世に溢れる女ヂカラ・乙女心・女子魂をくすぐり掴もうとする化粧品業界(主にメーカー)の熾烈な競争の舞台裏を中立的に見つめた本だと感じました。メーカーやメディアが発信する情報を無批判に賛美するわけではなく、ナンセンスなバッシングにも距離を置いて冷静に対し、「夢見がちなリアリスト」のコスメユーザーでもある女性による客観的なレポートだという印象で、好感の持てる一冊でした。
内容は「美白」「リップメイク(主に口紅)」「アイメイク」「ナチュラル志向」「アンチエイジング」「百貨店チャネル」「PRにおける情報戦」の7章から成っています。前半からの5章は化粧文化やトレンドの歴史なども紐解きながら、各メーカーが繰り広げた技術開発からプロモーションまで様々な競争を簡潔にポイントを押さえつつ、普段は表舞台に出ないOEM企業の活躍にまで言及していて興味をそそります。
最後の2章は、「チャネル」「メディア」という戦場の舞台裏に迫っています。化粧品ビジネスのトレンドに大きな影響を与える百貨店、女性・美容情報誌や美容ライター・ジャーナリストたちへのアプローチや駆け引き、共同がどのように行われているかを深堀りしています。
全体を通して偏りのないスタンスでコンパクトにまとめつつ、適度に批評も加え、興味深いネタも随所に盛り込まれています。化粧品業界に関わりたい方や関わって日の浅い方、さらっと全体像を把握したい方、コスメが大好きで自らクチコミしてるような方々にオススメできそうです。特に、メーカーやメディアの流すうわべだけの情報に踊らされがちなコスメブロガーやクチコミニストたちにとって、夢見るリアリストとしての姿勢も学びうるのではないかと感じました。
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夢と欲望のコスメ戦争 (新潮新書 109) 新書 – 2005/3/1
三田村 蕗子
(著)
- 本の長さ183ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2005/3/1
- ISBN-104106101092
- ISBN-13978-4106101090
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2005/3/1)
- 発売日 : 2005/3/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 183ページ
- ISBN-10 : 4106101092
- ISBN-13 : 978-4106101090
- Amazon 売れ筋ランキング: - 379,369位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 111位サービス・小売一般関連書籍
- - 852位新潮新書
- - 36,304位科学・テクノロジー (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2005年4月9日に日本でレビュー済み
化粧品を使う身にとって、徹底糾弾ではない、ヨイショ持ち上げではない、この位の湯加減が何とも心地よい。
「わかっちゃいるけど…」使いたいんだもの。
「わかっちゃいるけど…」使わないなんていやなんだもの。
そんな心理を著者自身が実感として包み込んでいるから、辛口な実態もパロディ的に楽しめる。
特に、80年代初頭あたりから化粧に馴染み、1ブランドのめり込みではない化粧品ユーザーにとっては、「おもしろすぎ!」な切り口だ。
「わかっちゃいるけど…」使いたいんだもの。
「わかっちゃいるけど…」使わないなんていやなんだもの。
そんな心理を著者自身が実感として包み込んでいるから、辛口な実態もパロディ的に楽しめる。
特に、80年代初頭あたりから化粧に馴染み、1ブランドのめり込みではない化粧品ユーザーにとっては、「おもしろすぎ!」な切り口だ。
2010年3月15日に日本でレビュー済み
マーケティングやサイエンスなど、企業の営利活動と、ギャルの化粧とがうまく絡み合って、いい味の内容となっています。この業界に飛び込む前にご一読をおすすめします。
2006年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本における化粧品市場の変遷、化粧品の流行、さまざまなチャネルにおける化粧品販売の現場など、化粧品のマーケティングに関わるさまざまなトピックスがわかりやすくまとめられている。
純金よりもグラム単位で高価な化粧品が売れている現実。美白、ガングロがもたらした意外な所への影響、目力ブームを支えた鉛筆業界など、さまざまなテーマをユニークな切り口で紹介し、文章も簡潔にまとめられて読みやすくまとめられている。
同著者による「最前線 化粧品業界 知りたいことがスグわかる」(こう書房)と合わせれば、化粧品業界の成り立ちを簡単に一望することができる。
これから化粧品業界を目指す人、化粧品のマーケティングに携わったばかりの人におすすめの一冊。
純金よりもグラム単位で高価な化粧品が売れている現実。美白、ガングロがもたらした意外な所への影響、目力ブームを支えた鉛筆業界など、さまざまなテーマをユニークな切り口で紹介し、文章も簡潔にまとめられて読みやすくまとめられている。
同著者による「最前線 化粧品業界 知りたいことがスグわかる」(こう書房)と合わせれば、化粧品業界の成り立ちを簡単に一望することができる。
これから化粧品業界を目指す人、化粧品のマーケティングに携わったばかりの人におすすめの一冊。
2008年6月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
うすうすそうではないかな、と思っていたことが、やはり、、と理解できました。分かっていてもなかなか行動が変らないのが現実です。
2005年4月3日に日本でレビュー済み
戦後の化粧品の流行を駆け足で追いかけた本。とりたてて目新しいところは無い。しかし読みやすいので、タイトルの通り、化粧品メーカーなどに就職したい人は、予備知識として読んでおくといいだろう。
2005年5月7日に日本でレビュー済み
化粧品業界の変遷、メイクの流行の変遷をおった本書は男の私としては非常に興味深く読む事が出来た。個人的には、戦時中にも化粧は禁止されなかった事実、美白は外国人への憧れから生まれたものではない、ということを驚きとともに知ることが出来た。また大手ブランドと通販ブランドの戦略の違い等興味深い記述が盛りだくさんであった。
女性の化粧に対する思いを再確認しました。
女性の化粧に対する思いを再確認しました。