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ロック・フェスティバル (新潮新書 222) 新書 – 2007/7/1
謀な挑戦だった巨大イベントがいかにして成長し、定着したか。対抗する都
市型フェス、サマー・ソニックの魅力とは何か。ステージ、バックステージ、観
客席のそれぞれのドラマを綿密なインタビューを元に再現する。出演ミュージ
シャンの貴重な証言も満載。主要なフェスの出演者完全リスト付。すでに行った
人もこれから行く人も必携の一冊
- 本の長さ222ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2007/7/1
- ISBN-104106102226
- ISBN-13978-4106102226
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商品の説明
抜粋
梅雨が明け、夏空が広がると、「いよいよ、フェスの季節がやってきたな」と
いう気分が盛り上がる。「仕事」という大義名分の下、十年にわたって、炎天下
の中のフェス巡りを続けてきた。
かつて、夏の野外音楽祭と言えば、ジャズ・フェスが主流だった。その流れを
劇的に変え、ロック・フェスを主役の座に押し上げるきっかけになったのが、一
九九七年に産声を上げたフジ・ロック・フェスティバルだった。本書が店頭に並
ぶほぼ一年前の二〇〇六年七月、その記念すべき十回目にも立ち会った。
新潟・苗場スキー場に隣接する大自然に囲まれた一角に、大小十一の舞台が
設置され、午前中から深夜まで、国内外合わせ約二百組が熱演を繰り広げた。
ロックにヒップホップの要素を導入した作風で、オルタナティブロックの先駆者
として絶大な人気を誇るレッド・ホット・チリ・ペッパーズが、ファンク色の
強い豪快な演奏を繰り広げれば、日本のテクノの代表格で、海外でも高く評価さ
れる電気グルーヴは、大画面のスクリーンにCG映像映し出すなど、凝った
視覚的効果を駆使して、スケール感のあるステージを見せる。彼らが出演した三
日開催の中日、七月二十九日は、午後から激しい雨となったが、観客は皆慣れた
もので、雨具で武装して、舞台の前に陣取る。悪条件の中、さしたる混乱もな
く、思い思いにライブを楽しんでいる様子に、第一回フジ・ロックを知る身とし
ては、「ああ変わったんだなあ」という感慨が沸いてくる。
そう、初回は台風の直撃を受け、目を覆いたくなる大混乱の中、二日間開催の
二日目を中止せざるを得ないという散々の幕開けだったのだ。そう言えば、レッ
ド・ホット・チリ・ペッパーズも電気グルーヴも第一回の出演者だった。彼ら
は、どんな思いで十年間の変化を受け止めたのだろう? ロック・フェスが定着
していくには、決して平坦でない道のりがあった。そして、困難を乗り越えるた
めの様々な試行錯誤の結果、ロック・フェスは、「海外の人気アーティストがい
くつも見られるお得なイベント」という枠を超え、ロックの歴史や多様性、その
時々の潮流を、肌で感じさせてくれる文化的な祭典として、日本でも成長するこ
とができたのだ。
幸いにして、新聞社の文化部音楽記者として、ロック・フェス誕生から十
年間の軌跡を追う機会に恵まれた。その間、洋楽系のロック・フェスにはほぼ皆
勤し、関係者の取材を通し、ある程度は舞台裏の事情も知ることができた。この
本では、自分なりに、日本の洋楽系ロック・フェスの歩みをまとめてみた。同
時に、手にしてくれた読者にとって、ロック・フェスを楽しむ一助になれば、
幸いだ。
著者について
業。読売新聞に入社後、静岡支局を経て、文化部。ポピュラー音楽を担当し、
第1回目のフジ・ロック・フェスティバル以降、ほぼすべての洋楽系フェスティ
バルを取材する。共著に『テレビ番組の40年』など。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2007/7/1)
- 発売日 : 2007/7/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 222ページ
- ISBN-10 : 4106102226
- ISBN-13 : 978-4106102226
- Amazon 売れ筋ランキング: - 554,219位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 200位ポピュラー音楽論・理論
- - 1,098位新潮新書
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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洋楽フェス定着までの道のりが新書で読める日が来るとは夢にも思いませんでした。
ライブ評は表面的だし、事業モデルとしての側面を精緻に分析したものでもありませんが、
フェスティバル10年史を駆け足で振り返るには絶好のテキストだと思います。
巻末に収められた06年までの主要フェス出演者リストだけでも「買い」でしょう。
個人的には、06年のウドーミュージックフェスティバルの興行的失敗をもっと掘り下げてほしかった。
それによってオルタナと懐古趣味に偏ったフェスの同質化問題に鋭く切り込むこともできたのでは?
後半では海外フェスの現況にも触れていますが、
全米最大の催しとなったボナルーミュージックフェスティバルに言及していないのはいかがなものでしょうか。
ジャンルを問わず、知名度の低い実力派をどんどん参加させるボナルーの思想こそ、
日本のプロモーターや音楽メディア、リスナーに最も欠けていることだと思います。
本書を「序論」とし、西田氏にはより緻密な音楽フェスティバル論を期待します。
日本におけるロックフェスの前史とその後の巨大ビジネスに発展するまでを、やや駆け足ではあるが、網羅している。
ロック界の歴史書とみるよりも、イベンタービジネスの成り立ちと課題について役に立つ書である。
振り返った本書を読めば、台風直撃の大混乱で始まった「第一回フジロック」が、すべての教訓になっていたように思う。
精密でサービス精神にあふれる運営、客側のマナーとボランティア精神。
これが生まれた原点が1997年のフジロックの大失敗だったのではなかろうか。
その後のイベンターの努力は素晴らしい。世界でもっとも安全なロックフェスを運営しているのは日本のイイベンターの英知と経験則である。
同時にロックフェスを通じて、マナーを身につけた若者も多い。
CDの売り上げが激減し、テレビから音楽番組が姿を消し一見音楽業界が廃れたように見えるが、ライブ会場は賑やかだ。
メディアを通じては味わえない実感がそこにあるからだ。
そうしたビジネスシステムを作り上げたイベンターたちの心意気を知ると同時に、ぜひ、その後のフェス、あるいは音楽ビジネスについても、知りたい。続編を書いてもらいたいものだ。
読んでいると、確実にロック・フェスティバルに行きたくなる。そう言う意味でロック・フェスの入門書としては買いでしょう。
まあ、私のような年寄りは知らないバンド名などの固有名詞が多すぎるのが難点といえば難点。
ネットでキーボードをカタカタとすれば、本書の内容程度のことは知ることができます。
もっと掘り下げていただきたかった。