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議論のルールブック (新潮新書) 新書 – 2007/10/1
- 本の長さ206ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2007/10/1
- ISBN-104106102366
- ISBN-13978-4106102363
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商品の説明
抜粋
インターネットの発達によって、一般の人が意見を表明したり、議論に加わったりする機会が増えました。しかし残念なことに、子供の口げんか並みの低レベルな争いが多いように見受けられます。
書店に行けば、説得力のある話し方とか、うまい文章の書き方というような本がたくさん並んでいます。こうした本はどれも素晴らしい内容ですが、現状を見ると、話の上手下手以前の問題があるように思えます。
議論を上手に進める方法を考える上では、どうしても「うまく話す」能力に注目が集まりがちです。しかし、インターネットの掲示板での誹謗中傷や非難の応酬などを見ていると、足りないのはむしろ「人の話を聞く」能力であるようです。相手の言っていることを理解できないまま、自分が言いたいことだけを言うから、議論が不毛な言い合いになってしまうのです。
本書では、「議論とは人の話を聞くことである」ということを大前提に掲げて、なぜ議論がすれ違ってしまうのかを考えていきたいと思います。議論のすれ違いの背景には、各人が考える「説明」や「正しさ」の概念の食い違いがあります。ある人にとって「きちんとした説明」だと思えることを、別の人は「単なる言いがかり」だと受け取るかもしれないということです。まるで、サッカー選手とラグビー選手が、お互いに自分たちのルールが正しいと主張して対戦しているようなものです。こうなってしまっていては、議論がかみ合うはずもありません。
本書では、議論の基礎となる「ルール」、つまり議論とはどのような考えに基づいて行われるものかという問題について見ていきます。サッカーで言えば「手は使わない」とか「ゴールにボールを入れれば得点になる」といったルールに当たります。ルールを知ったところでサッカーが上手くなるわけではありませんが、ルールを知らずに技術ばかり磨いても、うまく使いこなすことができません。
本書で述べる内容は、議論をうまく進めるための方法ではありません。それは自分で考えるか、あるいは他の本を参考にしてください。ここで述べるのは、議論の「ルール」です。つまり、議論とは何を目的にしたものであり、どういう発言が「良い発言」と呼ばれるのかについてです。もちろん、議論において何が「良い」のかは、最終的には各自の判断に任されることです。本書が、良い議論、実のある議論について考えるきっかけとなれば幸いです。
なお、本文中で挙げた例はすべて架空のもので、実在の人物や団体とは一切関係がなく、特定の人物に対する批判の意図もないということを予めお断りしておきます。
著者について
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2007/10/1)
- 発売日 : 2007/10/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 206ページ
- ISBN-10 : 4106102366
- ISBN-13 : 978-4106102363
- Amazon 売れ筋ランキング: - 205,616位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 436位ビジネス交渉・心理学
- - 505位新潮新書
- - 15,491位語学・辞事典・年鑑 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
国語の時間に学びますが効果を期待できません。
教えてる先生にも理解と実践に問題があることは指摘されてきました。教科書の内容も簡素すぎるのです。
議論に少しでも興味がある学生や社会人はこの本をおすすめします。
実社会・ネット社会の場所を問わず守ったほうがいいであろうことが網羅されてる。
議論で興奮してしまい口喧嘩になって終わってしまうのを防ぐには心構えも重要なのです。
要点を一部取り出すと以下のようになります。すこしでも興味がわいてくだされば
本文は丁寧に説明されてるので何度も読み直してほしいです。
・言葉で伝えるという行いは難しい。主張する人の暗黙の前提をできる限りは相手にも伝えることが大切です。
単語ひとつの微妙な違いで誤解を生んでしまうこともある。
人それぞれの癖もあるので言葉通りの意味に受け取る単純な構造ではない。
・質問・主張の中身を理解しましょう。印象で受け止め解釈するのを防ぐ。
中身より言葉の表現や話し方に気を取られてしまい、中身を考えるよりは印象だけで
理解していないか検討すること。
・感情論=間違った意見ではないことに注意。主張の中身と主張の話し方を混ぜない。
例えば感情的に話しているから中身も感情的とは限りません。
冷静に話している場合でも中身は感情的な事柄であるかもしれない。
感情的な言葉を用いないと伝えづらいこともあります。
感情論だといわれてへこんだり、思考を止めてはいけない。
ひとつひとつに分けて考えてつながりを読むことも大事です。
デカルトのいう要素に分解してからまとめ上げていく方法に通じる。
この本に書かれていることは常識だろうと判断される方もおられるでしょうが
一部でも実行するのは難しいことだと思うのです。(言論の世界を見てください)。
要点を覚えて実践するにも感情のゆがみ・認知のバイアスも影響して知らず知らずに
この本で指摘された良くない議論になってしまう。
このルールで議論をしていると発言しても他人にはどうでもいいルールであることもあります。
そんな細かいルールいちいち守っていたら自由に発言なんかできないよと指摘されることもあるでしょう。
議論のルールを守ってくれそうな人同士の場所で用いるか、自分なりにルールを取り出して
適用させていくのが現実的だと思いました。
著者の議論に対する姿勢には賛成する点が多いです。
ルールの一部でも広がればむやみやたらにしゃべりちらし、ストレス発散で終わってしまう口論や
詭弁やレトリックを禁止ではなく多用するのを防いで多少は良質な議論になるかもしれません。
ネットの議論は,些細なことがきっかけとなって,非難の応酬と誹謗中傷のるつぼと化すことがあります。いわゆる電子掲示板の炎上です。そのため,議論の場であるはずの掲示板が「議論禁止」になってしまうとか,「閉鎖」に追い込まれることも稀ではありません。
本書は,ネットにおける典型的な64の問題事例について,何が問題なのか,問題を未然に防ぐためには,どのような「議論のルール」が必要かを検討するものであり,ネット上の議論に関するわが国で最初の「ケース研究」です。しかも,本書は,ネットの炎上を防止するための約60にのぼる貴重な「議論のルール」を形成しており,今後の発展が期待できる優れた作品となっています。
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しかし,本書には,以下に述べる2つの欠点があり,改善が望まれます。
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第1は,『議論のルールブック』というタイトルは,誤解を招く恐れがあり,『ネット上の議論のケースブック』程度に抑えるのが賢明です。なぜなら,「ルールブック」というのは,野球の「ルールブック」( 日本野球規則委員会『公認野球規則』ベースボール・マガジン社(2010) )にせよ,サッカーのルールブックにせよ,(1)ルールが,条文の形で明らかになっており,しかも,(2)ルール違反の場合に,その行為に対する制裁(行為が無効となるのか,行為者が退場になるのか(サッカーの場合には,イエローカードかレッドカードかの区別も規定されている))が明確になっていることが必要不可欠だからです。
確かに,本書は,ネット上の問題となる典型的な64の事例を分析し,それぞれの事例に対応する約60のルールを示しているのですが,(1)それらのルールが一覧として整理されておらず,(2)ルール違反の場合の制裁も明らかにされていません。したがって,本書を『ルールブック』というのであれば,現状では,『未完成のルールブック』といわざるをえません。
この問題の解決方法としては,すでに,『議論のルール』を明確な形で提案している 福澤一吉『議論のルール』NHKブックス(2010)205-209頁 を参考にして,早急に改訂を行い,(1)約60のルールを一覧としてまとめ,かつ,(2)それぞれのルール違反がレッドカードに該当するのか,イエローカードに該当するのか,それとも,単に主張が無効となるだけなのかを明らかにすべきでしょう。
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第2に,「議論の破壊者」(11頁以下)として「ソフィスト」が挙げられていますが,「ソフィスト」に関しては,もともとは,「智者」または「知恵を教えてくれる人」を意味しており,自他共に認める最初のソフィストであるプロタゴラスは, プラトン『プロタゴラス』 においても人格円満で尊敬に値する人物とされていました。本書のように「ソフィストたちは,多くの人に嫌われました」(60頁)というのは,最初のソフィストであるプロタゴラス,ソフィストとして著名なゴルギアス,および,その弟子のイソクラテス( プラトン『パイドロス』145−146頁 では,ソクラテスが,イソクラテスを賞賛しています),アルキダマス等の代表的なソフィストには当てはまりません。
哲学者の敵としてソフィストを貶めたのは,ソフィストのライバルであったプラトンですが,ソフィストの実態は単なる「詭弁家」でも,「二流の哲学者」でもなく,エリートを目指すギリシャ市民の子弟に,授業料を取って,弁論の技術を中心とした一般教育を行った職業的教師であったことが,研究者の努力によって明らかにされています。
ソフィストに関する本格的な研究は,わが国では,古典的名著とされる 田中美知太郎『ソフィスト』講談社学術文庫(1976) ,とその後の研究成果を踏まえた最新の研究書である 納富信留『ソフィストとは誰か?』人文書院(2006) の2冊だけですので,是非,この2つの本を読んで,「冷笑主義」の枠からソフィストを解放していただきたいと思います。
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このような欠点があるにもかかわらず,本書は,「議論のルール」に関して,推薦に値する優れた本です。
その理由は,インターネットが普及する現代において,誰もが経験することになる掲示板やブログでの議論において,必然的に生じる典型的な問題事例について,鋭い人間観察と伝統的な哲学を駆使しながら,トラブルの未然防止となる約60のルールを創設している点にあります。
インターネットの議論について,問題事例の分析を通じて「議論のルールブック」を完成させることができるのは,現在のところ,著者をおいて他にいないと思われるのであり,上記の欠点を考慮して,近い将来に,著者による改訂版が出されることを期待したいと思います。
議論(とくにネット上の、文字で交わされる議論)をするための前提条件として合意してあったほうがよいことについて、例をあげながら語っていく。
わりと広い範囲で、メタ議論としてあちこちで行き当たるトピックをかなり網羅してあって読んでいて「あー、あるある、そういう話」と何度も思えて楽しい。
著者の考え方は、理工系の人にはとくに馴染みの深いものなのではないだろうか。
そういう考えに馴染みのない人にこそ相互理解の助けになるように読んでもらいたいように思うが、馴染みのない人はそもそもこういう本を手に取らないだろうなと思うと、少し悩ましいところだ。
議論を進めていく上で、その目的に応じて意見を述べるほうはどのような点を注意するのか、進行役はどう進めればいいのかなど。
そういった、議論を進めていく上でのルールを期待していました。
残念ながら、そういった議論の方法が書かれているのではなく、「炎上」を誘発するような書き込みに対しての対処方法が述べられています。(本の紹介にあるとおりです)
このような意味では、良書であるといえるのですが、僕の期待していたものではなかったので、星3つです。
また、本書の中で「xxを受け入れない人は、議論に参加してはいけません」をいう意味の記述がいくつか見られました。
確かに、基本的な事を理解していないような人は、議論に参加すべきではないと思いますが、「いけません」と切り捨てるのではなく、もう少し、踏み込んで書いてほしかった。
他の箇所が良かっただけに残念です。