるウィーン・フィルは指揮者の選定でも団員の独自性が高く、アバドでさえも「あの方は勉強をしなくなりました」とバッサリ。編成が小さければ指揮者も不要、停電しても大丈夫という音楽家としての能力、自発性の高さが印象的。何故「小沢征爾であり」、何故「小沢征爾でなかったのか?」という現実的な事情や舞台裏も書かれていて、クラシックに対する造詣が深いなんてとても言えないレベルの私には、実際のところ大変興味深く読めました。
ベルリン・フィルについてはカラヤンの台頭と「末路」が・・・。とりたてて新事実はありませんが、車で言えばベンツのような団員の技量の高さ、カラヤンの「戦略」の見事さと、「帝王」でさえもどうにもならなかった自らの「寿命」に対する「無念」さの告白が印象的かな・・・。
全体の三分の一を占めるコンセルトヘボ−は・・・地味ながら実は凄いんです!というような話が多くて面白い。
冒頭で著者は、カリスマ指揮者と呼ばれるに必要な四つの資質について触れています。「統率力」「学習脳力」「経営能力」「天職と人生に対する執念」ですが、登場する指揮者達は誉められるにしろけなされるにしろこの資質は持っているようですね。
もう一つ印象に残っているのが本の書名にもなっている「役割」についてのお話。
オケと指揮者は互いに切磋琢磨する存在でなければいけない、どちらかが「満足」してしまったら進歩は無い!ブレ−ズやゲルギエフは色々な意味で「砥石」の役割を果たしてくれる存在らしい。オケの「指導」ばかりしていて自分を磨くことをしない練習上手の指揮者は必ずしも名指揮者になれるとは限らず、語るべき言葉(音楽)を持たない指揮者は最悪・・・なんて目から鱗の話も実例を交えて語られます。
世界には様々なスタイルのオケや指揮者、音楽家がいて、取りあげられた三大オケや指揮者が「正しい」在り方だというお話ではなく、伝統に培われたそれぞれの個性がそれぞれの音楽性を育んでいるのだと分る本ですね。
当初、ベテランの方の内輪話的な感触が気になりましたが、これだけ濃密で楽しめる内容の本は珍しいとも思えますのでお薦めします。
2012年1月6日に日本でレビュー済み
副題にあるとおりヨーロッパの3つの(コンセルトヘボウ
を含めて「三大」と呼ぶのが正しいかどうかわからないが)
オーケストラの指揮者について、著者と懇意の多くの楽団員
の話を交えて書かれた本である。
第一章のウィーンフィルについては、指揮者だけでなく
そのアンサンブルやコンサートマスターの話なども面白く
読めたが、第二章のベルリンフィルは、カラヤンの話が中心
になるのは仕方ないとはいえ、どこかで読んだ話も多く、
ややうんざり。第三章のコンセルトヘボウはあまりなじみが
なかっただけに、コンサートマスターの引き抜きの話など、
興味深かった。
「指揮者の役割」と題するわりには、内容は演奏面が中心
であり、楽団経営、宣伝広報、演奏旅行、団員の採用や育成、
レコーディングなどにかかわる指揮者の話があまりないので
不満が残るし、ある団員の話(指揮者に対する評価など)が、
そのオケを代表するものなのか、その団員だけの少数派の意見
なのかがわからない。
とは言え、作曲家や演奏家や指揮者になりたくてもなれなか
った者が評論家になるのだとも言われ、イタリア語やドイツ語
もわからず楽譜も読めないのに、単にCDに録音された演奏に
よってのみ指揮者を批判する輩が多い今日、この著者は音響
メーカーに勤めていてLPやCDの製作に携わっており、内外の
演奏家の知り合い(自宅に招くほどの仲)が多く、直接いろんな
エピソードが聞けることは強みであろう。
終章には、ソリストで活躍しているがゆえに交響曲を演奏した
ことがないプレーヤーがサイトウキネンで交響曲を練習している
苦労話や、ある東京のオケのメンバーが練習中に某女性指揮者
に罵声をあびせた話など(本当に指揮者が悪いのかどうかわから
ないが)もあり、なかなか面白かった。
を含めて「三大」と呼ぶのが正しいかどうかわからないが)
オーケストラの指揮者について、著者と懇意の多くの楽団員
の話を交えて書かれた本である。
第一章のウィーンフィルについては、指揮者だけでなく
そのアンサンブルやコンサートマスターの話なども面白く
読めたが、第二章のベルリンフィルは、カラヤンの話が中心
になるのは仕方ないとはいえ、どこかで読んだ話も多く、
ややうんざり。第三章のコンセルトヘボウはあまりなじみが
なかっただけに、コンサートマスターの引き抜きの話など、
興味深かった。
「指揮者の役割」と題するわりには、内容は演奏面が中心
であり、楽団経営、宣伝広報、演奏旅行、団員の採用や育成、
レコーディングなどにかかわる指揮者の話があまりないので
不満が残るし、ある団員の話(指揮者に対する評価など)が、
そのオケを代表するものなのか、その団員だけの少数派の意見
なのかがわからない。
とは言え、作曲家や演奏家や指揮者になりたくてもなれなか
った者が評論家になるのだとも言われ、イタリア語やドイツ語
もわからず楽譜も読めないのに、単にCDに録音された演奏に
よってのみ指揮者を批判する輩が多い今日、この著者は音響
メーカーに勤めていてLPやCDの製作に携わっており、内外の
演奏家の知り合い(自宅に招くほどの仲)が多く、直接いろんな
エピソードが聞けることは強みであろう。
終章には、ソリストで活躍しているがゆえに交響曲を演奏した
ことがないプレーヤーがサイトウキネンで交響曲を練習している
苦労話や、ある東京のオケのメンバーが練習中に某女性指揮者
に罵声をあびせた話など(本当に指揮者が悪いのかどうかわから
ないが)もあり、なかなか面白かった。
2012年3月17日に日本でレビュー済み
ものすごく面白い本でした。
私はクラッシックを聞くのは好きですが、それほど詳しいわけではありません(ここに出てくる楽団や指揮者の名前は知っていますが・・)。
その程度の私にとっては(だからこそ?)非常に新鮮な話ばかりで楽しめました。
本書の題名にもある「指揮者の役割」をヨーロッパ3大オーケストラであるウィーンフィル、ベルリンフィル、アムステルダム・コンセルト・へボーの3楽団を取り上げつつ解説しています。
常任指揮者を置かない、自立的な演奏に長けたウィーンフィルは「自分たちの邪魔にならない指揮者」こそが最高の指揮者という発言、帝王からヤンが自分の音楽を実現するために常任指揮者として君臨しつづけたベルリンフィル、第二次大戦の後、急なベイヌムの急逝によりヨッフムとハイティンクの二人の常任指揮者を置きつつ、ヨッフムによるハイティンクの教育という長い道のりを洗濯したコンセルト・ヘボウ。
それぞれに指揮者と楽団との距離感があり、それらが楽団員の発言なども交えて語られているので、臨場感をもった解説となっています。
それと、指揮者と楽団を繋ぐ存在としてコンサートマスターが重要な役割を担っているということも、恥ずかしながら知らなかった事実なので、余計に楽しむ事ができました。
いろいろな楽団員の発言や、奏者の意見・感想を取材した著者の人間関係の広さにも驚きますが、それらを文章として、読み物としてまとめる力量も凄いと思います。これだけの題材を扱っていながら、話がとっ散らからないようにまとめるのは大変な作業だと思います(逆に語り足りなくなっているのかもしれませんが・・)
音楽にそれほど造詣のない私でも楽しめる本です。お薦めできる一冊です。
私はクラッシックを聞くのは好きですが、それほど詳しいわけではありません(ここに出てくる楽団や指揮者の名前は知っていますが・・)。
その程度の私にとっては(だからこそ?)非常に新鮮な話ばかりで楽しめました。
本書の題名にもある「指揮者の役割」をヨーロッパ3大オーケストラであるウィーンフィル、ベルリンフィル、アムステルダム・コンセルト・へボーの3楽団を取り上げつつ解説しています。
常任指揮者を置かない、自立的な演奏に長けたウィーンフィルは「自分たちの邪魔にならない指揮者」こそが最高の指揮者という発言、帝王からヤンが自分の音楽を実現するために常任指揮者として君臨しつづけたベルリンフィル、第二次大戦の後、急なベイヌムの急逝によりヨッフムとハイティンクの二人の常任指揮者を置きつつ、ヨッフムによるハイティンクの教育という長い道のりを洗濯したコンセルト・ヘボウ。
それぞれに指揮者と楽団との距離感があり、それらが楽団員の発言なども交えて語られているので、臨場感をもった解説となっています。
それと、指揮者と楽団を繋ぐ存在としてコンサートマスターが重要な役割を担っているということも、恥ずかしながら知らなかった事実なので、余計に楽しむ事ができました。
いろいろな楽団員の発言や、奏者の意見・感想を取材した著者の人間関係の広さにも驚きますが、それらを文章として、読み物としてまとめる力量も凄いと思います。これだけの題材を扱っていながら、話がとっ散らからないようにまとめるのは大変な作業だと思います(逆に語り足りなくなっているのかもしれませんが・・)
音楽にそれほど造詣のない私でも楽しめる本です。お薦めできる一冊です。