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ミシュラン三つ星と世界戦略 (新潮選書) 単行本 – 2011/10/1
国末 憲人
(著)
- 本の長さ314ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2011/10/1
- ISBN-104106036916
- ISBN-13978-4106036910
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2011/10/1)
- 発売日 : 2011/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 314ページ
- ISBN-10 : 4106036916
- ISBN-13 : 978-4106036910
- Amazon 売れ筋ランキング: - 184,522位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 14,020位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年7月14日に日本でレビュー済み
十九世紀末自転車のタイヤで財をなしたミシュラン社は、二十世紀に入り自動車の普及に伴いタイヤも自動車用生産に移行していたから道路ガイドブックを無料で配布し始めた。
ミシュランタイヤのPRとして、このようなガイドブックを発刊したことは、なにかと華やかなベル・エポック時代を迎えた当時としても、ミシュランの卓越した戦略であったことは、戦時に休刊したことを例外としても現代まで続くミシュランガイドの歴史が証明している。
1920年以降、このガイドブックも有料となったが、有料となった発端のエピソードが面白い。
この頃、ある修理工場を訪ねたミシュラン兄弟は、傾いた作業台の足代わりとしてミシュランガイドが地面に積み重ねているのを見かけて「人間は金を払って買ったものしか大切にしない」と考え有料化にしたそうである。
ミシュランガイドのレストラン評価は、1925年に始まった時には、現在の表記であるマカロンではなく本当の★印で、評価段階も1★から5★までだったようである。(P148〜149)
1930年には、まだ5段階で評価をしていたが、ホテルレストランの表示は★で、独立したレストランでは、マカロンに変更されているが5段階評価だったことを、著者が日仏会館の図書館にあった1930年版のミシュランガイドで確認している。(P151)
例として当時のパリ左岸サンミシェル近くの「ラペールズ」が四つ星、フランスで最も権威のある文学賞「ゴンクール賞」の選考場所として知られているオペラ座近くの「ドルーアン」が三つ星となっている。(P151)
ここまで読んできた私は、1990年の夏のスイス山歩き旅の帰りパリ経由で帰国する前に、ひょんなことからこの「ドルーアン」で夕食を食べたのを思い出してしまった。
確かその時のミシュラン評価は、一つ星でしたが、ネットで調べたら今でも一つ星でした。
私の経験を言わせてもらえば、海外旅行で帰国を前にしているころは、身体も胃も疲れている我ら庶民は、星付レストランなどは避け、本書で紹介していたような肩の凝らないビストロを探して好きなものだけをチョイスして食べたほうがいいかな〜、と思ったのです。
ま〜、今となっては、パリの星付レストランで食事したのは良い思い出となってはいますが・・・。
ミシュランガイドは、2007年から日本版も発刊されているが、著者のインタビューで作家の宇田川悟氏が「ミシェランガイドの日本版はフランス料理だけにしておくべきだった」というような見解を述べていたのを、私も納得してしまった。
何故ならミシュランのレストラン覆面調査員が、あまりにも少なすぎるのではないかと危惧したからである。
本書ではミシュランという会社の歴史を知ることもでき、「三ツ星を食べ歩く男の冒険譚」などミシェランガイドに纏わる多くの裏話なども挿入されていたから面白く読ませてもらった。
ミシュランタイヤのPRとして、このようなガイドブックを発刊したことは、なにかと華やかなベル・エポック時代を迎えた当時としても、ミシュランの卓越した戦略であったことは、戦時に休刊したことを例外としても現代まで続くミシュランガイドの歴史が証明している。
1920年以降、このガイドブックも有料となったが、有料となった発端のエピソードが面白い。
この頃、ある修理工場を訪ねたミシュラン兄弟は、傾いた作業台の足代わりとしてミシュランガイドが地面に積み重ねているのを見かけて「人間は金を払って買ったものしか大切にしない」と考え有料化にしたそうである。
ミシュランガイドのレストラン評価は、1925年に始まった時には、現在の表記であるマカロンではなく本当の★印で、評価段階も1★から5★までだったようである。(P148〜149)
1930年には、まだ5段階で評価をしていたが、ホテルレストランの表示は★で、独立したレストランでは、マカロンに変更されているが5段階評価だったことを、著者が日仏会館の図書館にあった1930年版のミシュランガイドで確認している。(P151)
例として当時のパリ左岸サンミシェル近くの「ラペールズ」が四つ星、フランスで最も権威のある文学賞「ゴンクール賞」の選考場所として知られているオペラ座近くの「ドルーアン」が三つ星となっている。(P151)
ここまで読んできた私は、1990年の夏のスイス山歩き旅の帰りパリ経由で帰国する前に、ひょんなことからこの「ドルーアン」で夕食を食べたのを思い出してしまった。
確かその時のミシュラン評価は、一つ星でしたが、ネットで調べたら今でも一つ星でした。
私の経験を言わせてもらえば、海外旅行で帰国を前にしているころは、身体も胃も疲れている我ら庶民は、星付レストランなどは避け、本書で紹介していたような肩の凝らないビストロを探して好きなものだけをチョイスして食べたほうがいいかな〜、と思ったのです。
ま〜、今となっては、パリの星付レストランで食事したのは良い思い出となってはいますが・・・。
ミシュランガイドは、2007年から日本版も発刊されているが、著者のインタビューで作家の宇田川悟氏が「ミシェランガイドの日本版はフランス料理だけにしておくべきだった」というような見解を述べていたのを、私も納得してしまった。
何故ならミシュランのレストラン覆面調査員が、あまりにも少なすぎるのではないかと危惧したからである。
本書ではミシュランという会社の歴史を知ることもでき、「三ツ星を食べ歩く男の冒険譚」などミシェランガイドに纏わる多くの裏話なども挿入されていたから面白く読ませてもらった。
2013年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ミシュランのグルメガイドを中心にミシュランという会社、一族を横に縦に描いた力作。勉強になりました。
2011年12月23日に日本でレビュー済み
本書は、有名なミシュランガイドブック(レストランを星で評価するガイドブック)について記述した本です。
(a) 評価されるシェフの独創性ある料理や店づくり、その反面、プレッシャーに押しつぶされて自殺するシェフさえいる現実、(b) 評価する側の調査員の生活や調査方法、(c) 三つ星店を訪ねる旅をしようとした男のエピソードなど、このガイドについて多面的にとりあげています。
そしてさらには、このガイドを発行しているフランスのタイヤメーカーとしてのミシュランについても、その歴史を詳しく記述しています。
あまりにも有名なために、何となくわかったような気になっているミシュランガイドブックですが、この本を読んでいると様々な発見があり、「なるほどねえ」と興味を惹かれながら読めます。
何よりも「料理やレストランとは何なんだろう」と考えさせられますし、フランス料理やフランス文化についても考えさせられます。「近年、アメリカや日本のレストランガイドにまで拡大することでミシュランガイドブック自身の性格が変わらざるを得なくなっている」ということが書かれていますが、それは「料理やレストランはその国の文化そのものであること」をあらわしているのでしょう。
ていねいにじっくりと取材した成果を凝縮した本であり、内容の濃い、充実した本です。
お薦めできる本と思います。
(a) 評価されるシェフの独創性ある料理や店づくり、その反面、プレッシャーに押しつぶされて自殺するシェフさえいる現実、(b) 評価する側の調査員の生活や調査方法、(c) 三つ星店を訪ねる旅をしようとした男のエピソードなど、このガイドについて多面的にとりあげています。
そしてさらには、このガイドを発行しているフランスのタイヤメーカーとしてのミシュランについても、その歴史を詳しく記述しています。
あまりにも有名なために、何となくわかったような気になっているミシュランガイドブックですが、この本を読んでいると様々な発見があり、「なるほどねえ」と興味を惹かれながら読めます。
何よりも「料理やレストランとは何なんだろう」と考えさせられますし、フランス料理やフランス文化についても考えさせられます。「近年、アメリカや日本のレストランガイドにまで拡大することでミシュランガイドブック自身の性格が変わらざるを得なくなっている」ということが書かれていますが、それは「料理やレストランはその国の文化そのものであること」をあらわしているのでしょう。
ていねいにじっくりと取材した成果を凝縮した本であり、内容の濃い、充実した本です。
お薦めできる本と思います。
2012年9月30日に日本でレビュー済み
ウンチクのネタにはミシュランガイドを知りたい人にも、企業としてのミシュランを知りたい人も満足出来るのではないでしょうか。筆者はジャーナリストだけあって、自分で調査・インタビューされた情報を元にした内容には時代性も感じられる、素敵な本だと思います。
ミシュランガイドの日本上陸とその影響が、グローバル化した世界でもやっぱり人間は変わんないんだぁって、国際化の問題も考えさせてくれた、おまけ付き。私はここから得られる示唆がとても収穫になりました。
ミシュランガイドの日本上陸とその影響が、グローバル化した世界でもやっぱり人間は変わんないんだぁって、国際化の問題も考えさせてくれた、おまけ付き。私はここから得られる示唆がとても収穫になりました。
2011年11月22日に日本でレビュー済み
書店で手に取った時は、単なるミシュランガイドに関する書籍かと思った。しかし、読み進めると、ミシュランガイドと世界的なタイヤメーカーのミシュラン社の関係が明確に浮かび上がってきて大変興味深く読むことができた。もちろん、ミシュランガイドについても詳細な記述があり、その部分のみでも楽しむことができる秀逸な書である。
2011年12月14日に日本でレビュー済み
日本でミシュランといえば、レストランガイドをすぐに思い浮かべる。もちろん、あの独特のキャラクター(ビバンダムというらしい)のタイヤメーカーという存在も想起するものの、すぐには両者は結びつかない。
本書はそのミシュランの創業者のエドワールと兄アンドレから始まる。
当初は自転車のタイヤから始まりモータリゼーションの波とともにその地位を不動にしていく。一方で、アンドレは無料のガイドブックを配布することから始まり、1930年当時からすでに、レストランとホテルに星による格付けを始めている。
今、フランスでは三つ星をめぐるし烈な競争と一方でこれに対する反発も見られる。
三つ星を獲得するために、腕を磨くシェフもある一方で、星を減らされ自殺する者もいる。
その料理も庶民には手の届かない高価なものであり、スペインにあるレストラン「エル・ブリ」では分子調理法なる素材がなんだかわからなくする料理が脚光を浴び、今や主流になりつつあるという。
一方で、三つ星とはかかわりなく大衆食堂であるビストロを展開する動きや、せっかく三つ星を受けたにもかかわらず返上する動きがもう一つある。
そして、日本版ミシュランガイドである。
2007年の出版の時は大騒ぎになった記憶があるが、いまや書店でもあまり見かけない。
その原因については、本書でもいろいろ分析している。
しかし著者は、「料理とはそれを出す店と食べる客との二者の関係だけでは完結しない。レストランもシェフも客も食材も『食文化』という体系の中で役割を担うからこそその一つ一つが輝いてくる。」という。とすれば、ミシュランとはフランスという食文化のうえに咲いた花のような存在かもしれない。
いずれにせよ、庶民にはほど遠い世界であることだけは確かである。
本書はそのミシュランの創業者のエドワールと兄アンドレから始まる。
当初は自転車のタイヤから始まりモータリゼーションの波とともにその地位を不動にしていく。一方で、アンドレは無料のガイドブックを配布することから始まり、1930年当時からすでに、レストランとホテルに星による格付けを始めている。
今、フランスでは三つ星をめぐるし烈な競争と一方でこれに対する反発も見られる。
三つ星を獲得するために、腕を磨くシェフもある一方で、星を減らされ自殺する者もいる。
その料理も庶民には手の届かない高価なものであり、スペインにあるレストラン「エル・ブリ」では分子調理法なる素材がなんだかわからなくする料理が脚光を浴び、今や主流になりつつあるという。
一方で、三つ星とはかかわりなく大衆食堂であるビストロを展開する動きや、せっかく三つ星を受けたにもかかわらず返上する動きがもう一つある。
そして、日本版ミシュランガイドである。
2007年の出版の時は大騒ぎになった記憶があるが、いまや書店でもあまり見かけない。
その原因については、本書でもいろいろ分析している。
しかし著者は、「料理とはそれを出す店と食べる客との二者の関係だけでは完結しない。レストランもシェフも客も食材も『食文化』という体系の中で役割を担うからこそその一つ一つが輝いてくる。」という。とすれば、ミシュランとはフランスという食文化のうえに咲いた花のような存在かもしれない。
いずれにせよ、庶民にはほど遠い世界であることだけは確かである。