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宝石の裏側 (新潮新書 195) 新書 – 2006/12/14

3.4 5つ星のうち3.4 12個の評価

商品の説明

抜粋

まえがき
 
 
 宝飾品は人類の歴史が始まって以来、権力の象徴として、あるいは呪術や占い
の道具として使われてきました。長い間限られた人たちに独占されていた宝飾品
ですが、二十一世紀の日本では誰もが宝飾品の楽しみを享受できるようになりま
した。
 巷にこれほど宝飾品が氾濫している時代はかつてなかったでしょう。
 銀座の目抜き通りには有名ブランドの旗艦店が進出し、一千万円を超える宝飾
品がショーウィンドウに並べられている一方、百貨店や大型スーパー、ディスカ
ウントショップでもサンダル履きで気軽に宝飾品が買えるようになりました。種
類も実に豊富になり、見つけることができないのは親指にするリングぐらいだ
と言われるほどです。
 日本は確かに"ジュエリー大国"の仲間入りをしました。戦後の驚異的な経済発
展が日本を"ジュエリー大国"に押し上げたのです。宝飾品に使われる金やダイヤ
モンドの輸入量は世界で三本の指に入っています。
 しかし、この国の宝飾文化は欧米諸国に追いついたかというと、残念ながらそ
うではありません。市場にあふれているのは大量生産された宝飾品がほとんど
で、装う人を高めてくれるような個性的な宝飾品を身につけている女性はめった
に見かけません。ジュエリー大国になったといっても、巨大市場になったという
だけのことなのです。
 多くの女性はきっとこんな経験をしたことがあるでしょう。店頭で気に入って
買ったけれど、冷静になってみると何でこんな物を買ってしまったのかと嫌な思
いだけが残ってしまった。いわゆる衝動買いというやつです。そんな後悔の種に
なるような代物はタンスの奥にほったらかしにされ、ついにはしまっておいた場
所まで忘れてしまった。
 こういう話を耳にすると、三十年以上宝飾店を営んできた私としては悲しい
気持ちになってしまいます。
「死蔵」という言葉がありますが、タンスや宝石箱の中に眠ったままで、日の目
を見ることのない宝飾品は死んだも同然です。永い間地殻の中に眠っていた原石
(ジェムストーン)が採掘され、人間の手によって研磨が施されて貴石(プレ
シャスストーン)となり、職人の技術によって作り上げられる宝飾品。自
然の恵みと人類の英知が結びついて生まれた宝飾品が、持ち主に忘れ去られてま
た長い眠りについてしまうのでは何の意味もありません。
 日本の宝飾事情を貧しくした第一の原因は、買い手側の宝飾品に対する理解不
足があげられるでしょう。しかし、売り手側にも問題がなかったわけではありま
せん。同業者として、むしろ私は売り手の方こそ罪が深いと感じています。
 八〇年代以降、宝飾品は大量生産、大量消費の時代になりました。当然売り手
の側の販売競争は激しさを増し、二重価格による価格操作、キャッチセールス紛
いの折り込みチラシ、有名タレントを起用したテレビショッピングなど、消
費者の目を惑わす方向へエスカレートしていきました。行きすぎた価格破壊は品
質破壊を招き、ついにはディスカウント店や量販店だけでなく、百貨店までもが
粗悪な商品を客寄せの道具に使うようになってしまったのです。
 このように大量に流通している宝飾品はもはやジュエリーではなく、雑貨品
(ファンシーグッズ)としか言いようがありません。
 オモチャのような代物でわが身を飾っているご婦人が、どうしてこんなにも多
いのか。目を覆いたくなるような状況です。
 この本には、長年宝飾店を営んできた中で見たこと、考えたことを、できるだ
け包み隠さず記すようにしました。
 ブランド品の原価が数百円ということや、多くの宝石が人工的に着色されてい
ること、また通信販売のカラクリなどを知ってショックを受けられる方もいらっ
しゃるかもしれません。また同業者の中には、「余計なことを言うな」と怒られ
る方もいらっしゃるかもしれません。
 しかし、私はこの本を業界の裏事情を暴露したいがために書いたわけではあり
ません。むしろ逆です。宝石は、その価値について正しく知ることができれば他
では得られない喜びを与えてくれます。
 電化製品や自動車は購入して時間が経過するにつれて価値が下がっていきます
が、宝飾品は時間の流れとともに価値が増していき、つけている人を光り輝かす
かけがえのないものになっていくのです。
 少しでも皆様の宝飾品についての理解が深まれば、著者としては本望です。
 そして、この本があなただけの、至高の宝飾品に出会うための水先案内になれ
れば幸いです。

著者について

1940(昭和15)年静岡県清水市生まれ。日本ルーテ
ル学院神学大学卒業。法政大学大学院修士課程修了。1975年宝飾工房「弥馬
屋」を設立。その後、宝飾品の国内卸業、海外輸出業に携わり、現在はオリジナ
ル創作ジュエリーの製作・販売に専念している。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2006/12/14)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2006/12/14
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 191ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4106101955
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4106101953
  • カスタマーレビュー:
    3.4 5つ星のうち3.4 12個の評価

著者について

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内藤 幹弘
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