天才とはモノの見方が常識からずらしてみることができ、それを表現できる稀な人なのだろう。
そして天才は理解するのではなく、受け入れられるか拒否されるかの二択なのだ。
受け入れた人は熱心なファンになる。
この本はそんな思いが詰まっている。
物理は門外漢なのでほとんど理解できない。
でも一つだけ理解できたことがある。
それは重力は空間の歪みということだ。
質量に応じて空間はゆがむ。そこにお互いが転がり込もうとする。
それが重力の本質。だからスピードとかの概念が入り込む余地がない。
なんとも簡単な説明だ。
不思議なことに同じ記述は過去に何冊かの解説書で目にしていた。
でも、理解できなかった。
本書を読んでなぜか、得心した。
別に明文ではない。むしろ感情が端々に現れて読みにくい。
だが、その思いに押されて空間の歪みという概念を理解できた。
正直なところ古典物理学と量子学の違いはわからない。
もっとも、後者の祖たるアインシュタインは前者に与していたという。
単に凡俗の非才故に思考の迷路にはまったということではないらしい。
かの人の頭脳であっても常識にとらわれれば見えないものがあるということだろう。
そこに人間味を感じる。
やっと、アインシュタインのファンになれそうだ。
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