スパイ・ゾルゲについて調べている中で参考に読んだ。
活動の秘匿性からというより、調査を始めた時点で既に関係者が他界しており、調査自体が極めて困難な時期にここまで調べたのは限界であったと思われる。技術的な記述について間違いが幾つかあったが、少し知識があればそれを正しく修正する事が可能なレベルである。
最後に探し当てた関係者のY氏でとのインタビューであるが、Y氏は軍人でも特高でもない只の官僚であるが、官僚独特の狭量さがインタビューを殆ど不可能にしている。せっかく探し当てた関係者にもかかわらず、筆者は本当に残念であったと思われる。
記念撮影を依頼して叱責を受けるというのは殆ど精神が屈折した人物と見受けた。
特務機関「ヤマ」について全体を知るには絶好の一冊と考える。
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昭和史発掘幻の特務機関「ヤマ」 (新潮新書 26) 新書 – 2003/7/1
斎藤 充功
(著)
密偵・盗聴・傍受・暗殺。初めてベールを脱いだ最強のスパイ組織。
日本にもかつて防諜、謀略を担っていた極秘の組織があった。その名は通称「ヤマ」。戦後これまでも世に出ることはなかった存在である。わずかながらの手がかりを元に生き残りの関係者や資料をたどっていくと、次第に驚くべき実態が露になってきた。信書の開封、電話の盗聴、スリを使った秘密文書の入手、時に人殺しすら……。そして定説を覆す、「二十世紀最大のスパイ事件」ゾルゲ一団の摘発の真相も明らかに。
- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2003/7/1
- ISBN-104106100266
- ISBN-13978-4106100260
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2003/7/1)
- 発売日 : 2003/7/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 190ページ
- ISBN-10 : 4106100266
- ISBN-13 : 978-4106100260
- Amazon 売れ筋ランキング: - 783,976位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2018年7月24日に日本でレビュー済み
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2010年7月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書はお世辞にも質が高いとは言えない。数少ない生き残りに対する取材によって、幻の特務機関「ヤマ」の実像を浮かび上がらせるという手法がとられているが、インタビューだけで、しかも単一の証言だけで事実を断定する箇所が多く、挙げ句の果てには推論が事実と化してしまっている箇所が少なくなかった。ジャーナリストとして最もやってはいけないことである。情報源が少ないことは読者も理解できるので、確たることは言えないことについては謙虚にその旨書くべきであろう。また、本書は「ヤマ」についての本でありながら、他の防諜機関や情報機関の話についてもダラダラ書かれており、今ひとつ焦点を絞りきれていない印象を受けた。
他方で、取材にかける筆者の執念は大したものであり、これだけでも評価に値するのかもしれない。また、ゾルゲ機関を探知したのは「ヤマ」の電波傍受機関だったという筆者の仮説は大変興味深いものである。このように本書には見るべき点があるのだが、上記のような難点もあり、さらに情報源が極端に限定されているため、大変評価が難しい書物となってしまっている。
他方で、取材にかける筆者の執念は大したものであり、これだけでも評価に値するのかもしれない。また、ゾルゲ機関を探知したのは「ヤマ」の電波傍受機関だったという筆者の仮説は大変興味深いものである。このように本書には見るべき点があるのだが、上記のような難点もあり、さらに情報源が極端に限定されているため、大変評価が難しい書物となってしまっている。
2008年6月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
資料が少ない諜報機関の取材に挑んだ著者の努力は認めるが、残念ながら勉強不足というものだろう。引用される文献が「本屋に並んでいる」程度のものだけでは話にならない。
特に著者の無線などの技術に関しては基本的な知識に欠けており、記述、評価に関しては間違いだらけでまったく当てにならない。
日本の諜報機関や戦時中の情報戦に関心をもたれたら、本書から先に読むことはお勧めしない。現代史一般を含め、より信頼度の高い文献で基礎知識を得た上で読む分にはそれなりに役に立つ。
特に著者の無線などの技術に関しては基本的な知識に欠けており、記述、評価に関しては間違いだらけでまったく当てにならない。
日本の諜報機関や戦時中の情報戦に関心をもたれたら、本書から先に読むことはお勧めしない。現代史一般を含め、より信頼度の高い文献で基礎知識を得た上で読む分にはそれなりに役に立つ。
2005年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「幻の特務機関」というだけあって、少ない痕跡から細い糸を手繰り寄せるように取材を重ねていった・・・という作者の執念を感じる一冊。
本が手元に届いたとき頁数が想像よりも少ないと思ったが、読み終えてみるとノンフィクションのリアルな結果がこのボリュームなのだと納得させられた。作者の三年に及ぶ地道な情報収集が余すとこなく纏められている。
本が手元に届いたとき頁数が想像よりも少ないと思ったが、読み終えてみるとノンフィクションのリアルな結果がこのボリュームなのだと納得させられた。作者の三年に及ぶ地道な情報収集が余すとこなく纏められている。
2006年7月19日に日本でレビュー済み
日本における極秘の諜報機関の存在を著者が根気よく取材して初めて紹介した本。著者はその機関が官制外の組織として9年間は存在し、ゾルゲ諜報団の摘発や吉田茂逮捕事件に関わっていたことを明らかにした。しかしそれは全体から言えばほんの一部分であったろう、とにかく関係者の口は固く記録のほとんどが廃棄されてしまった。
ヤマ機関は創設1年で司令塔となる本省だけで総勢265人からのスタッフを抱えるほどに規模は拡大したが、その実効性はいかほどのものであったろうか?ゾルゲらを逮捕することはできたがそれは一味が解散する寸前で、国家レベルの機密事項はすでに盗まれていた。また偽造紙幣を発行して蒋介石政権を経済撹乱する目的で高価な印刷機械を購入するが、中国経済の急速に拡大したインフレで効果がほとんどなかった。
他にも生死に関わるとき以外は絶対に提示してはいけない「特命身分証明書」を簡単に特高刑事に提示したり、本部の金庫に保管していた「軍事極秘書」「対ソ経済謀略資料」の一部が部内同僚の手によって開戦前のソ連大使館に売り渡されそうになったことが書かれてある。またヤマ機関とは関係ないが、終戦の前年にソ連に派遣された陸軍中佐と航空大尉が暗号書をモスクワに届けるという重大使命を忘れて、シベリア鉄道の車中で見ず知らずのロシア人から振舞われたウォッカを飲んで中佐は服毒死、大尉も一命は取り留めたものの暗号書はカメラに盗写されてしまう不祥事があった。諜報活動自体に対する認識の甘さを感じる。外務省や海軍の暗号電報が解読されていた有名な話も考慮すると、情報戦では大差がついていたと痛感する。
ヤマ機関は創設1年で司令塔となる本省だけで総勢265人からのスタッフを抱えるほどに規模は拡大したが、その実効性はいかほどのものであったろうか?ゾルゲらを逮捕することはできたがそれは一味が解散する寸前で、国家レベルの機密事項はすでに盗まれていた。また偽造紙幣を発行して蒋介石政権を経済撹乱する目的で高価な印刷機械を購入するが、中国経済の急速に拡大したインフレで効果がほとんどなかった。
他にも生死に関わるとき以外は絶対に提示してはいけない「特命身分証明書」を簡単に特高刑事に提示したり、本部の金庫に保管していた「軍事極秘書」「対ソ経済謀略資料」の一部が部内同僚の手によって開戦前のソ連大使館に売り渡されそうになったことが書かれてある。またヤマ機関とは関係ないが、終戦の前年にソ連に派遣された陸軍中佐と航空大尉が暗号書をモスクワに届けるという重大使命を忘れて、シベリア鉄道の車中で見ず知らずのロシア人から振舞われたウォッカを飲んで中佐は服毒死、大尉も一命は取り留めたものの暗号書はカメラに盗写されてしまう不祥事があった。諜報活動自体に対する認識の甘さを感じる。外務省や海軍の暗号電報が解読されていた有名な話も考慮すると、情報戦では大差がついていたと痛感する。